2008年06月29日

チャックとラリー おかしな偽装結婚!? (I Now Pronounce You Chuck & Larry)

監督 デニス・デューガン 主演 アダム・サンドラー
2007年 アメリカ映画 115分 コメディ 採点★★★

“自分とちょっと違う”という“違う”の部分が許容範囲内であれば人は面白がって付き合ってくれるんですが、許容範囲を僅かでも外れちゃうと恐怖を感じたかのように排除し始めるんですよねぇ。私も今の会社に入る際、面接をした副社長に「キミは変わってるから面白いよ!やっぱり、変わり者はいいよ!採用だ!」とえらく気に入ってもらったようなんですが、大丈夫か?私はキミの想像を軽く超える変わり者だぞ。怖くなるぞ

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【ストーリー】
妻を失った悲しみに暮れ過ぎたあまり、年金の受取人変更をし忘れてしまった消防隊員のラリー。名義変更の手っ取り早い方法が再婚であることを知った彼だが、亡き妻を忘れられない彼には他の女性なんて全く興味なし。そこで、同僚で大の女好きであるチャックとゲイカップルであるように偽装を図るが…。

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今では日本でその主演作が公開される数少ないというか唯一のコメディアン、『もしも昨日が選べたら』のアダム・サンドラー主演作にして、久しぶりに未公開に終わったコメディ。やっぱり、コメディはコメディでも、頭に“ラブ”が付いてないとダメなようで。監督は、いつものデニス・デューガン。もう、安心。
ゲイ差別問題を中心に、妻の死から立ち直れない男、美人弁護士に惚れちゃったが相手は自分の事をゲイだと信じてるし困った、屈強な同僚が実はゲイで自分の活躍に勇気付けられカミングアウトを決心するが、自分は実はゲイじゃないなどなど、どのように着地するのかハラハラする要素がてんこ盛りの本作。それらのモチーフが次々と出てくる中盤までのモタつき具合はあまり頂けないが、テーマが明確になる中盤以降のスピード感はなかなかのもの。コンビ芸に徹してか、幾分控え目なアダム・サンドラーが発する笑いは少な目ではあるが、その分濃すぎる周囲が充分にフォロー。概ね“いつものアダム映画”を観ている満足感は味わえるものの、いささか強引に最も無難な場所に着地するオチのつけ方には、ややストンと腑に落ちない点も。そもそも、“友情”の為だけにしては、一方的に負担が大き過ぎるアダム・サンドラーの行動原理がいまいちシックリきませんでしたし。

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作品自体に多少の不満は残るとしても、いつもの“アダムスファミリー”が見せる芸には高い満足を得られる本作。コンビ芸ということもあってノビノビとボケ役に徹するアダム・サンドラーを筆頭に、思いのほか細やかな芸を見せるケヴィン・ジェームズ、「自分の胸は天然巨乳なんだ!」と言い張る『ブレイド3』のジェシカ・ビール、役柄のギャップだけで充分に面白い『M:i:III』のヴィング・レイムスらだけで存分にお腹一杯だというのに、「もう食えない!」ってだけじゃ帰してくれない顔ぶれがぞくぞくと。
SNLの大先輩である『ポイント・ブランク』のダン・エイクロイドや、大御所リチャード・チェンバレンが飄々と現れたかと思えば、久々のアダム映画登場となる『コーヒー&シガレッツ』のスティーヴ・ブシェミは、ますますジョン・ウォーターズと見分けが付かなくなり、アレン・コヴァートやピーター・ダンテというお仲間に混じって、『がんばれ!ベンチウォーマーズ』のデヴィッド・スペードまで登場。そしてトドメはもちろん、常にアダム映画に潜んで観客をハラハラさせる『ホット・チック』のロブ・シュナイダー。あまりに強烈。その強烈過ぎる面白さが、日本未公開となった大きな要因なんだろうなぁと。

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アダム・サンドラーが出てなくても、面白さが然程変わらない気も

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posted by たお at 01:49| Comment(0) | TrackBack(2) | ★★★(まぁまぁ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月13日

ランボー 最後の戦場 (Rambo)

監督 シルヴェスター・スタローン 主演 シルヴェスター・スタローン
2008年 アメリカ/ドイツ映画 90分 アクション 採点★★★

ずぼらで大雑把な性格が災いしてか、何事に対してもスロースターターな私。動かざること、山の如し。まぁ、ただボヘーっとしているわけでもなく、あーだこーだとウダウダ頭ん中で色々と組み立てて、ロクな結果が見えなければ動かないが、カチリと先がはまると引っ張りに引っ張ったゴムを放すかのような勢いで猛然と物事に取り掛かることも。なんというか、スタートと同時に爆睡を決め込んで、目覚めるや否や猛ダッシュでゴール到達直前のカメを颯爽と抜いていくウサギというか、なんだかんだと越冬してしまうキリギリスのような。

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【ストーリー】
タイ北部で静かに暮らすランボーは、隣国ビルマで迫害され続けているカレン族を支援するキリスト教団体が軍事政権に拉致された報を受け、救出の為に敵地へと向かう。

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多感な年頃に出会ってしまったが故に、その後の映画人生をある意味とても楽しいものにしてくれるほど強い影響を受けた『ランボー』。おかげで、ゴダールとかには近寄りもしませんでしたし。その辺の思い入れを書くだけでえらい長いレビューになってしまうので、それはいずれ書くであろう『ランボー』のレビューに任せるとして、キャラクターとして完成されすぎちゃった感がこれまた大好きだった『ランボー3/怒りのアフガン』から20年振りとなる最新作。まぁ、“○○年振り!”を喜びこそはすれ、だからと言ってリアルタイムでの評価を含めシリーズ全部の評価をがらりと変えてしまうのは如何なものかと思いますが。監督は、実質的に主導権を握っていたとはいえ、本シリーズでメガホンを握るのは初となるスタローン。
一作目と同じ土台を持ちながらも、今現在のスタローンだからこその主張と想いが強く込められた、身につまされる説教映画の傑作『ロッキー・ザ・ファイナル』。その成功と勢いに乗って、スタローンによるもう一つの当たり役“ランボー”の復活と相成った本作。前作から多少の浮き沈みこそあったものの、企画自体は消えることのなかった本シリーズであるが、愛した国とその人々に拒まれ帰るべき場所を失った男の悲哀を描いた『ランボー』も、いつの間にやら外国に乗り込んで外人を殺戮しまくるシリーズと。新たな敵を探そうにも、冷戦が終結した今では目に見える分かり易い敵を見つけるのも困難だし、タリバンなんかは非常に分かり易いが前に手を貸してしまっている分バツが悪いし、そんなこんなしているうちに“南米の麻薬王相手に大暴れ”と非常に地味な設定に落ち着きそうになったりしたが、結果的に“軍事政権の圧政に苦しむビルマ(気分的にここではビルマに統一)”と、世界規模で上映される作品として最も無難な場所に着地。

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冒頭にこそビルマの現状を映し出すニュース映像が多用されているが、ジャングルを舞台に現地の兵士が暴虐の限りを尽くす本編が始まると、そこに“ベトナム”というテロップが出ても然程違和感を感じないほど『ランボー2/怒りの脱出』的味わいの濃い本作。トラウトマン大佐もジェリー・ゴールドスミスの音楽もカロルコのロゴもない寂しさは拭えないが、『プライベート・ライアン』もかくやと言わんばかりの、画面上で常に人体が粉々に破壊されている戦闘シーンは凄まじく、“暴力は暴力しか生み出さないが、暴力に対抗できるのは暴力しかない”“誰かを守るなら、身体を張ってその手を汚せ”と至極真っ当かつ身につまされる説教も健在で、近年稀に見る筋肉映画の傑作となっている。しかし、だからと言って「ランボーを観た!」という強い実感を得たかと言えば、それはまた別の話。
ランボーの人間面・性格面にやや重きを置いた本作であるが、アクション映画としての本シリーズの面白さの一つの側面であった“サバイバル技能”や“ゲリラ戦術”といったスキルの部分の面白さや、我慢に我慢を重ねた上で怒りが爆発するカタルシス、戦いを拒んでいる男が戦場に向かわざるを得ない強烈な目的などが薄まっており、猛烈に強い男が一目惚れした女を追いかけて悪いアジア人を機関銃で一掃する映画に見えてしまう趣も。一作目で寒空の中歩いていた長い道のりがようやく終着点を迎えたエンディングは感動的であるのだが、せめてそこにダン・ヒルの甲高い歌声を被せて欲しかったなぁと、ちょっとした願いも。

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とは言っても、60歳を越えてあれだけの肉体作り上げアクションをこなすスタローンには。脱帽以外のなにものでも。キメ台詞が「家に帰れ」という、なんかこう面倒くさくなってしまったかのようなぶっきらぼうさに滲む人の良さも、非常にスタローン的で良し。『ロッキー・ザ・ファイナル』といい本作といい、キャラクターの名前を銘打った自身の店じまい総決算セールの様相が強まってきているが、時流を察知する類稀なる嗅覚センスと、60を越えて確立した“筋肉説教”という持ち味を存分に発揮するスタローンが店じまいをするにはまだまだ早いと思うので、是非とも『マリオン』とか『タンゴ』とかを作って店じまいを先延ばしにしていただきたいと、切に願うもので。
そんなスタローンの強烈なオーラにすっぽりと隠され、他にどんな人が出ていたのか今ではさっぱりの本作ではあるが、アクの綺麗に抜けたティモシー・オリファント然とした『バイオハザード3』のマシュー・マースデンと、量産型ニコール・キッドマンっぽかったジュリー・ベンツはちょっぴし魅力的。まぁ、金髪の白人女性で鼻がツンと上を向いていれば、誰でもニコール・キッドマンに見えてしまう私が言うのもなんですが。

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『狼よさらば』のリメイクはどうなったの?

