2016年10月12日

デッドプール (Deadpool)

監督 ティム・ミラー 主演 ライアン・レイノルズ
2016年 アメリカ映画 108分 アクション 採点★★★★

朝起きたら何かしらのスーパーパワーが目覚めてたとして、だからといって「ヨーシ!今日からヒーローになるぞぅ!」となるとは到底思えない私。パワーの種類にもよりますけど、それが単に硬くなるだけとかだったら、そもそもの使い道すら思いつきませんし。で、玄関先に車椅子のハゲがやって来て、「さぁ!今日から一緒に悪と戦いましょう!」なんて言われても、「なんで?」としか。やっぱり、ヒーローになる人ってのは、パワーの有無に関係なく特別な人なんでしょうねぇ。

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【ストーリー】
小悪党を懲らしめ日銭を稼いでいた元傭兵のウェイドは、娼婦のヴァネッサと出会い恋に落ちる。束の間の幸せな日々を送るも、末期癌を患い余命僅かと宣告されてしまう。そんな彼のもとに現れた謎の男の紹介で、怪しげな治療を行う施設へとやって来たウェイドだったが、そこはエイジャックという男が主導し、人工的にミュータントの力を目覚めさせ、戦闘マシンを作り上げる実験場だった。結果、病気は完治し不死の肉体をも手に入れた彼であったが、その代償として全身が醜くただれた姿となってしまう。その姿のせいで恋人にも会えなくなってしまったウェイドは、マスクを被ったデッドプールとなり、復讐と元の姿に戻るためエイジャックを追うが…。

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本作が長編デビューとなるティム・ミラーによる、異色マーベルヒーローのデッドプールを主人公に据えたアクション・コメディ。映画製作における真のヒーロー(自称)である脚本を手掛けたのは、『ゾンビランド』のレット・リース&ポール・ワーニック。“アベンジャーズ”シリーズと同じマーベルでも、こっちは20世紀フォックスがガッツリと権利を握ってる“X-MEN”シリーズと世界観を共有している一本。とは言いつつも、同じくライアン・レイノルズがウェイドを演じた『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』とはまた微妙に設定が異なる、若干ややこしい一本でも。
オープニングクレジットからエンドクレジットの最後の瞬間まで、徹頭徹尾、遊び心がふんだんに盛り込まれていた、もうただただ楽しかった本作。マーベルネタをはじめとした映画ネタや楽屋落ちネタが多く披露されてるが、それらが単なる悪ふざけや内輪ウケに終わらず、しっかりとデッドプールのキャラクター性や世界観を作り上げていたのも立派。原作同様、物語と観客の間の第四の壁を破壊しまくってるが、そこにも映画ならではの破壊の仕方や(最後の『フェリスはある朝突然に』ネタに悶絶!)、物語を巧みに進行させる工夫、キャラクターの破天荒さを際立たせる効果などがきちんと織り込まれているのも見事。
また、昨今のアメコミ映画が陥りやすい画と物語の情報過多や、一作目にありがちな設定説明に終始しまどろっかしい展開に陥ることを避け、コンパクトにまとめられた物語を100分台という手頃なランニングタイムと予算で収めた構成力も好印象。下手にほっこりとさせないってのも嬉しかったですし。締めのワム!も含め。
そして何よりも、これまで興行収入を望むうえでスタジオ側が弊害と考えてきたR指定であっても、作品さえ面白ければオープニングで1億ドルを突破することも可能ということを立証してみせたってのは、今後の娯楽作品の映像表現の幅を広げる可能性を含んでいるって意味でも、非常に素晴らしいことだなぁと。

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喋ってないと死んじゃうのか?」ってほどの減らず口が、ある意味特殊能力の一つでもあるデッドプールことウェイド・ウィルソンに扮したのは、『デンジャラス・ラン』『ブレイド3』のライアン・レイノルズ。なんか、ライアン・ゴズリングとクリス・エヴァンスの間を行ったり来たりしている印象もある彼ですけど、今回は思いっきりかつてのエヴァンス寄りの軽薄軽妙キャラを好演。なんだかんだとアメコミキャラに扮することが多い一方で、ハマリ役には恵まれなかっただけに、製作も兼ねる気合の入れようで挑んだ本作で見事にハマったのは嬉しい限りなんじゃないでしょうかねぇ。例の緑のヤツに対する憂さを、しっかりと劇中で晴らしておりましたし。
その他、どことなく若い頃のアシュレイ・ジャッドを思い起こさせる、『SPY/スパイ』のモリーナ・バッカリンや、『トランスポーター イグニション』のエド・スクライン、『ロック・オブ・エイジズ』のT・J・ミラーに、格闘家としての見せ場をしっかりと作り上げてた『ワイルド・スピード EURO MISSION』のジーナ・カラーノ、そしてもちろんもれなく付いてくるスタン・リーといった、バラエティ豊かなキャスティングも魅力。
そしてなんと言っても、ネガでソニックでウォーヘッドなティーンエイジャーという、名前まんまのキャラクターで魅了してくれたブリアナ・ヒルデブランドの存在感が忘れ難し。と言うか、ただただ連呼したくなる“ネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッド”のネームパワーたるや。今度ネコに名前を付ける機会があったら、“ネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッド”と付けようかな。で、ちゃんと「ネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッド!」て呼ぼうかな。取り合えず、ネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッドを“ね”で辞書登録しておこっと。

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ネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッド!

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2016年09月29日

処刑教室 (Class of 1984)

監督 マーク・L・レスター 主演 ペリー・キング
1982年 カナダ映画 98分 サスペンス 採点★★★

“校内暴力”やら“腐ったミカン”なる言葉が定着した頃、私の地元の中学校も相当荒れてたようでしたねぇ。如何せん中学から地元を離れた学校に通っていたので、たまに会う地元の同級生から聞いた話でしかなかったんですけど、先生を取り囲んで暴力をふるったり、授業中にバットを振り回しアレコレ破壊したりしてると、驚かされる話を聞かされたもので。私が通ってた学校は、入学前の説明会の段階で「言って分からないなら手が出ますよ♪」と断言してた所でしたし、実際手に負えない生徒は先生が取り囲み、棒持って暴れてたのも先生でしたし。地元の知人の話を聞いてると、「悪いことしてるのに、なんで罰せられないんだろー?」と素直に疑問に思ったもので。

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【ストーリー】
校内暴力が荒れ狂うリンカーン高校にやって来た新任の音楽教師ノリスは、赴任初日からステッグマン率いる不良グループと対立する。ステッグマンの売った麻薬が原因で生徒の一人が死んだことを機に、ノリスは彼らの犯罪の証拠を掴もうと躍起になるが、ステッグマンらの行動はエスカレートしていく。やがて、彼らの標的はノリスの身重の妻に向けられ…。

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『フライトナイト』のトム・ホランドによる原案を、『コマンドー』のマーク・L・レスターが彼と共に脚本を手掛け映像化した、何気に近未来を舞台にするバイオレンス・サスペンス・アクション。“アメリカの高校”のイメージの一つを、私の脳裏にしっかりと刻み込んだカナダ映画
加減なき暴力に晒され追い詰められたインテリが最後に大爆発を起こす、所謂『わらの犬』タイプの本作。ただ、そこにメッセージなり教訓なりを込めて観客に考えさせるってのよりも、クライマックスの爆発にカタルシスを味わったり、「怖いわねぇ」と思わせたりするだけに留めている、さすが大雑把映画王マーク・L・レスターってのを堪能できる一本。工作室や授業用ガレージを利用したアクションの数々に、台所におけるライバック、ホームセンターにおけるマッコールみたいに、“学校内じゃ無敵!”な感じのユニークさも見どころ。不良グループの腕を切り落としたり、丸焦げにしたりとサービスショットが多めなのも素敵。

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展開が大味なのは否めないんですけど、未成年ゆえに対抗策に困る大人とそれを利用する若者、ステッグマンの複雑な精神構造とそれを生み出している家庭環境、レイプ中のステッグマンのアホ面、スッキリはさせないエンディングなど、本作を独特なものに仕上げる要素の数々が何気に効果を上げていた本作。その結果、初めて鑑賞してから何十年も経っているのに、不良グループがアンドロイド教師と死闘を繰り広げるビックリ続編『クラス・オブ・1999』と共に頭の中に残り続けるトラウマ的一本に。
“真面目な教師”っての一目見て伝わってくるペリー・キングを筆頭に、その顔立ちから当時“スクリーン”なんかで一種のアイドル的な人気を博すが、その後役者としては鳴かず飛ばずで一線を退くも、現在はTV作品を中心に手掛ける名監督として活躍するステッグマン役のティモシー・ヴァン・パタンや、本作で再び注目を浴びた“疲れ果てた大人”を演じさせたら右に出る者はいないロディ・マクドウォール、ポッチャリないじめられっ子を可愛らしく演じていた『さまよう魂たち』のマイケル・J・フォックスといった顔触れと、アリス・クーパーによるテーマ曲も非常に印象的な一本で。
あ、余談なんですけど、TSUTAYAのレンタルDVDのバーコード上時間表記が“72分”となってますが、本編はしっかり98分ありますのでご安心を。TSUTAYAさん、間違ってますよ

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何があっても学校には毎日行く

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2016年09月08日

転職した

なんか数年前にも似たようなこと書いた気がしますが、タイトルまんま転職いたしました。
で、今月から新しい会社で働いてるんですけど、外資のせいかあれやこれや驚きの連続。もうすっかり『インターンシップ』のヴィンス・ヴォーンの心境でございます。
なもんで、慣れるなり落ち着くまでは以下の影響がサブタレに起きるかと。

@レビューがメモ書き程度
Aお茶濁しの記事ばかりに
Bさっぱり更新しない

Bは避けたいんで、@Aばっかのサブタレになると思いますが、「今までもそんなもんだろ!」とか思いつつお付き合い頂けたらと。今のところ土日が休みなんで子供らに邪魔されレビューが書けない日々が続いてますが、いずれ平日休みの日が来ると思うので、そん時にでもレビューも書くなり、メモ書きレビューをもうちと書き足すとかしようかなと。
あ、メモ書きレビューで思い出したんですけど、先日『イット・フォローズ』とやらを鑑賞。女子の清廉性とかリア充に対する非モテの僻みみたいなスラッシャー映画の基本を巧みにアレンジした、「あぁ、ジョン・カーペンターの『ハロウィン』が好きなのねぇ」った感じの一本で。素人臭いシンセサントラがやたらグイグイと前に出てくる感じとかも。★3つ!

最後に、お店で見かけて思わず衝動買いしちゃったものの、服装規定の緩い会社とはいえコレを着て出勤しようかどうか絶賛躊躇中のTシャツ写真をペタリとして、じゃーねー!

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2016年08月30日

アイビー・レバン/フー・キャン・ユー・トラスト (Ivy Levan / Who Can You Trust)

先日鑑賞した『SPY/スパイ』のオープニング曲をペタリと。
パロディも本気でやればカッコ良くなる典型例みたいな曲ですよねぇ。正直なところ、サム・スミスのアレなんかよりも断然こっちの方が好きですねぇ。

【Spy | "Who Can You Trust” Ivy Levan Music Video [HD] | 20th Century FOX 】


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タグ:音楽
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2016年08月29日

SPY/スパイ (Spy)

監督 ポール・フェイグ 主演 メリッサ・マッカーシー
2015年 アメリカ映画 119分 コメディ 採点★★★★

巷での評判がすこぶる良いので大きな声では言えませんけど、一連のダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンドをさっぱり楽しめなかった私。良く出来たスパイアクションのはずなのに、観る度に別のスパイ映画を欲してきてしまうんですよねぇ。記憶の中に眠る、かつての楽しかったスパイ映画を。案外そういう人も少なくないのか、本家ボンドが気合を入れた作品を作り出した恩恵なのか、最近楽しいスパイ映画ってのが増えてきて嬉しい限りではありますけど。

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【ストーリー】
CIAの凄腕スパイであるファインを、息の合ったコンビネーションで遠く離れたオフィスからサポートする内勤の分析官スーザン。しかし、小型核爆弾の行方を追ってる最中、ファインはその行方を知る女性レイナに射殺されてしまう。レイナが他のエージェントの素性も知り尽くしていることからスパイを送れないCIAは、本人の希望もあり素性の割れてないスーザンを送り込む。なんとかレイナに近づこうとするスパイ初心者のスーザンだが…。

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おデブな内勤分析官がスパイとなって小型核爆弾の行方を追う様を描いたアクション・コメディ。リメイク版の『ゴーストバスターズ』が控えている、“フリークス学園”組のポール・フェイグが製作・監督・脚本を。
もう最初に言っちゃうけど、なんでこんなに面白いのが未公開なんだい?本国では今一番ノってるメリッサ・マッカーシーの日本での知名度に不安があるとしても、脇を固めているのがジェイソン・ステイサムにジュード・ロウといったメジャー級だし、本国のみならずアジア諸国でもスマッシュヒットを記録してるのに、日本では未公開。公開時期の2015年5月の状況を見てみても、決して洋画が大豊作とはいい難い状況なのにだ。なんだい?日本人はそんなに笑っちゃいけないのかい?
そんな愚痴から始めたくなるほど楽しめた本作。オープニング曲を含めベタベタのスパイ映画を再現しているが決して悪ふざけで済ませず、筋の通ったちゃんとしたスパイ映画としての土台が作り上げられており、その上でいちいち面白い笑いがふんだんに放り込まれている、アクション・コメディのお手本のような一本。しかも不慣れなスパイ業にドタバタする様を描くだけではなく、自分に自信が持てないため表舞台に立とうとしなかった女性が勇気を奮って一歩踏み出す様や、それを支える友情、男根主義的社会や性差別、容姿による差別に対し笑いと度胸を武器に立ち向かう様など、テーマも浮つかずにどっしりと芯を通しているのも立派。それもお高くとまらず、ちゃんと下品に
ちょっと大袈裟かもしれないんですけど、アメリカ産バディアクション映画に対する愛たっぷりに描き出したイギリス映画『ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!』に対する、アメリカからの返答なんじゃないのかと思えてくるほど楽しめた一本で。

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主人公のスーザンに扮したのは、クリステン・ウィグと共にコメディ界の中心に立ってる印象のある『ヴィンセントが教えてくれたこと』のメリッサ・マッカーシー。まだ追い掛けきれていないので(『タミー/Tammy』が観てぇのにDVDすら出てないし)本来の芸風は把握していないんですけど、その特徴的過ぎる体型を武器にした笑いにばかり目が行きがちだが、状況や扮装によってコロコロと変わるキャラを巧みに乗りこなす器用さに驚かされたりも。
一方、暴れん坊スパイに扮したのは『ワイルド・スピード SKY MISSION』のジェイソン・ステイサム。アクション俳優のイメージが強いせいか、なにやら彼のコメディ演技に驚いた人が多かったそうなんですけど、基本的にはいつものジェイソン・ステイサム。いつものジェイソン・ステイサムを面白くなる状況下に置いてるだけと言うか、『ミーン・マシーン』や『アドレナリン』を例に出すまでもなく、ジェイソン・ステイサムはいつも面白いんですよ。
また、従来型ハンサムスパイを喜々として演じていた『グランド・ブダペスト・ホテル』のジュード・ロウや、悪女感よりもガリガリで老け込んでる方が抜きん出ちゃってた『インターンシップ』のローズ・バーンも好演。
その他、メリッサ・マッカーシーとの凸凹コンビネーションがハマってたミランダ・ハート、女性版J・K・シモンズみたいな役柄がホントに似合う『Re:LIFE〜リライフ〜』のアリソン・ジャネイ、ジェシカ・チャフィンなどメリッサ・マッカーシーとの共演が多い顔触れや、恥ずかしながらその存在を初めて知ったんですけど、まるでジョン・バリーが作曲したかのようなアイビー・レバンによるテーマ曲も非常に印象的だった一本で。

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スパイにだけは見えないって点では合格

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2016年08月25日

沈黙の帝王 (The Perfect Weapon)

監督 ティトゥス・パール 主演 ジョニー・メスナー
2016年 アメリカ/スウェーデン映画 88分 アクション 採点★★

セガールって、映画の中では絶対神みたいなもんなんで、まぁず死なないですよねぇ。無敵。でも、そんなセガールも『エグゼクティブ・デシジョン』と『マチェーテ』では死んでるんですよねぇ。ただまぁ、『エグゼクティブ・デシジョン』では飛行機の尾翼にしがみついて何食わぬ顔で帰還していた可能性も否定できませんし、『マチェーテ』でもしっかりと生命活動の停止を確認していないので、後日鬼の形相で仕返し行脚に出向いている可能性も否定できず。なんかもう、セガール怖い

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【ストーリー】
セガールによってすべてが管理されるセガール全体主義国家となったアメリカでは、国家の敵となるものは全て工作員によって殺される運命にあった。そんな中、優秀な工作員であったコンドルは消されていた感情と記憶をひょんなことから取り戻し、死んだと思っていた元恋人のニーナと共にセガールに立ち向かうのだが…。

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スウェーデンの若手監督の作品に、セガールが「オレがちょいと一噛みしてやるよー」と製作総指揮を名乗り出て、箔付けだけのゲスト出演なのに最終的に乗っ取っちゃった感じのSFアクション。『ティアーズ・オブ・ザ・サン』の“なんちゃってヴィゴ・モーテンセン”が辛うじて記憶にあるジョニー・メスナーを主演に、『キンダガートン・コップ』のリチャード・タイソン、『コマンドー』のヴァーノン・ウェルズらが共演。
掻い摘めば、『リベリオン』からガン=カタを抜いてセガールを足した感じの本作。すべてが監視される管理社会の頂点に君臨しているのがセガールだってのは、ビッグブラザーが管理している社会なんかよりも遥かに怖い。鬼の包丁片手に直々に粛清しに来ちゃいそうですし。関西弁で喋りながら
まぁ、そんな雰囲気こそ悪くはないんですけど、映画としてはお粗末の極み。監視社会として描かれてるのは序盤のみで、著名人が顔を晒して反政府活動してたり、国家に追われる主人公が普通に家に帰ってたりと、設定がさっぱり機能していない描写の連続。また、物語上重要な“何故”や“どのように”がきれいに抜け落ちてるので、不可解・不用意・矛盾のオンパレード。アクション自体にもこれといった見どころもない、やりたいことは分かるが全然やれてない残念な一本で。

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そんな残念な一本ではあるんですけど、今回のセガールは凄い
沈黙のSHINGEKI/進撃』の時と同様ゲスト扱いなので出番は少ないんですけど、若い全裸の娘を傍らにはべらかし、その娘の尻を満面の笑みで見つめ、モシャモシャとした日本語を喋り、東洋医学のうん蓄も披露する“セガール・ワールド”全開。しかも、アクションシーンとなれば主人公をコテンパンにしてしまう絶対神っぷりも健在。ってか、悪の親玉の圧勝って斬新。
もちろんセガールが圧勝したままセガールの笑みで終わっちゃうと流石にアレなので、一応負けてみたりするセガール。ネタバレにはなっちゃいますけど、死んでみたりもするお茶目なセガール。でも、そこは流石セガール。死ぬけど死んでない。何を書いてるのかサッパリでしょうけど、文字通りの展開。普通の映画なら反則になる手を堂々と使っちゃう、まさにセガールが神として君臨する世界。主人公ですら刃向かえず。
可能な限り楽が出来、若い娘の裸を拝め、一番強いのは自分というセガールが求めるセガール映画の完成形を垣間見た気もした本作。映画としてはアレですし、映画人としてのセガールもアレなんですが、なんか理想的な老後を過ごしているセガールがちょっと羨ましかったので★オマケ気味に。

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セガールに勝てるのはセガールのみ

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2016年08月23日

ちょいと一言

私がどっちの方向を向いて、何について言ってるのかは各々の判断と物差しに任せるとして、最近の“坊主憎けりゃ袈裟まで憎い”って風潮は気持ち悪いですよねぇ。言論に息苦しさを作り上げてるのはどっちなんだと。
「素直とおおらかが一番!」と、短気の塊みたいな私が言ってみましたよと。

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2016年08月16日

エンバー 失われた光の物語 (City of Ember)

監督 ギル・キーナン 主演 シアーシャ・ローナン
2008年 アメリカ映画 90分 ファンタジー 採点★★★

シアーシャを見たかっただけですよ

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【ストーリー】
地上での生存が出来なくなった人類は、その存亡をかけ地下都市“エンバー”を建築。時が経ち、耐用年数の200年を超えたエンバーは老朽化し、崩壊寸前となっていた。街がそんな事態に陥っていることを知らない住人たちであったが、一人の少女リーナは謎の箱を自宅で発見。その箱にはエンバーの秘密が書かれており…。

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ジェニー・デュープロによる同名小説を、残念な方の『ポルターガイスト』を撮ったギル・キーナンが映像化した機械仕掛け系ファンタジー。製作にトム・ハンクスの名前も。
レトロ調な死にゆく街並みや機械類、原因は分からないが巨大化した生物と、どことなく毒気の抜けた“Fallout 3”のような雰囲気がなかなかいい感じの本作。限定空間で作り上げられた生活様式など、独特な面白味も。
ただまぁ、面白いのはそのざっくりとした雰囲気のみで、ファンタジーとしてもアドベンチャーとしてもSFとしても非常に中途半端な仕上がりが残念。過去の市長が肝心なことを伝えないまま死んじゃうウッカリをやらかしたのはまぁいいとしても、子供のために脱出を決意しながらも肝心の子供は置き去りという話の雑さがそこかしこに目立つのも気になるところ。敢えて語らないことで想像力を膨らませる狙いがあるんでしょうけど、その話が粗すぎるので想像するよりも前に「ま、いっか」ってなっちゃう感じも。まぁ、サクっと雰囲気だけを楽しむ作品ってところかなぁ。

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ネジの緩み具合が狂気すら漂わせていた『宇宙戦争』のティム・ロビンスや、“食わせ者”って感じがよく出てた『ヴィンセントが教えてくれたこと』のビル・マーレイ、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』のトビー・ジョーンズに、マーティン・ランドーといった作品のスケールが小さい割に顔触れだけは豪勢だった本作。
でもやっぱり見どころは、『ロスト・リバー』『天使の処刑人 バイオレット&デイジー』のシアーシャ・ローナン。シアーシャだけが見たかったわけですし。で、今回のシアーシャ。もともと永遠の思春期みたいな彼女なので、若さゆえの天真爛漫さと成長による周囲や大人に対する不信が良い具合に混ざった、いつもの危うさ全開。抜群に似合う赤いケープ姿やお楽しみの囁き声も堪能できたので、“シアーシャだらけの90分”を楽しむって意味では満足できた一本で。

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“生物が巨大化”じゃなく“人間が縮小”の方が面白かったかも

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2016年08月10日

2016年上半期 ベスト&ワースト

変なタイミングでの上半期ランキングですが、ちょっと別なことに夢中になると途端に疎かになるサブタレらしくていいかなと。製作年度による括りなんかじゃなく、今年私が初めて観た作品からの選別なので微妙に古い作品も混ざってますけど、まぁいつものことなんでご愛敬ってことで。また、今この瞬間に思いついた順位なんで、月間ランキングの順位がさっぱり反映されてないってのもご愛敬で。
それでは、意識の半分がオリンピック中継鑑賞に割かれている状態でランキングを作りましょうかねぇ。

ベスト
@シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
A裏切りのサーカス
Bキャプテン・フィリップス
Cマーシュランド
DMUD マッド
Eリンカーン弁護士
Fピエロがお前を嘲笑う
Gパラドクス
Hカンフー・ジャングル
Iブリッジ・オブ・スパイ
J死の恋人ニーナ

アベンジャーズよりもアベンジャーズらしい@がまず印象に残った上半期。笑いも含め非常に高い娯楽性を保ちながら、目的は同じでもアプローチが違う正義論など重めのテーマを描き切った手腕が見事。今現在のところのマーベル作品最高峰なのかと。Aのジワジワと深いところに迫っていく面白味とドキドキ感は、映画的というより読書的な面白さ。キャストの存在感、物語の面白味、演出が合致しただけではなく、きちんと同性愛的な香りをスパイスで漂わせて個性も持たせたのも流石だなぁと。Bはポール・グリーングラスらしい社会性と娯楽性の高さ、Cの骨太さも忘れ難し。DEはもうマシュー・マコノヒー。マコノヒー!FGは奇抜なアイディアをしっかりと映像で見せ切った手腕に。Hの深いカンフー愛に感動する一方で、消え去りつつある香港映画に愁いを。Iは今となっては記憶もおぼろげなんですけど、スピルバーグの職人芸は楽しめたなぁと。次点のJは、監督本人がこんな場末のレビューを読んでくれたって驚きから。

ワースト
@ムカデ人間3
ASEXテープ
Bポルターガイスト
Cカリフォルニア・ダウン
Dゾンビーバー
Eファンキーランド
Fグッドナイト・マミー
Gスター・ウォーズ/フォースの覚醒
Hクリード チャンプを継ぐ男

ワーストに関しては手短に。
トム・シックスは結局面白半分なだけで何にもわかってない人間だってのが露呈した@、このキャストとスタッフでここまで笑えない作品なった事故みたいなA、作った意味もこういう風に仕上げた意図もわからないBがダントツ。大味にも程があるC、悪ふざけの域を出なかったD、笑えるコメディを作るセンスにも笑えないコメディを作るセンスにも欠けてたE、ただただ嫌いだったFがそれに続く感じ。GとHは最近のリブート流行にも言えるんですが、過去の遺産に乗っかって、あざといサービス精神だけで出来てるような感じが好きになれず。

ざっくりとこんな感じのランキング。2016年もとっくに後半戦。アメコミ映画と怪獣が2016年を席巻しそうな勢いではありますけど、「とは言ってもこの作品が忘れ難いんだよなぁ」って良作に出会えればいいなぁと。

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2016年08月08日

ザ・ガンマン (The Gunman)

監督 ピエール・モレル 主演 ショーン・ペン
2015年 アメリカ/スペイン/イギリス/フランス映画 115分 アクション 採点★★★

リーアム・ニーソンやデンゼル・ワシントンみたいに、非アクション系の演技派俳優が50代を迎えて突如アクションに開花するパターンが増えてきましたよねぇ。“強くてカッコいいオレを見ろ!”というかセガール化というか。不惑の40代とは言いますが、私なんかもそうなんですけど迷走に迷走を重ねた40代を通過すると、何か開き直りの境地にでも達するんでしょうかねぇ。てことは、私も50になったら突然限界突破の筋トレとか始めちゃうんでしょうかねぇ。なんか楽しみになってきた、50歳。

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【ストーリー】
コンゴの大臣暗殺の任務を遂行した特殊部隊の傭兵ジムは、最愛の恋人を現地に残したままアフリカの地を去る。8年後、NGOのメンバーとしてアフリカに戻り慈善活動を行っていた彼のもとに、突如謎の襲撃者が現れる。自分を襲った敵の正体を知るべく動き出したジムであったが、その背後には彼自身の過去が大きく関わっていて…。

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過去にアラン・ドロン主演の『最後の標的』としても映画化された、ジャン=パトリック・マンシェットの“眠りなき狙撃者”を『96時間』のピエール・モレルがメガホンを握って再映画化したアクション・サスペンス。主演のショーン・ペンが製作と脚本にも名を連ねている。
「いよいよショーン・ペンが50男アクションに!」と驚かされたが、そこは流石ショーン・ペン。途上国における欧米企業の悪行三昧やら、巨大な社会悪にその歯車であった男が挑むみたいな彼らしいジャーナリズム的な香りも漂う一本に。ざっくりと言えば“セガール版『ナイロビの蜂”的な、見応えある一本に。
しかしながら、その“見応え”はテーマや役者の重厚感に因るものが大きく、アクション・サスペンスとしては中身がメタメタ。“過去の悪行の記録”ってのが事件の発端となっているのだが、その記録が残ってる理由が“病気で物覚えの悪い主人公がたまたま何でもメモする癖があるから”ってな唖然とする代物だし、敵はすぐ探せる割に残した恋人に会うためにトンチンカンな場所で井戸掘ってたり、クライマックスの対決に至ってはたまたま開けたドアから飛び出てきた暴れ牛が解決するという、作品の雰囲気に誤魔化されているが、よくよく考えれば珍妙なシーンの連続。社会問題を提起する主張ばかりが先に立ってしまい、最も肝心な面白い映画作りってのを疎かにしちゃった感じの残念な一本で。

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凄腕だけど忘れっぽい主人公に扮したのが、『カリートの道』のショーン・ペン。狂犬のような顔立ちや若い頃から何気に鍛え込んでいた肉体など、もともとアクション映えする役者ではあるので全くもって違和感なし。ドラマ部分のみならず、身のこなしや銃さばきなどアクション部分でも彼らしいのめり込みっぷりを見せてくれてたのは流石だなぁと。
そんなショーン・ペン以外にも、ヌメっとした憎々しさが相変わらず見事かつ嫌だった『007 スカイフォール』のハビエル・バルデムや、裏社会の熱い男気を飄々と表現していた『X-ミッション』のレイ・ウィンストン、終盤になって突然絡んでくるだけの割に扱いが大きかった『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』のイドリス・エルバ、主人公同様に狙われる立場のはずが「会社に気に入られてるから!」ってだけで主人公を追う立場に居座れてる不思議な悪役に『ブリッジ・オブ・スパイ』のマーク・ライランスが配されるなど、実力派の顔触れがその力量をしっかりと発揮していた本作。そんな役者の存在感が生み出した重厚感に★ひとつオマケしますけど、「なら、もうちょっとちゃんと作ろうや!」って思いも募っちゃう一本で。

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ある意味ショーン・ペン流ナルシス爆発映画でも

↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
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posted by たお at 13:47 | Comment(0) | TrackBack(2) | 前にも観たアレ■か行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする