2006年 アメリカ映画 92分 アクション 採点★★★
80年代に一世を風靡した筋肉映画。爆風に吹き飛ばされようが弾丸が雨のように降り注ごうが“筋肉がついているから”ヘッチャラな主人公が、どんな高度な乗物だろうが機械だろうが“筋肉がついているから”何でも使いこなし、絶世の美女や子供たちから“筋肉がついているから”喝采を浴びながら、悪党どもをビッタンビッタン筋肉フル活用で成敗する筋肉映画は些か女性陣には不人気ではありましたが、長い労働を終えた男どもがビールを片手にソファーで長くなって観るにはうってつけの映画でも。汗だくになって働いて心身ともに疲れきってる時に、テオ・アンゲロプロスとかの映画は観る気になりませんしねぇ。
【ストーリー】
イラクでの作戦中、仲間を救い出すためにちょっとばかしやりすぎちゃった海兵隊員のジョンは、それが原因で海兵隊を除隊。一般人の生活にイマイチ馴染めないジョンは気晴らしに妻とドライブに出かけるが、立ち寄ったガソリンスタンドで逃走中の凶悪宝石強盗団に遭遇。妻を誘拐されてしまう。
トップレスラーであるケインをメインに据えた筋肉ホラー『シー・ノー・イーヴル 肉鉤のいけにえ』でのツボをきちんと押さえた作りが好印象だったWWEフィルムが、今度はジョン・シナを主演に迎えたストレートな筋肉アクション。
独断での英雄的行動が原因で海兵隊を去らざるを得なくなるオープニングのホロ苦さこそは今日的ではあるが、あとはもうそんなことがあったなんてスッカリと忘れ去らせてくれる筋肉映画の基本に忠実な展開が目白押しの本作。思いのほかギャグが多く、その笑いとアクションのキレとのバランスがイマイチ上手く取れていないので緊張感が皆無のまま映画が進行してしまうが、ダラける前にとにかく何かしらかが大爆発をするので退屈せず。“筋肉さえ付いていれば大方大丈夫”というお約束事もシッカリと守られており、多少そこにオンブにダッコの感も強いが、とりあえずツボだけは押さえた作りになっている。
“筋肉ホラー”“筋肉アクション”と、WWEで培った演出法と顧客のニーズに対するノウハウが存分に活かされた作品を作り上げたWWEフィルムであるが、今後はそこだけに留まらず、奥手な筋肉が美女相手に四苦八苦する“筋肉ラブコメ”や、凶悪なエイリアンに筋肉が襲われる“筋肉SF”、寝たら死ぬ奇病を患った筋肉が主人公の“お涙筋肉”など、素材を生かして題材を台無しにする作品を手掛けて頂けたらと心の底から熱望。
巨大な身体を持っているだけで、その人は映画の中で異様なまでの存在感を示すもの。そういった意味ではその巨体の見せ方に秀でたレスラーを大勢抱えるWWEは、まさに宝の宝庫。『シー・ノー・イーヴル 肉鉤のいけにえ』のケインも、道理は通じないがお母さんの言うことだけはシッカリと守りそうな愛嬌すら感じる風貌が魅力的だったが、今回のジョン・シナもなかなかのもの。ちょっとでも難しい話をしようものなら瞬く間に思考回路がどっか遠くへ旅立ってしまいそうな風貌ではあるが、人だけは良さそう。ドアを開けるのにイチイチ蹴破る不器用さも、まぁ人の良さってことで。
無論ひたすら真っ直ぐ走る筋肉マット・デイモンみたいなジョン・シナだけでは映画を一本もたせるには辛いが、その辺はドゲッツこと『ファイヤーウォール』『父親たちの星条旗』のロバート・パトリックが充分にカバー。あまりに飄々と楽しそうに演じているんで、悪役であることを忘れてしまう瞬間もありますが、そんな時用にターミネーターネタを用意してある周到さも嬉しい。持ち前の芸幅の広さで、作品をシッカリと締めてくれる良い仕事を今回も披露する彼。流石、ブルース・ウィリス、スタローン、シュワの“プラネット・ハリウッド三羽烏”に殺された唯一の男ですねぇ。
何でこんな状況に陥ったかは、もちろん覚えていない
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TBありがとうございました。
これは面白かったですねえ。昔懐かしいアクション映画を観ているようで。確かに「筋肉ラブコメ」や「お涙筋肉」観てみたいですよ!妄想が止まりません♪
筋力で全てを解決する、良い映画でしたねぇ。筋肉映画ブームの再来を期待したいですねぇ。
B級だけど凄いアクションでしたね。
人間ターミネーターでした。
筋肉さえ付いてれば大体OKな、良い筋肉映画でしたねぇ。
ターミネーターネタもしっかりと入ってましたし。
いつも記事のあとのアフィリエイトのセレクトがうまいなあと思っていたのですが、今回Filterのアルバムが選ばれていたのには唸りました。
ロバート・パトリック(とその兄弟)、いいですよねえ。
あら?気づかれましたかぁ^^
どーせ誰も気付かないだろうなぁと思ってたんで^^;
元々フィルターが好きだったんですが、なんかで兄弟であることを知った時は素直に「すげぇ兄弟だ」と思いましたねぇ。