2016年12月01日

トリプル9 裏切りのコード (Triple 9)

監督 ジョン・ヒルコート 主演 キウェテル・イジョフォー
2016年 アメリカ映画 115分 アクション 採点★★★

一般常識とはちょっとズレた、職場独自の習慣や風習ってのがあるって話をよく聞きますよねぇ。私自身はそこまで独特な社風の会社に勤めたことがないんですけど、強いて言えば、今の会社は外資のせいか、使う資料に写ってる人物が皆満面の笑顔で親指を突き上げてる外人だってのが、ちょっとヤダ。ポジティブを押し付けられてるようで、なんかヤダ。自己啓発セミナーに感じるような胡散臭さが、どうにもヤダなのよ

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【ストーリー】
凶悪犯罪が多発するアトランタ。ロシアンマフィアとの関係を絶とうと考えていた、元兵士や悪徳警官らで構成される強盗グループのリーダーであるマイケル。それを許さぬマフィアの女ボスのイリーナは、マイケルの息子を人質に、厳重な警備に守られた国土安全保障省の施設を襲撃する仕事を命令する。追い詰められたマイケルらは、警官が撃たれた際に街中の警官がその現場へ駆けつけることを最優先とする緊急コード“トリプル9”を利用することを思いつく。その標的として、新たに赴任してきた実直な刑事クリスに目を付けるのだったが…。

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ザ・ロード』のジョン・ヒルコートによる、群像サスペンス・アクション。なんかいっぱいいる音楽担当の中には、トレント・レズナーとの仕事で知られる『ゴーン・ガール』のアッティカス・ロスの名も。
法や道徳、世間一般の常識とは異なる犯罪者と警察官の道義と、それを踏み外してしまったがために起る混乱と悲劇を描いた本作。ザックリといえば風変わりな作風のジョン・ヒルコートにしては非常にオーソドックスな作りだったので、安堵半分、肩透かし半分って感じも。
プロの強盗グループと、それを追う警察の姿を二部構成のように描く、要は『ヒート』な本作。冒頭の強盗シーンや、警察による襲撃シーンに見られる、訓練を受けた者たちだからこその無駄のない美しさすらある動きが、犯罪都市である現場の空気感も含め非常にリアルに描かれているのが見どころ。ただ、そのリアルさに物語がさっぱりついて行ってない印象も。欲望や裏切りだけではなく絆の深さも描かれる、犯罪者グループがメインとなる前半はタイトな作りで良いのだが、警察が絡んでくる後半になると、バタバタと雑になった上に物語がフワフワしてしまう。主人公ポジションにいるはずのクリスは、振り返ってみると物語に絡んでそうで絡んでませんし。この警察描写の弱さは、作品のバランスを崩しているだけではなく、“警察の問題は警察内で処理をする”という独自の道義で締めくくる結末の持つ意味も弱めてしまっているのがなんとも残念。
随所に素晴らしい描写があり、非常に良い顔触れが揃っていただけに、「もう少しなんとかならんかったのかなぁ…」って印象が残る、なんとも惜しい一本で。

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強盗団のリーダーを涙目で熱演していた『オデッセイ』のキウェテル・イジョフォーを筆頭に、単に真面目なだけではなく、斜めから冷めて皮肉めいた視線で物事を見つめているような眼差しが警官役にピッタリだった『ゴーン・ベイビー・ゴーン』のケイシー・アフレック、根っこの明るさが悪党になり切れない警官役にハマっていた『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』のアンソニー・マッキーに、“欲”が前に出ていた『PARKER/パーカー』のクリフトン・コリンズ・Jrと、非常に良い顔触れが揃っていた本作。
そのメインどころのみならず、なにかキメこんだまま出てきちゃってたような『セブン・サイコパス』のウディ・ハレルソンや、下品さ丸出しだった『コンテイジョン』のケイト・ウィンスレットら大物勢に、『ブレイキング・バッド』のアーロン・ポール、持ち前の色気を封印していた『X-ミッション』のテリーサ・パーマー、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』のガル・ガドットといった、若手勢にも良い顔揃いの本作。
中でも、監督自身も早期退場を惜しんでシーンを増やしたと語っていた、強盗団の心の要のようなラッセル役に扮した『ウォーキング・デッド』のノーマン・リーダスが素晴らしい。ホント、退場もうちょっと後でも良かったんじゃないかなぁ。
ヒルコート作品に出演するのがステイタスなのか、なんか最初に声掛けた人が全員快諾したかのような顔触れを一気に見れるだけでも価値ある作品ではありますが、その反面「もったいないなぁ」って感じも拭えなかった一本で。

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法律よりも守らなければならないルールが

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2016年11月07日

10 クローバーフィールド・レーン (10 Cloverfield Lane)

監督 ダン・トラクテンバーグ 主演 メアリー・エリザベス・ウィンステッド
2016年 アメリカ映画 104分 サスペンス 採点★★★

J・J・エイブラムスって、監督としてはこれといった個性もそつも思い入れも感じられない、“記憶に残らない映画”を作る天才って印象しかないんですが、プロデューサーとしては立ち行かなくなった企画や大きすぎるプロジェクトを動かす“凄腕”ってイメージがありますよねぇ。人と金を集め、無茶と思える企画すら通しちゃうその手腕には、素直に敬意すら感じたりも。きっと、プレゼン能力が凄まじく高いんでしょうねぇ。近くに居たら嫌いなタイプだ

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【ストーリー】
運転中の事故で意識を失ったミシェル。目を覚ますと、彼女は見知らぬ地下室で手錠に繋がれていた。そこに現れたのは、シェルターと化した地下室の所有者ハワード。彼は、外でとてつもなく恐ろしいことが起きているので外に出すことはできないと彼女に説明する。足の怪我で思うように動けないミシェルだったが、隙を見て脱出を試みる。外まであと一歩のところで彼女が目にしたのは…。

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先の読めない展開と、『クローバーフィールド/HAKAISHA』と世界観を共有する姉妹編的作品ということでも話題となった、J・J・エイブラムス製作による密室スリラー。監督を務めたのは、本作が長編デビューとなるダン・トラクテンバーグ。もともとは『クローバーフィールド/HAKAISHA』と全く関係のない独立した脚本だってこともあるので、一旦その辺は脇に除けておこうかと。
ざっくりと言えば、『ミザリー』と『サイン』をギュっとまとめて、そこに『宇宙戦争』を振りかけたみたいな、映画好きが集まって盛り上がった話をそのまんま脚本にしたかのような本作。マッチ一本で大爆発しかねない可燃性のガスでパンパンになった宇宙船で攻めてくるなんて、なんか水が苦手なくせに水だらけの惑星を侵略しに来た『サイン』の連中みたいでしたし。ただまぁ、確かに先は読めないが、寄せ集め故の先の読めなさって感じも。
しかしながら、ハワードが“単なる狂人なのか?”と“異常な状況に立ち向かっている一般人なのか?”の疑問の間で観客を迷わせ、最終的に“どっちも”にもっていく設定と展開は巧い。アイディアの勝利というか、やったもん勝ちな感じもするが、なかなか楽しめた展開で。

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温厚なイメージがあるだけに、秘めたる欲求が狂気に転じた時の手に負えない恐ろしさを見事に体現していた『アルゴ』のジョン・グッドマンや、ジョン・マクレーン並みにダクトを這い回り(そういえば娘役やってた!)、『宇宙戦争』のトムちん並みに細かいことに気が付くミシェルを持ち前の冷静さで演じた、『遊星からの物体X ファーストコンタクト』のメアリー・エリザベス・ウィンステッド、そんな存在感の大きい二人に挟まれ影が薄くなってしまったが、その薄さがキャラの個性と合致していたジョン・ギャラガー・Jrという、限定空間での少ない人数の作品ながらも物足りなさを感じさせないキャスティングも魅力だった本作。声だけながらも、『アメリカン・スナイパー』のブラッドリー・クーパーが出ている、ちょっとしたボーナスも嬉しい一本で。
で、ちょっと脇に除けてた『クローバーフィールド/HAKAISHA』の話。“あの時ほかの場所で何が起きていたのか?”って意味では非常に興味をそそられる物語ではあるんですが、その反面、関連しているという事前情報や作品のタイトルからも、尋常じゃないことが起きている世界であることが分かってるので、作品そのもののサスペンスを大いに削いでしまってるデメリットも。一方、関連作として楽しもうにも、『クローバーフィールド/HAKAISHA』のメイキングでJ・J自身が語っていた背景と本作で語られる状況が一致しないので、ただただ困惑するばかり。その辺の、上っ面だけで作品自体に思い入れの感じられない、非常にJ・Jらしい一本だったなぁと。

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今回も大阪で最初に撃退してたりするんでしょうかねぇ

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2016年10月12日

デッドプール (Deadpool)

監督 ティム・ミラー 主演 ライアン・レイノルズ
2016年 アメリカ映画 108分 アクション 採点★★★★

朝起きたら何かしらのスーパーパワーが目覚めてたとして、だからといって「ヨーシ!今日からヒーローになるぞぅ!」となるとは到底思えない私。パワーの種類にもよりますけど、それが単に硬くなるだけとかだったら、そもそもの使い道すら思いつきませんし。で、玄関先に車椅子のハゲがやって来て、「さぁ!今日から一緒に悪と戦いましょう!」なんて言われても、「なんで?」としか。やっぱり、ヒーローになる人ってのは、パワーの有無に関係なく特別な人なんでしょうねぇ。

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【ストーリー】
小悪党を懲らしめ日銭を稼いでいた元傭兵のウェイドは、娼婦のヴァネッサと出会い恋に落ちる。束の間の幸せな日々を送るも、末期癌を患い余命僅かと宣告されてしまう。そんな彼のもとに現れた謎の男の紹介で、怪しげな治療を行う施設へとやって来たウェイドだったが、そこはエイジャックという男が主導し、人工的にミュータントの力を目覚めさせ、戦闘マシンを作り上げる実験場だった。結果、病気は完治し不死の肉体をも手に入れた彼であったが、その代償として全身が醜くただれた姿となってしまう。その姿のせいで恋人にも会えなくなってしまったウェイドは、マスクを被ったデッドプールとなり、復讐と元の姿に戻るためエイジャックを追うが…。

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本作が長編デビューとなるティム・ミラーによる、異色マーベルヒーローのデッドプールを主人公に据えたアクション・コメディ。映画製作における真のヒーロー(自称)である脚本を手掛けたのは、『ゾンビランド』のレット・リース&ポール・ワーニック。“アベンジャーズ”シリーズと同じマーベルでも、こっちは20世紀フォックスがガッツリと権利を握ってる“X-MEN”シリーズと世界観を共有している一本。とは言いつつも、同じくライアン・レイノルズがウェイドを演じた『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』とはまた微妙に設定が異なる、若干ややこしい一本でも。
オープニングクレジットからエンドクレジットの最後の瞬間まで、徹頭徹尾、遊び心がふんだんに盛り込まれていた、もうただただ楽しかった本作。マーベルネタをはじめとした映画ネタや楽屋落ちネタが多く披露されてるが、それらが単なる悪ふざけや内輪ウケに終わらず、しっかりとデッドプールのキャラクター性や世界観を作り上げていたのも立派。原作同様、物語と観客の間の第四の壁を破壊しまくってるが、そこにも映画ならではの破壊の仕方や(最後の『フェリスはある朝突然に』ネタに悶絶!)、物語を巧みに進行させる工夫、キャラクターの破天荒さを際立たせる効果などがきちんと織り込まれているのも見事。
また、昨今のアメコミ映画が陥りやすい画と物語の情報過多や、一作目にありがちな設定説明に終始しまどろっかしい展開に陥ることを避け、コンパクトにまとめられた物語を100分台という手頃なランニングタイムと予算で収めた構成力も好印象。下手にほっこりとさせないってのも嬉しかったですし。締めのワム!も含め。
そして何よりも、これまで興行収入を望むうえでスタジオ側が弊害と考えてきたR指定であっても、作品さえ面白ければオープニングで1億ドルを突破することも可能ということを立証してみせたってのは、今後の娯楽作品の映像表現の幅を広げる可能性を含んでいるって意味でも、非常に素晴らしいことだなぁと。

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喋ってないと死んじゃうのか?」ってほどの減らず口が、ある意味特殊能力の一つでもあるデッドプールことウェイド・ウィルソンに扮したのは、『デンジャラス・ラン』『ブレイド3』のライアン・レイノルズ。なんか、ライアン・ゴズリングとクリス・エヴァンスの間を行ったり来たりしている印象もある彼ですけど、今回は思いっきりかつてのエヴァンス寄りの軽薄軽妙キャラを好演。なんだかんだとアメコミキャラに扮することが多い一方で、ハマリ役には恵まれなかっただけに、製作も兼ねる気合の入れようで挑んだ本作で見事にハマったのは嬉しい限りなんじゃないでしょうかねぇ。例の緑のヤツに対する憂さを、しっかりと劇中で晴らしておりましたし。
その他、どことなく若い頃のアシュレイ・ジャッドを思い起こさせる、『SPY/スパイ』のモリーナ・バッカリンや、『トランスポーター イグニション』のエド・スクライン、『ロック・オブ・エイジズ』のT・J・ミラーに、格闘家としての見せ場をしっかりと作り上げてた『ワイルド・スピード EURO MISSION』のジーナ・カラーノ、そしてもちろんもれなく付いてくるスタン・リーといった、バラエティ豊かなキャスティングも魅力。
そしてなんと言っても、ネガでソニックでウォーヘッドなティーンエイジャーという、名前まんまのキャラクターで魅了してくれたブリアナ・ヒルデブランドの存在感が忘れ難し。と言うか、ただただ連呼したくなる“ネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッド”のネームパワーたるや。今度ネコに名前を付ける機会があったら、“ネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッド”と付けようかな。で、ちゃんと「ネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッド!」て呼ぼうかな。取り合えず、ネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッドを“ね”で辞書登録しておこっと。

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ネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッド!

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2016年08月25日

沈黙の帝王 (The Perfect Weapon)

監督 ティトゥス・パール 主演 ジョニー・メスナー
2016年 アメリカ/スウェーデン映画 88分 アクション 採点★★

セガールって、映画の中では絶対神みたいなもんなんで、まぁず死なないですよねぇ。無敵。でも、そんなセガールも『エグゼクティブ・デシジョン』と『マチェーテ』では死んでるんですよねぇ。ただまぁ、『エグゼクティブ・デシジョン』では飛行機の尾翼にしがみついて何食わぬ顔で帰還していた可能性も否定できませんし、『マチェーテ』でもしっかりと生命活動の停止を確認していないので、後日鬼の形相で仕返し行脚に出向いている可能性も否定できず。なんかもう、セガール怖い

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【ストーリー】
セガールによってすべてが管理されるセガール全体主義国家となったアメリカでは、国家の敵となるものは全て工作員によって殺される運命にあった。そんな中、優秀な工作員であったコンドルは消されていた感情と記憶をひょんなことから取り戻し、死んだと思っていた元恋人のニーナと共にセガールに立ち向かうのだが…。

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スウェーデンの若手監督の作品に、セガールが「オレがちょいと一噛みしてやるよー」と製作総指揮を名乗り出て、箔付けだけのゲスト出演なのに最終的に乗っ取っちゃった感じのSFアクション。『ティアーズ・オブ・ザ・サン』の“なんちゃってヴィゴ・モーテンセン”が辛うじて記憶にあるジョニー・メスナーを主演に、『キンダガートン・コップ』のリチャード・タイソン、『コマンドー』のヴァーノン・ウェルズらが共演。
掻い摘めば、『リベリオン』からガン=カタを抜いてセガールを足した感じの本作。すべてが監視される管理社会の頂点に君臨しているのがセガールだってのは、ビッグブラザーが管理している社会なんかよりも遥かに怖い。鬼の包丁片手に直々に粛清しに来ちゃいそうですし。関西弁で喋りながら
まぁ、そんな雰囲気こそ悪くはないんですけど、映画としてはお粗末の極み。監視社会として描かれてるのは序盤のみで、著名人が顔を晒して反政府活動してたり、国家に追われる主人公が普通に家に帰ってたりと、設定がさっぱり機能していない描写の連続。また、物語上重要な“何故”や“どのように”がきれいに抜け落ちてるので、不可解・不用意・矛盾のオンパレード。アクション自体にもこれといった見どころもない、やりたいことは分かるが全然やれてない残念な一本で。

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そんな残念な一本ではあるんですけど、今回のセガールは凄い
沈黙のSHINGEKI/進撃』の時と同様ゲスト扱いなので出番は少ないんですけど、若い全裸の娘を傍らにはべらかし、その娘の尻を満面の笑みで見つめ、モシャモシャとした日本語を喋り、東洋医学のうん蓄も披露する“セガール・ワールド”全開。しかも、アクションシーンとなれば主人公をコテンパンにしてしまう絶対神っぷりも健在。ってか、悪の親玉の圧勝って斬新。
もちろんセガールが圧勝したままセガールの笑みで終わっちゃうと流石にアレなので、一応負けてみたりするセガール。ネタバレにはなっちゃいますけど、死んでみたりもするお茶目なセガール。でも、そこは流石セガール。死ぬけど死んでない。何を書いてるのかサッパリでしょうけど、文字通りの展開。普通の映画なら反則になる手を堂々と使っちゃう、まさにセガールが神として君臨する世界。主人公ですら刃向かえず。
可能な限り楽が出来、若い娘の裸を拝め、一番強いのは自分というセガールが求めるセガール映画の完成形を垣間見た気もした本作。映画としてはアレですし、映画人としてのセガールもアレなんですが、なんか理想的な老後を過ごしているセガールがちょっと羨ましかったので★オマケ気味に。

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セガールに勝てるのはセガールのみ

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2016年05月06日

ディッキー・ロバーツ 俺は元子役スター (Dickie Roberts: Former Child Star)

監督 サム・ワイズマン 主演 デヴィッド・スペード
2003年 アメリカ映画 98分 コメディ 採点★★★

強い日差しをモノともせず頭から湯気を出しながら無心に地面に穴を掘ってたり、雨の中傘もささずに水たまりで遊んでたり、とりあえず棒を持ったら辺り構わず振り回したりと、子供(特に男子)のやることってのは傍から見るとアホ丸出しですよねぇ。ついつい親として止めてしまいがちな行動なんですけど、そんなアホの積み重ねってのが心身の発育上とっても重要だったりも。

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【ストーリー】
お茶の間の人気者だった元子役スターのディッキー・ロバーツも、35歳となったいまではかつての人気も輝きも失い、定職にも就けない冴えない大人となっていた。そんなある日、ロブ・ライナーの新作オーディションを受けるも、まともな子供時代を過ごしていなかった彼には“普通の男”の役が出来ないと指摘されてしまう。そこで彼は、自分が体験しなかった子供時代を過ごし直すため、とある一家を雇うのだったが…。

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デヴィッド・スペードと『キューティ・バニー』のフレッド・ウルフが手掛けた脚本を、『D2/マイティ・ダック』のサム・ワイズマンが監督を務め映画化したコメディ。製作には『ピクセル』のアダム・サンドラーらが。
ホームドラマで人気を博した主人公が、そのおかげで失った子供時代をホームドラマのように絵に描いたような家庭の中で、ホームドラマのように過ごして取り戻すという、考えると軽く頭がクラっとくる奇抜な設定で描かれる本作。ただ、設定こそ奇抜だがハチャメチャな笑いで貫くのではなく、それを活かしつつも抑え気味のトーンで家族の再生や幸せの再発見に至る様を描く、アダム・サンドラー関連作品でお馴染みの“優しさ”ってのを前に出して描いていた一本。互いが影響し合い、足りない部分を補い合いながら真の幸せに気付いていく物語は定番なものであるが、定番ならではの安定した面白味にハリウッドの内幕や子役という特殊な環境をネタにした笑いが混じり合い、本作ならではの独特な風合いが生まれていたのも良かったなぁと。

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主人公に扮したのは、『アダルトボーイズ青春白書』のデヴィッド・スペード。母の愛を取り戻したいがためにスターに返り咲きたいという思いのほか切実な動機付けがあるせいか、明るく振る舞えば振る舞うほどその裏に悲しさが見えてくる、最も彼が輝く役柄を好演。アダム一家随一の可愛げを発揮しながらも、どこか不安定な脆さも窺わせる、彼のベストワークのひとつになるのではと。
その他、なんか美人格闘家って感じもしたメアリー・マコーマックや、今回は全てを破壊し尽くすような笑いに走らず一途な優しさすら見せて驚かされた『がんばれ!ベンチウォーマーズ』のジョン・ロヴィッツ、本人役で登場する『ア・フュー・グッドメン』のロブ・ライナーに、『クラッシュ』のブレンダン・フレイザーといった顔触れも。
で、ネタがネタだけに“元子役”がわんさか出演しているのも見所の本作。『コマンドー』のアリッサ・ミラノを筆頭に、『ロストボーイ』のWコリー、レイフ・ギャレット、アーノルド坊やにエマニエル坊やと、後に苦労している面々が勢揃い。そんな彼らが揃ってエンディングで子役の苦労を歌う様は、ちょっぴり感動しちゃったりもした一本で。

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ちゃんと育てよ

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2016年04月09日

デッド・オア・リベンジ (Landmine Goes Click)

監督 レヴァン・バキア 主演 スターリング・ナイト
2015年 ジョージア映画 105分 サスペンス 採点★★★

どちらかと言えば人を怒らせるほうが多いので、復讐したいほど恨んでる人間ってのがほとんどいない私。大抵その場でそこそこやり返しますし。それでも何人かはいつかこっ酷く仕返ししてやろうと思ってる人物もいるにはいるんですけど、アレコレ仕返しのやり方を想像しているだけで満足しちゃうもんなんですよねぇ。そもそも、そんな人にはもう二度と会いたくありませんし

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【ストーリー】
ジョージアの山奥にトレッキングにやって来たダニエルと婚約者のアリシア、そしてダニエルの親友クリスのアメリカ人三人組。しかし、ひょんなことからクリスが地中に埋もれていた地雷を踏んでしまい身動きが取れなくなってしまう。だがそれは、アリシアとクリスの浮気を知ったダニエルの復讐であった。そんな中、山中に取り残されたクリスとアリシアの前に地元住人のイリアが通りかかる。助けを求めた彼らだったが、イリアが求める見返りはどんどんエスカレートし、やがてアリシアをレイプして・・・。

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未だに東欧的なエキゾチックさ溢れる“グルジア”って響きの方がやっぱり好みな、ジョージア産バイオレンスサスペンス。『セブンティーン・アゲイン』のスターリング・ナイト、『バイオハザード IV アフターライフ』のスペンサー・ロックらが出演。
浮気した仕返しに地雷を踏ませる導入部から、地雷踏んでて動けない状況下で愛する人が目の前でレイプされる中盤まで、もういろいろ突飛な本作。なんかこう、その後の復讐劇を盛り上げるためにだけレイプしやすい状況を無理やり練り上げたって感じが。そこに至るまでのやり取りも隙が多過ぎてイマイチ緊迫感も盛り上がらず。
ただ、そこから急転回する復讐劇はなかなか面白い。やられたことを逐一しっかりやり返す復讐劇には一種のカタルシスが味わえるし、その相手となるレイプ犯が単なる異常性愛者ではなく、戦場のような異常な状況下で残虐行為を平気で行う兵士が家に返ると単なる一般人に過ぎないのと同様に、ちょいと酒癖の悪い一般人でしかない様を描くことで、復讐者ともども人間の深層に潜む残虐性を際立たせる演出も巧い。また、果たしてしまった復讐が何も生み出さないどころか、負の感情と負の現実しか生み出さないことを明確にする結末も見事。無理やり過ぎる出だしに、そもそも原因となった人物が空気のようにフワフワとどっかに漂い去ってしまう展開など、難点も少なくない歪な作品ではあったんですけど、なんだかんだと最終的に強烈な印象を残す一本には仕上がってたなぁと。

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旅先でいろいろ捨てるのはやめましょう

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2016年03月15日

デッドフォール (Tango & Cash)

監督 アンドレイ・コンチャロフスキー 主演 シルヴェスター・スタローン
1989年 アメリカ映画 104分 アクション 採点★★★

共に1985年に公開された、スタローンの『ランボー/怒りの脱出』とシュワルツェネッガーの『コマンドー』で華々しく幕を開けた“筋肉映画”。多少の紆余曲折がありましたが二人とも今現在もスターの座に君臨していますし、その後の作品も喜んで追っかけてたのでその“筋肉映画”の時代が長く続いていたような印象を持ってますけど、87年には新たなタイプのバディアクションとして旋風を巻き起こした『リーサル・ウェポン』が公開され、88年には密室孤立型アクションの傑作としてのみならず、非アクションスターがアクション映画の主演を務めるという新たな流れを生み出した『ダイ・ハード』が公開されてるんですよねぇ。アクションの主流が次々変化していってる。一方その頃の二人はと言えば、シュワは『プレデター』をものにしつつも筋肉映画に限界を感じつつあったのかコメディに活路を求め始めてるし、スタは『オーバー・ザ・トップ』『ランボー3/怒りのアフガン』と、筋肉路線をエスカレートし過ぎて明らかに低迷期に入り始めてる。てっきり80年代はずーっと筋肉が輝いてたと思ってたら、ちょっとした打ち上げ花火だったんだなぁと、調べなおしてみてちょいと驚いた。

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【ストーリー】
ロサンゼルス市警の東西の分署に分かれて所属するタンゴとキャッシュ。スタイルも性格も真逆の二人ではあったが、彼らは共に市警ナンバー1の座を争う凄腕の刑事だった。そんな二人に煮え湯を飲まされ続けていた犯罪組織のボスであるペレットは、二人を社会的に抹殺するため彼らを犯罪者に仕立て上げ刑務所に投獄させる。しかし罠に嵌められた二人は脱獄、反発しあいながらもペレットを追い・・・。

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『暴走機関車』のアンドレイ・コンチャロフスキーがメガホンを握った、巨大組織の罠にはまった二人のスター刑事の活躍を描くバディアクション。
いかにも“ソヴィエト映画ですたい!”的な重苦しい作品を撮ってた監督の作品とは思えぬ破れかぶれなまでの能天気っぷりに、「社会主義国家から見たハリウッドのカリカチュアなのか?」と思ったりもしましたが、よくよく調べてみるとコンチャロフスキーが監督を務めていたのは3カ月余りで、予算超過でクビになった以降は製作総指揮を務めていた『ランボー3/怒りのアフガン』のピーター・マクドナルド、『プリンス/パープル・レイン 』のアルバート・マグノーリ、スタローン自身もちょいと噛んで、最終的に『エグゼクティブ・デシジョン』のスチャート・ベアードが仕上げたっていう、現場のゴタゴタがそのまんま作品の破れかぶれさに現れちゃったようで。「ランボーなんか目じゃないぜ!」から始まり、顔の骨格に特徴が全て詰め込まれたマニアック・コップに対しては「コナン観たよ!」とシュワいじりをし、キャッシュの「なんだ?デニッシュでも食ってたのか?」の問いにスタ扮するタンゴが「デニッシュ(デンマーク人)は嫌いだ!」と離婚したばかりのブリジット・ニールセンを揶揄するみたいな内輪ネタ・楽屋オチがてんこ盛りだが、それらも微妙に空回り
ただ、このハチャメチャっぷりは嫌いではなく。本国では89年12月22日に公開された80年代最後の映画になる本作だが、能天気で大雑把で大味で、それでもって派手さと笑いと筋肉が混在する、まるで80年代の総決算のような本作を嫌いになれるわけもない。機銃を搭載した“地獄から来たRV”やモンスタートラック、バギーカーが大爆発を背景に暴れまわるプチ・メガフォースみたいなクライマックスなんて、もうザ・80年代ですし。密度は別にして、サックリとお祭り気分を味わうには丁度いい一本だなぁと。

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まだまだトップスターとして君臨しながらも、主流の変化と次世代の突き上げもあり一枚看板役者としての地位に陰りが見え始めていた『ロックアップ』のスタローンと、『若き勇者たち』のパトリック・スウェイジのコンビでもともと企画されていた本作。ただ、スウェイジが『ロードハウス 孤独の街』の方を選んだので、代わりに“カーペンター映画でお馴染みの”ってポジションから“笑いもアクションもドラマもなんでもござい!”という次世代スターの座へ駆け上がり始めていたゴースト・ハンターズ』のカート・ラッセルがキャスティング。このコンビネーションが思いのほか素晴らしい
カート・ラッセルはお馴染みの気さくでいい加減なキャラを好演し、一方のスタローンはバブリーでキザというちょっと珍しい役柄に挑戦しているのだが、そもそも二人ともベースに土臭さがあるので相性は悪くない。慣れない役柄のスタローンを巧くラッセルが補ってましたし。この後何作か二枚看板映画を作るスタローンですけど、カート・ラッセル程の相方には出会えてないなぁと。次にこの組合せが見れるのは、現在撮影中の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー2』になるのかな?
そんなスタローンとカート・ラッセルばかりに目が行っちゃう作品ではありますが、強いんだか弱いんだかさっぱり分からない犯罪組織のボスに扮した『ヤングガン』のジャック・パランスを筆頭に、『48時間』のブライオン・ジェームズ、『地獄のヒーロー』のジェームズ・ホン、『マニアック・コップ』のロバート・ツダール、アークエット家の家長ルイス・アークエットに、『処刑ライダー』のクリント・ハワードといった顔触れが悪役に扮する贅沢っぷり。
それに留まらず、昨年惜しくも亡くなってしまった『ダーティファイター/燃えよ鉄拳』のジェフリー・ルイスがノンクレジットで出演し、『3人のゴースト』のマイケル・J・ポラード、“犯罪のことならお任せ!”な『バトルランナー』のエドワード・バンカーが囚人役じゃなく刑事役で登場する、ほんと隅々目が離せない一本。まぁ、この盛り沢山なキャストも作品のゴタゴタ感を際立たせてしまってはいるんですけどね。

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で、消耗品軍団入りはいつ頃に?

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2016年02月26日

奪還者 (The Rover)

監督 デヴィッド・ミショッド 主演 ガイ・ピアース
2014年 オーストラリア/アメリカ映画 103分 サスペンス 採点★★★

男の子って、女の子と比べると言葉の発達が遅いと言いますよねぇ。今度中学生になるうちの長男なんて、未だに質問から主語が行方不明になりますし。TVで志村けんなんかを観ながら大爆笑していたかと思いきや、ふいに「ねぇお母さん、志村けんって面白いの?」と聞いてくるみたいに。要は“お母さんは面白いと思うのかどうか”を知りたかったんでしょうけど、聞かれた方からすれば「なんだい?お前はそれも知らないで笑ってたのかい?」となっちゃうんですよねぇ。まぁ、そういう言葉足らずなところも男子の可愛い所なんでしょうけど。

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【ストーリー】
世界経済の崩壊から10年が経過したオーストラリアの荒野。その無法地帯を放浪していたエリックは、3人組の強盗に愛車を奪われてしまう。彼らが乗り捨てたピックアップトラックで執拗な追跡を始めたエリックは、道中3人組に見捨てられた男を見つけ、共に追跡を始めるのだが…。

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『アニマル・キングダム』のデヴィッド・ミショッドが、『ウォーリアー』のジョエル・エドガートンと共に練り上げた物語を映画化した、荒廃した近未来を舞台にするサスペンスドラマ。
謳い文句にある“オリジナルの『マッドマックス』以来の最高の世紀末映画!”の“『マッドマックス』以来”って部分を派手なアクションが繰り広げられるものと捉えてしまうと、ビックリするくらい肩透かしを食らうであろう本作。ただ、『マッドマックス』(2も含め)が素晴らしかったのはそのアクションのみならず、完成された世界観にもあることを踏まえれば、肩透かしからの軌道修正も十分可能な魅力を持った作品でも。
大国や都市部ではまだ辛うじて秩序が保たれているが、経済破綻の影響から立ち直るすべを一切持たない地方では軍がやる気無さげに治安維持をしている以外ほぼほぼ無法地帯と化してしまっているってのが、雰囲気として伝わって来る本作。貨幣価値を持つのは米ドルのみで、僅かに残る経済活動も中国人を中心とした移民が握っている。中国はまだ元気なのか、本国から大量の物資が輸送されており、それを守るために傭兵が貨物列車を守っている。いちいち説明はないが、どのような状況に陥っていて、人々がどのような心境で日々を過ごしているのかちゃんと分かるよう世界が描かれている。そんな見捨てられた土地で、愛する者に裏切られた二人の男が出会い、旅を通してその人物像や二人の心境の変化を描いた一本。

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敢えて多くを語らず、表情や間、僅かな情報で登場人物の過去や心境を浮かび上がらせようとした本作。その手法は嫌いではないですし、退屈することなく楽しめた一本でも。ある程度の把握は出来ましたし。
ただまぁ、主人公が単に「それオレの車。お前の車まだ動くから返せ」と言って強盗が「わかった!」と言ってれば済む話ってのは、口を開けばすかさずハエが入って来てしまいそうなので口を開けたくないんだろうなぁと考えるとしても、執拗に自分の車を追い続ける意味までをも観客に丸投げしちゃうのは言葉足らずが過ぎたのかなぁとも。愛する者に裏切られた男の最後の心の拠り所なのかも知れないし、単なる愛犬家なのかも知れないし、要は自分にとって大切なものは他人に理解されるとは限らないってことなのかも知れないんですけど、もうちょっとストンと落ちる説明が前後に欲しかったかなぁと。雰囲気重視で終わったのが惜しいとも。
ただ、風変わりな映画の中で輝きを放つ『アイアンマン3』のガイ・ピアースを筆頭に、困っちゃうと「フンフン」唸る可愛いアホちゃんに扮したロバート・パティンソン、『フライト・ゲーム』のスクート・マクネイリーなど、舞台の世界観にすんなりはまり込む役者が揃っており、足りない言葉を補っていたのは嬉しい。

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伝えてくるまで待つ忍耐も大事

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posted by たお at 15:53 | Comment(2) | TrackBack(6) | 前にも観たアレ■た行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月24日

ターボキッド (Turbo Kid)

監督 フランソワ・シマール/アヌーク・ウィッセル/ヨアン=カール・ウィッセル 主演 マンロー・チェンバーズ
2015年 カナダ/アメリカ/ニュージーランド映画 95分 アクション 採点★★★

「80年代映画のイメージと言えば?」という問題があったとすれば、個人的にはもう「ドン・ラフォンティーヌ!」以外になし。スプラッター旋風やら筋肉映画の全盛とかいろいろありますが、そういったものをすべて含めたのがドン・ラフォンティーヌの声。名前を見て「誰よ?」となる方も居られるかも知れませんが、当時の予告編のナレーターは大体このお方なので、声を聞けば納得されるかと。テープが劣化しボケボケになった会社ロゴ(ベストロンとか)が映し出された後、妙におどろおどろしいこのお方の声と共に予告編が流れてくると、どんな映画でもなんとなく面白そうと思っちゃったものですよねぇ。

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【ストーリー】
核戦争により文明が崩壊し、貴重な水を巡って生き残った少数の人類が熾烈な争いを繰り広げていた1997年。コミックヒーローの“ターボライダー”に憧れる冴えない少年キッドは、そんな無法地帯で辛うじて日々過ごしていた。そんなある日、キッドは風変わりな少女アップルと出会い互いに惹かれあうが、一帯を牛耳る悪の首領ゼウスにアップルをさらわれてしまう。彼女を救い出すためアジトへと向かう道中偶然見つけたターボライダースーツに身を包み、キッドはゼウスに戦いを挑むのだったが…。

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フランソワ・シマール、アヌーク・ウィッセル、ヨアン=カール・ウィッセルの若手3人が、ホラー・アンソロジー『ABC・オブ・デス』のコンペティションに応募した短編を基に長編化した、SFバイオレンスアクション・ラブコメディの80年代風味仕立て。だんだん村上信五に見えてくる主人公にマンロー・チェンバーズ、遠くから眺めてる分には可愛らしいヒロインにロランス・ルブーフ、ゼウス役にカナダが誇るスキャナー、『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』のマイケル・アイアンサイドがキャスティング。
ちょっと前の話になりますけど、『ラブソングができるまで』のテーマ曲“ポップ・ゴーズ・マイ・ハート”が素晴らしかったのは、80年代当時にこの曲があったとしても間違いなく好きになっていた曲としての完成度の高さなんですよねぇ。「っぽいでしょう」という想い出補正に頼ったものではなく、そのものの良さ。その観点から考えると、80年代にこの映画を観たとして、果たして夢中になったかと考えるとそれは微妙

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確かにいかにも世紀末然とした悪役のコスチュームや派手なスプラッター描写、シンセのサウンドにカラフルな衣装、ヒット作後に大量に製作されたパッケージ詐欺劣化版コピー作品のような安っぽさは懐かしさと楽しさに溢れているが、やはりそれは作り手の「っぽいでしょ?」に対し「ぽい!」と答えてしまう想い出補正によるものが大きいのかと。まぁ、年齢的にも作り手がリアルタイムで経験してきたものではなく、情報として後から得た物を再現したものだから記号の寄せ集めみたいになってしまうのは仕方がないことなんでしょうけど。
ただまぁ、様々なジャンルと記号のごった煮のようでいて意外と一本の作品としてきちんとまとめられており、中でも童貞少年と不思議ちゃんのラブコメディと少年の成長劇としてしっかり完成している点は評価すべきポイントでも。SFでもバイオレンスでもアクションでもスプラッターでもあるけど、一言でまとめると“童貞映画”になるみたいな。今回のように敢えて狙わず、世代的に素直に夢中になった題材で作品を撮ったら案外良いものが出来そうな気配があるだけに、ちょいと期待したい映画人かも。

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リードしたいけどやり方が分からずリードされちゃうってのが童貞の特徴でも

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posted by たお at 15:52 | Comment(2) | TrackBack(4) | 前にも観たアレ■た行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月27日

テッド2 (Ted 2)

監督 セス・マクファーレン 主演 マーク・ウォールバーグ
2015年 アメリカ映画 115分 コメディ 採点★★★

ちょっとコメディ映画のレビューの出だしとしては重苦しいんですけど、逆に人間同様の罪には問えないって理屈がある分ペットがモノ扱いになってしまうのはギリギリ理解出来るとしても、子殺しが通常の殺人よりも罪が軽くなる傾向にあるのはどうしても納得できないんですよねぇ。子は親のなのかと。ケースによってはもちろん様々な事情もあるんでしょうから100万歩ほど譲ってそうだとしても、最も信頼し頼って愛している、そして自分を守ってくれると信じ切ってる存在から殺意を向けられる恐怖なんて、他の殺人以上に性質が悪いと思うんですけどねぇ。

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【ストーリー】
最愛の女性タミ・リンと結婚するも、すぐに夫婦の危機に直面してしまった命を宿したテディベアのテッド。問題解決には子供が一番と子作りに励もうとするが、夫婦双方の問題もあり断念。「じゃぁ養子を!」と申請するが、それがきっかけでテッドに市民権がないことが判明。というか人間でもない。憤慨したテッドは、親友のジョンと新米弁護士サマンサと共に人間と認めてもらうための裁判を開始するのだが…。

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命を宿したヌイグルミのクマと共に素敵なぐうたら中年ライフを送る様を描いた『テッド』の続編。前作同様、『荒野はつらいよ 〜アリゾナより愛をこめて〜』のセス・マクファーレンが監督/脚本/テッドの声を担当。
笑いのスタイルも世界観も何も変えないまま、テッドの根本的な問題である“人間の定義”というSFではお馴染みの重いテーマに挑んだ本作。挑戦した結果作品を重苦しくするわけでもなければ、下品な笑いでお茶を濁して逃げるわけでもなく、思いのほかちゃんと捉えたうえで解決していたことに嬉しい驚きが。
前作にあった笑いの攻撃性やパンチ力こそ控えめになってたが、その分常に笑いが起きるジャブが連発しているので、大爆笑までは行かずとも2時間弱ずっと笑い続けてられた楽しい一本に。“成長する為には変わらなければならないけど、本質を曲げてまで変わる必要はなくね?”という基本姿勢が全く変わってないのも好印象。少々笑いのメリハリに欠ける分、前作のレベルを求めると少々物足りないのも事実ですけど、やってることは下品極まりないのにそこにマイルドさを感じさせる、表現力に一種のレベルアップを垣間見れたのも良かったかなぁと。コミコンを舞台に繰り広げられる、ヒーロー入り混じった大乱闘シーンも何気に芸が細かかったですし。
また、『エンド・オブ・ホワイトハウス』のモーガン・フリーマンを筆頭に、『誘拐の掟』のリーアム・ニーソン、今回もナレーションを担当する『X-MEN:フューチャー&パスト』のパトリック・スチュワート、トークショー界の重鎮ジェイ・レノや不正ボール問題というタイムリーなネタでいじられるトム・ブレイディ、そしてもちろん『フラッシュ・ゴードン』のサム・J・ジョーンズといった豪華なゲスト陣も嬉しかった作品で。

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やっぱり声だけの方が表情豊かになるセス・マクファーレンが声をあてるテッドの、見た目と裏腹な品の無さや見た目まんまの動きの愛くるしさがメインになるとはいえ、それはやはり呼応する『ローン・サバイバー』のマーク・ウォールバーグの存在があるからこその面白さ。優しくて気の良いうえに中身が小4男子のままという、ウォールバーグの魅力を最大限に発揮していたなぁと。持ち前のヤンチャさとワルさをちょいとばかし控えるだけで、こんなにも可愛いキャラになるんだから凄い。にしても、インスト曲に勝手に歌詞をのっけるという、暇を持て余した仲良し同士じゃないと成立しない遊びの楽しそうなことったら。まぁ、ウチの長男は一人ででもやってますが
前作でミラ・クニスが扮したジョンの恋人役は、彼女の妊娠による降板のため“離婚した”って設定になり、代わって『荒野はつらいよ 〜アリゾナより愛をこめて〜』に続いてのマクファーレン作品への登場となるアマンダ・セイフライドが新ヒロインに。ミラ・クニスが前作で唯一まともな人間だからこそ出てたメリハリが、今回はジャンル的にアホちゃんなヒロインなのでなくなり、中心人物3人全員アホちゃんというフワフワした作風に。基本的に苦手な女優ではあるんですが、流石に“ゴラム”ってあだ名は思いつかなかったなぁ。
その他、『ハード・ラッシュ』のジョヴァンニ・リビシや、『スパイ・レジェンド』のビル・スミトロヴィッチなどの前作組に、『ラブ・アゲイン』のジョン・キャロル・リンチやパパ・スタークこと『アントマン』のジョン・スラッテリーら“見たことある”顔触れが加わった、なんとも賑やかだった作品で。

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posted by たお at 18:52 | Comment(4) | TrackBack(31) | 前にも観たアレ■た行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする