2015年11月11日

誘拐の掟 (A Walk Among the Tombstones)

監督 スコット・フランク 主演 リーアム・ニーソン
2014年 アメリカ映画 114分 サスペンス 採点★★★

最近めっきり本を読まなくなってきた私。別に読書欲が無くなったわけでも面倒くさいわけでもないんですが、どうにもこうにも目が疲れてしんどい。っていうか、よく見えない。もともと視力自慢だったんですけど、流石に年齢と共に徐々に衰え始め、最近では子供の集合写真から自分の子を見つけられないほどまで劣化。運動会なんかに行ったら、全然知らん子をカメラで連写してたりしますし。まぁ、字幕が見えなくなったらメガネデビューしようかと。

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【ストーリー】
1999年のニューヨーク。とある事情で警察を辞め、それと同時に禁酒を誓ったしがない私立探偵マット・スカダー。そんな彼のもとに、ドラッグディーラーの男から妻を誘拐し惨殺した犯人の捜索依頼が舞い込む。やがて、警察に助けを求められない麻薬犯罪者の身内を狙い凌辱の果てに惨殺する犯人グループの存在に辿り着くスカダーだったが、そんな中、新たに14歳の少女までもが誘拐されてしまい…。

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『800万の死にざま』でも知られるローレンス・ブロックの“マット・スカダー”シリーズの一遍“獣たちの墓”を、『愛と死の間で』『マイノリティ・リポート』の脚本を手掛けたスコット・フランクが脚色し、自らメガホンも握り映画化したクライム・サスペンス。製作者の中にはダニー・デヴィートの名も。もともとは、ジョー・カーナハンが『NARC ナーク』の次にハリソン・フォード主演で映画化する予定だったとか。
身代金はボーナスのようなもので、あくまで真の目的は非道極まりない凌辱とその後の惨殺にある連続猟奇誘拐殺人犯と、重い過去を背負う元刑事の私立探偵との戦いを描いた本作。ほぼほぼ現代に時代設定を置きながらも、どこか往年のハードボイルド映画を彷彿させる雰囲気も魅力。また、登場人物に多くを語らせない代わりに一つ一つの台詞を大切にし、その言葉と言葉の間に心情や背景を浮かび上がらせる読書感を残した脚本家ならではの丁寧な作りも上手い。妻を殺された怒りや悲しみ、憎しみを表には出さないが内側でたぎらせている夫の様や、婚約者が殺されたっていうのに妙にサバサバしている男の姿など、真人間とはちょっと違う犯罪者たちの描写も悪くない。何が行われているのかが分かると戦慄が走るオープニングや、物語からはちょっとずれるが、サウンドガーデンの“ブラック・ホール・サン”をカヴァーしたエンディング曲も良い仕上がり。

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ただ、丁寧に作り過ぎたせいかメリハリに乏しく、犯人へと繋がる手掛かりの発見やクライマックスに訪れる葛藤、過去との関わり方など肝心なターニングポイントがモヤっとしてしまうのがなんとも惜しい。また、そのメリハリの乏しさがこの作品ならではの個性ってのを生成しきれていない印象も。
まぁ、その印象を強めた一因が『フライト・ゲーム』『96時間/レクイエム』のリーアム・ニーソンにあるのかと。酒びたりの末にやらかしてしまった過去を引きずる主人公役はピッタリだし、むやみやたらと振りかざさない静かな正義感や強さと弱さを兼ね備えてる様もリーアムならでは。ただ、その“リーアムらしさ”ってのが本作を“最近のリーアム映画”ってジャンルに埋もれさせてしまい、マット・スカダー作品ってのを薄めさせちゃったのかなぁと。逆を言えば、リーアム映画を求める分には不満もない作品ってことにもなりますけど。
そんなリーアム・ニーソンと『ラン・オールナイト』でも共演していたボイド・ホルブルックや、『靴職人と魔法のミシン』のダン・スティーヴンス、『イコライザー』のデヴィッド・ハーパー、物語に良い感じの変化と弾みをもたらしていた相方役のアストロなんかも悪くなかった一本で。

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安心感も善し悪しかと

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2015年10月14日

48時間 (48 Hrs.)

監督 ウォルター・ヒル 主演 ニック・ノルティ
1982年 アメリカ映画 96分 アクション 採点★★★★

平日の昼間に映画館へ行くことが多い私。そうすると、劇場内には結構ご年配の方々が多いんですよねぇ。ふと何を観に来てるのか興味がわいて会話に耳を傾けてみると、どうも“今時間から丁度観れる映画”であって別に目的の作品はないご様子。もしかしたらその鑑賞姿勢に腹を立てる映画ファンの方もおられるかも知れませんが、正直私はその気軽さが羨ましく。私自身の時間的・経済的余裕のなさがそうさせてるだけではあるんですけど、バカ高い料金で一本しか観れない現状を踏まえると、やっぱり「ヨシ!これだけは映画館で頑張って観よう!」と決心しないと軽々しく劇場に足を運べませんし。家族総出となると、それこそ大イベントになっちゃいますしねぇ。“気軽さ”がないってのは、娯楽の置かれた状況としては“悪い”と言わざる得ない気も。そんなことが、興味のない作品であっても「同時上映だし」と気軽に観れたその昔、全くノーマークだった『サイコ2』との組合せが当時自分の中で大当たりであった本作を久々に観直してみて、ちょいとばかし頭をよぎりましたよと。

