2008年06月03日

スーパースター 爆笑スター誕生計画 (Superstar)

監督 ブルース・マックロック 主演 モリー・シャノン
1999年 アメリカ映画 82分 コメディ 採点★★

蓄積しまくった疲労のせいか、知らず知らずのうちに感じてしまっているストレスのせいか、腕中にじんましん出てしまっているたおです。ボツボツです。痒いです。“じんましん”と“ティン・マシーン”って何か似てる気がします。“ティン・マシーン”を覚えてる人が居るかどうか定かじゃありませんが。なんですかねぇ。気持ちだけは前向きなんですけど、身体の方はサッパリついて来る気がないんですかねぇ。

【ストーリー】
全く冴えない女子高生のメアリーが望むのは、ハリウッドスタイルの最高なキス。しかし、そんなメアリーとキスをしようとする者は現れず、「じゃぁ、自分がスターになればいいんじゃない?」と、学校で行われるタレント・コンテストに出場を決めるが…。

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25年目のキス』『エバン・オールマイティ』のモリー・シャノンの“サタデー・ナイト・ライブ”での当たり役を映画化。共演はTV版同様『タラデガ・ナイト オーバルの狼』のウィル・フェレル。
サタデー・ナイト・ライブのキャラクター映画に限ったことではなく、その元ネタを知らなくても作品として起承転結がしっかりと作られていれば映画として充分に面白くなるものなのだが、オチの弱い小さなスケッチを積み重ねた“起承承承承承”のような本作には、残念ながら映画としての爆発的な面白さを感じることもなく。いくつかの面白いエピソードはあるし、ビデオ屋で巻き戻しのバイトに勤しむ主人公を含め映画愛もふんだんにあり、キャラクター自体の面白さは抜群なのだが、じわーっと始まっていつの間にか終わってしまうストーリー自体に問題が。

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作品自体にはこれといって面白味はないのだが、“夢見る女子高生”役と“学園の人気者のジョックス&ある意味世界の人気者”役という、既に登場と同時にオチでもあるモリー・シャノンとウィル・フェレルは、当然のことながらに面白い。もう、ストーリーにはない“転結”を一手に担っているとも。サポートに回ってる分いつものウンザリするほどの面白さは控えているフェレルはさておき、根拠の全く見当たらない前向きな言動と全く嬉しくないパンチラを連発するモリー・シャノンの面白さには、疲労感を感じるほど。これで、コッソリと混じっておきながら誰とも何物とも絡まず、“ただそこにいるだけ”だった『ロード・トリップ』のトム・グリーンが本領を発揮していたら、もう少し面白くもなっただろうにと。

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何があっても前向きに

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2008年04月25日

ゾンビーノ (Fido)

監督 アンドリュー・カリー 主演 クサン・レイ
2006年 カナダ映画 93分 コメディ 採点★★

“ゾンビ”ってのは、便利ですよねぇ。恐怖の怪物として扱うも良し、愚かな人間の象徴として扱うも良し、笑い飛ばすも良しですもの。ゾンビ映画は山ほどありますが、それぞれのゾンビが持つ意味合いが違うってのも、この便利さの賜物なんですかねぇ。

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【ストーリー】
突如発生したゾンビとの戦いに勝利した人類は、ゾムコム社が開発したゾンビを従順にする首輪を使い、ゾンビを使用人として飼っていた。ロビンソン家もゾンビ飼うことにしたが、いじめられっ子で友達の居ないティミーは無関心。しかし、そのゾンビがいじめっ子からティミーを救ったことをきっかけに、二人は大の仲良しに。だが、“ファイド”と名付けられたそのゾンビが近所のお婆さんをついつい食べてしまい…。

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ゾンビブームになると必ず1〜2本は出てくる、変化球ゾンビコメディ。
豊かさと平和を象徴するかのように美しい50年代風の街並を舞台に、アットホームコメディとゾンビを共存させた本作。ノーマン・ロックウェルの絵の中に何食わぬ顔でゾンビがいるような違和感は強烈だし、見栄と自尊心に囚われて互いに向かい合うことのない家族の姿や、人種問題、上っ面の平和に隠された闇など、風刺もかなりきつめに効いていて、非常に良し。ただし、その風刺にしろブラックさにしろ、違和感と直球的な描写に頼りきっている感も強く、何気にゾンビが居る違和感からもう一歩のヒネりがないのは残念。ファイドが家庭に変化を与える様も、友情を育む様も、子供のちょっとしたワンパクが血塗れの大惨事を招く様も全く同じテンポで撮られているせいか、非常にマッタリとしたまどろっかしさも辛い。

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“なんとかカルキン”にはまりそうなクサン・レイの可愛らしさが、本作を“ゾンビが出てくる『わんぱくデニス』”にしている大きな要因であるのだが、酸いも甘いもキレイゴトも汚点も全て曝け出す大人勢も頑張っている本作。『マトリックス』でも充分にお母さんっぽかったキャリー=アン・モスの見栄っ張りママぶりも、『ハピネス』以降、いつ「実はお父さん、若い男の子が大好きなんだよ」とカミングアウトするかハラハラしてしまう『愛についてのキンゼイ・レポート』のディラン・ベイカーの歯車の合わないパパぶりも、本作のシニカルさをベースアップしている。これでビリー・コノリーにもうちょっと“バブっぽい”ゾンビさがあれば、文句もないんですが。

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臭くはないんですか?

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2008年03月31日

呪怨 パンデミック (The Grudge 2)

監督 清水崇 主演 アンバー・タンブリン
2006年 アメリカ映画 108分 ホラー 採点★★

謎ってのは、下手に解明しない方が面白かったりするんですよねぇ。真実が、あれやこれやと頭の中で想像したり妄想してたりした願望を凌駕するってことは、滅多にありませんし。フライング・フィッシュとか。

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【ストーリー】
姉のカレンが放火事件を起こし入院中であることを知ったオーブリーは、アメリカから来日。病院で出会ったジャーナリストのイーソンから、とある家にまつわる忌まわしき話を聞く。その矢先、カレンは投身自殺。オーブリーもまた、その家に関わりを持つこととなり…。

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オリジナルビデオ版『呪怨』から劇場版を経てハリウッドでリメイクされた前作『THE JUON/呪怨』まで、同じような所を行ったり来たりしていた印象もあった本シリーズであるが、今回はオリジナルストーリー挑んだハリウッドリメイク第2弾。監督は、引き続き“呪怨一筋”清水崇。
別の時間・別の場所で起きている出来事を並行して描くことで程よい混乱を生み、それが一つに繋がった瞬間に深い恐怖を味わせてきた本シリーズ。今回もとっ散らかった時系列がクライマックスに繋がる構成となっているのだが、如何せんとっ散らかり過ぎ。“家”に拘らない恐怖の拡大化の狙いもあるのであろうが、エピソードが集結する拠点がない分、完成図に散漫な印象も。“家”に関わった人に関わった人物までも呪われるってのも新しい方向性なのだろうが、それなら別に呪怨じゃなくてもと。

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“オシッコ漏らすほど怖い”ってのを文字通り表現したシーンに驚くも、それ以外に印象に残る恐怖シーンが全て過去のシリーズの焼き直しであるのも痛いのだが、何よりも伽椰子に対する理由付けがいただけない。確かに生前から随分と粘着気質の随分とアレな女性ではあったが、クラスや職場にこっそり混じってそうな身近さがあった。その伽椰子が夫に襲われ、死に行く最後に目にするのが愛する我が子が殺される光景という、底知れぬ恐怖と悲しみと憤怒によって強烈な呪いを放つ存在となることに、説得力と恐怖と悲しみを感じさせていたのだが、何かと明確かつ納得できる理由が欲しいアメリカ人向けなのか、本作では伽椰子を生まれついての怪物にしてしまう。もう身近でもなんでもないんで、すっかり他人事。貞子との境目も曖昧になっちゃいますし。俊雄くんとワンセットであることに母子の繋がりを感じさせ、そこにまたじっとりとした恐怖と悲しみを感じさせていたというのにその辺もスッカリないがしろで、俊夫くんが何なのかどうでもいい作り。ドアの前で一人しゃがんでいる俊夫くんなんて、ネグレクトされている子供のようだ。これは『誰も知らない』なのか?余計な解説と伽椰子の無限のパワーアップを施してしまった本作は、オリジナル版『呪怨』に対する『呪怨2』のような味わいで、じっとりとした怪談風味とカラっとしたアメリカ味が半端に交じり合った、生乾きのような一本で。

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プロム・クイーンに選ばれないこと以外は恐れることなんて何一つないんじゃないかと思えるほどカラっと乾いた脳天気な前向きさと可愛らしさに溢れまくっていたサラ・ミシェル・ゲラーが、異国の地でじっとりと怖い目に遭うというコントラストが上手く効いていた『THE JUON/呪怨』。今回も、清水崇は若い娘たちをまるで昔のビニ本を見ているかのように如何わしく生々しくカメラに収めているのだが、如何せん“ラス・タンブリンの娘”ってのに「おー!」ってなる方以外にはインパクトのないアンバー・タンブリンとアリエル・ケベルがメインになるのでは、絵がもっさりとしてしまって仕方がない。メインがもっさりとしているせいか、ジェニファー・ビールスや伽椰子の呪いで大変なことになってしまっているエディソン・チャンらの印象まで薄くなってしまっており、結局前作から引き続き登場しているサラ・ミシェル・ゲラーと石橋凌ばかりが印象に残ることに。もちろん“伽椰子以外で”って前提で。

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で、例の吹替え。劇場公開時に近所の劇場には吹替え版しか来ていなかった(それはそれで異常な話だが)ので、評判以前にその顔ぶれで観るのを断念していたのだが、今回のDVD鑑賞ついでに吹替えも聞いてみたんですが…まぁ、本編以上に背筋が凍る思いをしたとだけ。もちろん、それはやったこともない吹替えを押し付けられた芸人らの責任ではない。無論それは「きっと面白いよ!」と、ずぶの素人に高級フランス料理を作らせ、客にプロの料理人が作ったのと同じ値段を払わせるのと何ら変わらない暴挙を平気で犯した宣伝担当の多分頭の良い方々の責任ではあるのだが、今日の日本の映画宣伝についてここで愚痴ばかりこぼしているし、きっとあちこちであらん限りの呪いの言葉を掛けられているでしょうし、伽椰子の呪いで給料が減っちゃったり、職場へ行ったら机がなくなってたり、別の人が自分の仕事をやってたりしているでしょうから、ここでは別に。ただ、“芸人が吹替えをやっているから”って理由で劇場に足を運んだ人がどのくらいいたのか、“芸人が吹替えをやっているから”いつも以上に面白かったと思った人がどれくらいいたのか、そしてこれをきっかけに映画が好きになった人がどれくらいいたのかは聞いてみたいですねぇ。

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反省してください

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2008年03月18日

スパイダー パニック! (Eight Legged Freaks)

監督 エロリー・エルカイェム 主演 デヴィッド・アークエット
2002年 アメリカ映画 99分 パニック 採点★★

夏になるとカブトムシ獲りに勤しんでることもあって“虫好き”と思われがちな私ですが、実のところ虫は嫌い。生理的にダメ。確かにカブトムシやらクワガタなどの甲虫類ら硬い連中は平気なんですが、無闇に細長い脚がワシャワシャと生えてる連中やら柔らかいお腹がパンパンになってる連中は、もうダメ。考えただけでも鳥肌もの。便所コオロギなんか見つけた日にゃ、悲鳴を上げます。蜘蛛なんてもってのほかで、スズメのこぶ用に恐る恐るピンセットで捕まえはしますが、ピンセットを乗り越え猛スピードで手元に来られたりしたら、全てがイヤになります。書いてる時点でもうイヤですし

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【ストーリー】
トラックから転げ落ちた有毒廃棄物の影響で蜘蛛が巨大化。田舎町をパニックに陥れる。

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ローランド・エメリッヒとディーン・デブリンが製作し、『バタリアン4』『バタリアン5』で人々を唖然とさせたエロリー・エルカイェムが監督したパニック映画。
“放射性廃棄物の影響で巨大化した生物”やら“ショッピングモールで立て篭もり”やらと、所謂B級映画の記号を羅列した本作。エメリッヒとデブリンの「今じゃちょっと大物になっちゃったけど、ボクら本当はこういうの好きなんだよー」という主張はハッキリと伝わるが、それを“映画愛”と取るか“エクスキューズ”と取るかで、受ける印象が大きく変わる作品でも。もちろんヒネクレ者の私は、後者で。パニック映画ながらも“B級映画ゴッコ”に対する照れ隠しかコメディ色が圧倒的に強く、人がばんばん殺されている割に蜘蛛に対する恐怖感が湧かない。それどころか、「イー!イー!」鳴きながら飛んでくる蜘蛛は可愛かったりすらする。もちろんコメディ色を前面に打ち出すのはいいのだが、肝心の“デカイ蜘蛛が怖い”って部分が活きて来ないのでメリハリもなく、笑いの沸点も低い。テンポも悪くないし全体から受ける印象も平均的なのだが、結局のところ“巨大蜘蛛が暴れる無難な映画”に。“巨大蜘蛛”と“無難”が一緒に居るのはどうかと

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“個性的”ってのを軽く通り越したアークエット家においては若干大人しい印象もあるが、思いつきと気まぐれと状況読まずの“B型系”キャラクターを演じさせればピカイチである『25年目のキス』のデヴィッド・アークエットは、一家の中でもお気に入りの一人。本作でもその勢いだけは充分のデヴィッドを期待したのだが、思いのほか大人しい。役柄もあるのだろうが、別にデヴィッド・アークエットじゃなくても良さそうな元気のなさが寂しい。
そんなデヴィッド・アークエットのほか、カリ・ウーラーと本当の母娘に見える『マッチポイント』のスカーレット・ヨハンセン、エメリッヒ映画の常連レオン・リッピーと案外豪勢な顔ぶれが揃った本作だが、印象に残るのがスカーレット・ヨハンセンの小生意気ぶりだけだったりも。

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蜘蛛嫌いの方でも安心して観れる蜘蛛映画

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2008年03月07日

ヒッチャー (The Hitcher)

監督 デイヴ・マイヤーズ 主演 ショーン・ビーン
2007年 アメリカ映画 84分 サスペンス 採点★★

マルチトラックを使って家でデモテープなんかを作る時って、ヒーコラ頭悩ませながらオリジナル曲を作るのも良いんですが、好きなアーティストの曲なんかをコピーして作ってる方が楽しかったりするんですよねぇ。とても手に負えないギターリフやベースラインなんかは、“アレンジ”という名の下に改悪して。で、出来上がった物はあたかも自分が作った曲のような感じがして、とてもとても他人様には聴かせられる代物なんかじゃないんですが、自分だけはとっても楽しいんですよねぇ。

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【ストーリー】
大学生のグレースとジムは、長距離のドライブの途中で立ち寄ったガソリンスタンドで、ジョン・ライダーと名乗る男の頼みを断れず近くのモーテルまで車に同乗させることに。一見人当たりのいいジョンであったが、突然ナイフをグレースに突きつけ…。

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言わずと知れた1985年の傑作サスペンス『ヒッチャー』のリメイク。そんなにオリジナルが好きなら、大金掛けて作り直さないでDVDを買って家で繰り返し観ればいいじゃんとも思うのだが、完成品からは“好きだから”って匂いが全くしないのが困りものの一本。
“夢を求めて旅に出る青年が、内なる衝動を止められず繰り返される殺戮の日々に疲れ果てた男によって一人前の男に鍛え上げられる”をベースに、“男と青年の不可思議な心の繋がり(もしくは愛)”、“男にはなったが少年にはもう戻れないほろ苦さ”、“殺人鬼にとってのハッピーエンド”など、オリジナルの骨であり血であり肉であった全ての要素がゴッソリと抜け落ちた本作。そんなビロビロとのびた皮だけのような作品をオリジナルといちいち比較して「あーだ、こーだ」言うだけ無粋なんで、志しからして既に著しく低い主人公カップルが、なんだか怖い人に追っかけられるよくあるサスペンス物として楽しもうと思ったのだが、なまじオリジナルを完コピしたシーンと独自にアレンジしたシーンの意味が全く繋がらないが為に、何故ジョン・ライダーが「殺してくれ」と懇願するのか、何故しつこく追ってくるのか、何故彼らは素直に警察に全てを話さないのかといった、オリジナルの作品として考えても肝心な部分が意味不明のアヤフヤな作品に。ナイン・インチ・ネイルズの“クローサー”の使い方がこれまたアヤフヤで辟易させられたが、オリジナルでは見せることのなかったトラックに手足を繋がられたまま引き千切られるシーンを視覚化した根性は良しと。まぁ、「手足を思いっ切り引っ張ったら“カランバ”になんないとダメだろ?」と、小さなツッコミは入れましたが。

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全く見所のなさそうな本作であるが、いやいやいや、どうしてどうして。ショーン・ビーンが出てるじゃないですか。それで充分じゃないですか。触れるだけで皮膚が裂けてしまいそうな鋭さと冷たさを持ちつつも、どこか淫靡な香りすら漂わせ、“ジョン・ライダー”という思いつき以外の何物でもない名前に出自が見えないだけではなく、荒野に吹き荒ぶ砂が恐怖そのものとして形になったんじゃないかとすら思えてしまう、“人間以外の何か”を感じさせたルトガー・ハウアーと同じ役に、髪を短く刈り込んで挑んだ心意気だけでも素晴らしいじゃないですか。心意気だけですが
で、本作のショーン。土砂降りの雨の夜中にヒッチハイクするも、主人公に乗せてもらえません。あと一歩の所で逃げられます。詰めが甘いです。いつものことです。あとからやって来たトラックに乗せて貰って主人公カップルに追いついたショーンですが、トラックの運ちゃんは殺しません。手強そうだったんでしょうか?結局ショーン、カップルのお兄ちゃんにお店で「乗せて♪」と頼み込みます。既にヒッチハイクですらないです。嫌々ながらも乗せて貰えたショーンですが、招かれた乗客であったルトガー・ハウアーとは扱いが大違いです。切ないです。なんだかんだとカップルを怖がらせることには成功したショーンですが、最後は何の意味も見出されないまま死んじゃいます。靴が片方脱げてます。ちょっとカッコ悪いです。そんな、後に何にも残らない生き様で一生を終えてしまったショーン・ライダーですが、車から蹴落とされた時に一緒に落ちてきた女の携帯電話で、あちこちに電話しまくってたらいいなぁと。事件が終わって家に帰り一息つく女のもとに、とんでもない金額の電話代が請求されてたらいいなぁと。請求書を見ながら女が「あんちきしょー!」と悲鳴を上げる別エンディングが見たいなぁと。

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乗せてすら貰えないとは思いもしなく

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2008年03月05日

沈黙のステルス (Flight of Fury)

監督 ミヒャエル・ケウシュ 主演 スティーヴン・セガール
2007年 イギリス/ルーマニア/アメリカ映画 98分 アクション 採点★★

今年もセガールが集金にやって来ましたねぇ。もう年貢みたいなものなので、すっかりと観念しておりますが。

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【ストーリー】
レーダーからだけではなく本当に姿まで消しちゃう米軍の最新鋭ステルス戦闘機が盗まれる。その戦闘機をテロリストの手から奪還すべく、闇雲に凄腕のセガールがアフガニスタンへと飛ぶ。

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沈黙の奪還』のミヒャエル・ケウシュによる、セガールがパイロット役に初挑戦したアクション。ぱっつんぱっつんに肥えたセガールがコックピットに入れるのか心配だが、入ったら入ったで出れるかなお心配
記憶を消されようとするセガールが間一髪で脱獄を果たす、後にも先にも何らストーリー上繋がりを持たない上に観客にだけ理由を告げられないオープニングに、実際の戦闘機が出てくるのはいいが、戦闘機が映ると途端に画面がザラザラする有り物演出、何度も同じ風景を飛行機が飛ぶデジャヴ現象に、テロップだけは“アフガニスタン”と言い張る強引さと、6人居たはずのシールズが次のシーンでは3人になっており、その理由を「敵にやられた」と肝心の見せ場すら撮らないネガティヴさばかりが目に付く本作。借り物のストーリーを有り物のフィルムで継ぎ接ぎした全く持って心のこもっていない作品ではあるが、闇雲にストーリーだけは詰め込みすぎて観るものをウンザリさせた最近のセガール映画の中では、単調かつ一辺倒な物語とはいえポケーっと楽しむ分には問題ない出来。セガールが集金にわざわざ来たんだから、とやかく言うだけ無粋

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たまたま立ち寄ったコンビニで強盗に遭遇し、得意のセガール拳でバッタバッタと強盗犯をなぎ倒すはいいが気がついたら店主も死んでたという、非常に大雑把な仕事振りのセガール。可能な限り動かないアクションスターという、稀有なポジションを獲得したセガールは、本作でも無論動かない。ちょっとばかしその辺を走ったりするセガールにとって大変面倒くさいシーンは全て遠目か後姿で処理され、涼しい顔で振り向く様をアップで押さえることで「今のはセガールだったんだよ」と分からせる省エネ演技を本作でもたっぷりと見せてくれる。面倒くさいアクションは全て若手に任せ、自分は涼しい顔でポチポチ起爆スイッチを押すシーンをアップで繰り返すクライマックスに至っては、「クライマックスの場にさえセガールは足を運んでいないのでは?」と錯覚させる程の省エネぶり。みっちみちになったパイロット姿はしょうがないとしても、サイズが合わないのかヘルメットのマスクを装着できないのは如何なものかとは思いますが。喋るのも億劫なのか滅多に喋らないし、喋る時は何かを読むが如く一点を見つめるセガールは、本作で共同脚本も担当。“最新鋭ステルス戦闘機がどーのこーの”って話にセガールが興味を持っているとは到底思えないが、何の脈略もなく始まるレズシーンをセガールが物陰で見つめるシーンには、大変興味を持ってそうで。

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役作りは衣装だけ

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2008年02月28日

パーフェクト・ストレンジャー (Perfect Stranger)

監督 ジェームズ・フォーリー 主演 ハル・ベリー
2007年 アメリカ映画 110分 サスペンス 採点★★

美人ってのはいいですねぇ。見ているだけで幸せになります。その美人でいる努力を考えれば、周囲からやたらめったらチヤホヤされて当然と思うんですが、「私は美人なんだからアナタもチヤホヤしなさい!」と美人の押し売りをされるのは、勘弁していただきたいもので。

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【ストーリー】
女性記者ロウィーナの幼馴染グレースが死体で発見される。グレースが経済界の大物ハリソンと不倫関係があったことからハリソンに疑いを持ったロウィーナは、身分を隠して彼に近づくが…。

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『NYPD15分署』のジェームズ・フォーリーによるサスペンス。
ラストのどんでん返しがとりあえずのウリである作品なのだが、ビックリするにもそれまでのミスリードが全く効いていない本作。物語の土台自体、「私アイツと不倫してるのー」の伝聞と「アイツは女好き、私は美人。近づいてくるに違いない」というやたらと細い線の上に成り立ち、撮り手にキャラクターへ対する関心が全くないのか、全員が上っ面だけの浅いキャラクターの上に全員ほどほどに怪しく、全員ほどほどに怪しくもない、最後に辻褄さえ合わせれば被害者を含め誰が犯人になっても別に構わない大雑把な作り。“男性名を使う女性記者”“別人に成りすますチャット”など、“向こう側にいるのはアナタが思っている人物とは限らない”という今更のテーマも併せてクライマックスまで一向に盛り上がることもなく、謳い文句にまでなっている“ラスト7分11秒”になる頃には、全てがどうでも良くなってしまう作品。まぁ、タイトル通り赤の他人のどうでもいい話を見ている気分にはなりますが。秘密を知られたが故に相手を殺した犯人に対し、「ヘッヘッヘ、秘密を知っちゃったー♪」と近づくキャラクターまでいる間抜けさにも、大いに閉口。

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確かに美人ではあるのだが、ある種綺麗なニューハーフを見ている気にもなってくる『X-MEN:ファイナル ディシジョン』のハル・ベリー。性の匂いを感じさせない中性的なキャラクターであればその魅力を存分に発揮できるのであろうが、性の匂いを前面に打ち出す役柄も多く、そうなると彼女が出てくるたびに心の温度が1度ずつ下がってしまうことも。本作においてもまさにそれで、なおかつ自意識過剰で男の扱いがぞんざいな彼女のおかげで、観終わる頃には心が激寒となることに。まぁ、出鼻から自分の会社が応援してきた政治家のスキャンダルを、その会社の新聞の一面に飾ろうとする無神経さにウンザリさせられるんですが。まずは載せられる媒体を確保してから、職を辞してやれと。
そんな彼女を含め、出てくるキャラクター全てに関心が払われているとは到底思えない本作。ハル・ベリーにいいように使われた挙句、若干ベクトルの狂った片想いが発覚した途端に変態扱いされる『狼の街』のジョヴァンニ・リビシはまだマシな方で、『ダイ・ハード4.0』のブルース・ウィリスに至っては“女好き”以外は何にも分からない役柄。扮するブルース・ウィリスもどうしたらいいのか分からなかったのか、ただただ微笑んでいるだけの何の変哲もないフツーのブルースでしたよ。

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なにもかにもが噛み合わず

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2008年02月24日

ホステル2 (Hostel: Part II)

監督 イーライ・ロス 主演 ローレン・ジャーマン
2007年 アメリカ映画 94分 ホラー 採点★★

観客を感動させる目的の“オマエの涙、最後の一滴まで絞り取ってやる”映画もあれば、観客を不快にさせる目的の“オマエの血液、最後の一滴まで搾り取ってやる”映画もある。そのどちらもそれぞれの目的があるわけだし、どっちかは“映画”で、どっちかは“映画なんかじゃない”って区別は出来ない。どっちも映画。好きな方を観ればいい。「なんか、ホンワカする映画が好きー♪」って言う人に『ゴア・ゴア・ガールズ』を薦めるのはお門違いだが、「『ゴア・ゴア・ガールズ』なんて観てる人は、人としておかしい!」って言われるのも、相当お門違い。

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【ストーリー】
ローマに留学中のアメリカ人女子大生ベスら三人は、休暇を過ごす為にプラハへと向かう。しかし、道中天然スパの評判を聞いた彼女らは行き先を変更、スロバキアへと向かう。だがそこで彼女らを待っていたのは、会員制拷問殺人クラブの魔の手であった…。

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公開されるや否や、一部のホラーファンを熱狂させる一方、狭い許容範囲をちょっとでも逸脱するものを何が何でも排除しようとする、大多数の良識派を怒らせた愉快な作品『ホステル』の続編。監督は引き続きイーライ・ロス。
前作の生き残りに待つ悲惨な結末から幕を開ける本作。その序盤にちょっとした血塗れサービスがあるものの、あとは前作同様クライマックスまでダラダラと進む。そのダラリ旅の道中に伏線が散りばめてあったり、タブーを踏み越えようとする主人公らへのハラハラがあれば盛り上がるのだが、今回は特にそういった目を引くポイントが見当たらず。さすがに構成が丸っきり同じではいけないと思ったのか、加害者側の背景をより深く描いているのだが、その背景が鮮明になればなるほど、前作ではボンヤリではあったが根の深さだけは充分に伝わった不気味な怖さが薄れるのみ。“若い女性が被害者になる”ってだけで充分という判断なのかゴア描写も比較的控え目で、前後の筋はスッカリ忘れ去っても、そこだけはシッカリと覚えてるって程の強烈なシーンもない。確かに最後にアレをチョキンとされて犬に食われるってのは強烈ではあるが、やたらと騒がしい目が飛び出た女を連れて逃げなきゃならなかった前作ほどでも、残念ながらない。
結果的にウェルメイドなスプラッターとなってしまった本作ではあるが、『食人族』のルッジェロ・デオダートが人を食ってたりするサービスもあるので、★おまけ気味。

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手間はかけるが、あとは雑

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2008年02月12日

ファンタスティック・フォー:銀河の危機 (4: Rise of the Silver Surfer)

監督 ティム・ストーリー 主演 ヨアン・グリフィズ
2007年 アメリカ映画 92分 アクション 採点★★

ギターが上手いとか、それこそペン回しが出来るとか、なんかしら特技がある人ってのは羨ましいですよねぇ。場を盛り上げられますし。私なんて、薬指を曲げないで小指を曲げられるくらいしか特技がありませんから。地味だし。

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【ストーリー】
宇宙から謎のエネルギー体が地球へ飛来。世界各地に異常現象を発生させる。そのエネルギー体“シルバーサーファー”の解明に乗り出したファンタスティック・フォーは、シルバーサーファーが飛来した惑星は全て8日以内に滅びていることを知る。地球の危機を救う為、ファンタスティック・フォーはシルバーサーファーに立ち向かうのだが…。

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構成員がゴム人間、透明女、人間松明、岩というチームびっくり人間の活躍を描く、人気コミックの映画化第二弾。
前作『ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]』では、まずはキャラクター紹介ってこともあってか終始内輪揉めを描くだけで終わってしまった感も強かったが、さすがに第二弾ともなればストレートかつスピーディーにチームびっくり人間の活躍を描くのだろうと期待してみたら、相変らず内輪揉めばかりのようで。そのびっくり人間らの内輪揉めに、世界中に天変地異を引き起こすシルバーサーファー、惑星を一飲みしちゃう巨大な存在に、無闇に偉そうな軍人と、題材こそ盛り沢山だが盛り付けをされているわけでもなく、非常に散漫。前作の宿敵Dr.ドゥームまで引っ張り出したのはいいが、どんな極悪非道振りを発揮するかと思いきや、地球の危機を回避する重要アイテムであるサーフボードを奪い取り、「あはは〜♪楽しぃ〜♪」と飛び回るだけ。仕舞いには「返せ!」と迫るチームびっくり人間に対し「ボクは意地悪だから返さないよーだ!」と。小学生か?しかしながら、その題材が絡み合っているとは言い難い本作の中で、母星を形に取られ已む無く惑星食いのパシリをやっているシルバーサーファーの物語は、その背景も含めなかなかに面白い。あれだけの力を持っているなら、最初からパシリをしている必要もないような気はしますが。シルバーサーファーを中心軸に据えて、その周囲をびっくり人間がチョロチョロする物語でも良かったのではと。

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正直、この手の作品の主人公としてはいささか華のないヨアン・グリフィズや、ウェディングドレス姿が目玉の一つであったのだろうが、別段好みでもないのであんまり興味もなかった『シン・シティ』のジェシカ・アルバ、素顔でも充分岩っぽい『ブラッド』のマイケル・チクリスと、前作から引き続き然程心のそそられぬ顔ぶれが登場する本作ではあるが、やはり火の玉坊主の『セルラー』『サンシャイン 2057』のクリス・エヴァンスは見事。責任感も節操もないが勢いだけはある彼は、まさにB型人間の鑑。今回は全編いじけっぱなしではあったが、その辺の不満も最後の大活躍で充分チャラ。
また、全身メイクで俄然その存在感と表現力の細やかさが引き立つ『パンズ・ラビリンス』のダグ・ジョーンズや、なんだかんだと自身の原作物には顔を出すスタン・リーも印象的。彼らびっくり人間以外のびっくりしない人間らの顔ぶれは、あんまり印象に残っていませんが。

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これだけで1本観たい

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posted by たお at 01:29| Comment(2) | TrackBack(62) | ★★(暇なら) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月07日

ラッシュアワー3 (Rush Hour 3)

監督 ブレット・ラトナー 主演 ジャッキー・チェン
2007年 アメリカ/ドイツ映画 91分 アクション 採点★★

“アクションコメディ”ってジャンルが確立されたのはどの辺からだろうと考えてみると、多分それは『ビバリーヒルズ・コップ』あたりからかなぁと。つい最近観直す機会があったんですが、喋りといいその間の空け方といい絶好調のエディの笑いも強烈だったが、思いのほかバイオレンス描写も強烈で。そのコントラストがしっかりと効いてないと、アクションコメディってジャンルはなかなか上手くいかないんでしょうねぇ。

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【ストーリー】
警護に当たっていた中国の要人が狙撃され、すぐさま犯人を追跡するリー刑事。犯人を追い詰めたリーであったが、その犯人の正体はリーと孤児院で兄弟同然に育ったケンジであった。驚きのあまりケンジを取り逃がすリーであったが、僅かな手掛かりを基に、相棒のカーターと共にパリへと向かう。

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アメリカでのジャッキー人気を確立した人気シリーズ“ラッシュアワー”の第三弾。監督は、いつものブレット・ラトナー。
ブレット・ラトナーといえば、『レッド・ドラゴン』のようにとりあえずまとまりのある脚本をソツなく撮り上げるか、『X-MEN:ファイナル ディシジョン』のように詰め込みすぎたイベントを消化するのに終始するか、『ダイヤモンド・イン・パラダイス』のようにスカスカな内容をスカスカに撮る、非常に素直な監督である印象が強いのだが、今回はそれら全ての特徴を兼ね備えた一本に。
バタバタと矢継ぎ早に起きるイベントをこなすだけに終始しつつ、間の外れたギャグと雑なアクション描写でコーティングしたかのような本作から受ける印象は、全体的には忙しいが肝心の見せ場は間延びする、なんともチグハグなもので。『シャンハイ・ヌーン』や『シャンハイ・ナイト』では、非香港映画ながらも道具や舞台の上下左右を巧みに使ったジャッキーらしさ溢れるアクションを堪能できたのだが、本作のアクションは別にジャッキーじゃなくても。パリ名物ってことでエッフェル塔でのアクションもクライマックスに控えてるが、これまた別にエッフェル塔じゃなくても高ければ何でも構わない雑っぷりが、残念。

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「ジャッキー映画を観た!」という充実感を然程感じさせてくれないジャッキー・チェンに、「コイツはいつも鬱陶しい!」と、いつものうざったさを感じさせないクリス・タッカーという、主役二人が思いのほか元気のない本作。となれば、期待は『サンシャイン 2057』でも強烈な存在感を示した真田広之に集まってしまうもので。スティーヴン・セガールから始まり、ジャン=クロード・ヴァン・ダムを経由して真田に決まったという、この役柄。とりあえず動ける人間が欲しかったようで。画面負けしないその顔立ち、佇まいはホレボレとしてしまうし、ジャッキーと同じフレームに真田がいるのを観るのは、角川映画でピョンピョンと飛び跳ねていた彼を観ていた人間にとっては嬉しい限りなんですが、できれば20年前にこの組み合わせを見たかったですねぇ。
そんな彼らの他に、別にいなくても全然作品として成立しちゃう役柄だった『インプリント 〜ぼっけえ、きょうてえ〜』の工藤夕貴、『エクソシスト』での老けメイク(またはミン皇帝)の印象が強烈なあまり、ここ30年間顔が全く変わっていない印象すらあるマックス・フォン・シドー、この人も基本的に顔の印象が30年間変わらないロマン・ポランスキーと、ベクトルが四方八方に向いた豪勢な顔ぶれが揃っているが、まぁ揃っただけという気も。

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カラ元気

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posted by たお at 01:51| Comment(8) | TrackBack(42) | ★★(暇なら) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする