2007年 イギリス/ルーマニア/アメリカ映画 98分 アクション 採点★★
今年もセガールが集金にやって来ましたねぇ。もう年貢みたいなものなので、すっかりと観念しておりますが。

【ストーリー】
レーダーからだけではなく本当に姿まで消しちゃう米軍の最新鋭ステルス戦闘機が盗まれる。その戦闘機をテロリストの手から奪還すべく、闇雲に凄腕のセガールがアフガニスタンへと飛ぶ。

『沈黙の奪還』のミヒャエル・ケウシュによる、セガールがパイロット役に初挑戦したアクション。ぱっつんぱっつんに肥えたセガールがコックピットに入れるのか心配だが、入ったら入ったで出れるかなお心配。
記憶を消されようとするセガールが間一髪で脱獄を果たす、後にも先にも何らストーリー上繋がりを持たない上に観客にだけ理由を告げられないオープニングに、実際の戦闘機が出てくるのはいいが、戦闘機が映ると途端に画面がザラザラする有り物演出、何度も同じ風景を飛行機が飛ぶデジャヴ現象に、テロップだけは“アフガニスタン”と言い張る強引さと、6人居たはずのシールズが次のシーンでは3人になっており、その理由を「敵にやられた」と肝心の見せ場すら撮らないネガティヴさばかりが目に付く本作。借り物のストーリーを有り物のフィルムで継ぎ接ぎした全く持って心のこもっていない作品ではあるが、闇雲にストーリーだけは詰め込みすぎて観るものをウンザリさせた最近のセガール映画の中では、単調かつ一辺倒な物語とはいえポケーっと楽しむ分には問題ない出来。セガールが集金にわざわざ来たんだから、とやかく言うだけ無粋。

たまたま立ち寄ったコンビニで強盗に遭遇し、得意のセガール拳でバッタバッタと強盗犯をなぎ倒すはいいが気がついたら店主も死んでたという、非常に大雑把な仕事振りのセガール。可能な限り動かないアクションスターという、稀有なポジションを獲得したセガールは、本作でも無論動かない。ちょっとばかしその辺を走ったりするセガールにとって大変面倒くさいシーンは全て遠目か後姿で処理され、涼しい顔で振り向く様をアップで押さえることで「今のはセガールだったんだよ」と分からせる省エネ演技を本作でもたっぷりと見せてくれる。面倒くさいアクションは全て若手に任せ、自分は涼しい顔でポチポチ起爆スイッチを押すシーンをアップで繰り返すクライマックスに至っては、「クライマックスの場にさえセガールは足を運んでいないのでは?」と錯覚させる程の省エネぶり。みっちみちになったパイロット姿はしょうがないとしても、サイズが合わないのかヘルメットのマスクを装着できないのは如何なものかとは思いますが。喋るのも億劫なのか滅多に喋らないし、喋る時は何かを読むが如く一点を見つめるセガールは、本作で共同脚本も担当。“最新鋭ステルス戦闘機がどーのこーの”って話にセガールが興味を持っているとは到底思えないが、何の脈略もなく始まるレズシーンをセガールが物陰で見つめるシーンには、大変興味を持ってそうで。

役作りは衣装だけ
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