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【ストーリー】
強盗殺人の罪で収監されていたギャンズが共犯者ビリー・ベアの手助けで脱獄し、サンフランシスコへと逃亡する。ギャンズらに同僚を殺された刑事ジャック・ケイツは、ギャンズのかつての仲間で服役中のレジー・ハモンドを48時間限定で仮出所させ、共にギャンズらを追うのだが…。

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刑事と犯罪者のコンビが凶悪犯を追う、『ウォリアーズ』のウォルター・ヒルによるバディ・アクション。脚本にはヒルの他、『刑事ジョー/ママにお手あげ』のロジャー・スポティスウッド、本作以降『ダイ・ハード』などを手掛け大ヒット脚本家へと上り詰めるも、『ハドソン・ホーク』でミソが付いて以降珍作脚本化へとなだれ落ちるスティーヴン・E・デ・スーザらが。また、頭の中で思いだそうとすると『コマンドー』とごっちゃになってしまう音楽を担当したのは、先ごろ惜しくも亡くなってしまったジェームズ・ホーナーが。
タイトルになってる割に時間制限は然程重要でもないし、バラバラだった関係がタイトになる過程も路地裏で殴り合いで済んでしまう、なにかと大雑把な印象が否めない本作。似たような場所をグルグル追い回してるだけの追跡劇も然り。ただ、本作の魅力はそんなところに見出すものではなし。
バディ・アクションの面白さはコンビ感の違いが大きければ大きいほど増すものだが、それが白人と黒人であり、刑事と犯罪者であり、ニック・ノルティとエディ・マーフィである本作は、そういう意味では合格点どころか限りなく満点。動きの遅さを桁外れのパワーでカバーするブルドーザーのようなジャックと、足りないパワーをスピードと口八丁手八丁でカバーするレジー。バディ・アクションを謳いながらもそこを描けてない作品が多いのだが、本作はシッカリと互いの足りない部分を相手がカバーする“コンビの妙”ってのを描いているのが素晴らしい。また、大型の闘犬のようなニック・ノルティと猫系のエディ・マーフィを配することで、そのキャラクターの違いを見た目一発で表現できたってのも大きい。もともとはクリント・イーストウッドとリチャード・プライヤーの組合せを想定して企画されてたそうですが、やはりニック・ノルティとエディ・マーフィだったからこそ生まれた面白さだったのではと。キャスティングありきと言われればそれまでだが、そもそもキャスティングが成功したってこと自体が大変立派なことですし。

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ジャック・ケイツに扮した、『ウォーリアー』のニック・ノルティ。若干だぶついた巨体にサラサラの金髪をなびかせ、常に不機嫌という絵に描いたようなパワータイプのタフガイを演じているのだが、これが全く嫌味にならないってのがニック・ノルティの魅力。仲間とは軽口も叩くけど、恋人相手には言葉が足りなくなって喧嘩ばかり。その一方で、時にはイタズラをするお茶目さを見せたり、なんだかんだと恋人に気を遣ってたりする優しさを見せたりする、もう弟子にしてもらいたいほどの男のお手本を好演。初めて観てから30年以上経ちますが、いまだに“タフガイ”というと真っ先にこのニック・ノルティが浮かんでしまうほどの強烈な印象を。中華街の靄の中からすっと出てくるニック・ノルティのシビレることったら。
一方のレジー・ハモンドに扮したのが、本作が映画デビューとなる『大逆転』のエディ・マーフィ。サタデー・ナイト・ライブでの乱暴なまでの面白さは控えめで、後ろにドッシリ構えるニック・ノルティのサイドキックに徹してる印象がファンとしては若干物足りないが、この微妙なバランス感覚こそが本作の面白さを作り上げてたってことを、エディが前に出た続編『48時間PART2/帰って来たふたり』で気づかされることに。
その他、赤毛で勝気な美女だけでしかないもったいない扱いが残念だった『IT/イット』のアネット・オトゥールや、『ウォリアーズ』と同じ役名のデヴィッド・パトリック・ケリー、ヒル作品常連組であるジェームズ・レマーにソニー・ランダム、『ロックアップ』のフランク・マクレー、あんまりな続編で悪役に豹変していた『シュワルツェネッガー/レッドブル』のブライオン・ジェームズ、『ビバリーヒルズ・コップ』でもエディと共演するジョナサン・バンクスらが共演。また、ビング・クロスビーの孫娘っていうより“新スタートレック”のターシャっての方がピンとくるデニース・クロスビーや、見つけるとちょっとした隠れキャラを見つけたかのように嬉しくなる『ランボー』のクリス・マルケイらの顔も。

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同じ過ちを繰り返さないってのもタホガイのお手本

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2013年01月18日

遊星からの物体X ファーストコンタクト (The Thing)

監督 マシーズ・ヴァン・ヘイニンゲン・Jr 主演 メアリー・エリザベス・ウィンステッド
2011年 アメリカ/カナダ映画 103分 SF 採点★★

まぁ、作品が面白いからこそそう思うんでしょうけど、そこに至るまでに“何があったのか?”そして“その後どうなったのか?”ってのに思いを馳せてしまいますよねぇ。だからこそ続編や前日譚が作り続けられてるんですけど、頭の中であれこれ想像していた以上のものにはそうそう出会えないもので。

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【ストーリー】
1982年。南極大陸の氷層から未知の飛行物体と生命体が発見される。調査の依頼を受けたアメリカ人古生物学者ケイトはノルウェー基地へと向かうが、氷漬けだった生命体が蘇り隊員たちを襲い始める。しかも、その生命体は他の生命体を取り込み擬態する能力を持っており、隊員たちは誰が人間で誰が生命体なのか疑心暗鬼に…。