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posted by たお at 12:58| Comment(3) | TrackBack(20) | ★★★(まぁまぁ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月05日

スリザー (Slither)

監督 ジェームズ・ガン 主演 ネイサン・フィリオン
2006年 カナダ/アメリカ映画 96分 ホラー 採点★★★

主演するスターや監督で観る映画を選ぶってのも多いですが、かつてのホラーブームの頃は、監督や俳優なんかよりも“特殊メイクは誰が?”がとっても重要だったりしましたよねぇ。扱いが“トム・サヴィーニの新作!”って感じでしたし。CGでのエフェクトも凄いものですが、やっぱりその場にある実存感ももちろんのこと、ラテックスやらホースやらを創意工夫と熱意と根気であーだこーだして観客をビックリさせるトリックを作り出す現場の苦労が見え隠れする特殊メイクの方が好きですねぇ。

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【ストーリー】
アメリカの田舎町。ある夜落下してきた隕石からナメクジ状の生命体が現れ、町の実力者グラントの体内に侵入。徐々に醜く変形するグラントは仲間を増やしていき、町中がパニックに陥る。

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『悪魔の毒々モンスター』のトロマ社でコキ使われ腕を磨き、『ドーン・オブ・ザ・デッド』でマッハゾンビの恐怖を見事に描くと言う、まさに映画好きの王道を行くキャリアを持つジェームズ・ガン初監督のSFホラー。
田舎町を何かヌルヌルしたのが這い回って、なんだかんだで住民がゾンビっぽくなってしまう、ある意味王道の本作。その展開もさることながら、スクリーミン・マッド・ジョージ風のヌメった特殊メイクも見事な出来栄えで、「そーそー!こんな感じだったよなぁ」とかつてを思い起こさせる楽しさが。ただ、その“かつて”を楽しんで終わってしまっている感も否めず、そこから“今”ならではの面白さまで到達していない気も。主要人物それぞれが作品を一本成立させそうなエピソードを持っているのだが、それがまた盛り込みすぎを強めているようにも。ある程度絞った方が、よりシャープな面白さになったのではと。

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映画も佳境を迎えた頃になってようやく主演であることに気付くネイサン・フィリオンはさておき、スタローン、シュワルツェネッガー、ヴァンダムの筋肉子守役を通して磨き上げられた強烈な存在感で圧倒させられた『クリフハンガー』のマイケル・ルーカーの、なんだかんだ言っても奥さん大好きぶりは感動的ですら。そのイカ状の旦那にとことん愛される妻役には、エンドクレジットを見るまでてっきりレイチェル・マクアダムスだと思い込んでいた40歳の童貞男』のエリザベス・バンクス。だって、ソックリなんですもの。
もう名人芸の域に達しつつある『ペイバック』のグレッグ・ヘンリーによる“嫌な奴”芸もさることながら、『デビルズ・リジェクト』のロブ・ゾンビや、トロマ総帥ロイド・カウフマンがチラリと顔を出したりする目配せも嬉しかったりも。まぁ一番嬉しかったのは、TVにこっそりと映っている『悪魔の毒々モンスター』だったりするんですが。赤ちゃんと一緒に毒々を観るお母さんもアッパレですし。

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イカでもいい?

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2008年04月27日

クライモリ デッド・エンド (Wrong Turn 2: Dead End)

監督 ジョー・リンチ 主演 エリカ・リーセン
2007年 アメリカ/カナダ映画 97分 ホラー 採点★★★

「どれどれ、何か新しい映画でも観ようかねぇ」とビデオ屋に行けど、邦画の新作棚は“泣かせ”で埋め尽くされ、「そんなに泣きたいのかねぇ」と半ば呆れがら洋画の新作棚を覗けばゾンビだぁ拷問だぁと、やけに血生臭い。ここまで両極端になるのも珍しい気もしますが、まぁどっちも人が死なないと物語にならないって意味では似たようなもんですねぇ。

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【ストーリー】
リアリティショーに出るために、ウエスト・バージニアの森へと集まったTVクルーと出演者の若者たち。しかしその森には奇形化した食人一家が潜んでおり、一人また一人と彼らの餌食になっていく。

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人里離れた地で道に迷った若者が食人一家に襲われるという、まんま『サランドラ』なストーリーや容赦ない残酷描写よりも、エリザ・ドゥシュクの容赦ない胸元に目が釘付けとなってしまった『クライモリ』の、思いがけない続編。
森の中で大変な目に遭うってベースは変わらないが、“まずは増量”という続編の法に則った本作。女性がモツをボトボトとこぼしながら真っ二つにされるオープニングから、血糊量も下品度も食人一家の人数もボリュームアップされ、開き直ったやり放題感が魅力の本作。“リアリティーショー”って素材が上手く活かされているとは思えはしないが、ランボーモードに突入した元軍人が食人一家に戦いを挑む節操のない展開も、そのやり放題感を強めてくれて、これまた良し。

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『テキサス・チェーンソー』などのホラーやTVで、ある意味堅実な仕事をしていると言えるエリカ・リーセンや、『ファイナル・デッドコースター』で頭がスマッシュしていたテキサス・バトル、同作でどう見ても保護者にしか見えなかった女子高生を演じていたクリスタル・ロウなど、若手はワンサカ出ているが前作のエリザ・ドゥシュクの胸ひとつにも敵わない小粒ぶりが厳しい本作。しかしながら、そんな若手を尻目に一人気を吐いているのが、オルタナ関係では欠かすことの出来ないヘンリー・ロリンズ。『ザ・チェイス』でその野太い首を武器に警官役を熱演するなど、音楽関係以外での仕事振りも随分と目立っているが、本作でもその野太い首を武器に元軍人役を。精子の薄そうな若手ばかりが右往左往するデジカメ独自のぺらい画像の本作中、ヘンリー・ロリンズが映るシーンだけはちゃんと“映画”っぽくも。やっぱり、こういう“濃さ”ってのは大事ですねぇ。

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後ろには立たれたくないが、人の後ろにはなんぼでも立つ

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2008年04月22日

フライボーイズ (Flyboys)

監督 トニー・ビル 主演 ジェームズ・フランコ
2006年 イギリス/アメリカ映画 138分 アクション 採点★★★

遠い昔の思い出とか、思い出したくもない過酷な体験ってのを話すときって、ついつい美化しちゃうんですよねぇ。でも、別にそれって悪いことではないと思いますけど。

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【ストーリー】
第一次世界大戦最中の1916年。様々な事情から不参戦を決め込むアメリカを飛び出しフランスへと渡った若者らは、義勇兵としてフランス空軍“ラファイエット戦闘機隊”に加入。初めての飛行機に戸惑う彼らも無事訓練を終え、いよいよ実戦へと向かうが…。

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俳優としてのキャリアも相当なもののトニー・ビルによる、実話を基にした一本。
戦争当時の過酷な生活、戦場の地獄絵図を再現する戦争映画が多い中、かつての戦争映画にあったロマンを感じさせる本作。それぞれの問題を抱える若者たちの成長、友情、恋愛、師弟愛など訓練映画特有の要素を漏れなく盛り込み、CGを併用した迫力溢れる複葉機による空中戦を楽しませてくれる。精巧なCGをメインに使いながらも、ノスタルジーを感じさせるミニチュアワークを思わせる映像も、本作にぴったりとはまっている。製作のディーン・デヴリンの趣味が出たのか、巨大飛行船が“スター・デストロイヤー”に見えてくるスター・ウォーズばりのクライマックスの迫力も相当なものであるし、ツボを押さえたドラマも悪くはないのだが、いささか人物描写が雑。メインの人物はいいとして、途中参加組がいつの間にかバタバタと死んでいるんで、「あれ?今死んだのダレ?」となること甚だしい。

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13/ザメッティ』同様主人公の後ろに突っ立ているだけのオーグスタン・ルグランなど、メインキャスト以外の扱いが非常にぞんざいであった本作ではあるものの、目元のくしゅっとした具合と全体の濃ゆさが時代背景にぴたりと収まるジェームズ・フランコは、なかなかいい感じ。「牧場持ってました」って感じしましたし。
で、『クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち』『エンパイア・オブ・ザ・ウルフ』のジャン・レノ。まぁなんと言うか、とっても楽そうな最近よく見るいつものジャン・レノでしたよ。

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最近仕事が楽しい

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posted by たお at 22:53| Comment(4) | TrackBack(10) | ★★★(まぁまぁ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月17日

地球外生命体捕獲 (Altered)

監督 エドゥアルド・サンチェス 主演 アダム・カウフマン
2006年 アメリカ映画 88分 ホラー 採点★★★

子供の頃は、カエルを捕まえてはロケット花火に括りつけて飛ばしたり、トンボを捕まえては鯉がわんさかといる池でバクバク食われる様を眺めてたりと、子供らしい残酷さに満ち溢れた遊びに呆けていたもので。無論トンボやカエルにとっては甚だ迷惑な話であるのだが、必死に抵抗する姿に「あぁ、コイツらも生きているんだから逃がしてやろう」と思うほどお利口さんでもなく、噛まれたりすると「虫のくせに!気分悪い!」と怒るだけなんですよねぇ。この大人げのなさは、いまだに変わりませんが。

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【ストーリー】
少年時代に宇宙人に連れ去られ、その後の人生を狂わされたデューク、コディ、オーティスらは、復讐の機会を待っていた。そんなある夜、彼らは森の中で遂に宇宙人を捕獲。彼らと共に宇宙人に連れ去られた過去を持つワイアット宅で、積もりに積もった積年の恨みを果たそうとするが…。

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今となっては“大いなる一発屋野郎”との呼び声も高い、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』のエドゥアルド・サンチェスによるSFホラー。
登場人物数ひと桁、舞台は森とガレージ、大半の時間は会話のみと、明らかに低予算の極みを見せる本作。明るい場所では毛布やら何やらでグルグル巻きにされ、その全容が明らかになるのは常に薄暗い場所という宇宙人の造形も、額になにやら女性器みたいなのがついてる以外はこれといって見所もない。しかしながら、「ない袖は振れん!」とばかりの開き直りとアイディアとハッタリで乗り切る姿勢は立派。本来なら見せるべきである主人公らの過去の出来事を会話だけで済ませ、別に見せなくてもいい“宇宙人との臓物引っ張りっこ”を延々と見せ付けるサービス精神は見事。必殺技が“内臓引っ張り”って宇宙人なんて、見た事ないですし。恨みを晴らしたいも、“下手に殺せば宇宙人らが一気に攻め込んで来て人類は滅亡しちゃうから殺せないけど、やっぱり殺したい”という、人類の命運が田舎のレッドネック四人組に握られているのも、かなりのスリリングさ。“ゲテ映画”と言われればそれまでの作品ではあるが、会話の中で人物関係図に深みを持たせ、基本的には“いい奴ら”である主人公らが見せる、男っぷりの良さも好み。身を挺して友を守ろうとする男たち(及び内蔵はみ出して死にそうだというのに、主人公の恋人に「奴の元カノは酷かったけど、キミは素敵」と言える気遣い)の物語は、やっぱり無条件に好き

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捕まえた当人たちが一番驚いて

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posted by たお at 23:20| Comment(0) | TrackBack(1) | ★★★(まぁまぁ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月16日

ヒットマン (Hitman)

監督 ザヴィエ・ジャン 主演 ティモシー・オリファント
2007年 フランス/アメリカ映画 93分 アクション 採点★★★

一年以上一緒に働いているにも関わらず、その人がメガネを掛けていたかどうかさっぱり思い出せないほど他人に興味のないたおです。仕事仲間の家族構成とか血液型とか、全然知りません。興味ありません。そのせいか、周囲からは“クールな人”と思われがちですが、いえいえ全然。興味が湧く人に対しては、もうガンガン行きますし。滅多にそういう人いないんですけど。まぁその“クールな人”って勘違いのおかげで、ちょっとでも優しい事をすると“実は物凄く優しい人”と更に勘違いされるので、たまに得をするんですが。

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【ストーリー】
幼い頃から組織によって殺しの技術を叩き込まれた凄腕の殺し屋“ナンバー47”。彼は依頼されたターゲットであるロシアの政治家の暗殺に成功するが、それらが全て罠であった事を知った彼は、事件の鍵を握る娼婦のニカと共に陰謀の首謀者を探し出そうとするが…。

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人気ゲームソフトを新鋭ザヴィエ・ジャンが監督したアクション。
ゲームの映画化ということもあって、アクロバティックなアクションばかりの一本になるのではと危惧していたが、構図のビシリとキマったスタイリッシュなガンアクションが魅力的な本作。映画的な派手さを持ちつつも、無駄の少ない動きは観ていて気持ちが良いもので。「殺し屋としては、後頭部のバーコードは目立ちすぎるんじゃないのか?」という疑問や、結局のところストーリーの肝となる陰謀がどんなものなのか良く分からないってのは致命的でもあるのだが、一本の映画の屋台骨を支えるには充分過ぎるほどキャラの立つ主人公、魅力的な登場人物とさり気ない心情描写、スパイ映画気分を味わえるヨーロッパの風景、そしてオッパイに血飛沫と、押さえる所はシッカリと押さえた“わかってる”作りが全体を救うことに。どうも、最近こういう“わかってる”映画ってのは、ベッソン経由じゃないと観れなくなってる気も。まぁ、だからといっていつまでも『レオン』を引き合いに出すのは、芸がないとも思いますが。

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元々は『トリプルX』のヴィン・ディーゼル主演で企画がスタートした本作。坊主ですし。で、なんだかんだあって結局ヴィンはプロデューサーの一人として名前を残すだけになったようですが、本作の主役を演じるには、その思いのほか優しいオメメとむっちりとしたマッチョ具合はどうかと。そうなると、ナイフのようにシェイプされた肉体と、命乞いなんて全く無駄のような気がする狂気を孕んだ眼差し、それでいて人間的なユーモラスさをも醸し出す『ダイ・ハード4.0』『ガール・ネクスト・ドア』のティモシー・オリファントは、まさにはまり役。基本的にジェームズ・ボンドもそうなんでしょうが、「人を殺してる時以外はチャーミング」ってセリフが似合う俳優なんて、そうそういませんし。
そんなティモシー・オリファントによって存分にキャラ立ちさせられた“ナンバー47”が本作最大の魅力であるのだが、今回は変装してトム笑いをしないで済んだ『M:I-2』『ダーク・ウォーター』のダグレイ・スコットや、007の最新作“Quantum of Solace”のボンドガールに抜擢されたオルガ・キュリレンコらの魅力も忘れ難い。特にオルガ・キュレリンコの。脱ぎっぷりの良さとか色々と。

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キャラ勝ち

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2008年04月15日

バイオハザード III (Resident Evil: Extinction)

監督 ラッセル・マルケイ 主演 ミラ・ジョヴォヴィッチ
2007年 フランス/オーストラリア/ドイツ/イギリス/アメリカ映画 94分 アクション 採点★★★

人前で平然と惚気たりするのは得意なほうじゃないんで、自分からわざわざ話題にすることはないんですが、如何せん“自分が惚れた女が一番”と思ってしまいがちな私なもんで、自慢こそしないが何気にあちこち連れ回してたりも。いやぁもう、恋ってのは怖いですねぇ。

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【ストーリー】
Tウィルスの感染が世界中に広まり、人類は砂漠化した地上で絶滅の危機に陥っていた。そんな中、アリスは離れ離れとなっていたカルロスら生存者グループと合流。アラスカが安住の地との情報を得た彼らは、燃料の補給の為廃墟と化したラスベガスへと向かうのだが…。

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なまじ良い部分もある為、観る度に「“わかってる”人が一から撮り直してくれないかなぁ…」と元も子もないことを思ってしまう、日本の人気ゲームの映画化第3弾。前作『バイオハザード II アポカリプス』に続き今回も製作と脚本をポール・W・S・アンダーソンが務め、今回監督に抜擢されたのは『ハイランダー/悪魔の戦士』『シャドー』のラッセル・マルケイ。
装甲バスが炎天下の砂漠を走る『マッドマックス2』風デストピア風景をバックに、マカロニ風アクション、いつもの“リプリー・サーガ”にゾンビを少々と、相変らず好きなものをざっくりと混ぜ合わせた感の強い本作。カプコンアンブレラ社本部のある東京の描写も、非常にざっくり。それらの上っ面だけをちょちょいと拝借した浅さと雑さが手痛いのだが、ラッセル・マルケイの手堅い演出と要所要所にみせるキレのあるアクションで、小気味のいいテンポで進む一本とはなっている。まぁ、ここんとこしばらくの雇われ仕事が肌に染み付いちゃったのか、前後の流れを無視してでも入れる“火花が飛び散りガラスが盛大に砕け散る水浸しの舞台でアクション(バックに流れるはクイーン)”みたいな、マルケイ印がすっかり鳴りを潜めちゃってるのは寂しい限りですが。
アリスの血液がTウィルス対策に必要不可欠なのであれば、「色々あったけど、過去は水に流して血液をちょっと分けてもらえない?」と、素直にお願いすればいいだけの話なんじゃないのかと疑問は感じてしまうものの、「オレのミラがいっぱいいたら、きっと素敵〜♪」というポール・W・S・アンダーソンの脳内天国をそのまんま絵にした様に、結局は彼女自慢のシリーズなんだなぁと諦めつつも、ミラが彼女ならその気持ちも分からなくはないので、★おまけ気味。

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カール掛かった髪型のせいか、両手に握られたナイフのせいか、今回はワイルド且つ可愛い男の子ってな風貌をも垣間見せるミラ。砂漠すら似合う。腐ってる割には随分とマッチョなゾンビ相手に繰り広げるアクションも相変らずキレが良く、蹴り姿もいたって自然で違和感がない。ゾンビが隣に立ってても違和感がありませんが。
そんな、何をやっても様になるミラが相手では、他のキャラクターが佃煮の如くぞんざいな扱いになってしまうのは致し方ないのかも知れないが、「オレのミラだけを観てればいいんだい!」と言う訳なのかどうなのかは別にして、セリフですら触れられないジルの存在はさて置き、とりあえず物語の連続性維持の為か、炎天下の影響か火気厳禁なほどの脂ぎり方を見せる『デュース・ビガロウ、激安ジゴロ!?』のオデット・フェールとマイク・エップス、イアン・グレンが前作に引き続き登場。もちろん、前作同様ミラの引き立て役に徹してますが。実のところ好みのタイプである『ジェイ&サイレント・ボブ 帝国への逆襲』のアリ・ラーターまでもが引き立て役になってしまうのはちょっとばかし寂しいですが、まぁ、ミラが相手ですし。

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ミラ待ち

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2008年04月02日

ソウ4 (Saw IV)

監督 ダーレン・リン・バウズマン 主演 トビン・ベル
2007年 アメリカ映画 93分 ホラー 採点★★★

物事を計画立てて取り組むってのがてんで出来ないんで、気がつくといつも追い詰められきった状況にいちゃう私です。その経験から「いかんいかん。これからはきちんと計画立てるぞぅ」ってなればいいんですが、なまじ追い詰められてからの集中力と行動力が半端じゃないんで、なんだかんだと上手く行ってしまい、その“なんだかんだと上手く行く”ってことだけを学び、次も見事に追い詰められちゃうんですよねぇ。経験からの学び所を誤ってしまってるようで。

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【ストーリー】
ジグソウにはアマンダの他にも協力者がいると推測した警察とFBIは捜査を開始。そんな中、SWATの隊長リッグは何者かに襲われ、何処かで囚われの身となっているエリック刑事を救い出すためのゲームに強制的に参加させられる。

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“贖罪”やら“再生”やらのテーマが掲げられてはいるものの、“人間どんだけ追い詰めれば自分で自分の脚を切断するか?”という暗い好奇心を甚く刺激した『ソウ』も、あれよあれよと第四弾。監督は、『ソウ2』『ソウ3』に続いてダーレン・リン・バウズマンが続投。
ネチネチと精神的に追い詰める実験を観ているかのような面白さも、回を重ねる毎に直接的な肉体損壊を描くことに終始し始め、物語自体の面白味が失せ始めていた本シリーズであるが、今回は物語の構成自体に注力した気配もありなかなか面白い。“ジョン・クレイマーがジグソウになるまで”を描く本作は、ジグソウが何もかにも開けっぴろげに披露するオープニングに度肝を抜かれるが、やり過ぎのゴア描写はそれくらいで、後は物語を重視しながら要所要所で強烈な肉体損壊描写を挟み込むメリハリの効いた作り方。ジグソウの過去と並行してリッグがジグソウの見方・考え方でゲームをこなしていく流れは、“ジグソウ体験ライド”的な趣もあって興味深い。ただ“ジグソウ解体新書”としての流れに注力しすぎた為か、第三の協力者の背景があまりに不明瞭だったり、それぞれの事件が一つの輪になるインパクトが薄い印象は否めない。それを補うが如く用意されたラストのサプライズも、些か強引。あまりに力ずく。正しい道順が目の前にあっても、知らず知らずの内に間違った場所へと導かれるからこそ最後に「やられたー!」ってなるミスリードも、本作のように最初から正しい道順全てを塞いでしまっていては、そりゃ誰でも思いもしない展開になるわけで。なんと言うか、詐欺と強盗の違いのような。

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基本的には寝てばかりいる稀有な殺人鬼として21世紀を代表するホラーアイコンの一人となったジグソウには、もちろんトビン・ベル。「尊敬する人物はジョン・ドウさんです!」と言い切りそうなジグソウは、今回も相変らず寝てばかりいる上に、高い所からの物言いも変わらず。
シリーズを通して同じキャラクターが登場し、「そういえば、居たなぁ」って人が意外な素性を明らかにするのも魅力の本シリーズ。犯人が2人になった『ソウ2』の後、何かと増えるシリーズ物の法則に則って「じゃぁ『ソウ3』では3人になるんじゃないのか?」と思わせたが、それもあながち間違いでもなかったことが判明する本作。ってことは、現在撮影中の『ソウ5』では“実は『ソウ4』での犯人は4人”ってことになっちゃうんでしょうか?もうそろそろ「そういえば、居たなぁ」ってキャラクターも少なくなってきてますけど。

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起き上がる気配もなく

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posted by たお at 02:18| Comment(4) | TrackBack(21) | ★★★(まぁまぁ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月28日

燃えよ!ピンポン (Balls Of Fury)

監督 ロバート・ベン・ガラント 主演 ダン・フォグラー
2007年 アメリカ映画 90分 コメディ 採点★★★

春の陽気に誘われて、身も心も緩みっぱなしのたおです。緩みついでにDVDでも観ながら大いに笑おうかと思いビデオ屋に向かうも、邦画の新作コーナーは死んだ人の話かこれから死ぬ人の話ばかりでどうにも辛気臭い。じゃぁ洋画の新作コーナーはと言えば、「ゾンビだぁ!」「監禁だぁ!」と、えらく血生臭い。“映画を観ながら笑う”ってのは、いつの間にか難しいことになってしまったんですかねぇ。

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【ストーリー】
ランディはかつて12歳でオリンピックに出場したほどの天才卓球少年であったが、今では場末のカジノでピンポン芸を披露して日銭を稼ぐブクブクと太った中年男と成り果てていた。しかしある日、FBIから極悪人フェンが主催する闇卓球大会に参加しフェンの尻尾を掴む事を依頼されたランディ。フェンが亡き父の仇である事を知ったランディは、すっかりと錆び付いた卓球の腕を卓球仙人ワンとその姪マギーの下で磨き直し、闇卓球大会に参加するのだが…。

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ナイト ミュージアム』の脚本家コンビによる、コメディが冷遇されている日本においては、超大物スターが出ているわけでもないのに珍しく全国公開されたコメディ。権利料が異様に安かったんですか?
“卓球版『燃えよドラゴン』”ってことではあるが、大まかな枠組みを『燃えよドラゴン』から拝借しただけで、卓球版パロディではない本作。作品自体も、売り出し中のコメディアン主演作らしく「これから頑張っていきますんで、よろしくお願いします!」的な教科書通りの作りで、期待通りの場所やネタで笑いを生み出すが、全く予想外の所から笑いが飛び出すまでの破壊力はない。ある意味マイノリティが活躍するって点では『燃えよドラゴン』と同一線上にあるようにも思えるが、「よりによってこのスポーツで」って所で笑いを生み出すって点では、受ける印象は『ドッジボール』にも近い。ただし、『ドッジボール』は競技とその周辺の負け犬たちを笑い飛ばしつつ愛着を感じさせていたのだが、本作は笑い飛ばして終わってしまっている感もある。しかしながら、ダン・フォグラーの歌芸と“小っちぇえ奴”を演じきる負け犬芸は見事。登場する度に仄かに感じる不快感は、芸が弾けた時に高い笑いを生み出すであろう期待が持てるだけに、今後が非常に楽しみで。
非常に安全運転な印象を受けた本作。『燃えよドラゴン』遊びもニセドラゴンのジェイソン・スコット・リーが出てくるだけで終わってしまっているのだが、どうせなら地下牢でヌンチャク代わりにラケットで暴れてみたり、ラスボスの腕に付けるアタッチメントが熊手ではなくラケットだったり、こっそりとサモ・ハンが隠れてたりと徹底的に『燃えよドラゴン』を卓球でなぞっても良かったのではと。こっそり隠れているのがマシ・オカじゃ、「ヤッター!」って気分にもなりませんし。

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感想を聞かれれば、「思ってたよりは面白かったよ」と答える本作の“思ってたより”を生み出しているのが、『もしも昨日が選べたら』のクリストファー・ウォーケン。もう、圧巻。髪の毛の立ち具合が好不調のバロメーターなのではと読んでいるのだが、今回はもう絶好調のようで。ボケとツッコミというのを優に超越したウォーケン仕事のおかげで、彼が登場する中盤以降、作品の面白さ自体格段と上がっているようにも。今回も“楽しそう”ってのを仕事選びの基準にしているような気がするクリストファー・ウォーケンなんですが、やっぱりいくつかの作品が作られているスタジオの前に立って、ドアの向こうから笑い声が聞こえてくる方のスタジオへと行っちゃったりするんでしょうか
そんなクリストファー・ウォーケン以外にも、80歳にもなろうというのにTV・映画を問わず膨大な量の仕事をこなし続けるジェームズ・ホンに、イロモノでは終わらせない芸幅の広さが魅力のケイリー=ヒロユキ・タガワ、ここ数年非常にいい仕事振りが目立ってきた『ネバー・サレンダー 肉弾凶器』のロバート・パトリックと、売り出し中の若手をサポートするにはこれ以上とない顔ぶれが脇をがっちりと固める本作。しかし、やはり一番目を引くのは幸薄顔が大好きな私にとって麻生久美子に次ぐ女神である『ダイ・ハード4.0』『M:i:III』のマギー・Q。ちょっと痩せ過ぎの気もしないでもないが、その薄い顔立ちと、ビックリするほど薄い胸板やらなにやら露出も高めでデレデレとしっ放しだったので、★ひとつオマケ。

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きっかけはいつも下心

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posted by たお at 17:03| Comment(0) | TrackBack(18) | ★★★(まぁまぁ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする