1997年 アメリカ映画 129分 アドベンチャー 採点★★
怪獣好きをこじらせて恐竜好きになる男子って少なくないですよねぇ。怪獣のひな型的な意味で恐竜が好き。なんと言うか、ローリング・ストーンズ好きが高じてマディ・ウォーターズにハマるみたいな。ただまぁ、怪獣のように街で恐竜が暴れてる姿を見ても、怪獣のそれに感じる興奮ってのは覚えないんですよねぇ。やっぱりアレですかね?でかい野生動物が暴れてるようなもんだからですかね?
【ストーリー】
前回の一件で会社の代表を退いたハモンドの依頼で、コスタリカの沖合の島で自然繁殖し野生化した恐竜の調査を依頼された、数学者のマルコム。一度は断るも、恋人の恐竜学者サラが既に島へ向かっている事を知った彼は、已む無く調査に向かうことに。希少種として恐竜を保護したいハモンドらの意向とは裏腹に、会社側はアメリカ本土に恐竜を持ちこんで見世物にしようと企んでおり…。
世界的大ヒットを記録した『ジュラシック・パーク』のその後を描くSFアドベンチャー。マイケル・クライトンの原作を、前作同様スティーヴン・スピルバーグが映像化。
前作以上に薄い中身を、ティラノに踏まれた人が足の裏にひっついたままビッタンビッタンされたりと、見せ場のみで繋げたスピルバーグの羽目外し映画。一応“人間の都合で蹂躙される自然”的なお馴染のテーマが添えられているが、保護/捕獲側の両者とも自分勝手かつ浅はかなので観ていてイライラこそすれど、テーマはさっぱり浮き彫りにならず。そもそも本作の恐竜はクローン技術で生み出されたある意味量産品なんで、キングコングのような孤高の生物の尊さってのも然程感じない。まぁ、“恐竜がいっぱい出てきて暴れる様を楽しむ映画”ではあるので、それ以外の所をとやかく言うのも野暮なのだが、肝心の見せ場も羅列してるだけなので全体の印象も中身並に薄いってのが痛いかと。
前作から引き続き登場する『ザ・フライ』のジェフ・ゴールドブラムや、「母性が強い!嗅覚が鋭い!」って力説してる割に、子ティラノの血が付いたベストをいつまでも着ている粗忽者な恐竜学者役に扮した『ラブ・アゲイン』のジュリアン・ムーア、そのジュリアン・ムーアとこっちの方が恋人に見えた『ウエディング・クラッシャーズ』のヴィンス・ヴォーン、『ザ・タウン』のピート・ポスルスウェイト、『ナチョ・リブレ 覆面の神様』のピーター・ストーメアに、子供の頃から眉が力強い『ストレンジャー・コール』のカミーラ・ベルと、今思えば非常に好みの顔ぶれが揃ってた本作。ただまぁ、今では大好きな女優の一人であるジュリアン・ムーアですが、本作を観た当時は「なんてイライラする女だ!」と心の嫌い箱にしまい込んだほど、皆が皆イライラする役柄ってのはアレなんですが。
何かと不満の多い本作でしたけど、ティラノサウルスは相変わらず見応え充分。その怖さはもちろんのこと、今回は「息子ー!息子ー!」あるいは「娘ー!娘ー!」と我が子を探しまわる、ある種の愛らしさも見せてくれるので満足。まぁ、閉じ込められた狭い船内で、どうやって船員を全滅させられたのかは依然謎のままなんですけど。
『怪獣ゴルゴ』か『大巨獣ガッパ』をストレートにリメイクして欲しかった気が
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