2007年 アメリカ/カナダ映画 97分 ホラー 採点★★★
「どれどれ、何か新しい映画でも観ようかねぇ」とビデオ屋に行けど、邦画の新作棚は“泣かせ”で埋め尽くされ、「そんなに泣きたいのかねぇ」と半ば呆れがら洋画の新作棚を覗けばゾンビだぁ拷問だぁと、やけに血生臭い。ここまで両極端になるのも珍しい気もしますが、まぁどっちも人が死なないと物語にならないって意味では似たようなもんですねぇ。
【ストーリー】
リアリティショーに出るために、ウエスト・バージニアの森へと集まったTVクルーと出演者の若者たち。しかしその森には奇形化した食人一家が潜んでおり、一人また一人と彼らの餌食になっていく。
人里離れた地で道に迷った若者が食人一家に襲われるという、まんま『サランドラ』なストーリーや容赦ない残酷描写よりも、エリザ・ドゥシュクの容赦ない胸元に目が釘付けとなってしまった『クライモリ』の、思いがけない続編。
森の中で大変な目に遭うってベースは変わらないが、“まずは増量”という続編の法に則った本作。女性がモツをボトボトとこぼしながら真っ二つにされるオープニングから、血糊量も下品度も食人一家の人数もボリュームアップされ、開き直ったやり放題感が魅力の本作。“リアリティーショー”って素材が上手く活かされているとは思えはしないが、ランボーモードに突入した元軍人が食人一家に戦いを挑む節操のない展開も、そのやり放題感を強めてくれて、これまた良し。
『テキサス・チェーンソー』などのホラーやTVで、ある意味堅実な仕事をしていると言えるエリカ・リーセンや、『ファイナル・デッドコースター』で頭がスマッシュしていたテキサス・バトル、同作でどう見ても保護者にしか見えなかった女子高生を演じていたクリスタル・ロウなど、若手はワンサカ出ているが前作のエリザ・ドゥシュクの胸ひとつにも敵わない小粒ぶりが厳しい本作。しかしながら、そんな若手を尻目に一人気を吐いているのが、オルタナ関係では欠かすことの出来ないヘンリー・ロリンズ。『ザ・チェイス』でその野太い首を武器に警官役を熱演するなど、音楽関係以外での仕事振りも随分と目立っているが、本作でもその野太い首を武器に元軍人役を。精子の薄そうな若手ばかりが右往左往するデジカメ独自のぺらい画像の本作中、ヘンリー・ロリンズが映るシーンだけはちゃんと“映画”っぽくも。やっぱり、こういう“濃さ”ってのは大事ですねぇ。
後ろには立たれたくないが、人の後ろにはなんぼでも立つ
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> まぁどっちも人が死なないと物語にならないって意味では似たようなもんですねぇ。
ってのの方が大笑いしましたよ。思わず観返したくなりましたが、いやぁ罪作りだなぁたお様って(笑)。
観てる人間のツッコミ待ちのボケをどんどん連発するスタイルは嫌いではねぇんですけど、やはりこの映画はヘンリー・ロリンズ、ですよなぁ…
“登場人物を如何に殺すか?”が作品での最重要ポイントであることも一緒なのに、ホラーの扱いはぞんざいなんですよねぇ^^;
狭い所の身内ウケを狙った作品はどっちかと言えば嫌いなんですが、どん詰まりの開き直りは好きなんですよねぇ。
にしても、ヘンリー・ロリンズ。
何で出たのかも不思議ですが、出なかったら本作がどんなことになってしまったのかも・・・。
私は以外にヘンリー・ロリンズ好きになりましたw
あのB級臭がプンプンしてしまう演技とキャラクターが◎
できれば、真似てたランボーのようにもう少し強かったり、
「ここは俺に任せておまえ達は逃げるんだ!」
のような更に臭いこと言ってほしかったw
もう、この作品はヘンリー・ロリンズありきですからねぇ。
意外とどんな作品でも、強烈な個性を発揮するんですよねぇ、ヘンリー。