2007年08月01日

ミレニアム ファースト・シーズン エピソード108 “古びた鍵” (Millennium Season 1, Episode 8: The Well-Worn Lock)

監督 ラルフ・ヘメッカー 主演 ミーガン・ギャラガー
1996年 アメリカTV 45分 サスペンス 採点★★★★

【ストーリー】
ワシントン州。父親から長きに渡って性的虐待を受けていたコニーのカウンセリングを担当することとなったキャサリン。あまりの父親の非道ぶりに告訴を決意するキャサリンだったが、父親が地元の大物である為に検察は及び腰で…。

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miwwl4.jpg数多くの陰惨な事件を扱ってきたシリーズの中でも、最も陰惨といえる本作。死者こそ出ないが、逆らうことの出来ない状況下で長い年月繰り返されてきた性的虐待によって、被害者達の心が惨殺されてしまったと言っても過言ではない。もちろんケダモノ以下のゲスでしかない父親が問題の原因であるのだが、波風を立てたくなく、目の前の生活を守り、嫌なものから目を背けたいあまりに全てを知りながらも放置してきた母親の責任は大きい。本作においてはその罪の重さから処罰を受ける父親であるが、咎めを受けることのない母親は今後もその責任から目を背けたまま生き続けていくのであろうことを思うと、遣る瀬無い気持ちになる。
本作で物語の中心に立つのは、フランクではなくキャサリン。人の命が奪われる所から始まるフランクの仕事とその仕事に対する夫の苦悩を側で見ているキャサリンだからこそ、命が奪われる前に救い上げたいというキャサリンの強い思いが見事に描かれた本作。その仕事に没頭するキャサリンを優しく見守る“良き夫”としてのフランクと、我が娘を前に何故そのような鬼畜な行動を取る親がいるのか困惑と怒りに震える“良き父親”としてのフランク。それぞれの人物の光と影を見事に対比させることによって、45分という短い時間ながらも強いメッセージを放つ作品となっている。

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子供は誰にでも作れるが、だからといって“親”になったとは言い切れない

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2007年07月31日

ミレニアム ファースト・シーズン エピソード107 “血縁” (Millennium Season 1, Episode 7: Blood Relatives)

監督 ジム・チャールストン 主演 ランス・ヘンリクセン
1996年 アメリカTV 45分 サスペンス 採点★★★

【ストーリー】
シアトル。息子を交通事故で失ったばかりの母親が墓場で惨殺される事件が発生。警察の依頼を受けたフランクは、他人との繋がりを強く求める人物が犯人であるとプロファイルするが、新たな犠牲者が発見され…。

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陰惨な犯罪描写だけではなく、犯罪者を生み出してしまった社会の問題についてもチラリと描くことが多いミレニアム。本作でも無責任な母親によって生まれて間もなく里子に出され、人の温もりを求めるあまりに犯罪者となってしまった男に注目をしている。その男と仲睦まじいにも程があるフランクの一家を対比させることで、その問題の深刻さ、そしてその背景に犯罪予備軍となってしまっている大勢が潜んでいることを提示している。この問題に注力を注ぐあまり、犯人についての描写が疎かになってしまっている難点はあるものの、“接点”というテーマにブレがない分興味深い内容となっている。犯人と銃を持たずに対峙するフランクや、とことん世俗的なギーベルハウスなど、キャラクター設定に芯が通り始めたのもこの辺から。

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諦めない者の集団

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2007年07月28日

ミッション・トゥ・マーズ (Mission To Mars)

監督 ブライアン・デ・パルマ 主演 ゲイリー・シニーズ
2000年 アメリカ映画 114分 SF 採点★★

行くにはちょっとばかし遠いが観察するのには結構近いせいか、長きに渡って人類に夢やらロマンやら勘違いやらを提供し続けてきた火星。表面に筋が見えれば、「あれは水が流れた跡だ!真っ直ぐだから運河だ!」「運河ってことは何かいるー!」「そいつらが三本脚の機械に乗って襲ってきたぞー!!」と大騒ぎ。光と影の具合でたまたま人の顔のように見える岩を発見すれば「知的生命体が遺したモニュメントだ!」と、別角度から見ると顔になんか全く見えないことをお構いなしの狂乱振り。いやぁもう、こういう話大好きです。是非とも火星に行った際には、何かトンデモないものを発見していただきたいもので。そういえば、人間の体内時計での一日は25時間だとかで、それは火星の一日の時間と一致するから人類はかつて火星から移住してきた宇宙人なんだって話もありましたねぇ。ホント、私こういう話大好きです。

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【ストーリー】
2020年。人類初の有人火星探索に成功したNASAの探索隊が、謎の怪現象に襲われ連絡を断ってしまう。急遽救助隊が結成され火星へと向かったが、火星で彼らは想像を絶するものを目撃する。

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アポロ計画以降、新たな宇宙開発に対し消極的であったアメリカが有人火星飛行計画の実現をブチ上げ、にわか火星ブームが吹き荒れていた当時、「よし!これからは火星だ!火星で一儲けするぞー!!」と息巻く映画人が現れるのは当然の流れで。ただ、最新鋭のVFXを用い映画的にリアルな火星冒険譚を作ろうとした製作サイドと、本作の監督でありSF好きとしても知られる『ブラック・ダリア』のブライアン・デ・パルマの「“火星のSF”かぁ。オレも子供の頃は夢中になったなぁ。よし!たまにはあんな感じのを作ろう!」というベクトルの向きの違いが生み出してしまった珍映画。まぁ、また憶測だけで書いてますが。
「“宇宙”っつったら無重力だろ!」とばかりに、あっちで人がフワーこっちで物がフワー、Drペッパーは商品名をこっちに向けたままカメラにフワーっと近づいてくる、一昔二昔を通り越して三昔前の映画を観ているかのような無重力描写の中、もうどれからツッコんでいいのか分からなくなるほどの珍シーン続出が楽しい本作。まぁ、テンポまでフワーっとしてるので、ランニングタイムが3時間以上に感じるのは辛いのですが。舞台が宇宙だろうが、結局のところ物語は『2001年宇宙の旅』であろうが、デ・パルマ印の長回しと大惨事を生み出すために小さなことからコツコツと積み重ねるピタゴラパルマスイッチは健在。もちろん全くかみ合ってないので、痛恨。途中でトンデモない映画を作ってしまったことに気付いてしまい逃げ出したくなったのか、一刻も早く席を立ちたくなるであろう観客への配慮なのか、何の余韻も残さずブツっと迎える“The End”が、ある意味衝撃的だったので★オマケで。名義を“アラン・スミシー”にしなかったのも、いさぎが良いですし。

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途中まで誰が主人公なのか分からず、途中からそんなことどうでもよくなってくるのも本作の特徴。多分、メソメソばかりしていた『フォーガットン』『ビッグ・バウンス』のゲイリー・シニーズが『アポロ13』の時と大差ないキャラ設定で主役にキャスティングをされているが、ジェリー・オコンネルや『ソルジャー』『アイス・ハーヴェスト 氷の収穫』のコニー・ニールセンはさておき、一部「オレが!オレが!」と主役を霞ませる大活躍をされる方々が。もちろんそれは、『クラッシュ』『ホテル・ルワンダ』のドン・チードルと、『CODE46』のティム・ロビンス。孤独感を家庭菜園で紛らわし、長い時間経過をヒゲとアフロの大型化で表現するドン・チードルも凄まじかったが、妻への深い愛を表現するはずが、“来るなー!ヘルメットをパカー!目玉ギョローの顔がビシー!”と、そこに至るまでのモタモタ感も相まって本作最大の珍シーンを演じてしまったティム・ロビンスがさらに凄まじい。『ポセイドン』のカート・ラッセルの最期同様、やり過ぎると珍奇なものになってしまう良い例として、記録に残しておきたい次第で。

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救い難い

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ミレニアム ファースト・シーズン エピソード104 “下僕 しもべ” (Millennium Season 1, Episode 4: Kingdom Come)

監督 ウィンリック・コルビー 主演 ランス・ヘンリクセン
1996年 アメリカTV 45分 サスペンス 採点★★★★

【ストーリー】
ワシントン州タコマ。中世の異端裁判での処刑方法と同様の手口で牧師が惨殺される事件が発生。フランクは、3年前に起きた同様の事件と同一犯であると睨み…。

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己の快楽や、邪悪な力に影響を及ぼされた“怪物”として殺人者を描いてきたミレニアムだが、本作に登場する殺人者は悲しいまでに人間的。最愛の妻と娘を火事で失い、その悲しみと苦痛から宗教に失望し、聖職者を殺すことで己の信仰心をも殺そうとする殺人者。その悲しげな姿とおぞましい凶行の様子を描きながら、信仰深い者にとっての安息の場所である教会で襲われる恐怖、信仰というものをどのように捉え伝えていくか、“死”というものを知り始めた幼い子供たちへの対処など、生活の中に根付く多くの題材を盛り込みつつ、それをバランスを保ったまま短い時間にまとめ上げることに成功している。同じくミレニアムに所属し、FBI時代はフランクの相棒だった非常に優秀な捜査官か登場したり、休日の朝食当番はフランクだったりすることも知れる、シリーズの中でも満足度の高い一本。

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ランス・ヘンリクセンの台所姿が拝めるのも、ミレニアムくらい

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2007年07月27日

ミレニアム ファースト・シーズン エピソード106 “522666” (Millennium Season 1, Episode 6: 522666)

監督 デヴィッド・ナッター 主演 ランス・ヘンリクセン
1996年 アメリカTV 45分 サスペンス 採点★★

【ストーリー】
FBIの依頼を受け、首都ワシントンで発生した連続爆弾事件の捜査に向かったフランクとピーター。しかし、なかなか尻尾をつかませない犯人に次第に翻弄され…。

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“自作自演の爆弾事件でメディアのスターとなる犯人”と、明らかにこの前年にアトランタで発生した爆弾事件をモデルにした本作だが、通常の刑事物ならまだいいとしても、ミレニアムで扱う題材かと言えば、疑問も。犯人を爆発による爆風と炎と悲鳴に強いこだわりを持ち、そこに快感を感じる“爆風フェチ”として描くことで、なんとなく猟奇殺人鬼っぽい雰囲気を出す努力はしているものの、フランクの特殊能力が存分に発揮されているわけでもなく、やはり物足りなさは否めない。まぁ、たまには毛色を変えて警察物っぽいのをやってみたかったんでしょうねぇ。とは言え、眠たくて眠たくてしょうがないフランクを献身的に見守るキャサリンは美しく、疲労困憊のフランクに気の効いた言葉を掛けるわけでもないワッツは胡散臭くて、愛娘にも父親譲りの能力があることを臭わせ始めているのは、いい感じ。

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出来不出来の差が激しいのも、ミレニアムの魅力

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2007年07月26日

ミレニアム ファースト・シーズン エピソード105 “判事” (Millennium Season 1, Episode 5: The Judge)

監督 ランドール・ジスク 主演 ランス・ヘンリクセン
1996年 アメリカTV 45分 サスペンス 採点★★★

【ストーリー】
シアトル。舌などの体の断片が郵送されてくる事件が発生。被害者と郵送先の住人に接点がないことから、困り果てた警察はフランクに調査を依頼。フランクは殺害実行犯をコントロールしている人物が背後にいることを感じ…。

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犯罪者と正義の戦いというよりは、善なる力と悪なる力との戦いを描いてきた本シリーズ。本作に登場する判事がその典型例で、“法で裁けぬ悪を成敗する”と正義っぽい大義名分で犯罪者を巧みにコントロールし善悪の境を曖昧にした上で、自らの手を汚さずに連続殺人を起こす悪魔として描かれている。ただし、シリーズ後半では明確に描かれるようになる天使と悪魔の戦いも、この時点ではまだハッキリとは描かれておらず、その結果犯罪者達がなぜ判事の言うことを素直に聞き、また何故フランクに異常なまでに関心を示したのかが曖昧のまま終わってしまっている。その曖昧さに悪の力の存在を匂わせるだけの深みがあればまた別だったのだが、残念ながらバタバタとするだけの本エピソードではそこまでの深みはなし。事件解決に繋がる重要なターニングポイントも、キャサリンが偶然小耳に挟んだ世間話が発端ですし。
今回もワッツは登場しないが、その代わりにペンシアーズと本作より優秀な鑑識としてアンドリュースが登場。また、ブレッチャーの部下である普段は皮肉しか言わないギーベルハウスの、ブレッチャーに対しては非常に忠実である一面が垣間見れて、ちょっと得した気分。

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あの声で本を読んでもらえるなんて、羨ましすぎます

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2007年07月23日

ミレニアム ファースト・シーズン エピソード103 “デッド・レター” (Millennium Season 1, Episode 3: Dead Letters)

監督 トーマス・J・ライト 主演 ランス・ヘンリクセン
1996年 アメリカTV 45分 サスペンス 採点★★★

【ストーリー】
ポートランドで婦人警官が殺害され、衣服を着たままバラバラにされた状態で発見される。連続殺人になる可能性があると読んだフランクは、ミレニアム構成員候補である元刑事のジムと共に捜査を開始するが、次なる被害者が発見され…。

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midl2.jpg今回は連続バラバラ殺人事件に挑むフランクだが、実のところテッド・バンディ風の手口を使ったりもする“バラバラ殺人事件”はストーリー上二の次。かつては優秀な捜査員であったのだが、家族を愛するあまりに被害者に自分の家族の姿を重ね合わせてしまい、客観的に事件を捉えることも理性を保つことも出来なくなってしまった男の姿を描いている。タイプ的には『ゾディアック』のように事件に翻弄され人生を狂わせて行く物語とも言えるのだが、「自分もかつてはそうだったんだ」と言うフランクがあまりに冷静で、剃刀の刃並の切れ味を持つ彼の眼光の迫力も只ならぬ為に、ストーリーの中心である候補生がただ単にキャパの狭いテンパった人にしか見えない難点も。ワッツが出てこない本エピソードでのフランクは候補生の適正を診断する面接官のようにも見え、「さすが正式メンバーは格が違うんだなぁ」と感心もしたものだが、後のエピソードで“実はフランクは…”と驚愕の展開をするから、油断も隙もあったもんじゃない。
今回はフランクとジムに焦点が合わされている為、犯人も含め他のキャラクターの印象が全く薄いのだが、ジムの息子とジョーダンがベッドに並んでいるショットはスッゴク可愛い。やっぱり赤ちゃんの髪の毛はクリックリじゃなきゃ。自分の髪の毛がクリックリだったら、ちょっとヤダなんですが。

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フランクがずば抜けて優秀だってことだけは伝わりました

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2007年07月22日

ミレニアム ファースト・シーズン エピソード102 “地獄の灰” (Millennium Season 1, Episode 2: Gehenna)

監督 デヴィッド・ナッター 主演 ランス・ヘンリクセン
1996年 アメリカTV 45分 サスペンス 採点★★★

【ストーリー】
サンフランシスコで大量殺人事件が発生。ミレニアムの依頼を受けたフランクは、事件にカルト集団が関わっていると睨み捜査を開始するが、人間以外の悪の存在を感じ始め…。

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非常に特殊な状況設定と人物設定ながらも、それらをスムーズに物語に溶け込ませた傑作『新たなる一千年へ』を経て本格的にスタートした“ミレニアム”の第二話。今回もまた“生きたまま焼き殺される”という、非常に気の効いた設定を用意。一見すると、キャッチセールスの営業成績が悪い人間を解雇の代わりにレンジでチンする話のようだが、劇中でも語られるように本作のモチーフになったのはオウム真理教による一連の事件。残念ながらカルト教団の全体像も目的もハッキリとはしないまま終わってしまうのだが、世紀末に世界中をなんとなく包んでいた終末観や絶対悪の存在をこの時点で見せ始め、胡散臭いだけだった“ミレニアム”も警察以上の捜査力を持つ組織として描かれることで、シリーズを通して彩られるカラーが決定付けられたのは大きい。フランクの子煩悩ぶりや、その妻キャサリンの篠ひろ子化が大きく進んでいるのも見もので。

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今日のフランク “愛娘の寝顔を見つめるフランク”

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2007年07月21日

ミレニアム ファースト・シーズン エピソード101 “新たなる一千年へ” (Millennium Season 1, Episode 1: Pilot)

監督 デヴィッド・ナッター 主演 ランス・ヘンリクセン
1996年 アメリカTV 45分 サスペンス 採点★★★★

あらあら。気が付いてみれば本記事がサブタレ500本目の記事。まぁ500本目のレビューってわけではないのでそんなに感慨深いわけでもないのですが、よくも飽きずにまぁ。そんな記念すべき記事には、やっぱり“ミレニアム”で。なにが“やっぱり”だし、さっき書き始めて500本目だと気付いたんで、別に用意していたわけでもなんでもないんですが。

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【ストーリー】
元FBIプロファイラーのフランク・ブラックは、妻と幼い娘を連れ故郷であるシアトルに戻ってくる。そんな折、若いストリッパーが首を切断される殺人事件が発生。退役警官らで構成される組織“ミレニアム”の一因であるフランクはこの事件に只ならぬ狂気を感じ取り、捜査に乗り出す。

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振り返ってみれば“X−ファイル”しかヒットシリーズのないクリス・カーターが、まだ「あの“X−ファイル”の!」が通用していた時期に送り出した新TVシリーズのパイロット版。
明らかに『羊たちの沈黙』や『セブン』など、当時流行していた猟奇殺人映画の影響をモロに受けつつ、「そろそろ世紀末だ!」ってんでオカルト風味を加えたシリーズなのだが、この第一話はとんでもなく面白い。この後、シーズンを重ねる毎に目にも留まらぬ速さで失速していってしまうシリーズなのだが、それでも3年間最後まで付き合わせるだけの力強さをこの第一話が持っていると言っても過言ではない。第一話ということもあり、“退役警官らが組織する何となく胡散臭いグループ『ミレニアム』”、“遺留品から犯人が見た世界を見ることが出来る特殊能力”、“家族が何者かに狙われている”などの状況設定の数々だけではなく、“年老いてから生まれた子供なので、娘が可愛くてしょうがないフランク”、“旦那が何かを隠しているのは薄々感づいてるが、敢えて聞かない気丈なキャサリン”、“いい奴だが、なんとなく死にそうなボブ”などの人物設定も45分という短い時間に一気に盛り込んでいるのだが、それらが説明調にはならずに、物語が進行する中で自然に明らかにしていく構成が上手い。無論TVであるがゆえに、“ストリッパー”“首切断”“目と口を縫い合わされたまま生き埋め”など心ときめくキーワードの直接的描写は避けられてはいるものの、ストロボ的に差し込まれるイメージ映像やナイン・インチ・ネイルズの“Piggy”などの楽曲が効果的に使用されている為、如何わしさは充分。

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もちろん本シリーズの最大の目玉は、フランク・ブラックに扮するランス・ヘンリクセン。“フランク・ブラック”と言えば、デブでハゲだが歌はすこぶるカッコいいピクシーズのフランク・ブラックを思い出すが、関連性は特になし。ランス歌いませんし。で、そのランス・ヘンリクセンの凄味溢れる顔と声を、3シーズンも堪能できるってだけでもヨダレがダダ漏れになるってもので。まぁ、あんまり「ランス・ヘンリクセンが大好きです!!」って人には会ったことはないですが、私は大好きなのできっと皆さんも大好きなはずだと決め付けてますが。なによりも、ランス・ヘンリクセンが毎週お茶の間に顔を出していた時期があったことだけでも嬉しいですし。どちらかと言えば『ハード・ターゲット』などでの悪役ばかりが印象に残りがちな彼だが、本シリーズでは満面の笑顔で一家団欒を楽しんでいたりする一面も見せる。少なくても、一話につき一回くらいは笑う。まぁ確かに基本的には険しい顔ばかりしているし、後に悪魔にまで「あんな辛気臭い奴見た事がない」と言われるエピソードもあるくらいのランス・ヘンリクセンだが、そんな険しい顔をしてばかりいる彼だからこそ、家族といる時に見せる笑顔に深い愛情が表現されているんだなぁと、ファンならではの意見を。
ランス・ヘンリクセン以外のレギュラーでは、後に何の説明もなく前歯が無かったり腕を骨折してたりもする娘役のブリタニー・ティップレディや、“イケてるハゲ”に推したのに誰も入れてくれなかった『W/ダブル』『ロケッティア』のテリー・オクィンらがいるが、今回は何もしでかさないので特には触れず。

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こんなランスを見れるってだけで嬉しい

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2007年04月12日

マーダーボール (Murderball)

監督 ヘンリー=アレックス・ルビン/ダナ・アダム・シャピーロ
2005年 アメリカ映画 85分 ドキュメンタリー 採点★★★★

子供の頃、TVのバラエティ番組でよく見かけたのが、そのコントの流れも何もかも暴力的にまで無視し縦横無尽に舞台を走り回る小人の方々。笑いと恐怖が交じり合うギリギリの所に立つまで身体を張り、見る者全てに強烈な印象を与えたもので。でも、いつの間にやらそういった人たちがブラウン管から姿を消すことに。まぁ、良識派とか言う、どの“識”が“良”なのか首を傾がざるをえないような方々が「身障者を笑い者にするなどけしからん」とか言い出したからなんでしょうが。確かに、笑われたくはない人を笑い飛ばすのは失礼な話だけど、笑われたい人を笑うなってのも、もっと失礼な話なのではと

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【ストーリー】
かつては“マーダーボール”とまで呼ばれていた、車椅子同士が激しくぶつかり合う競技、車椅子ラグビー。パラリンピックで金メダルを狙う常勝国アメリカと、かつてのアメリカチームのスター選手でありながら待遇に不満を持ち、今ではカナダチームの監督を務めるジョー・ソアーズ率いるカナダとの対決が始まる。

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“自らの誇りの為に祖国を裏切った男”、“自分が起こした事故で親友を四肢不全にしてしまった男”などの役者と、こっそり『マッドマックス』にでも混ざっていそうなマーク・ズパンの強烈なビジュアル、さらには“裏切り者との因縁の対決”と舞台まで揃っておきながら、ドキュメンタリーならではの全くもって意外な結末を迎える見事な一本。彼らを見つめるカメラには彼ら自身が全く望んでいない“憐憫”なんて感情はなく、ストレートにスポーツとしての激しさと驚きを映し出している。もちろん試合外での日常生活を追う中で、彼らの苦労や怒りなども映されているが、乗り越えた人間独自の強さをも感じさせている。彼らとの対比という形で事故により四肢不全になったばかりの青年の姿も追い、現実を理解しながらも受け入れられない苦悩をリアルに伝えていき、そんな彼がマーダーボールに触れることで目に輝きを蘇らせる展開も上手い。

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彼らは憐れんでもらいたいわけでも、「がんばったね!」と抱きしめてもらいたいわけでもなく、ただひたすらに勝ちたいだけだ。健常者との優劣なんてのは問題外で、健常者からケンカを売られれば殴りかかっていくのも当然である。“身障者だから出来ない”のではなく、“出来ることはする”、“出来ないことは工夫してする”、“それでも出来なければ別な方法でやる”。「可哀相だから助けてあげますよ」なんて上から物を見ているような手助けは侮辱でしかなく、努力を阻害する行為にしかならない場合も多い。
日本ではなにやらタブー視されている身障者のセックスについても、本作ではなんのことなしに答えてくれる。実際、セックスの問題が非常に大きな割合を占めるのだから、タブー視すること自体に問題があるのではと。
様々な障害を持つ人間が数多くいる。身障者専用の駐車スペースに、しゃぁしゃぁと車を停めれる心の不自由な方々を除いてもだ。小学校の頃は学年で一人や二人は見かけた障害者も、中学高校とその姿を見かけなくなり、社会に出ると自分の生活に関わることがめっきりと減ってしまう。数が減っている訳ではないのに。徐々に徐々に隠してしまうようなシステムではなく、日常的に接点が持て、本作に登場する子供たちのように、純粋に浮かんだ疑問を変な良識なんかに囚われずに気軽に聞ける関係が持てる社会になればいいのになぁと、またレビューそっちのけで普段思っていることを書いてみた次第で。

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「スゲー!スゲー!」とバカみたいに見るのがよろしいかと

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