2006年 カナダ/アメリカ映画 96分 ホラー 採点★★★
主演するスターや監督で観る映画を選ぶってのも多いですが、かつてのホラーブームの頃は、監督や俳優なんかよりも“特殊メイクは誰が?”がとっても重要だったりしましたよねぇ。扱いが“トム・サヴィーニの新作!”って感じでしたし。CGでのエフェクトも凄いものですが、やっぱりその場にある実存感ももちろんのこと、ラテックスやらホースやらを創意工夫と熱意と根気であーだこーだして観客をビックリさせるトリックを作り出す現場の苦労が見え隠れする特殊メイクの方が好きですねぇ。
【ストーリー】
アメリカの田舎町。ある夜落下してきた隕石からナメクジ状の生命体が現れ、町の実力者グラントの体内に侵入。徐々に醜く変形するグラントは仲間を増やしていき、町中がパニックに陥る。
『悪魔の毒々モンスター』のトロマ社で
田舎町を何かヌルヌルしたのが這い回って、なんだかんだで住民がゾンビっぽくなってしまう、ある意味王道の本作。その展開もさることながら、スクリーミン・マッド・ジョージ風のヌメった特殊メイクも見事な出来栄えで、「そーそー!こんな感じだったよなぁ」とかつてを思い起こさせる楽しさが。ただ、その“かつて”を楽しんで終わってしまっている感も否めず、そこから“今”ならではの面白さまで到達していない気も。主要人物それぞれが作品を一本成立させそうなエピソードを持っているのだが、それがまた盛り込みすぎを強めているようにも。ある程度絞った方が、よりシャープな面白さになったのではと。
映画も佳境を迎えた頃になってようやく主演であることに気付くネイサン・フィリオンはさておき、スタローン、シュワルツェネッガー、ヴァンダムの筋肉子守役を通して磨き上げられた強烈な存在感で圧倒させられた『クリフハンガー』のマイケル・ルーカーの、なんだかんだ言っても奥さん大好きぶりは感動的ですら。そのイカ状の旦那にとことん愛される妻役には、エンドクレジットを見るまでてっきりレイチェル・マクアダムスだと思い込んでいた『40歳の童貞男』のエリザベス・バンクス。だって、ソックリなんですもの。
もう名人芸の域に達しつつある『ペイバック』のグレッグ・ヘンリーによる“嫌な奴”芸もさることながら、『デビルズ・リジェクト』のロブ・ゾンビや、トロマ総帥ロイド・カウフマンがチラリと顔を出したりする目配せも嬉しかったりも。まぁ一番嬉しかったのは、TVにこっそりと映っている『悪魔の毒々モンスター』だったりするんですが。赤ちゃんと一緒に毒々を観るお母さんもアッパレですし。
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なかなかホラーらしいホラーで楽しめました。
あのナメクジのような生き物の動きはなかなかリアルっぽくて、良かったです。
http://cinechan.at.webry.info/200712/article_13.html
「なーつかしー!」って感じは充分にありましたねぇ。