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ジョン・W・キャンベル・Jrの短編SF“影が行く”を、1982年にジョン・カーペンターが映像化した『遊星からの物体X』の前日譚。長編初となるマシーズ・ヴァン・ヘイニンゲン・Jrがメガホンを握り、主演には『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』のメアリー・エリザベス・ウィンステッドが。
製作されると聞いた時は、ラストシーンが決まってる上に「ノルウェー基地でも似たようなことがあったんだろうなぁ…」と展開まで容易に想像出来るのに「何で作るの?」と疑問に思った本作だが、多少は捻るなり意外な面白さが発見できるかもしれないという淡い期待を持って観賞してみたが、案の定前作をなぞっただけの本作。きっちりなぞってるならまだしも、肝心の“疑心暗鬼”ってスリラー部分を軽く流し、ロブ・ボッティンによる超絶SFXをCGで簡易化したクリーチャーショーになっておしまい。展開も基本的に“物体出現→火炎放射器でボー!”の繰り返し。まぁ、あの現場にアメリカ人がいたってのには驚かされましたけど、劇中言語を英語にする以外の役割はないので驚き損。

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一応“誰が物体?”ってのが展開のカギを握ってはいるのだが、“無機物は複製できないから歯に詰め物の無い奴がたぶん物体”という歯磨きの努力を台無しにする識別方法や、付いてる位置が左右変わっているという、それまで全く触れられていなかったピアスに突然注目するというデタラメっぷりにも辟易。クライマックスも終え「あれ?犬とヘリと二人のノルウェー人は?」と疑問に思っていると、エンドクレジット中にバタバタと辻褄合わせが始まるのだが、知らん内に自殺してる人がいたり、生存者の一人はそれまでの状況を全く知らない人だったりと、結局最後までデタラメ。ただでさえ負け戦濃厚なのに、よくこんな脚本を書けたなぁと脚本家を調べてみたら、リメイク版『エルム街の悪夢』や『ファイナル・デッドブリッジ』などお手本なぞりばっかのエリック・ハイセラーだったので、妙に納得。
まぁ、エンニオ・モリコーネによるカーペンター風味満点のテーマ曲が流れてたんでちょいと嬉しかったですし、もしかしたら本作の影響でカーペンター版を手に取る人が増えるかもしれないって希望もなきにしろあらずなので、★ひとつオマケ気味で。

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服をきちんと脱いでから同化して、そのあとまた着直してるんですかねぇ

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タグ:★★ SF
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2012年11月08日

山猫は眠らない (Sniper)

監督 ルイス・ロッサ 主演 トム・ベレンジャー
1993年 アメリカ/ペルー映画 100分 アクション 採点★★★

サバゲーに興じてる方々にとっては、密林でのゲリラ戦とかとってもワクワクするんでしょうねぇ。私も男子ですし“生涯の一本”が『ランボー』なんで分からない事もないんですけど、如何せん蚊刺過敏症の持ち主。ベトナム戦争映画とかのジャングル物を観ると、そんなロマンを感じるよりも真っ先に「うわぁ、蚊がいっぱいいそう…」ってなるんですよねぇ。『プラトーン』でチャリ坊が顔中蚊に刺されてたシーンなんて、そこらのホラーよりも怖かったですし。

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【ストーリー】
パナマの麻薬王を消し去るために南米のジャングルに送り込まれた海兵隊随一の狙撃手ベケットと、腕は確かだが実戦経験のないミラー。しかし、そんな彼らを追う謎の狙撃手が迫っており…。

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『アナコンダ』などの密林系監督ルイス・ロッサによる、狙撃にとことん特化したアクション。
一本調子の物語に、二次災害しか起こさない若手狙撃手が唐突に壊れる様に盛り上がりを頼る構成など、一般的に考えればアレな部分も目に余る作品ではあるが、「そんな細けぇことはいいから狙撃を見ろ!」って思いだけは充分過ぎるほど伝わる本作。そこ集中。“狙撃手の心得”のイロハのイのチャプター@からみっちりと教え込まれてるかの綿密さは見事。なにせミリタリー関係やサバイバルゲーム関係に疎いもんで、この作品が発している輝きや信号を受信できるアンテナを生憎持ち合わせていないのだが、きっと好きな方々は脳内でとことん膨らませることが出来るだけの魅力を発してる作品なんだろうなぁってのが納得できる一本。
そんな門外漢な私にも分かるように、狙撃手の人となりってのを一挙一動以外に掘り下げてもらいたかった気もするが、シンプルな物語で更に際立つ一撃必殺のストイックさや、思う存分蚊に刺されそうな密林の湿度や美しさを余すことなく映し出したのは見事だなぁと。徹夜明けでハイテンションなゴールディ・ホーンが迫ってくる内容が一瞬頭に浮かんでしまった邦題も、ちょいイカしていて好きな部類。

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主人公のベテラン狙撃手ベケットに扮したのは、『インセプション』『メジャーリーグ』のトム・ベレンジャー。もう単純に彼を観たかっただけなんですが、そんな安易な希望の遥か上を行くカッコ良さに、エリアスよりも断然バーンズ派の私は悶絶。密林も兵士役も似合う彼だけに、寡黙で頼りがいもある一方で近寄りがたい狂気を漂わせるベケット役がドハマリ。シリーズ化されるのも納得。
一方、やることなすこと二次災害にしかならないミラーに扮するのは、『イラク -狼の谷-』『ズーランダー』のビリー・ゼイン。こちらもトム・ベレンジャー同様兵士役が似合う役者だが、どっちかといえば砂漠系かと。射撃の腕は確かだが実戦経験は皆無というある種のシュミレーション世界の住人であり、その経験の無さを口数と雰囲気で乗り切ろうとするある意味こちら側の人間に非常に近い主人公として中心に立てる役柄だけに、もうちょい掘り下げて欲しかった感じも。
その他、80〜90年代で脇を固めさせたらこの人の右に出る者はいなかった『カラー・オブ・ハート』『ザ・クライアント/依頼人』のJ・T・ウォルシュや、『キラー・エリート』のエイデン・ヤングらがキャスティング。

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頭でっかちの若手ほど教育しづらい人種はいない

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2012年07月21日

ヤング≒アダルト (Young Adult)

監督 ジェイソン・ライトマン 主演 シャーリーズ・セロン
2011年 アメリカ映画 94分 ドラマ 採点★★★

「子供のままじゃやってけない」ってのを中学くらいで学び、何をやっても楽しい高校・大学を経て、社会に出た途端に再度壁にぶち当たるってのが人間の成長のパターンなのかと。ぶち当たる壁の高さが徐々に上がってきても、適所適所にあった挫折ポイントを通過してるんで、ある程度の経験値が蓄積されてる状態で立ち向かえる。ただまぁ、学生時代をあんまりにも恵まれた状況に居ちゃうと、レベル1のままラスボスに立ち向かわなければならない状況に陥っちゃったりするんですかねぇ。

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【ストーリー】
高校時代の恋人バディから赤ちゃん誕生パーティの招待を受けた37歳のメイビス。高校時代の栄光を引きずったまま中年となってしまった彼女は、バディこそ運命の相手であると確信。彼を再び自分のものにすべく、久しぶりの帰郷を果たすのだが…。

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『JUNO/ジュノ』のジェイソン・ライトマン&ディアブロ・コディ組による、コメディの構造をしながらも全く笑わせようとしないコメディドラマ。
所謂プロムクイーンタイプの主人公。文字通り女王の如く学園の頂点に立ち、下々の者たちには目もくれず学園生活を謳歌。「将来はどうせロクな者にならないさ」と極一部のヒネクレ者は陰口を叩くが、大多数は彼女の前に明るい未来以外は開けてないと信じている。本人も無論そのつもりで、栄光と勢いのまま都会に出るが、そんな片田舎のプロムクイーンを相手にするほど大都会は暇じゃない。
物語の序盤から主人公はイタイ女である。でも彼女は、20年近くを過去にすがったまま生きてきたのではないのであろう。輝かしい表舞台には立てないゴーストライターとしてのそこそこの成功、破綻した結婚生活、犬では埋められない孤独感に自尊心と虚栄心が邪魔して吐露出来ない本音。一般人なら何とか乗り越えるか諦めてきた障害にぶち当たる度に少しずつ過去にすがり、それらが積み重なり続けた結果の今。それが過去の栄光の象徴でもあった元カレの再登場により、ダムの決壊の如く人格が一気に壊れていく。
そんな一人の女性の姿を、性格や過去まで透かし見えるような詳細かつ繊細な描写で描き出した脚本が見事。8時の待ち合わせを望む主人公に対し宵の口にも入らない6時を望む元カレのように、些細な会話のやり取りからそれぞれの思いが見える。成長物語のように見えて、結局振り出しに戻るだけの物語構成も面白い。笑えるものではないが、「こういう人は、まぁこんなもんだよなぁ」って感じで。ただまぁ、全てを見下す主人公以上に、作り手が更に見下し突き放してるって感じが若干好みから外れちゃってはいるんですが。

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元カレが作ってくれたテープに入ってる曲は“自分の為だけの曲”と思い込んでるが、別に彼氏が好きな曲を入れてるだけなんで、そのコレクションがそのまんま今嫁に渡ってしまっている至極当たり前のことではあるが大きなショックを受けてしまう、そんな気持ちも分からなくはない主人公のメイビスに扮したのは、『ザ・ロード』『イーオン・フラックス』のシャーリーズ・セロン。可愛い女性から王道美女、腹にどす黒いものを抱えた悪女まで何でもございな彼女だけに、その豊かな表現力で全てにおいて痛々しいが絵空事ではない女性像を好演。“昔美人のなれの果て”ならマリア・ベロもお手の物だが、内面までここまで見事に表現できたのは彼女だからこそではと。ちょいと話は逸れますが、ヌーブラ姿ってのはシャーリーズ・セロンであっても全くそそられないんだなぁと驚かされたもので。
一方、事情を加味しても元カノに赤ちゃん誕生祝いの招待を送るのは迂闊以外のなんでもない元カレに扮したのは、『インシディアス』『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』のパトリック・ウィルソン。男前ながらも人間的温かみが感じられないだけに、闇を秘めた役柄か卑劣な悪役がハマり易い役者だったんですが、本作では田舎に留まった気の良いジョックス役を長閑に好演。真面目すぎてイマイチ面白味のないキャラではありましたが、流行から絶妙にずれたのんきさが伝わる妙演で。
その他、『スタスキー&ハッチ』のパットン・オズワルト、『ステイ』のエリザベス・リーサー、『オフロでGO!!!!! タイムマシンはジェット式』のコレット・ウォルフらも出演。
それにしても、『ジェニファーズ・ボディ』にしろ本作にしろ、ジョックスに対する恨み節のような物語を手掛けるディアブロ・コディ。一体どんな学園生活を送ってたんですかねぇ。

