2007年 アメリカ/ニュージーランド映画 98分 ホラー 採点★★★
「さぁ、今日は泣くぞぅ!」と、ハンカチ片手に向かう“泣き場”と化したわが国の映画館であるが、海外勢は俄然ホラーが元気。それらのほとんどを劇場で観ることは出来ないのが残念ですが、DVDは順調にリリースされ続けてるんで、年越しは血飛沫と共に送れそうです。それなりに幸せです。
【ストーリー】
敏腕記者のセイディーがかつて謎のカルト集団に関連した取材で知り合った少女が惨殺死体で発見される。セイディーも彼らに拉致され、吸血鬼であった彼らにレイプされ惨殺されてしまう。しかし、吸血鬼として蘇ったセイディーは、謎の男の指導の下ヴァンパイアハンターとなり復讐に向かう。
寝床が棺おけだったり、蝙蝠や狼や霧に姿を変えられたりする吸血鬼も、近年になると二丁拳銃でクルクル回ったりやたらと高い所から飛び降りたり日本刀片手に見得を切ったりと、血を吸うよりも格好つけることに大忙しとなってきたが、久々に“吸血”って点に重点をやや置いた、サム・ライミの“ゴースト・ハウス・ピクチャーズ”が贈る『ビッグ・バウンス』『スネーク・フライト』の脚本を手掛けたセバスチャン・グティエレスによる一本。
パーティーを名目に若者を集め、牙がないのでナイフで首を切り裂き血を吸う本作の吸血鬼。人間に紛れ込んで社会を形成している様は『ブレイド』にも似ているが、主人公を見る限り日光は致命的なものでもなさそうだし、十字架やニンニクといった定番アイテムも登場せず、ちょっとやそっとでは死なないが超人的な力を持っているわけでもない、立ち位置が半端な吸血鬼。人間と似て非なる“種族”として描こうとしているのは読み取れるのだが、その“種族”についての説明や描写が少ないので、銃で撃たれようがトラックに轢かれようが死なない彼らが鉄の杭一本でコロリと死んじゃったり、“鏡に映らない”ってお約束事だけは律儀に守っているのも相まって、中途半端さばかりが目立つことも。
派手なアクションに一切頼らず、自分を惨殺した挙句に吸血鬼にした男に対する主人公の悲しい復讐劇と、娘を殺された刑事の復讐劇の二本を絡めたハードボイルドなタッチで描いたのは好印象なのだが、その二本が上手に絡み合っておらず、やたらとモタモタとしてしまうのは残念。
題材の面白さが上手く活きていない本作ではあるが、『ラッキーナンバー7』のルーシー・リューを観る分には全く申し分がない。もうすぐ40歳の女性に対して言うのもアレだが、とにかくカワイイ。どんなに凄味を利かせようが小柄な身体でパタパタと走り回り、鼻に掛かった声で喋る様はなんて、とってもカワイイ。まぁ、私がキツネ目好きってのもありますが。ジャンルを問わず大活躍する数少ないアジア系女優となった彼女。本作では逆さに吊るされるわ全裸になるわと大奮闘。題材が題材なんで彼女の魅力を存分に発揮できる“笑い”は皆無で、せっかくの全裸もボディダブルっぽいのが非常に残念ではありますが、腹いっぱいルーシーを堪能できたんで採点は甘めで。
すっかりとルーシー・リューの陰に隠れちゃってはいるが、ノーメイクでも充分に岩っぽい『ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]』のマイケル・チクリス、「80年代風のホラー映画を目指しているんですよ」と意思表明するだけのために登場するかのような『アリゲーター』のロバート・フォスター、本作が遺作となってしまったが、『ロボコップ3』で最後に恭しく頭を下げて全てを帳消しにした“ゴメンなさい芸”が印象的だった『バレット モンク』のマコ岩松など、周囲の顔ぶれも目が離せない。中でも注目なのが、マリリン・マンソン。まぁ注目とはいっても、別に彼じゃなくてもいい役回りなんですけどね。
肝心な所は絶対に見せない
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地味でグロ描写もないバンパイア物でしたが、結構好きです。
そう言えば、グリコ森永事件の不審人物もキツネ目でしたねぇ。
吸血鬼がただのカルト教団にも見えたりして、作り手が目指している地平は好きな部類なんですけどねぇ。
>グリコ森永事件の不審人物もキツネ目
いやいやいやいや!キツネ目が好きなんじゃなく、キツネ目の女が好きなんです!!
昨日本作をレンタルで観まして、ウロウロ・・・
こちらを発見して、去年の記事にTBさせていただきました<(_ _)>
そういえば、マコ岩松、マリリンマリリン!出てましたね!
キュートなルーシーはホント好感もてました。また遊びにきます(*´∀`)
マリリン・マンソン本人的には、吸血鬼の方をやりたかったんじゃないでしょうかねぇ。せっかくならと。