2015年 アメリカ/日本映画 140分 アクション 採点★★★
どうやってもポール・ウォーカーの死について避けて書くことが出来ないので、冒頭に触れさせてもらおうかと。その死がファンに与えた衝撃や悲しみは未だ記憶に新しく、まずは追悼の意を。でも、「コイツ、また何を言い出してんだ?」と思われるかも知れませんが、ポール・ウォーカーは死んじゃいけなかったんですよね。避けられない不慮の事故や病気なら仕方がないかもしれませんが、スターは最低限製作期間中は生きていてもらわないとダメなんです。完全な形での完成を心待ちにしていたファンを失望させちゃいけないのはもちろんのこと、本来なら心の底から楽しめるはずの作品に死の記憶が刻み込まれ、今後も出るであろう新作を観るたびに「あぁ、ポールがいてくれたら…」とファンを悲しませ続けるのだから。だからこそ、ポール・ウォーカーは死んじゃダメだっただと。
【ストーリー】
オーウェン・ショウ率いる国際犯罪組織を壊滅させたドミニクと仲間たちは、ロサンゼルスに戻り平穏な日々を送っていた。しかし、弟オーウェンの復讐に燃える元特殊部隊の暗殺者デッカードが、手始めに東京にいたハンを殺害してドミニクらに宣戦布告。神出鬼没のデッカードによる容赦ない攻撃に窮地に陥ったドミニクらだったが…。
欠かすことの出来ない主演スターの死を乗り越え完成した、“ワイルド・スピード”シリーズ第7弾。シリーズ復活の立役者であるジャスティン・リンに代わってメガホンを握ったのは、『狼の死刑宣告』以来の非ホラー作品となるジェームズ・ワン。劇場公開版よりちょいと長いエクステンデッド版とやらで鑑賞。
前作『ワイルド・スピード EURO MISSION』から連続する物語で描かれる本作。『ワイルド・スピード MEGA MAX』から顕著になった、一歩間違うと笑いになってしまう境界線ギリギリまで、と言うか軽くその線を踏んだやぶれかぶれなやり過ぎアクションが満載。もう車に対する偏愛も、そもそも車である必要すらなくなっているのに、それでいて“ワイルド・スピード”らしさってのが出ている一本。
手を広げ過ぎてまとまり付かなくなってる印象も強いし、せっかく『マッハ!無限大』のトニー・ジャーや『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』のロンダ・ラウジーが出てるのに、変な工夫を凝らされた撮り方や素材の活かせなさが肉体アクションを台無しにしちゃってる感も大きいのだが、これまでの主要キャストが勢ぞろいしてファミリーを前面に押し出してくる、気軽に楽しめる不良映画としてのシリーズの持ち味を殺す所まではいってないのは流石だなと。
なんかもうマンガのような登場の仕方が圧巻だった『ワイルドカード』のジェイソン・ステイサムを筆頭に、生ターミネーターと化してた『ヘラクレス』のドウェイン・ジョンソン、ちょっとご無沙汰な気がする『デス・プルーフ in グラインドハウス』のカート・ラッセルら、ツルんとしてるか車の運転が上手そうか若しくはその両方っていう豪華スターが、各々主演スター時の強さのまんまで登場する、真の対決映画として楽しめる本作。まぁ、大見栄切るシーンがそれぞれにあるおかげでとっ散らかってる印象が強くなってるし、その存在感の故に肝心のヴィン・ディーゼルがミシェル・ロドリゲスとイチャイチャしてばっかりの印象となっちゃってるんですが。
ヴィン・ディーゼル自身も第10弾まで作ることを示唆しているし、現に第8弾の製作準備に入っているってアナウンスも。ジェイソン・ステイサムとドウェイン・ジョンソンの続投が決定し、ブライアンの弟役としてポール・ウォーカーの弟コディ・ウォーカーの出演も噂されてますが、大物ゲストの出演ってのが楽しみの一つとなったこのシリーズだけに、次なる大物は誰になるのか期待が膨らむところで。ツルんとしてるか運転の上手そうな大物スターっていうと、あと誰がいますかねぇ?ニコラス・ケイジ?
案外今のシリーズはこの人ありきなんだろうなぁ
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