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実家に自分博物館を持つイタイ女vs誰にでも同じ曲を贈る鈍感男

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2011年05月07日

ヤングガン (Young Guns)

監督 クリストファー・ケイン 主演 エミリオ・エステヴェス
1988年 アメリカ映画 107分 西部劇 採点★★★★

80年代って、若手人気俳優が束になって作る映画ってのが流行ってましたねぇ。単品じゃ大物スターに敵わないってのが実情なんでしょうが、正攻法じゃ大人に敵わない若者らしい反抗方法とも言えますし、束になることで話題を生み出せる若手が豊富だったとも。最近の若手だと、顔を合わせる事で話題を生み出せそうなのって、誰あたりになるんでしょうねぇ?

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【ストーリー】
英国人移民タンストールに拾われたビリーは、彼の牧場で警備隊として働くことに。しかし、タンストールの商売敵であるマーフィの企みで、タンストールは殺されてしまう。怒りに燃えるビリーら青年たちは臨時保安官となるが、ビリーは逮捕をせずに次々と犯人を殺してしまう。これによりお尋ね者となってしまった彼らは、賞金稼ぎや保安官らからの逃避行を強いられるのだが…。

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ビリー・ザ・キッドに関しては各々で調べてもらうこととして、そのビリー・ザ・キッドの物語の中でもクライマックスに当たる“リンカーン郡戦争”を描いた青春西部劇。
若手が集まった変わり種的西部劇とも思われがちだが、ストーリーラインや当時の風俗など、思いのほかしっかりとした西部劇の土台の上に成り立っている本作。人気の若手を集めた話題先行型のように見えて、その役者の持ち味を存分に活かしたキャスティングが施されているのも見所。
大人の加護のもとにあった若者らが、その加護から離され、大人に立ち向かっていこうとする様を描く本作。大人vs子供の構図で描いているが、本作の大人たちは全てに於いて子供らよりも圧倒的に有利だ。数でも政治力でも銃の腕前でも有利。そんな圧倒的に不利な状況下、ビリーは嬉々として反抗し続ける。ビリーはまるで、反抗期に誰しもが心の中に持っていたもう一人の自分のような存在だ。感覚的・感情的に動いてしまうが、その動機や言ってる事は正論という、反抗期ならではの性質。実際、劇中でのビリーの言動は間違っていない。映画的には、充分過ぎるほど“正義”である。ただ、全くもって説得力がない。仲間を泥沼へ引き込む事しかしていないし、人を殺したいが故にその理由を探しているようにも見える。ただそれは、本作を勧善懲悪の物語として観てしまった場合の違和感であり、そもそもそんなものは描いてなかったりも。正義については描かれているが、“正義を問う”と言うよりは、その理不尽さに不満を爆発させる若者の姿の方に重きを置いている。本作からどんな印象を受けるかは、年代や立ってしまう立場によって様々になるのかと。なんと言うか、大人と子供を分けるリトマス試験紙のような感じも。『ウィズダム/夢のかけら』を撮り上げたエミリオらしい題材選びの光る一本で。

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ビリーに扮するのは、やんちゃな悪童そのもののイメージがある『飛べないアヒル』のエミリオ・エステヴェス。エミリオのこのイメージがあるからこそ、イマイチ信頼の置けないビリー役がドハマりしたのでは。もうなんか、小鬼みたいな憎々しい可愛らしさというか。
そんなエミリオを筆頭に、イメージに沿った役割分担がシッカリと施されたキャスティングが魅力の本作。エミリオと並ぶと全く似てないが、二人とも父親にはソックリという不思議兄弟の片っぽである、『若き勇者たち』のチャーリー・シーンはどんなセリフも力いっぱい喋る熱血係を担当し、『フラットライナーズ』のキーファー・サザーランドは、もちろんお色気担当で、乙女のような見せ場をしっかりと守る。この頃のキーファーが持つ色気というか艶には目を見張るなぁと思いつつ、最近の彼にそれが感じられないのはちょっと寂しくも。パパ・サザーランドは幾つになっても独特の色気を発してるのにと。また、そのお色気担当をキーファーに持ってかれてるせいか、野性味担当として一歩下がった印象があるのが、『ビッグ・ヒット』のルー・ダイアモンド・フィリップス。確かに錚々たる顔ぶれではあるが、この“一歩下がって”しまった結果が、最近のプライムウェーブ御用達俳優になってしまった要因なのかなぁと。前へ前へと出てくると素晴らしい存在感を発揮する役者だけに、もったいないなぁ。
若手の周囲を固めるベテラン勢も魅力で、『エイリアン・ネイション』のテレンス・スタンプや、『デッドフォール』のジャック・パランス、“我らがワッツ”と言っても今何人くらいが覚えているのか不安な『W/ダブル』のテルー・オクィン、『グレートスタントマン』のブライアン・キースに、ジョン・ウェインの倅パトリック・ウェインと、若手が束になっても正攻法じゃなかなか太刀打ちできない凄い顔ぶれ。
あ、そう言えばクライマックスの銃撃戦のシーンに、付けヒゲ姿のトム・クルーズが一瞬出てましたよ。瞬く間に撃ち殺されてましたけど。

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そろそろ、この頃のメンバー集結の同窓会映画観たいなぁ

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2011年01月24日

ヤギと男と男と壁と (The Men Who Stare at Goats)

監督 グラント・ヘスロヴ 主演 ジョージ・クルーニー
2009年 アメリカ/イギリス映画 94分 コメディ 採点★★★

動物園のふれあいコーナーなんて行くと、大抵いるのがヤギとか羊。あとウサギとか、なんかフンがコロコロしてる連中。性格も大人しいし、子供らがワァーっといっても触られ放題なので可愛いんだが、ヤギのあの目が怖い。干し草をモシャモシャ食べる姿も可愛いんだが、やっぱりあの目が怖い。サター・ケインの本を読み耽ったかのような、あの目がとっても怖い。見つめられない。

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【ストーリー】
妻に逃げられやぶれかぶれとなった新聞記者のボブは、開戦間もないイラク戦争の取材を行うべくクウェートへ向かう。そこで、以前の取材で耳にした事がある米陸軍極秘部隊の優秀な超能力兵士リンと出会い、彼と同行することに。旅の途中、自らをジェダイの戦士と名乗るリンは、超能力部隊の驚愕の顛末を語り始め…。

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俳優として『グッドナイト&グッドラック』など数多くの作品に出演するグラント・ヘスロヴ初長編監督作となる、実話をベースとした異色コメディ。
オカルト文脈では結構耳にする“超能力部隊”の実態を描く本作。まぁ、内容的には大いに眉唾であるが、本作のテーマはそこじゃないので別段問題でもなく。戦争の為にそんな所にまで行きついてしまう愚かしさと、フラワームーブメントを絡めたとどのつまり反戦映画なのだが、製作も兼ねるジョージ・クルーニーらしさが良く出た一本であるとも。
ただまぁ、愚かしさを強調するにも笑いに突出した“アホさ”が足らず、反戦を訴えるにも笑いとのコントラストを生む悲惨さが描き切れていないので、中途半端な印象が拭えない。その中途半端さが、“信じる”というキーワードやヒッピー思想すら笑い飛ばしたいのか、真剣に考えているのかすら分かりづらいボンヤリ具合を生んでしまってるのは痛い。笑いに関しても、オビ=ワンに向かってジョージ・クルーニーが「俺はジェダイだ」と名乗る爆笑ポイント以外は、延々ジャブ程度というのは弱い。面白そうなテーマだっただけに、ちょっと惜しい。

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自称“ジェダイ”の主人公に扮するのは、『オーシャンズ13』のジョージ・クルーニー。ダンディーとアホを巧みに使いこなす俳優なのだが、今回はちょび髭ひとつでアホ側に。「カッコ良いなぁ」と思わせる顔と基本何一つ変わっていない筈なのに、ここまでアホ面になるんだから面白い。一方、そのジェダイについて歩く新聞記者役には、『天使と悪魔』のユアン・マクレガー。相変わらず5歳児がそのまんま大きくなったようなワンパクさと幼さを感じる彼だが、だからこそこんなヨタ話に振り回される役柄が良く似合う。
その他にも、性根の悪い役柄が良く似合う『スーパーマン リターンズ』のケヴィン・スペイシーや、そのゴツゴツした感じと超能力の違和感が面白い『沈黙の断崖』のスティーヴン・ラング、顔の鋭角さと体型の裏腹な感じが目立ってきた『ネバー・サレンダー 肉弾凶器』のロバート・パトリックと、ジョージ・クルーニー作品らしい豪華なキャスティングであるが、その中でも一際強烈な存在感を放ってるのが『キングコング』のジェフ・ブリッジス。元々そのふわふわした感じがヒッピー役に似合う俳優だけに、いまだ現存するヒッピー村からちょいと顔を出したかのような抜群のハマり具合は堪らない。

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邦題を見つめていると、“と”が邪魔くさくてしょうがなくなってくる

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2010年11月06日

妖精ファイター (Tooth Fairy)

監督 マイケル・レンベック 主演 ドウェイン・ジョンソン
2010年 アメリカ映画 102分 コメディ 採点★★★

妖精って響きだけで考えれば、何か羽根の生えたちっちゃいのが「アハハハハー♪」って飛んでいる、可愛い半面ちょい鬱陶しいイメージがあるんですが、映画なんかに出てくる歯の妖精だけに絞ってみると、『黒の怨』のマチルダ婆さんやら、「チュチュ着た黒人が夜中に子供部屋に立ってるから、家の人にいきなり撃たれたりして大変なんだよ、歯の妖精も」とボヤくチュチュ着たエディ・マーフィやらと、おおよそ妖精のイメージからほど遠い物ばかり。で、今度の歯の妖精は、ロック殿下。もうきっと、歯の妖精ってそんな人ばっかなんだ、本当は。そんな、一般的な妖精のイメージからほど遠い人たちが、根もとにちょっと血が付いた乳歯でみっちみちになった袋を背負って、夜な夜な徘徊してるんだ、絶対

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【ストーリー】
かつてはスター選手だったが、今では落ちぶれ夢も希望も信じない男となった、ホッケー選手のデレク。そんな彼のもとに、突然妖精の世界から召喚状が届き、背中から羽根まで生えてくる。何事が起きたのか理解できないまま妖精の世界に飛んで行ったデレクに対し、妖精の長が子供の夢と希望を破った罰として、歯の妖精になることを命じるのだったのだが…。

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「あのロックが妖精に!」と話題になったが、日本では映画祭に於いて、およそ良いとは言えない状態で一度上映されただけに終わったコメディファンタジー。
内容的には非常に他愛のない本作。夢のない男が夢の世界に触れることで周囲との関係に変化を与え、自分もまた幸せを掴むって物語は、それこそ山ほどある。また、シュワルツェネッガーが子供に翻弄されたり、スタローンが婆さんに翻弄されたりする、マッチョ系の俳優がそのイメージを逆手にとって笑いを生むギャップコメディってのも、同様に珍しくはない。本作もそれらの定型から一歩も踏み外さない無難な内容なのだが、どうにも嫌いになれない。どっちかと言えば、好きな方。いや、全然好き
ロック殿下が羽根生やしたチュチュ姿で立ってる時点で、もうほとんどこの映画は完結したようなものなのだが、その強烈過ぎるインパクトに頼るだけではなく、細かい笑いを随所に挟みながらしっかり物語を全て丸く収めていく手際の良さは、観ていて気持ちが良い。「バカバカしい」って言われればそれまでだが、こっちも別に重厚なドラマを期待して観ているわけではないので、ジャケットを見た時に想像し期待する内容を、ネタの持ち味を存分に活かして作り上げているって点は、評価したい。

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ホッケー選手の傍ら、副業で歯の妖精もやってる主人公に扮するのは、『ギャングスターズ 明日へのタッチダウン』のドウェイン・ジョンソン。抜けた歯はおろか、生えてる歯まで根こそぎ持っていきそうな彼の妖精姿が大いに笑わせてくれるが、考えてみれば『Be Cool/ビー・クール』でも類稀なるコメディセンスを見せてたんで、違和感がないどころか、似合ってさえいる。まぁ、似合っているからと言って、あんなのが夜中に子供の部屋に立ってたら、恐怖のあまりきっと見なかったことにするんでしょうが。元々筋肉だけに頼らない、役者として器用な所を持ってた彼だけに、コメディ部分とドラマ部分をちゃんと演じ分けているし、周囲を固める芸達者な顔ぶれとの絡みにも見事に対応していたようにも。
共演には、色々と考えているようで、実のところ何にも考えてなさそうなシングルマザーの恋人役で、かつては出てくる度に「美人だなぁ、綺麗だなぁ」と見惚れてしまったアシュレイ・ジャッド。まだそんな歳じゃないのに、しっかりと刻まれた年輪に驚いたりも。
その他にも、オスカーではよく見ていたのでそんな印象はなかったのだが、映画出演は8年ぶりだったりするビリー・クリスタルや、扱いが大物宝塚スターのようだったジュリー・アンドリュースと、錚々たる顔ぶれ。中でも、“エキストラ:スターに近づけ!”においても強烈な印象を残したスティーヴン・マーチャントは絶品。その歩く爪楊枝のような風貌もさることながら、絶妙な間の取り方で相手も自分も活かす笑いの取り方は見事。本作の面白さは、こういう達者な役者が間に立ってたからこそなんだなぁと。

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やっつけなのは邦題だけ

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posted by たお at 02:29 | Comment(2) | TrackBack(4) | 前にも観たアレ■や行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月08日

ユニバーサル・ソルジャー (Universal Soldier)

監督 ローランド・エメリッヒ 主演 ジャン=クロード・ヴァン・ダム
1992年 アメリカ映画 104分 アクション 採点★★

“最強は誰だ?”
特にプロレス好きの方々は、この議題だけを肴に飲み屋を三軒ハシゴできちゃうんじゃないかと思えるほど熱のこもった議論を繰り広げるようで。「やっぱ、猪木だろ!」「いやいや、前田だって!」「ブロディを忘れちゃダメだよ!」「あの、馬場さんも結構…」「バカだなぁお前ら!鶴田はなぁ…」と、プロレス好きが3人以上集まってしまった場にウッカリこの話題を振っちゃうと、延々とそれこそこっちが寝入ってしまってもなお続いちゃうんですよねぇ。うかつに「ヒョードルが…」とか言おうもんなら、ギロリと睨まれてなかったことにされますし。まぁこれだけ盛り上がれるのも、“夢の対決”が夢のまま終わってしまっているからなんでしょうねぇ。

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【ストーリー】
ベトナムで戦死した兵士を、軍部が秘密裏に蘇生・強化して誕生させたユニバーサル・ソルジャー。強固な肉体を持ち感情を持たない彼らはどんな難局も打破してきたが、ある日一人の兵士が記憶を取り戻し、TVレポーターと共に逃走。彼らを執拗に追う軍部であったが…。

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“ヴァン・ダムVSラングレン”という、何と言うか“哀川翔VS竹内力”の様な顔合わせが話題となった、『インデペンデンス・デイ』のローランド・エメリッヒ監督によるSFアクション。
平たく言えば、主人公がゾンビ。よく躾が施されている様は小奇麗になった『死霊のえじき』バブだし、強化されたはいいが記憶を失ってしまい右往左往する様はゾンビ版『ボーン・アイデンティテイー』のようにも。下半身の方に何か埋め込まれていますし。このように特異な設定付けがされている本作であるが、その設定が活かされているのは序盤のみ。記憶を取り戻した反面知性を取りこぼしてしまったかのようなヴァン・ダムがオロオロする中盤の逃走劇では、無理すると身体があっつくなる程度の設定が辛うじて守られていたが、両雄が肉弾戦を繰り広げるクライマックスにもなると元々死んでいるって事自体もどうでもよくなってくる。まぁ、続編である『ユニバーサル・ソルジャー/ザ・リターン』では、死んでることから治ってたんで、そもそもの設定自体がどうでもいいのかも知れませんが。場面場面のトーンも、まるで別の監督が撮ったかのように一致していない感じも。好きなものや気になるものにちょこちょこ手を出したはいいが、結局は手を出しっぱなしで終わってしまう様はポール・アンダーソンの映画を観ているかのような印象ではあるが、炎と水飛沫をバックに筋肉が躍動するシーンに、筋肉映画ならではの醍醐味を感じることも。そういえばポール・アンダーソンの『ソルジャー』でも、そんなシーンにだけ興奮を覚えた気が。

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ジャン=クロード・ヴァン・ダムと言えば、お尻の形が良く分かる回し蹴りと、更にお尻の形が良く分かるよう全裸になるのがお馴染み。もちろん本作でもヴァン・ダムは脱ぐ。すぐ脱ぐ。2回も脱ぐ。そんなヴァンダミング・ヌードばかりが強烈に印象に残る本作であるが、ヴァン・ダムにしろドルフ・ラングレンにしろ、さすが空手で名を馳せた両雄。それぞれのウェイトの違いを各々の格闘スタイルとして個性付けたクライマックスの格闘シーンは、なかなかの迫力。
格闘技で名を馳せた人間が筋肉映画のスターとなるのが、この当時よく見られたスターダムを駆け上がるパターン。最近はといえば、格闘家として日本やアメリカのリングに上がるのがそれにあたるようにも。ということは、彼らがもし10年なり15年なり遅く生まれていたら、今頃K−1とかで見れたのかも知れませんねぇ。

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禁断の…

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posted by たお at 23:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 前にも観たアレ■や行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月29日

U.M.A レイク・プラシッド (Lake Placid)

監督 スティーヴ・マイナー 主演 ビル・プルマン
1999年 アメリカ映画 82分 パニック 採点★★★

いいですねぇ、UMA(未確認生物)。夢が膨らみまくりでございます。ネッシーにイエティにオゴポゴにモケーレ・ムベンベにヒバゴン。もう、ある種小学生の頃からのヒーローです。「そんなのいるわけないじゃん」との非常に大人な意見も多いですが、そんな意見には「その昔はゴリラだってなぁ」とムキになんてならず、「見つかってないから“未確認”なんじゃん」と、癪に障る子供のような切りかえしをしてあげましょう。まぁ実際解明してみれば、潜水艦のオモチャに付けられたオモチャの怪獣だったり、ウバザメの死骸だったり、ハエや蚊がカメラの前を横切っただけだったり、毛皮を被ったオッサンだったりするので、未確認のままそっとしておいてあげるのが一番のような気もしますし。

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【ストーリー】
メイン州のブラック湖で水棲動物を調査中だった男が、保安官ハンクの目の前で謎の生物に下半身を食いちぎられてしまう。この事件の調査に、ニューヨーク自然史博物館のケリーと狩猟監視官のジャックがやって来るが、彼らの目の前に現れたのは巨大な…。

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ワニです大きいワニ。日本公開時は、CMにモザイクをかけひたすらワニであることを隠していた本作。いやぁ、そこは隠す場所じゃないのでは。オチでもないのですし。で、「湖の畔で怖い目に遭う映画作るんだったら、この人がいいんじゃない?」と選ばれたのか、『13日の金曜日PART2』のスティーヴ・マイナーが監督。80分弱という非常に短い時間もあって、小気味よいテンポでサクサク進んでいく一本。とはいえ、下半身がちぎれたり首が飛んだりするサービスショットはあるものの、ワニの襲撃にこれといって工夫がされているわけでも、ワニが地上まで追っかけてきて嫌になるほど怖いってシーンがあるわけでもないので、パニックやホラー映画としては非常に食い足りない。まぁ、本作が目指した地点は使い古された題材を使用し、真剣におふざけ映画を作るという『スネーク・フライト』と方向が同じのコメディ色が強い作品であるのでホラーとしての食い足りなさは仕方がないのだが、巨大なワニを前に右往左往する人々や都会者と田舎者のいがみ合いがギャグの中心になっていた本作が“笑えるか?”となると、それもまた微妙な出来で。『ガバリン』など、笑えて怖い映画に冴えた手腕を発揮していたスティーヴ・マイナーにしては幾分凡庸な出来ではあるのだが、ご飯の時間にお家に帰ってくるワニがもの凄く愛らしいので、★オマケで。

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キャスパー』『THE JUON/呪怨』のビル・プルマンに、『キス・オブ・ザ・ドラゴン』のブリジット・フォンダ、『サウンド・オブ・サイレンス』『アイス・ハーヴェスト 氷の収穫』のオリヴァー・プラットに、『M:I−2』『ヴィレッジ』のブレンダン・グリーソンと、この顔ぶれが揃った作品に、巨大なワニが出てくるとは到底思えないってのがオチの一つでもある本作。始終アヤフヤな表情をしているだけのビル・プルマンはさておき、やっぱりブリジット・フォンダは可愛い。いやぁ、ただ単に冷たそうな目元と薄い顔立ちに滅法弱いだけなんですが。その全ての表情が大好きだったブリジット・フォンダと、元々好きなワニだけを観ている分には、至福の80分で。

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ご飯ですよー

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posted by たお at 16:55 | Comment(2) | TrackBack(1) | 前にも観たアレ■や行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする