2015年11月05日

捜査官X (武侠)

監督 ピーター・チャン 主演 ドニー・イェン
2011年 香港/中国映画 115分 アクション 採点★★★

過去の積み重ねが今現在の自分を作り上げてるだけあって、変えようと思ってもそうそう変えられるものじゃないですよねぇ。理想の姿があったとしても、「まぁ、無理だから理想なんだよね」で終わっちゃうことがほとんど。ただ、着たことのない色の服を買うとか、眉毛をちょちょいと整えるとか、思い切って引っ越しするとかそんな“普段しないこと”をしてみることが案外良いきっかけになることも。まぁ、そんなきっかけの遥か手前で足踏みしてる私が言っても説得力皆無ですけど。

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【ストーリー】
1917年、中国雲南省の小さな村を訪れた二人組の強盗が、たまたま居合わせた紙職人ジンシーともみ合う内に死亡する事件が発生。この事件は正当防衛として処理され、真面目で温厚な好人物のジンシーは村の英雄として称えられる。しかし、捜査に当たっていた刑事シュウは、強盗犯は卓越した武術によって倒されたのではないかと疑問を持つ。およそ殺人を犯すようには見えないジンシーの周辺を調べていくうちに、シュウはジンシーの隠された過去を知り…。

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原題がストレートに“武侠”なのに、物語のスパイスであるミステリーを中央に据えた邦題が少々疑問に感じる、製作を務めた『孫文の義士団』に続いてドニー・イェンとコンビを組んだピーター・チャンによるカンフー・ミステリー。
ざっくりと言えば、ドニー版『ヒストリー・オブ・バイオレンス』な本作。忌まわしい過去を封印し真っ当な生活を手にするために男が耐え奮闘する様を、美しいロケーションと苛烈なアクションで描き切った一本。一般人になりきり温厚さを全面に押し出すドニーさんや、アワアワ慌てるドニーさん、タン・ウェイ扮する言いたいことを口に出せず耐える奥さんを包み込むドニーさんに、ハエすら寄せ付けぬ殺気をまとうドニーさんと、ドニー・イェンを堪能する分には全く文句のなかった作品でも。元祖片腕ドラゴンこと『炎の大捜査線』のジミー・ウォング顔役と片腕で戦うクライマックスなんて、もう燃えること間違いなし。ドラマもアクションも完全に手中に収めたドニー・イェンの見事さったら。
しかしながら、本来ドラマパートとミステリーパートを担わなければならなかった金城武の扱いがどうにも弱い印象を拭えず。キレ者捜査官としてドラマを回していくのだが、如何せん難癖レベルの推理で状況を悪化させていくだけの役割にしか感じず。ドニー・イェン同様重い過去を背負う役柄ではあるがその重さの釣り合いも取れておらず、役割が大きい分だけアンバランスさも。もう少し役割を小さくするか、迎える結末を逆にするかすれば印象が大きく変わったのかなぁとも。

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この邦題って、『ダイ・ハード』のタイトルを『巡査部長パウエル』にするのと変わらない気が

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2015年10月28日

ゼロ・ダーク・サーティ (Zero Dark Thirty)

監督 キャスリン・ビグロー 主演 ジェシカ・チャスティン
2012年 アメリカ映画 157分 ドラマ 採点★★★

結局のところ真実ってのはその当事者しか知らないんですよねぇ。もちろん第三者の裏付けってのも必要ですけど、基本的には当事者の発表を「ハイ、そうなんですね」と受け入れるしか。ただまぁ、全てに疑いの目を向けるってのもアレですけど、記憶は記録じゃないんでその証言を鵜呑みにし過ぎるのも危険ですよねぇ。

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【ストーリー】
2001年9月11日に発生した同時多発テロの首謀者としてアメリカが全力を挙げて捜索するも、一向にその行方を掴むことが出来ないウサーマ・ビン・ラーディン。巨額の予算を投入しても進展のなかったCIAだったが、女性分析官マヤの奮闘が実り、ウーサマが潜伏していると思われる屋敷を発見。特別チームが屋敷を急襲するが…。

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もう死んでんじゃね?」ってのが有力になりつつあった時期だけに、その唐突さに驚かされたウサーマ・ビン・ラーディン殺害に至るまでの経緯と、女性分析官の執念の捜査を描いた、『ハート・ロッカー』『ハートブルー』のキャスリン・ビグローによる実録サスペンス・ドラマ。
ブッシュ政権時代には戦争を継続させたいがためだけに所在を知りつつも敢えて泳がせているとか、同じ理由で死んでるのを隠しているとも噂され、思慮深過ぎて世界情勢を混乱に陥れるオバマの時は二期目の選挙を前にした実績作りに利用したとも噂された、ほぼほぼ都市伝説のような存在だったビン・ラーディンの発見・殺害に至るまでを丹念に描いた本作。2時間半超えの長尺ながらも、世界が大きく変わってしまった瞬間である9.11の記憶をまざまざと蘇らせるオープニングから、畳みかけるイベントの多さと拷問も厭わない捜査の苛烈さ、明確に描き分けされた人物像などで一切だらけさせることなく突き進んだ手腕は見事。政府の方針が変わることによる現場への影響や、決して劇的ではなくひょんなことから事態が急変する実録ならではの展開も興味深い。達成感よりも、そこに至るまでに失った時間や人々、変わってしまった自分を見つめた故での涙のようなエンディングも印象的。
ただまぁ、政府と当事者の発表のみであるビン・ラーディンの殺害と遺体確認、その後の空母上での水葬やDNA鑑定に関する不透明さという、当時感じたモヤモヤを解消するだけの描写は一切なく、「ハイ!これでぜーんぶ!オシマイ!」と無理やり幕を下ろされた感じを受けてしまったかなぁとも。

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“白髭に杖”で真っ先にガンダルフを思い出す主人公のマヤに扮したのは、『インターステラー』『MAMA』のジェシカ・チャスティン。痩せぎすで落ち窪んだ眼がどこか亡霊的で、揺るぐことのない執念深さを印象付ける熱演。
また、『デス・レース』のジェイソン・クラークや、見る度にメアリー・マクドネルを思い出す『ロボコップ』のジェニファー・イーリー、ここ最近ハズレ映画で見たことがないキングスマン』のマーク・ストロング、『アルゴ』のカイル・チャンドラーに、『ボーン・アルティメイタム』のエドガー・ラミレスといった錚々たる顔触れが集結。
その他、『ウォーリアー』のジョエル・エドガートンや、『ジュラシック・ワールド』のクリス・プラット、最近立て続けに出演作を観てる気がする『THE GREY 凍える太陽』のフランク・グリロ、『オーバードライヴ』のハロルド・ペリノー、監督としてのイメージが強い『ハッピーニート おちこぼれ兄弟の小さな奇跡』のマーク・デュプラスに、『エクスペンダブルズ2』のスコット・アドキンスといった、これまた錚々たる面子が短い時間ながらも次々と登場してくれるのも嬉しい。
そんな中でも、鈍重そうに見えながらも人の本質を鋭く見抜くCIA長官に扮した『天使の処刑人 バイオレット&デイジー』のジェームズ・ガンドルフィーニを観れたのが一番嬉しかった一本で。

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世間向けの“ここだけの話”

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2015年10月24日

ジョン・ウィック (John Wick)

監督 チャド・スタエルスキ/デヴィッド・リーチ 主演 キアヌ・リーヴス
2014年 アメリカ映画 101分 アクション 採点★★★★

映画の観方ってのは人それぞれ自由であっていいと思いますし、批判も自分の思った通りに展開すればいいと思ってる私。ただ、その作品が“何を描いてるのか?”“何を見せたいのか?”ってのだけは見誤らないように常々注意しないといけないなぁとは。なんというか、難病で死ぬ様を描いて観客を悲しませたい映画に対し「ケッ!内臓も飛び出さないのかよ!」と文句をつけたり、恋愛ものに「オッパイが足りない!」と不満を言うみたいな。一方で、オッパイ売りの作品でたまたまストーリーが良かったとしても、「形が悪い!」と批判するのはある意味正しい鑑賞姿勢とも思いますが。

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【ストーリー】
愛する妻を病で亡くし悲しみのどん底に落ちていたジョン・ウィックのもとに、失意の夫の癒しになるよう妻が用意していた子犬が届けられる。妻の愛の深さに胸を打たれるジョンであったが、ある夜、彼の車目当てに家に侵入してきたマフィアのボスの息子に襲撃され、子犬を目の前で殺されてしまう。怒りに燃えるジョンは、すぐさま復讐に立ち上がる。一方のマフィアのボスは、息子の襲撃した相手の名を知り驚愕する。ジョン・ウィックは、どんなターゲットも抹殺する伝説の殺し屋だったのだ。

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ハートブルー』でのキアヌのスタント・ダブルでデビューして以来、数多くの作品でスタント・コーディネーターやアクション監督を務めてきたチャド・スタエルスキと、同様にベテランスタントマンであるデヴィッド・リーチが共同で初メガホンを握り描いたリベンジ・アクション。ザックリと言えば“キアヌがガン=カタっぽいアクションを披露するセガール映画”。主人公の名を聞いたボスがあそこまでうろたえる様なんて、セガールの『暴走特急』以来観たことなかったですし。
込み入った設定や世界観と内省的な内容のアメコミ映画がアクション映画の主流になりつつあることへの反発か、はたまた50男になると何の躊躇もなくカッコいい自分を演じたくなるのか定かじゃありませんが、ただただ強い主人公のひたすらカッコいい姿だけを描いた本作。これまでも数多くの現場で顔を合わせてきたキアヌとチャドが、60〜70年代の日本映画や香港映画、往年のギャング映画など好きな映画の話題で盛り上がり「あんなアクションしたい!こんなアクション作りたい!」と夢を膨らませてる内に形になっていった様子が容易に想像できる、“オレたちの好きなものだけで出来てる”作品。そんな夢と希望の塊映画を嫌いになれるわけがない

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確かに粗は多い。殺し屋協会の掟を破ればどうなるのか重々承知しているのにも拘らずあっさり破る殺し屋が居たり、友情とプロ意識との葛藤が全然描かれてなかったり、仕舞いには結局のところ犬だったら別に何でもよかったというオチに着地したりと、真面目に考えれば首をかしげる展開が多い。しかし、本作はそんな所を観る映画ではない。そこばかりを批判するのは、食事に行ってお店自慢のメインディッシュには触れず、お通しに対し延々文句を言ってるようなものである。本作の観るべきポイントはアクションと夢のようなヒーロー像。もうそこのみ。そこ集中。
スタントマンあがりらしい、デジタルやメカニカルに頼り過ぎず、肉体のテクニカルな部分に特化したアクションが堪能できる本作。柔術をベースにした格闘アクションや、その格闘技とガンアクションを融合させた銃撃戦、場面こそ少ないがスピード感より重量感に重きを置いたカーアクションなど、かなりハイレベルのスタント仕事が隅々に。特に格闘ガンアクションの流れるような美しさは『リベリオン』以来だったのではと。“ボス驚愕”からのオープニングアクションの素晴らしさと、そこで貯めた貯金を使い切らずに保った勢いも見事。
また、主人公の愛車が『フェイク シティ ある男のルール』と同じだったり、隠れ家で使ってる名前が何気に“Neo”だったりと、一緒歴の長い気の合う仲間が集まってる感が伝わってきた本作。画作りや物語自体はヘビーなはずなのに、作り手が満面の笑顔でこっち見てる“ボクらが作りました!”感も好みだった一本で。
なにやら三部作を予定していて、既に次回作の準備に入ったとも言われる本作。下手に欲張ったり賢くなったりせずこの路線を突っ走ってくれるのならば、最後まで付き合ってみたいなぁと。

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ジョン・ウィックに扮したのは、イーライ・ロスの『Knock Knock』も控えてるキアヌ・リーヴス。ヒョロリと細長くベタついた髪の毛に骸骨のような輪郭を生み出す髭面が、ブラジル当たりの骸骨キーホルダーを彷彿させ、出始めこそは「あれ?今日のキアヌなんか気持ち悪い…」と思ってしまったが、これまでの中でも最高レベルのアクションを披露し始めると俄然輝いてくる。その骸骨感も“死神”をイメージさせ、役柄にハマってましたし。スター俳優にこう言うのもアレですが、キアヌは本当に感情表現の乏しい役柄がハマる
また、最後は肉弾戦を挑んでくる、なんかカート・ウィマー作品のラスボスみたいなボスに扮した『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』のミカエル・ニクヴィストや、“マフィアのボスの息子”で思いつく全ての要素を持ち合せていたダメ息子役に“ゲーム・オブ・スローンズ”のアルフィー・アレン、“スピード”シリーズでキアヌとニアミスしていた『グランド・ブダペスト・ホテル』のウィレム・デフォーなど、イイ顔が揃っていたのも印象的だった本作。
その他、『世界侵略:ロサンゼルス決戦』のブリジット・モイナハンや、『ヘラクレス』のイアン・マクシェーン、『GAMER』のジョン・レグイザモ、『レギオン』のエイドリアンヌ・パリッキといった何気に豪華なキャスティングも魅力。そんな中でも、WWEのレジェンドレスラーであるケビン・ナッシュと『48時間』のデヴィッド・パトリック・ケリーを短いシーンながらも観れたのは嬉しかったなぁと。

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“ペットロスには新しいペットを”って話

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2015年09月22日

セッション (Whiplash)

監督 デイミアン・チャゼル 主演 マイルズ・テラー
2014年 アメリカ映画 107分 ドラマ 採点★★★★

アホって文字を擬人化したようなウチの小6の長男。ただアホならではの吸収力の良さからか、所属しているブラスバンドでのスネアドラムの腕前は、大人混合の他チームからお誘いが来るほどのもので。本人も相当真剣に取り組んでいて、中学に行ったら学外のチームに参加し、高校は県外のマーチング強豪校に行きたいと常々。気持ちと技術と才能が釣り合ってるようにも見えるので私は全く反対するつもりはないんですけど、小学生だからこそ褒められている現状から、外に出た時のギャップに耐えられるかどうかはちょっと心配。如何せん打たれ弱いんで。ただまぁ、他人の劣ってる部分を探し出して自尊心を満たすのではなく、優れた部分に素直に驚くタイプなので案外大丈夫かなとも。

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【ストーリー】
一流のドラマーを目指し名門校シェイファー音楽院に入学したニーマン。幾多の学生の中でも才能ある者のみを集めるフレッチャー教授の目に留まったニーマンは、彼の指導するバンドへ参加する。期待に胸を膨らませ練習に参加したニーマンだったが、彼を待ち受けていたのは常軌を逸したフレッチャーのしごきで…。

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長編二作目となるデイミアン・チャゼルが脚本と監督を手掛けたドラマ。
本作は音楽の持つ魅力と魔力を描いた作品ではない。ジャズを取り扱ってるがジャズ映画でもない。努力の美しさを描いてるわけでも、心身ともに追い詰める指導法の是非を問うてるのでもなく、実は心優しき指導者と最後に抱き合うような映画でももちろんない。そこに描かれてるのは、ただただ剥き出しになった感情がぶつかり合う様のみ。なんと言うか、ドン・フライと高山善廣のあの壮絶な殴り合いを音楽教師と生徒に置き換えて描いたかのような。
理想とする音楽と音楽家を生み出すためには手段を問わないフレッチャー。指導者という立場にいるが、音楽を奏でる方法が違うだけで彼自身プレイヤーである。かつての生徒の死を悲しむ様に、ムチの強めな愛ある指導者と見えてしまう瞬間があるが、自分の邪魔をする相手に対しその才能度外視で陰険に潰そうとする姿を見ると、やはり自分が生み出した音楽が消えたことを嘆いているだけに過ぎないのだろうと。狂気すら漂うその指導っぷりに『フルメタル・ジャケット』のハートマン軍曹を思い起こさせるが、欠陥兵士が他の兵士の命を奪う危険性を熟知した上で過激な指導を行った軍曹と比べると、やはりフレッチャーの行為は自己愛のみ
そのフレッチャーの狂気を、心身ともにムキムキに演じた『40男のバージンロード』のJ・K・シモンズの見事なこと。

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一方、リブートされた『ファンタスティック・フォー』が控えるマイルズ・テラー扮するニーマンもまた、理想とする音楽の実現に手段を問わない若者。練習の妨げになるであろう恋人を捨てるのが手段を問わない証しではなく、理不尽でしかないフレッチャーとの殴り合いに正面切って挑み続ける姿勢こそがそれ。三流大学のフットボール選手の方が優遇されるジョックス社会を見返したい強い思いと、特別な人間になりたいという欲求。青臭いが、原動力としてはこれ以上強いものはない“音楽をやる理由”に突き動かされ続けるニーマン。これもまた自己愛の塊
この自己愛の塊同士が感情を露わに殴りあうかの如くぶつかり合うクライマックス。それぞれの理想形が姿を現し始め、それが結実する瞬間の高揚感たるや。格闘技の試合でどちらか一方の実力が劣っていれば名試合は生まれない。もちろん、ファイター同士の間に何かしらの愛情がある必要もない。常に相手の上を行こうとする技のやり取りが名試合を生み出すのだが、ありきたりな例えでアレだが、本作もまさにそれ。楽譜を失くすシーンが特に顕著な、物語を回すためだけにイベントを放り込む脚本の甘さは否めないが、圧迫感すら感じられる演出とそれに応える演者の熱演がそれを十分打ち消す、本年度を代表する傑作のひとつに仕上がってたのではと。
ジョックス一族の中で息子を守りきれない父親に扮した『ビバリーヒルズ・コップ』のポール・ライザーや、絵に描いたようなあて馬を演じたオースティン・ストウェル、個人的になぜか出てくるだけで得した気になるヒドゥン』のクリス・マルケイらも印象的だった一本で。

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アイツの顔だと思ってドラムを叩き

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2015年09月18日

ジャッジメント・ナイト (Judgment Night)

監督 スティーヴン・ホプキンス 主演 エミリオ・エステヴェス
1993年 アメリカ/日本映画 110分 アクション 採点★★★

言葉にするとちょっとバカみたいなんですけど、“道に迷う”ってのが好きな私。歩き慣れない道を歩くのが好き。車での遠出も事前にざっと位置関係だけを確認して、あとは大体の方角へ向けて出発。カーナビなんて使わず。ってか、そもそも車に付けたこともなし。多少迷っても焦ることはなく、「へぇこんなお店があるんだぁ」と寄り道が増えるだけで。まぁ自分は楽しいんですけど、一緒に連れられてる方は堪ったもんじゃないんでしょうねぇ。

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【ストーリー】
妻と生まれたばかりの子供と共にシカゴ郊外で静かに暮らしていたフランクは、久々の外出を満喫するため高校時代の友人や弟と共にボクシング観戦へと向かう。しかし、道に迷い見知らぬスラム街へと辿り着いてしまった彼らは、そこで殺人事件を目撃してしまう。犯人グループに追われることになった彼らは、右も左も分からない土地で恐怖の一夜を過ごすことに…。

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プレデター2』のスティーヴン・ホプキンスがメガホンを握ったサスペンス・アクション。
一般的な常識が通用しない土地に迷い込んでしまう恐怖という、『脱出』や『悪魔のいけにえ』などでお馴染みのホラープロットで描かれる本作。都会者が見知らぬ田舎で散々な目に遭うのではなく、自宅から然程離れていない大都会の死角を舞台にしてるってのが新味。昔はヤンチャしてたが家庭を持ったことを機に大人になろうと努めている主人公や、端から大人になる気がない友人らが極限状態に追い詰められ、喧嘩っ早かったチンピラは借りてきた猫のように大人しくなり、ナンパ師は戦士モードに、ヘタレのゲスはよりヘタレのゲスに変貌していく様をスリリングに描いている。
舞台が近未来SFかの如くあんまりにも荒れ果ててるので現実味がなかったり、土地ならではの利点を地元民の悪党が使いこなせてなかったり、平穏の象徴である自宅の住所がバレてるってネタが活用されてなかったりする粗や不満も少なくない作品ではあるんですけど、四の五の言わせないノンストップ・スリラーとしては十分楽しめる一本だったかなぁと。

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ヤングガン』『張り込み』のエミリオ・エステヴェスを筆頭に、『マチェーテ・キルズ』のキューバ・グッディング・Jr、『ポルノ☆スターへの道』のスティーヴン・ドーフ、この当時オリヴァー・プラット並みに顔を見てた気がする『スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい』のジェレミーペヴェンや、『デモリションマン』のデニス・レアリーといった、何気に贅沢な顔触れが揃っているのも魅力の本作。
公開された当時も久々に観た今回もお目当てはエミリオだったんですけど、いつものヤンチャで可愛いエミリオを期待すると若干の肩透かしを覚えるのも事実。いつものエミリオなら先頭切って問題を拡大しちゃいそうなところなんですけど、今回のエミリオは真人間になろうとしている元ヤン。「まぁまぁ、まぁまぁ」と収めてばかり。もちろん最後にドドーンとキレてくれるんですけど、ヤンチャに戻るんじゃなくて“守る家庭がある今の方が強い”ってオチに持ってっちゃうので消化不良。これで弟役がチャーリー・シーンとかだったら、「これじゃぁシッカリしなきゃなんないよねぇ」と納得するんでしょうけど。

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地方ルールの鬼ごっこ

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2015年09月02日

スガラムルディの魔女 (Las brujas de Zugarramurdi)

監督 アレックス・デ・ラ・イグレシア 主演 ウーゴ・シルバ
2013年 スペイン/フランス映画 116分 コメディ 採点★★★

そう考えること自体が端から間違っているってのをとりあえず置いておいて、敢えて“女性よりも自分の方が優れている事”ってのを考えてみると、さっぱり思いつかない私。体力なんてもう初老の域ですし。強いて挙げるなら“後先考えない決断力と実行力”なんでしょうけど、そこに至るまで異常に時間が掛かりますし、そもそもその決断が正解とも限らず。こんなんだから、「男ってバカよねぇ」「幼稚よねぇ」とピンポイントで詰られるわけだ。いざこっちが言い返そうにも、「女は分かってないんだよ!」っていう非常にアバウトで掴み所のない反論しかできないし。

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【ストーリー】
離婚によりヤケをおこしたホセは、幼い息子を連れ仲間と共に宝石強盗を決行。逃亡劇に巻き込まれたタクシー運転手マヌエルらと共にフランスとへ向かうホセらだったが、人喰い魔女が潜むスガラムルディという小さな村に迷い込んでしまい…。

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マカロニ・ウエスタン 800発の銃弾』のアレックス・デ・ラ・イグレシアによる、自由気ままな展開がワンパクなホラー・コメディ。
スペインと言うと宗教裁判と魔女狩り(バスク地方)と天本英世しか浮かばない私が言うのもアレですが、その名産品の一つである“魔女”と、男神が君臨するキリスト教に淘汰されるまでは各地に点在していた豊潤と繁栄の象徴でもある女神信仰モチーフにしつつ、ドタバタした笑いにアクションにホラーと様々な娯楽要素をぶち込んで仕上げた本作。逃亡中の犯罪者がモンスターの集落に迷い込むプロット自体は『フロム・ダスク・ティル・ドーン』だが、著名な魔女・悪女に混じってサッチャーやメルケルも登場するオープニングタイトルからも察せられるように、本作で描かれているのは力強い女性に対する男の愚痴。徹頭徹尾ひたすら愚痴。それがなんとも情けないも可愛らしい。男女の間にある溝に、とりあえずの妥協点を見出すわけでもない姿勢も潔し。
クライマックスからちょいとダラけてしまう印象もなきにしろあらずでしたが、古代の女神像を漫☆画太郎が描いたかのような“母”の強烈過ぎるインパクトや、面倒くさい女性に振り回されたいっていう隠しがちな願望を具象化したようなカロリーナ・バングの、非常にそそられるが深入りしたくはない魅力がその辺を十分相殺した楽しい一本で。

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羨ましいのと関わりたくないってのが半々

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2015年08月07日

ジュラシック・ワールド (Jurassic World)

監督 コリン・トレヴォロウ 主演 クリス・プラット
2015年 アメリカ/中国映画 124分 アドベンチャー 採点★★

当時の社会状況の反映であったり、当時の最新技術のお披露目であったりと、その時代だからこそ成立した映画って少なくないですよねぇ。原作とは少々意味合いが異なってはいましたけど、“種の逆転”や猿そのものに観客がある特定のイメージを思い浮かべた『猿の惑星』なんかもそうですし、まるで本物の恐竜がそこにいるかのような最先端CGIと最新の音響システムdtsに驚かされた『ジュラシック・パーク』とかも。そういうのを今もう一度再現しても、「戻ってきてくれてありがとー!」って縁起物として楽しむ以外は大して意味を成さない気もしたり。

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【ストーリー】
かつて多くの犠牲者を出した“ジュラシック・パーク”が“ジュラシック・ワールド”として新たにオープン。連日観光客が押し寄せ大盛況となっていた。そんある日、パークの監督官クレアの甥で16歳のザックと11歳のグレイの兄弟が来園するも、多忙のクレアは部下に面倒を任せっきりにしていた。そんな折、目玉アトラクションとして準備中だった凶暴なハイブリッド恐竜インドミナス・レックスが脱走。来園客が避難する中、ザックとグレイだけがはぐれてしまい…。

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前作『ジュラシック・パーク III』から14年ぶりとなる、時系列的には続編に当たるがやってることは一作目の『ジュラシック・パーク』と然して変わらない、リブートの印象が強かったシリーズ第4弾。メガホンを握ったのは本作が長編2本目だが、スター・ウォーズ新三部作最終章の監督候補にも名前が挙がる注目株コリン・トレヴォロウ。
20年前の大惨事の経験や教訓を活かしているとは到底思えないザルなセキュリティに、後のことを考えずにラプトルやTレックスを放つ、結果オーライだから良かったけど二次災害を生みかねないことしかしない行き当たりばったりな主人公らの行動、何かあり気でその実なんにもない人物描写、アナウンスひとつで忽然と姿を消す2万人の観光客など、普通の映画として考えれば粗だらけの本作。ただ、空っぽの人物像に穴だらけのプロットってのはこのシリーズではお馴染みで、それらを「ワーイ!恐竜だ!」で十分に補ってきたのも事実。もうそういう作品なので今回もそういう楽しみ方をする気満々だったんですけど、補おうにも映像に驚きが全くない。仕方がないことではあるんですが、恐竜がスクリーン上を闊歩することに珍しさがなくなってしまった以上は、それを上回る驚きを用意して頂きたかったもので。内容に目新しさがないのに、肝心の映像も3Dとアップデートされただけのものってんでは、正直その看板を背負うだけの驚きに不足している感が強いなぁと。

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“妙に動物に懐かれる人”って以外の根拠が見当たらないラプトル使いの主人公に扮したのは、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のクリス・プラット。二枚目半の風貌と、ジャンル的にはセス・ローゲンと一緒のポッチャリ系の声質&語り口が魅力の彼なんですけど、今回はその可愛げを発揮するわけでも意外性を出すわけでもない、売出し中って以外の理由が見当たらない残念なキャスティング。
また、家族の大切さに気付くって以上にクリス・プラットとくっついてハッピーなヒロインに扮したのは、私の頭の中でいつもジェシカ・チャスティンとジェマ・アータートンらとゴッチャになる『50/50 フィフティ・フィフティ』のブライス・ダラス・ハワード。今回はなんかすごく恰幅が良くなってて驚いた
その他、『ラン・オールナイト』のヴィンセント・ドノフリオや、一作目の子供ら同様“恐竜好き”ってのが物語では活かされず、ただただ暗い顔をしているだけだった『アイアンマン3』のタイ・シンプキンスといった顔ぶれに、雑誌の表紙だけの登場で『グランド・ブダペスト・ホテル』のジェフ・ゴールドブラム、モノレールのアナウンサーとして『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』のブラッド・バード、ビデオ内の出演で『ローラーガールズ・ダイアリー』のジミー・ファロンといったゲスト陣も。ただまぁ、概ね皆印象薄し
これで肝心の恐竜に強烈なインパクトやしっかりとした役割が与えられていればいいんですけど、シリーズ影の主役であるラプトルは信用ならない猟犬に成り下がり、そのラプトルの狡猾さにティラノのパワーを兼ね備えてるはずのハイブリッド恐竜インドミナス・レックスが、どっちの才能もきっちり活かせないまま終わっちゃう上に、いくらジュラシックな世界であっても生物兵器としての使用は許されるはずもないというそもそもの立ち位置が脆弱という、あまりの残念さ。まぁ、大御所のティラノさんが「よよよいのよい!」とその辺を補ってくれてたのが救いだったかと。さすがティラノ

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ようやく「待て」が出来るようになっただけなのに

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2015年06月22日

スパイ・レジェンド (The November Man)

監督 ロジャー・ドナルドソン 主演 ピアース・ブロスナン
2014年 アメリカ/イギリス映画 108分 アクション 採点★★★

陰ではどうなのか知りませんが、表立ってのあだ名ってのを付けられた事がない私。そのせいか、ちょっとあだ名に憧れのようなものも。“メガネおにぎり”とか“一人バナナマン”とかはさすがにイヤですけど、“死神”とか呼ばれるのはちょっといいなぁと。でもまぁ、こんな平和な国で“死神”と呼ばれる人って、大概は痩せぎすで辛気臭いなんか死んでるっぽい人に対してなので、やっぱヤダ。

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【ストーリー】
“ノーベンバー・マン”と呼ばれていた伝説的なCIAのスパイ、ピーター・デヴェローは、愛していた女性ナタリーの危機を知りモスクワへと飛ぶ。しかし、彼女はピーターの目の前でかつての弟子メイソンによって殺されてしまう。ナタリーが持っていた情報を元にアリスという女性に出会ったピーターは、やがてチェチェン紛争にまつわる米露の陰謀に巻き込まれていき…。

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あんな辛気臭い連作になってしまうくらいなら、もうちょっとこの人のジェームズ・ボンドを観続けていたかったワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』のピアース・ブロスナンが、自ら製作総指揮も兼ねて主演したビル・グレンジャーのスパイ小説シリーズを映画化したサスペンスアクション。メガホンを握ったのは、『ハングリー・ラビット』のロジャー・ドナルドソン。
二大国家の陰謀に伝説的スパイと美女が巻き込まれるという、なんか久しぶりに直球ど真ん中なスパイ活劇だった本作。そこに“荒ぶる初老男”やら“師匠と弟子”って要素をぶち込み、ロジャー・ドナルドソンらしい非常に手堅い演出で楽しませてくれた一本。
「次期ロシア大統領の弱み握っておけば楽勝じゃね?」って如何にもCIAらしい陰謀がベースになるのだが、そのCIAもチェチェンでの自作自演テロに加担しちゃってるからお互い様で弱みになってなかったり、大統領候補が弱みのネタになる写真を後生大事に取ってたり、あれもこれも粗だらけというか粗でしか出来ていないような脚本には多少辟易させられもするが、王道スパイ活劇としての雰囲気だけは十分なので多少目をつぶれば不満も少なし。

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やっぱり本作を楽しませてくれた最大の要因は、ピアース・ブロスナンが持つボンドイメージなんでしょうねぇ。ボンドに比べればかなり荒々しいんですけど、人間味や力強さをボンドに求めてたのならこのピアースでも全然いけたのではと。
また、元弟子のメイソンに扮したのは、『ハートブルー』のリメイク“Point Break”の公開が控えているルーク・ブレイシー。見ようによってはショーン・ビーンに似ていなくもないので、いくら頑張っても007に敵わない006の物語に見えてきたりするお楽しみも。
その他、『007/慰めの報酬』では水着にすらならないボンドガールとして大いに失望させられましたが、今回もその抜群のスタイルを活かして私の鼻の下を存分に伸ばしてくれたオルガ・キュリレンコや、黒幕にしてはちょっと悪人っぷりもエセ善人っぷりも中途半端だった『テッド』のというか、やっぱり“ミレニアム”のビル・スミトロヴィッチ、疑いが晴れると同時に画面から消えちゃう『クロッシング』のウィル・パットンなど、好みの顔ぶれが揃ってるのも嬉しい。
それにしても、“奴が通った後に、生き残ったものはいない”からノーベンバー・マンと呼ばれる主人公。なんかセガールの『グリマーマン』みたいなそのあだ名の由来はめちゃくちゃカッコイイんですけど、「地味目な祝日がちょっとある以外なんの特徴もない11月なのに?」と疑問に思い調べてみたら、欧米では11月は死をイメージさせるそうで。日本だったら驚くほど何の特徴もない地味な人に付ける、可能な限り派手なあだ名って感じなのにと、「文化が違うといろいろ違うネー!」と驚きましたよってことでオシマイ。

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まだまだ若い衆には譲れないポジション

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posted by たお at 11:17 | Comment(4) | TrackBack(14) | 前にも観たアレ■さ行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月15日

スペシャルID 特殊身分 (特殊身份)

監督 クラレンス・フォク 主演 ドニー・イェン
2013年 中国映画 99分 アクション 採点★★

「プロレスが好き!」と言うと、「でも、八百長なんでしょ?」「台本があるんでしょ?」とよく聞き返されますよねぇ。まぁ、私自身はリングに上がったことがないのでどちらとも断言はできませんが、確かにボクシングや柔道のように“決められたルール内で相手を倒す”ことで勝敗を決する類の種目と同列に捉えると、プロレスは八百長と言われるのも仕方なしかと。ただ、技術や美しさを競うフィギュアスケートやシンクロ、若しくはボディビルなんかと同ジャンルのスポーツとして捉えると案外違和感も少ない気が。“美しさ”ってのを“強さ”に変えて、“どちらが強そうか?”“最強を表現できてるのはどっちだ?”ってのを競い合ってるスポーツとして考えれば。もうちょい枠を広げれば、アクション俳優なんかも似たようなものなのかなぁと。

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【ストーリー】
警察官への復職を願いながらも叶わないまま、長年黒社会のボスであるホンの組織に潜入捜査を続けているロン。そんな中、組のブツを奪い逃走したかつての兄弟分サニーを探すよう命じられるロン。同時に警察からもサニー確保の指令を受けたロンは、香港を離れ本土へと向かうのだったが…。

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レジェンド・オブ・フィスト/怒りの鉄拳』のドニー・イェンが主演とアクション監督と務めた犯罪格闘アクション。スタントコーディネートをドニー・イェンから全幅の信頼を得ている谷垣健治が務め、クラレンス・フォクがメガホンを握った一本。
高速タックルからのジャーマンスープレックスが衝撃的だった『導火線 FLASH POINT』でも顕著だった総合格闘技スタイルがより深化した本作。寝技の攻防から関節技および絞め技が決め手となる分、ぱっと見は地味であるが凄味と殺伐さ、闘いそのものの怖さってのが伝わる非常にレベルの高いアクションを堪能させられる。スクリーン上での強さをとことん追求した結果、ドニーさんが何か新しい扉を開けかけている瞬間を垣間見させられた気さえ。
しかしながら、ドラマ部がそのレベルの高いアクションに全く付いて行けていない。と言うか、とことん足を引っ張る。ある意味、洗練とは程遠いかつての香港映画らしいといえばらしいのだが、今回は三枚目気味のドニーさんらが繰り広げるバタ臭いドラマはまるで昭和のラブコメを観ているかのようで、シビアなアクションとの食い合わせ悪し。ギャップを狙っていたのならば、生憎その狙いは外れ。
まぁ、別な目論見が見える感じがする香港/中国映画が多くなってきた中で、こういう単純にドロ臭い作品を観れたってのも久しぶりの感覚ではあるので嫌いではないんですけどね。ずっと見てるとだんだん幽霊顔に見えてきたりもしますが、ジン・ティエンの美人っぷりも堪能できましたし。

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ホイチョイ版ドニー・イェン

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posted by たお at 10:29 | Comment(0) | TrackBack(8) | 前にも観たアレ■さ行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月13日

スケルトン・ツインズ 幸せな人生のはじめ方 (The Skeleton Twins)

監督 クレイグ・ジョンソン 主演 ビル・ヘイダー
2014年 アメリカ映画 93分 ドラマ 採点★★★

兄弟が居るには居ますが如何せん上とは親子ほど歳が離れている末っ子なもんで、ほとんど一人っ子みたいに育った私。なもんで、兄弟が居るってのがどんな感覚なのかさっぱり分からぬまま大人になり、気が付いたら兄弟の親に。子供たちを見てれば多少は兄弟の感覚ってのを理解できるかと思いきや、一番上と一番下は強烈な一人っ子気質で互いに我関せずですし、その上“お前の物は俺の物”なジャイアン気質でもあるので、そんな二人に上下から挟まれた真ん中の長男はただただオロオロする毎日。想像してた兄弟像とは随分とかけ離れているので、やっぱり未だ理解できず。

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【ストーリー】
偶然にも同じ日に自殺未遂を犯していた事がきっかけで10年振りの再会を果たした、二卵性双生児の姉マギーとゲイの弟マイロ。マギーはマイロを夫と暮らす故郷のニューヨーク州へと招き共同生活を送ることに。思い描いていた人生を送れていないことを嘆くマイロと、幸せな生活を衝動的に壊そうとしてしまうマギーは共に時を過ごす中で、ある種の平穏を得たように思えたのだが…。

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クレイグ・ジョンソンが『ブラック・スワン』のマーク・ヘイマンと共に手掛けた脚本を映像化した、フワっとしたユーモアに彩られたドラマ。製作総指揮を『ハッピーニート おちこぼれ兄弟の小さな奇跡』のデュプラス兄弟が。
誰もが羨むような“良い夫”と共に築いた幸せ“に見える”家庭を自ら壊そうとするが如く浮気を繰り返す姉と、理想としていた人生とは程遠い現実に自暴自棄となった弟が、自殺未遂をキーワードに結び付き、人生そのものを再度見つめ直す様を描いた本作。姉弟を覆う自ら命を絶った亡き父への想いと遺した言葉の呪縛、家族を捨てた母に対する怒りと諦め。それとは別に、“理想の夫”に無理に合わせるために生まれるマギーの虚無感や、初めての相手でもある男性教師との再会が過去との再会を意味し、それによってより一層理想と現実とのギャップに苛まれるマイロ。そんな二人が苦しみながらも一つ一つの重荷から解き放たれていく様を、過度に商業的でも過度にアート的でもない、非常に瑞々しくもフラットに描き上げていた一本。
ただまぁ、この“過度に商業的でも過度にアート的でもない”ってのが良い意味でも悪い意味でも如何にもサンダンス的で、“良い映画”っぽい雰囲気こそ生み出しているが、キャストと題材の割にはそれ以外の個性に非常に乏しいってのも事実な一本で。ちょっと捻くれた言い方をすれば、「この映画面白いよ!」と言っておけば通っぽく見られるって意味で便利な作品だったなぁと。

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マイロに扮したのは、『メン・イン・ブラック3』のビル・ヘイダー。元々表現力の豊かなコメディアンである上に、サタデーナイト・ライブでの持ちキャラにゲイのステフォンがあるので、そのステフォンをちょいシリアスにした本作のマイロ役がハマらないはずもなく。
また、マギーに扮したのはビル・ヘイダーとはサタデーナイト・ライブの同期生であり、『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』『アドベンチャーランドへようこそ』『宇宙人ポール』と4回目の共演となるクリステン・ウィグ。生まれ育った町にまだ住んでいるのに同級生に滅多に出会わない、ぱっと見普通なのに世界観が他者と全く違う隠れ変わり者を好演。綺麗な顔立ちなのに目が虚ろって所が、そんなマギーにピッタリだったかと。
その他『インクレディブル・ハルク』のタイ・バーレルや、『ラン・オールナイト』のボイド・ホルブルックらがキャスティングされているが、やっぱりサブタレ的に一番嬉しかったのが『Gガール 破壊的な彼女』のルーク・ウィルソン。この作品を手に取った7割方の理由がコレ。すごい久しぶりに見たんですけど、ちょいと個性が過ぎる女性を全面的に応援するいつもの応援芸を披露してくれてたので満足。他の役者であったら嫌味な役になりそうな“理想の夫”なんですけど、ルークが演じると全く嫌味がないってのも彼らしかったなぁと。途中からはもう完全にルーク目線で作品を観てましたし。
ただまぁ、展開上仕方がないとは言えただただ可哀想な扱いを受けるルークに肩入れをし過ぎちゃったので、悪い映画じゃないんだけど何処か嫌味に感じてしまったんですよねぇ。負けるな、ルーク!

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すごく近くて遠い存在なんですかねぇ、兄弟って?

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posted by たお at 11:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 前にも観たアレ■さ行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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