2011年11月12日

フローズン (Frozen)

監督 アダム・グリーン 主演 ショーン・アシュモア
2010年 アメリカ映画 93分 サスペンス 採点★★★

閉じ込められたり埋められたり、はたまた真っ白なペーパーテストを前に頭を抱えたりと、あの手この手を駆使したシチュエーション・スリラーがたくさん作られてますねぇ。ただまぁ、ちょっと多過ぎて食傷気味ってのと、ネタを捻り過ぎて現実味を失ってきてるなぁって感じも。たまには現実味溢れる奴も観てみたいもので。なんかこう、家に帰ったら女房が妙に不機嫌且つ無口で、でも謝ろうにも思い当たる節があり過ぎてどれを謝ったらいいのか分からないみたいな。当てずっぽうで謝ってみたら、「え?それ初耳…」ってなるみたいな。

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【ストーリー】
週末を利用してスキーへとやって来たダンとジョーとパーカーの三人組。日没が迫る中、最後の一滑りを楽しもうとリフトに乗り込んだ彼らであったが、全員帰ったものと勘違いした係員によって彼らを残してリフトは止められてしまう。スキー場が再開されるのは一週間後。気温の低下と共に事態の深刻さを悟った彼らは、何とかこの場から脱出しようとするのだが…。

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極寒のリフト上に取り残された三人組を描いた、『HATCHET After Days/ハチェット アフターデイズ』のアダム・グリーンによるシチュエーション・スリラー。
“『オープン・ウォーター』の雪山版”って言ってしまえばそれまでだし、ホントそれ以上でも以下でもないのだが、下手に知恵を絞って知的なトリックや脱出劇を描いたり、緊張状態にある人間同士の駆け引きを描いたりはせず、見たまんまの状況に陥ったことをただただ困惑する姿を描いた潔さが心地よい本作。男同士の旅に彼女を連れて来て「なんだよー、もう!」ってなるブロマンスの要素を大胆に取り入れたり、描写こそシリアスだが全体の構造はコメディ映画とさして変わらなかったりと、アダム・グリーンらしさを堪能できる一本に仕上がっている。アダム・グリーンって、ホント映画が好きなんだなぁって思わせる仕上がり。作る方より、きっと観る方が好き。

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「下は雪だし、飛び降りても死なないんじゃね?」と甘い考えを持たせる絶妙な高さと、確かに死にはしないが結構大変な目に遭う痛々しいゴア描写、「“前門の虎、後門の狼”って言うけどさ、あーヨシヨシとかすれば、狼腹出すんじゃね?やっぱ断然、後門だよな!」と甘い考えを持っていた私をたしなめるかのように目の前にはハラペコ狼、しかも相当アグレッシブな狼と、サービス精神旺盛な見せ場の多さも嬉しい本作。確かに服を結んでロープ代わりにしたり、レスキュー隊みたいにワイヤーを伝うぐらいは思い付きそうなものだが、目指している地平がそんな頭を使った脱出劇ではなく、極限状態でひたすら愚痴る若者の姿の方だと思うので、これはこれで悪くはないのかと。
因みに、ヒロインのその後の顛末は『HATCHET After Days/ハチェット アフターデイズ』内のニュースで語られてたりも。どうやら、アダム・グリーンの中では本作とハチェットは同じ世界にあるようで。

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腹は出さないんだろうなぁ

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2011年11月05日

パラノーマル・アクティビティ2 (Paranormal Activity 2)

監督 トッド・ウィリアムズ 主演 スプレイグ・グレイデン
2010年 アメリカ映画 100分 ホラー 採点★★

赤ん坊って、何もない一点を見つめながら笑ったり号泣し始めたりすることがありますよねぇ。うちの子供らも、赤ん坊の頃ひとりで天井の一点を見つめてケラケラ笑ってたものです。そんな時うちの女房は、「あらぁ、子守のおばさんが来てるのねぇ」なんて言ってましたが、私にはどうしてもそれが“小森のおばさま”にしか聞こえず、どうせなら一緒に淀長も来てくれればいいのにとボンヤリ思ってたもので。

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【ストーリー】
待望の長男も生まれ幸せいっぱいのレイ一家。そんなある日、家に戻ると部屋中が荒らされており、空き巣の犯行と考えた一家は各部屋に監視カメラを設置することに。だが、不可解な現象は日に日にエスカレートしていき…。

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前作『パラノーマル・アクティビティ』が思いのほか面白かったので手に取ってみたシリーズ第二弾。極めて低予算で作り上げる高利益率ぶりと、「おわかりいただけたであろうか」的なノリは相変わらず。
安易な二番煎じではなく、監視カメラの映像をベースにする工夫が施された本作。動きの出ない定点カメラのデメリットを、要所要所に手持ちカメラの映像を挟み込む事で解消。しかしながら、カメラが切り替わる過程で何かが生まれ変化していくザッピングの面白さが全く活かされておらず、手持ちカメラの映像にもそのカメラを持つだけの説得力がないのは痛い。
また、怪現象が前作の主人公ケイティーと本作の主人公クリスティの姉妹の一家にまつわる過去の因縁に由来している事が臭わされているのだが、シリーズとして統一感を持たせるメリットがある半面、所詮ある特定の人物以外にとっては他人事であることが判明してしまうので、恐怖感が激減してしまうデメリットも。怪談は、場所と人物が限定されないからこそ、“明日は我が身”的恐怖が生まれるのに。まぁ、鍋が動くとか犬が吠えるといった些細な出来事からジワジワと現象がエスカレートするのではなく、順を追ってエスカレートせずに突然大きな音を出してビックリさせようとする粗末な演出自体が、恐怖感激減の大きな要因なんですが。恐怖とビックリを履き違えてしまった、非常に分かり易い例だなぁと。
“最初に生まれた男児を生贄にしないと呪うよ”って設定の割に、生まれる前から呪い始めてる悪魔さんの気の早さは多少気になる所ではありましたが、契約不履行を訴えようにもそもそも悪魔さんは悪の塊なんだから、それ位の嘘は嘘の内に入らないんだろうなぁと妙に納得。

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怖い順が“悪魔>幽霊>人間”ってのに、文化の違いを

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タグ:★★ ホラー
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2011年10月31日

パラノーマル・アクティビティ (Paranormal Activity)

監督 オーレン・ペリ 主演 ケイティー・フェザーストン
2007年 アメリカ映画 86分 ホラー 採点★★★

建物ってのは結構色んな音を出してるんですが、一旦気になり始めるとなかなか怖いですよねぇ。原因が分かればきっと大したことないんでしょうが、分からないと怖い。以前住んでいたアパートも、毎晩10時頃になると2階から鉄の玉の様な物を部屋中縦横無尽に転がしてる様な音がしたものです。まぁきっと、その音の通り住人が何か玉状の物を転がしてるんでしょうけど、見知らぬ人が毎晩真顔でそんな事をしてると思うと、それはそれで怖い。

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【ストーリー】
夜毎に起きる怪現象に悩まされるケイティーとミカのカップルは、原因を解明するため寝室にビデオカメラを設置する。しかしその怪現象は、日に日にエスカレートしていき…。

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僅か15000ドルの低予算で製作されたのにも関わらず、興業収入1億ドルを突破する大ヒットを記録したことでも話題になった“おわかりいただけただろうか?”風ホラー。
“実際に起きた事件の当事者が撮った証拠ビデオ”って設定はブレア・ウィッチ風だが、こっちは見せるべきものをきちんと見せる親切設計。怪現象といってもドアが勝手に動いたり、なにやら物音がしたり、寝相が著しく悪かったりする程度の物なのだが、「なんか実際ありそうだなぁ」と思わせる範疇に収まることで生まれるリアリティと、聞き耳を立て神経を集中して観てしまう構成が出来上がっているので、その程度の事でも充分ビックリできる効率の良い作りが上手い。わざわざ観るまででもないかとスルーしていた作品ではあったが、こういう上手い作りであるならシリーズを追っかけてみようかと思わせた一本で。
この手の作品だと、“カメラを持ち続ける理由”ってのが難しい問題となってくるのだが、本作では男の方が救い難いほどのアホだと設定することで、その辺を上手く回避。「怪奇現象をカメラに収めれば、ネットで話題になるかも」程度の事しか考えてなさそうなこの男の役立たずっぷりは圧巻で、やってる事は解決じゃなくて単なる確認作業のみ。ビデオを見て「うわぁ…」ってなるだけの無限ループ。基本的に他人事って意識のある男ならではのこの行動はある意味非常にリアルで、このリアルさが作品に妙な現実味を与えたのかなぁと。まぁ、彼女にはご愁傷さまとしか言いようがないですねぇ。
そう言えば、階下で大きな物音がしたからってカメラ片手に階段を駆け降りる彼らですが、下にいるのが強盗だったら、霊なんかよりずーっと嫌だなぁと思ったのと、ケイティーがなんか女子格闘家みたいな体型だなぁと思った事を最後にメモと。

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霊運も男運も最悪

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2011年10月28日

HATCHET After Days/ハチェット アフターデイズ (Hatchet II)

監督 アダム・グリーン 主演 ダニエル・ハリス
2010年 アメリカ映画 85分 ホラー 採点★★★

映画好きってんで、「最近観た面白い映画ってなにー?」と聞かれる機会の多い私。せっかく女の子に聞かれてるんだから何かオシャレなタイトルでも思い付けばいいんですが、如何せん変な所は素直な私。「んーっと…ゾンゲリア!」と答えちゃう。あからさまに怪訝そうな顔をしていることに気づけばいいのに、そういう所は相変わらず鈍感な私なんで「あんなー、鼻になー、硫酸流してなー、顔が溶けるのー!」と、聞かれもしていない見所を説明しちゃう。んー、これからはこういう時用に、何かジョニー・デップでも出てる映画のタイトルを何本か覚えておこうと。

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【ストーリー】
ニューオーリンズの沼地に潜む怪人ヴィクターの魔の手から辛うじて逃れたメアリーベスは、殺された家族の亡き骸を取り戻しヴィクターに復讐を果たす為、ゾンビ牧師の手を借り再び沼地へと戻って来る。しかし、ヴィクターの忌まわしき過去を知るゾンビ牧師には、ある企みがあり…。

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80年代風スラッシャー映画の基本を守りつつ、タイトル通りストレートで下品な仕上がりが非常に好ましかった『HATCHET/ハチェット』の続編。監督と脚本は、もちろん引き続きアダム・グリーンが。前作の直後だっていうのに主人公が丸っきり違う顔になってるのは、まぁ恐怖のせいで顔が著しく変わったってことで。
前作の舞台に武装して乗り込むという、続編の王道的展開を見せる本作。主人公の目的も顔も変わり、意外な因縁も明らかになったりもするのだが、やってることは基本的に何も変わっていないこの素直さが好き。斬られ、突き刺され、潰され、引っぺがされる人体破壊のオンパレードを、アナログスプラッター特有のグッチャリとした質感で見せる姿勢も好み。“股間をチェーンソーで突き上げられ、二つの玉がコロンと落ちる”という、字で書くとバカバカしいが、実際に映像で見るとやっぱりバカバカしい傑作シーンは、たぶん今後数年間は自分の中で語り草。ゴア描写とゴア描写の合間に見せるのが、ストーリーではなくオッパイだっていう、こっちが何を見たいのか良く分かってる具合も良し。三作目の製作も発表されたが、監督が変われどもこの路線が変わらないのなら、是非観てみようかと。

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前作のタマラ・フェルドマンから代わってメアリーベスに扮したのは、『デイライト』『ハロウィン II』のダニエル・ハリス。しばらくスクリーンで見かけなくなってたが、ここ数年で一気に立派なスクリームクイーンに。元々ファニーフェイスの類だったのだが、極端に高さの違う左右の眉毛と、思いのほか低い身長(152センチ)のおかげで更にユニークな顔立ちと存在に。結構好きなタイプかも。
一方のヴィクターに扮したのは、『13日の金曜日PART7/新しい恐怖』の名ジェイソン役者ケイン・ホッダー。程なく還暦を迎える結構なお歳なのに、全く衰える事の無い力強さは流石。このケイン・ホッダーと、『キャンディマン』『ザ・ロック』のトニー・トッド扮するゾンビ牧師が肉弾戦を繰り広げるクライマックスは、その悪ノリ具合もあって非常に燃える出来に。
その他、前作から引き続き登場する『ニュー・ガイ』のパリー・シェンや、リメイクもされた『フライトナイト』の監督でもあるトム・ホランド、『ヒルズ・ハブ・アイズ』で心優しいミュータントに扮していたラウラ・オルティスなど、微妙だが絶妙なキャスティングも光っている。因みに、先に挙げた玉がコロンと落ちるハンターに扮したリック・マッカラムは、“allcinema”だと“スター・ウォーズ プリクエル・トリロジー”の製作者であるリック・マッカラムってことになってますが、実際は『デビルズ・リジェクト マーダー・ライド・ショー2』などでスタントマンを務めた同名の人物なのでご注意を。まぁ、「あのリック・マッカラムが出てるなら観る!」って人がどの位いるのか分かりませんけど。

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観終わった後は何も残らないが、何も残らないからこそ良いって映画も

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2011年10月27日

フラッシュバック (Flashback)

監督 フランコ・アムリ 主演 デニス・ホッパー
1990年 アメリカ映画 108分 コメディ 採点★★★

物心ついた頃からで考えると、70年代から5つの時代を既に過ごしてしまっている私。振り返るとゾッとしますねぇ。で、その5つの時代の中で、最も親しみと言うか懐かしみと言うか「これぞ私の時代!」って言えるのってなると、やっぱり80年代だなぁと。心身的に一番成長を果たした時期が、そういう風に感じるんですかねぇ。そうなると、それ以降は全く成長していないってことに。まぁ、概ね正解

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【ストーリー】
FBI捜査官のバックナーは、20年にも及ぶ逃亡の末に逮捕されたヒッピー時代の運動家ヒューイ・ウォーカーを護送することに。しかしながら、ひょんな事から田舎の保安官に追われる逃亡者となってしまった二人は…。

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デニス・ホッパーとキーファー・サザーランドの共演で贈る、正反対の二人が次第に心を通わせていくようになる様を描いた、ロード・ムービー風コメディ。
ヤッピーとヒッピーという真逆の文化を持つ二人を通して、かつてのヒッピームーブメントを懐古する本作。『ミッドナイト・ラン』にヒッピーを足しただけの他愛の無さは否めないし、いささか締まりも良くない作品でもあるのだが、ジェネレーションギャップが生み出す笑いや、さらっと昔を懐かしむ分には丁度良い仕上がりとなっている。単なる懐古趣味にだけ走るのではなく、ヒッピームーブメントに“若気の至り”って視点を加えているのも悪くない。また、ニューシネマを思わせる結末を描いてみたり、ステッペンウルフの“ワイルドでいこう!”やキャンド・ヒートの“オン・ザ・ロード・アゲイン”など、60年代ロック初級入門編として申し分の無いサントラもポイント高し。当時私も買いましたし。まぁ、この映画用に書かれたビッグ・オーディオ・ダイナマイトの新曲目当てだったんですが。

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こてこてのヒッピー家庭に育った反発から、これまたこてこてのヤッピーになった捜査官バックナーに扮したのは、『フラットライナーズ』『ヤングガン』のキーファー・サザーランド。サングラスに髪を上げて強面ぶるも、髪を下ろすと瞬く間に赤ん坊みたいになってベソをかきはじめる、なんともいつもの可愛いキーファーを堪能。ジャック・バウアーしか知らない世代にとっては、キーファーに“可愛い”ってイメージが湧かないかもしれませんが、逆にジャック・バウアーを知らない私にとってはキーファーは常に“可愛い”って存在。
一方のヒューイに扮したのは、『狼の街』『悪魔のいけにえ2』のデニス・ホッパー。もう、現役ヒッピーを演じさせたらこの人の右に出る者はいない。ジェフ・ブリッジスとピーター・フォンダが肩を並べる位かと。なので、このキャスティングは全くもって文句なし。文句のつけようがない
その他、『ハリーとトント』のクリフ・デ・ヤングや、『殺人ゲームへの招待』のマイケル・マッキーン、『遊星からの物体X』のリチャード・メイサーなどが出演。中でも、『3人のゴースト』のキャロル・ケインが、森に住む白い魔女みたいなイメージで印象深し。

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電飾もアヒルちゃんも、似合わないからこそ様になる

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2011年09月24日

ファースター 怒りの銃弾 (Faster)

監督 ジョージ・ティルマン・Jr 主演 ドウェイン・ジョンソン
2010年 アメリカ映画 98分 アクション 採点★★★

10年ひと昔って言いますよねぇ。確かに10年もあれば、色んな事が劇的に変化しててもおかしくありませんから。ただまぁ、10年で劇的に変化する年代って、やっぱり10代か20代の頃に起きるんでしょうねぇ。いざ自分の事を振り返ってみても、聴いてるCDも観てる映画も遊んでるゲームもほとんど変わってないですし。変わったって言えば、せいぜい白い毛がとっても恥ずかしい所に生えてきたことと、乳首の位置が下がってきたこと位ですから。これは変化じゃなくて、ただの老いですねぇ。あぁ、やだやだ。

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【ストーリー】
兄と共に銀行強盗を成功させた“ドライバー”。しかし、何者かの罠にはまり兄は殺され、自身も重傷を負わされてしまう。10年後。刑期を終え出所した“ドライバー”は、すぐさまその足で兄を殺した者たちへの復讐を開始する。だが、何者かによって雇われた“殺し屋”が彼の前に現れ…。

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復讐に燃える男の姿を、スピーディかつ一直線に描く猪突猛進アクション。監督を務めるのは、『ソウル・フード』など全体的に黒っぽい作品を多く手掛けるジョージ・ティルマン・Jr。
本作の登場人物“ドライバー”“キラー”“コップ”と言えばウォルター・ヒルの『ザ・ドライバー』を思い出すが、これもまた70年代風のゴツゴツした骨太アクションを楽しめる一本に仕上がっている。主要人物が三人しか居ないのですぐに黒幕が読めてしまう難点はあるものの、同じ場所に留まらず、ひたすら真っ直ぐ進む主人公のパワーとスピード感がその辺を存分にカバー。キャラクター性を投影した車の使い方も面白い。
しかしながら、その猪突猛進的な面白さは序盤までで、セレブな殺し屋が出てくる辺りからどうにもとっ散らかってくる。10年の時を経て、家庭を持ち真人間になった犯人たちであっても「復讐を果たすべきか?」と観客に問いかけたり、その復讐が生み出す負の連鎖や、殺し屋の特異なキャラクターなど、それぞれは面白いのだが絡み合っているとはちょっと言い難い散らかり具合が残念。上手く収拾を付けられないまま置きに行ったようなエンディングも、やはり気になる所。
ただ、ブルーレイに収められていた本来予定していた別エンディングを観ると、その辺の印象は多少変わる。主人公が置かれている立場や負の連鎖はより明確になり、本編では浮き気味だった殺し屋のキャラクター性もハッキリしてくる。特に、若くして成功し何をやっても上手くいくが故に心に大きな空洞を抱えていた殺し屋が求めていたのは、自分は到底敵わなが、その挑戦を「よく頑張った!」と褒めてくれる父親的存在であることが分かるのは非常に興味深い。テスト試写での反応で差し替えられたエンディングのようですが、こっちの方が非常に作品が締まるだけにもったいないなぁと。

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主人公の“ドライバー”に扮するのは、『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』『妖精ファイター』の“ザ・ロック”ことドウェイン・ジョンソン。その肉体のみに頼らず、意外なまでの器用さで様々なジャンルにおいても俳優として存在感を示してきた反面、最近はその器用さが当初の勢いを削いでいた印象も。ただ、今回は久々のマッスル・モード。分厚いドアだろうが壁だろうが、その全てを蹴破って人型の穴を開けてしまいそうな程の勢いと力強さを感じさせてくれる。時折キャラクターが中西学とカブる瞬間があるのがアレだが、それはまぁ頭を撃たれた時にだいぶ理知的な部分が飛び散ったからってことに。
一方、“警官”に扮しているのは、『恋愛ルーキーズ』『がんばれ!ベアーズ ニュー・シーズン』のビリー・ボブ・ソーントン。正直苦手な役者なのだが、こういうちっちゃい人間の役は似合うなぁと。苦手だからそう思うのかも知れませんが。
また、出て来た途端に何か作品が『Mr.&Mrs. スミス』っぽくなっちゃう“殺し屋”役に、苗字にギレンホールって付いててもおかしくなさそうなオリヴァー・ジャクソン=コーエン、結婚をちらつかせた途端に重たい女になるその彼女役には、面長の顔の中心にパーツが集中している『96時間』『ナイト&デイ』のマギー・グレイスがキャスティング。『エンジェル ウォーズ』『シン・シティ』のカーラ・グギーノも、事件を追う刑事役として印象的な役柄を。なんとなく美形重視ってよりはパンチの効いた御顔立ちの女優が多く出演してたような気もしたんですが、その辺も“70年代風味”ってことで良いんですかねぇ。

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ストUのボーナス・ステージのようにも

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2011年09月20日

張り込み (Stakeout)

監督 ジョン・バダム 主演 リチャード・ドレイファス
1987年 アメリカ映画 117分 アクション 採点★★★★

どうにもこうにも一か所にじっとしているのが苦手な私。サブタレを書いてる数時間ですらじっとしていられず、PCの前を離れ部屋中ウロウロ。事務仕事も大の苦手で、集中すれば2時間で終わる仕事も半日掛かりに。日々うちの子供らに「少しはじっとしてろ!」と怒ってばかりいる私ですが、全然人の事は言えないですねぇ。

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【ストーリー】
シアトル。脱獄した凶悪犯の昔の恋人マリアを見張る為、彼女の家の向かいにある空き家で張り込みを始めたオチャラケ刑事コンビのクリスとビル。クリスは盗聴器を仕掛ける為、電話会社職員に成りすましにマリアの家を訪ねるが、あろうことか彼女に一目惚れ。マリアもクリスに惹かれ始め、どんどん深い関係へとなっていくのだが…。

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そつがなく良質な娯楽映画を撮らせれば右に出る者がいなかった、『ドロップ・ゾーン』『ブルーサンダー』のジョン・バダムによる痛快アクションコメディ。
覗いてた相手に惚れちゃう『裏窓』的サスペンスをベースに、アクションに笑い、ロマンスまでも詰め込みながら、その全てを絶妙なさじ加減でブレンドさせ、重過ぎず軽過ぎずのバランスで全く退屈させない作品に仕上げた、流石娯楽職人ジョン・バダムと唸らされる本作。役者の持ち味を存分に活かすだけではなく、その土地の特色を上手に活用した見せ場作りをする丁寧さも見事。たとえロケ地がバンクーバーであろうが、「あぁ、シアトルってこんな所なんだなぁ」と思わせる土地の臭いの再現も上手い。
大人になり切れない男というか、ヒゲを生やした子供にしか見えない主人公コンビの面白さが作品に与えた功績は非常に大きい。刑事らがあまりに子供っぽいので、警察署が学校に見えてしまうこと多々だが、職務とは言え覗きという行為の如何わしさを、このいたずらっ子のコンビの妙が薄れさせ、ロマンスへの発展をスムーズにさせて作品に軽快なリズムを与えている。“悪”を“悪”としてしっかりと描いているのもポイントで、そこをきっちりと描いているからこそ、笑いとのメリハリが生まれているのではとも。悪く言えば“他愛なく当たり障りのない作品”ってことになるが、タッチストーン製のジョン・バダム映画の本作にとってそれは最大の賛辞だと思うので、私はもう絶賛で。

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主人公のクリスに扮しているのは、『RED/レッド』『ポセイドン』のリチャード・ドレイファス。子供が大人の着ぐるみを着ているような茶目っ気溢れるキャラクターは、まさに彼にうってつけ。てか、独壇場。もう“ドレイファス劇場”。この頃の彼を観ていると、加藤茶が本格的に映画に進出してたらこんな感じになってたのかなぁと、ふと思ったりも。
一方、相棒のビルに扮しているのは、『飛べないアヒル』『ヤングガン』のエミリオ・エステヴェス。こっちはもう、完全にヒゲを生やした子供。本来なら精神年齢最年少のキャラを演じるところなんでしょうが、如何せん相手がドレイファス。気持ち保護者的立場の役柄を担当。まぁとは言っても、小学三年生の世話を四年生が焼いてる程度の立場ですが。
また、マリア役にはリチャード・ドレイファスの勧めでこの世界に入り、本作が劇映画デビューとなるマデリーン・ストー。最近は全く見かけなくなってしまったが、若干薄幸そうな顔立ちながらも、惚れた相手には情熱的ななんとも堪らない役柄を好演。惚れるなって方が難しい。たまたまマデリーン・ストーが向かいの家に住んでて、たまたま自分の部屋に望遠鏡があったら、覗かない自信は欠片もなし
その他、『アンノウン』のエイダン・クインや、ブレイクを目前に控えてた『レポゼッション・メン』『フェイク シティ ある男のルール』のフォレスト・ウィッテカーも出演。
そう言えば、なんでこの作品もブルーレイになってないのか不思議だったんですが、アメリカでもまだブルーレイ化されてないんですねぇ。なのに、残念な続編の『張り込みプラス』はブルーレイになってる不思議。

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実年齢は倍ほど違うが、精神年齢はほぼ一緒の二人

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2011年09月14日

プチ・ニコラ (Le petit Nicolas)

監督 ローラン・ティラール 主演 マキシム・ゴダール
2009年 フランス/ベルギー映画 91分 コメディ 採点★★★★

如何せん末っ子なもんで、“お兄ちゃんになる”ってのがどんな感じなのかさっぱり分からない私。じゃぁ、ウチの子供らはどんな感じなんだろうと見てみれば、長女は1歳半の末っ子の存在自体目に入っていないかの如く一人っ子道を邁進しているし、小学二年の長男は寝ている隙に大切なカード類を滅茶苦茶にされたり、TVのリモコンの取り合いの揚句、そのリモコンで顔面をしたたか末っ子に殴られメソメソ泣いてたりと、なんか想像する“お兄ちゃん/お姉ちゃん像”からは随分とかけ離れた感じも。んー、末っ子でとりあえず良かったのかなぁと。

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【ストーリー】
優しい両親と個性的な友達に囲まれ、楽しい日々を送っていたニコラ。ところが、どうにも最近両親の様子がおかしい。「これはきっと弟が出来るに違いない!」と思い込んだニコラは、弟が生まれたら自分は用なしになって森に捨てられると危惧し、仲良しの友人らに相談。とりあえず親のご機嫌取り作戦を実行するのだが…。

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フランスで国民的人気を誇るという絵本を映画化した、なんともおかしく可愛らしいファミリー・コメディ。
「森に捨てられてたまるか!」とアレコレ奮闘するも、なにせ集まるのが小学男子なので事態が何一つ解決しない様を、子供ならではの勘違いと思い込みと行動範囲に天真爛漫さ満載で描いた一本。小学男子のバカさ加減と可愛らしさは万国共通なんだなぁと。
大人同様、子供の世界もなかなか大変だって様を描いた本作。その子供たちをノスタルジックな目線で見つめるだけではなく、きちんと大人たちの大変さ具合も並列し、大人たちの変化がそのまま子供たちにも影響を及ぼす様を描けているのが見事。状況に即したユーモアで溢れる会話も非常に面白く、ギャップの笑いで一気に笑わせるタイプではないが、全編クスクス笑いが続く可愛い作品に。状況を分かりやすく伝える音楽の使い方も、なかなかに洒落てる。
子供たちが多数出てくる作品だと、その名前と顔を覚える前にエンドクレジットを迎えてしまうことも少なくないのだが、見た目と性格が一致しているっていうのも大きいが、本作は序盤に挟まれた簡単な人物紹介で事足りるほどキャラクターが描き分けられ、それぞれの役割をしっかりと劇中で消化されているのも素晴らしい。赤ちゃんが部屋に居るだけで無闇やたらと幸せ気分になる締め括りも好みの一本で。

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デブ・メガネ・バカ・金持ち・暴れん坊と個性豊かな友人らに比べれば幾分普通だが、その“普通”ってのが個性としてしっかりと機能しているニコラに扮しているのは、本作が映画デビューとなるマキシム・ゴダール。なんか名前が立派。ママ役のヴァレリー・ルメルシェ同様、どこかデヴィッド・ドゥカヴニー系列の顔立ちが親子っぽさを強調。
また、パパ役に扮しているのは『バレッツ』のカド・メラッド、一番厄介そうなクラスを受け持ちご愁傷さまとしか言いようがない先生役に、『アパートメント』のサンドリーヌ・キベルラン、顔立ちだけは非常に好みだった『アデル/ファラオと復活の秘薬』のルイーズ・ブルゴワンも、非常に小さい役ながらも印象的な花屋として登場。
キャラクター同様、絵本から出て来たかのようなどこか作り物めいたセットや衣装も非常に魅力的だった一本で。

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無駄なことに全力を尽くすのが男子の生き様

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2011年09月07日

バレッツ (L'immortel)

監督 リシャール・ベリ 主演 ジャン・レノ
2010年 フランス映画 117分 アクション 採点★★★

男同士が集まると、これまで負った大怪我を武勇伝混じりで披露する“怪我自慢大会”みたいなのが始まる事も多いですよねぇ。「バイクでこけて太ももの皮がベロベロにー」とか「屋根から落ちて肋骨がー」とかの怪我自慢に対して、みんなが「スゲースゲー」言う正直変な時間。まぁ、同じ男としてそんな話題にイマイチ乗れないのは、私自身がそんな大怪我をした事がないってのが大きいんでしょうねぇ。「蚊に刺されるとスゲェ腫れる」は自慢になりませんし。

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【ストーリー】
かつてマルセイユの街を支配していたマフィアのボスのシャルリも、今では闇稼業から足を洗い家族と共に平穏な生活を送っていた。しかし、何者かが突如シャルリを襲撃し、22発もの弾丸を浴びせる。奇跡的に一命を取り留めたシャルリは、襲撃を指揮した者が幼い頃からの親友であり、彼の引退後急激に勢力を伸ばしているザッキアであることを知るが、報復が新たな抗争を生んでしまう事を嫌ったシャルリは、復讐に走ろうとする仲間を制止する。しかしその決断が新たな血を流させてしまい…。

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タニー・ザンパとの抗争で銃弾を22発浴びながらも生き延びた実在のギャング、ジャック・アンベールをモデルとしたノワール風味のアクション。『ルビー&カンタン』でもジャン・レノと共演しているリシャール・ベリが監督と脚本を手掛け、『アデル/ファラオと復活の秘薬』のリュック・ベッソンも製作に一枚噛んでいる一本。
平穏な生活を望む昔気質の元ギャングが、血で血を洗う熾烈な争いに巻き込まれていく様を描いた本作。「覆面では報復は出来ん。覆面は匿名の証で、それはただの殺しだ」と、いちいち言う事が任侠な主人公が真っ当な生活を望もうとも、過去からは逃れることが出来ない物悲しさを雰囲気たっぷりに描き出している。家族・友情・ビジネスが入り乱れ、互いに反発しながら争いに発展していく、ギャング映画の基本もしっかりと抑えられているのも好印象。
しかしながら、動機や行動の真意がさっぱり分からないキャラクターが重要な位置に居たり、重要っぽそうなキャラクターが全く物語に絡まなかったりと、脚本の煮詰め足りなさを雰囲気で逃げきろうとした印象も否めず。右手が麻痺してるってのに落ちてる拳銃から右手の指紋が見つかる分かりやす過ぎるワナや、そのワナによって見覚えの無い殺人の容疑を掛けられようが、現に他の人間はバンバカ殺してるんでワナの意味を成していなかったり、そんなあれやこれやを全て無理やり丸く収めた感じも強い締めにも、詰めの甘さを非常に感じる事も。

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原題通り不死身の主人公に扮しているのは、『クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち』『エンパイア・オブ・ザ・ウルフ』のジャン・レノ。凄味の効いたヤクザ顔と愛嬌溢れるマヌケ顔の両極端な顔を持つジャン・レノだけに、家庭人でありヤクザという二面性を持つ主人公を見事に好演。最近はどうにも残念な作品で観る機会が多くなった彼なので、ちょっくらこの路線で頑張って頂きたい気も。
その他、殺したい相手をさっぱり殺せない対抗ギャング役に『プチ・ニコラ』のカド・メラッド、案外凄腕の殺し屋だったりもする弁護士役に『サン・ジャックへの道』のジャン=ピエール・ダルッサン、位置付け的には主要キャラクターながらも、物語にはさっぱり絡まない幼馴染のギャング役に監督でもあるリシャール・ベリ、見たまんまの荒くれっぷりが印象的な『ラスト3デイズ 〜すべて彼女のために〜』のムーサ・マースクリなども出演。中でも一番のお気に入りは、ジャン・レノの潜伏先で一緒に焼き魚を食うイイ顔をした野良猫。歳を取ったらあんな生活をしたいなぁと。いや、別に潜伏生活がしたいってわけじゃないですからね。

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“海辺で酒と肴をネコと一緒に”って老後を狙っております

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posted by たお at 06:51 | Comment(2) | TrackBack(0) | 前にも観たアレ■は行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月06日

パーフェクト・スナイパー (Elephant White)

監督 プラッチャヤー・ピンゲーオ 主演 ジャイモン・フンスー
2011年 アメリカ映画 91分 アクション 採点★★

“意外な組み合わせ”って、上手くいきそうにないのに上手くいった成功例に対して使う言葉ですよねぇ。カレーに納豆とか、納豆にマヨネーズとか、鰹の刺身をマヨ醤油でとか。なんかマヨネーズ無敵。その“意外”ってのは、組合せに対する意外性じゃなく結果に対する“意外”なんだろうなぁと。意外な組み合わせだけど失敗したものに関しては、“当然の結果”で収まりますし。

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【ストーリー】
タイのバンコク。プロの殺し屋であるチャーチは、娘をさらわれた父親の依頼でギャングを壊滅させる仕事を請ける。そんな折、チャーチはメイと名乗る不思議な少女と出会い、徐々に心を許していく。だが、その仕事の依頼にも少女にも大きな秘密が隠されており…。

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マッハ!』のプラッチャヤー・ピンゲーオが初めて手掛けるアメリカ映画ってんで興味をそそられたが、主演のジャイモン・フンスーを含めてプロデューサーが12人もいる大所帯っぷりに不安も感じてしまった本作。まぁ、ほぼその不安通りだったという事で。
殺し屋と無垢な少女の組合せって言えば『レオン』を思い出すが、そこに少女売春と幽霊譚というタイお馴染の素材をぶち込んで、ごった煮にした挙句パクチーを随分と効かせた感じの本作。アクションと幽霊をふざけ半分で組み合わせたかと言えば全くそうではなく、そのどちらの素材に対しても真面目に並列に描かれている。ただ、その真面目さが裏目に出たのか、それぞれの繋ぎ目がトンチンカン。さっぱり混じり切ってない。幽霊譚が若干優位な分、だんだんアクションが邪魔になってくる感じも。いっそのこと幽霊譚をメインで作ればよかったのに。
アクションの見せ場作りも非常に雑な印象がある本作。凄腕の殺し屋って設定のようだが、撃つ弾は全て命中し、撃たれる弾はほぼ外れるって描写だけじゃ凄味は生まれない。劇場公開を狙ってたのか、最初っからDVDストレートと決まってたのかは定かではないんですが、まぁ公開されなかったのも分からなくもない一本に。

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主人公のチャーチに扮するのは、その名前を見る度になぜか怪物くんのフランケンを思い出してしまう『コンスタンティン』『エラゴン 遺志を継ぐ者』のジャイモン・フンスー。“フンスー”ってとこもそうなんですが、“ジャイモン”ってのにもどことなく藤子不二雄っぽさを。それはさて置き、格闘シーンも多かった本作。『ネバー・バックダウン』では結構な凄味を見せていた彼だけに期待をしてみたが、どうにもやらされてる感満載なのが残念。流れるような動きってのよりは、一個一個手順通りに「動いてみました!」って感じ。まぁ、身体に白い粉をまかれ梵字みたいなのを書かれた途端、一気にヴードゥー臭くなってかなりの迫力だってのは見所かと。ヴードゥー関係ないんですけど。
一方、その主人公に振り回される武器商役には、『狼の死刑宣告』『インビジブル』のケヴィン・ベーコン。大袈裟な時もあるが基本上手い役者のはずなのだが、今回の仕事はなんとも雑。これまた、やらされてる感満載。特に初登場シーンなどは、およそOKシーンとは思えぬ大雑把さ。そんな、あんまり観れないケヴィンを観れたってのも、ちょっとしたお得感。そう思っておきたい。
まぁあんまり褒めれる作品ではなかったんですが、幽霊役のそらで名前を言える気が全くしないチランタニン・ピタックポントラクンが可愛いってのが救いかと。あれなら取り憑かれても文句はないですし。

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ちょっとずつ寿命を削り取られてるんだろうなぁ

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posted by たお at 07:57 | Comment(2) | TrackBack(1) | 前にも観たアレ■は行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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