トランスフォーマー (Transformers)

監督　マイケル・ベイ　主演　シャイア・ラブーフ
2007年　アメリカ映画　144分　ＳＦ　採点★★★★

私が子供の頃のオモチャと言えば、精々ボタンを押すと手がピョーンと飛ぶくらいのギミックしかなかったものです。瞬く間に手を失くします。手がないロボットが、部屋中にゴロゴロしちゃいます。で、最近のオモチャとなると、あれやこれやがガチャガチチャと変形し、何がどうなってそうなったのかがサッパリ分からないスゲィ物ばかり。「ちょいとオジサンに貸してみな」とアレコレいじり倒してみるのですが、出来上がるのは本来あるべき姿からは程遠い不気味なものばかり。まぁ、それはそれで「何コレー！すげー！気持ちワリー！」と大評判ですが。



【ストーリー】
中東カタールの米軍基地に未確認ヘリコプターが着陸、突如ロボットに変形し無差別攻撃を始める。一方、ようやく父親から車を買ってもらった高校生のサムはロボットに変形したパトカーに襲われるが、サムの愛車もロボットに変形し彼を救い出す。



スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮の下、『アイランド』のマイケル・ベイが監督を務めた日米合作アニメの映画化。
車やらヘリコプターやら携帯電話やら、ありとあらゆる機器に姿を変えられる金属生命体が善と悪に分かれ人類の存亡をかけた戦いを繰り広げる本作。あまりにアレコレ一気に変化してしまうので何がどうなっているのかサッパリ分からないって点もあるのだが、白昼の市街地であろうとその実存感に全く違和感を感じないＣＧが見事。個々のロボットに対する色分けが不明瞭な為、バトルとなるとどっちがどっちなんだか分からなくもなるのだが、重量感も含めて迫力は満点で、何よりも身近な機器が題材なだけに「コレが欲しい！」「こんなのが居てくれたら！」「オレの車も是非トランスフォームを！」と思わせたもの勝ちであり、本作はその点で充分そう思わせるだけの力がある。



スピーディな展開と、全編クライマックスかのような力強い画面作りが持ち味のマイケル・ベイ。題材さえ伴えばその持ち味は発揮されるのであるが、中身の薄さを補うかのようにやたらと力強さだけが画面から滲み出てくるクドイ作品ばかりが続いていた感も。本作でも勢いに任せたばかりに早朝が突然夜に変わってしまってたり、今にもエアロスミスが流れてきてしまいそうな常時クライマックス演出に暑苦しさを感じはするが、『宇宙戦争』『ロスト・ワールド／ジュラシック・パーク』ばりの大破壊と『Ｅ.Ｔ.』『ニューヨーク東８番街の奇跡』を髣髴させるハートウォーミングな異生物との交流といった相反する要素を併せ持つスピルバーグ色が色濃く出た本作との相性は、決して悪くない。
その破壊と交流のバランスの良い配分と、数多く出てくる「なんで？」を吹き飛ばす力強くスピーディな展開、そして何よりも『アイアン・ジャイアント』『ターミネーター２』大雑把に括れば『ラスト・アクション・ヒーロー』なんかもそうなのだが、男の子なら一度は夢見る“少年とロボット”が題材の本作を嫌いになれるわけもないので、この評価で。



あまり女の子にモテない高校生役をジャスティン・ロングと取り合ってそうな『コンスタンティン』『ボビー』のシャイア・ラブーフを中心に、まんまラムズフェルドな雰囲気で登場する『ミッション：インポッシブル』のジョン・ヴォイト、出てくるだけでコーエン兄弟の映画を観ている気になるジョン・タトゥーロ、今回は下ネタをだいぶ控えた『最終絶叫計画４』のアンソニー・アンダーソン、父親としてはある種理想的な『ギャングスターズ　明日へのタッチダウン』のケヴィン・ダン、いくら面白いことをやっていても目がちっとも笑っていないので常に緊張を強いる『ヒップホップ・プレジデント』のバーニー・マックと、豪勢とは言い難いが非常に効果的な顔ぶれが揃った本作。マイケル・クラーク・ダンカンやウィリアム・フィクトナーといったお馴染みの顔が出てこないのは若干寂しい気もしますが、メガトロンの声を『Ｖフォー・ヴェンデッタ』のヒューゴ・ウィーヴィングが担当してたりするのが嬉しかったりもするので、チャラ。
“コンボイ司令官”といった方が何となくピンと来るオプティマス・プライムの声には、オリジナル同様ピーター・カレン。吹替え版での仲本工事ばりのオッサン声が非常に印象的な“くまのプーさん”で、イーヨーの声もやっているんですねぇ。


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Comments

>数多く出てくる「なんで？」を吹き飛ばす力強くスピーディな展開
色々突っ込みを入れるのも楽しかったですが、細かい事はどうでもいいんだよ！ これは“ロボット カッコイイゾ！”映画なんだから（笑）、と勢いに乗って見るのも楽しかったです。
ロボットアニメが大好きな超合金世代なモノですから･･･

変形シーンを、是非スローモーションで見て見たいですねぇ〜

Posted by 哀生龍 at 2007年12月27日 12:40

女の子だけど、同じく夢見ました”少女とロボット”（笑）勢いのある展開で、単純明快♪　思いっきり楽しんで観ちゃいました(^^)

Posted by りら at 2007年12月27日 20:33

コレ試写会で観ました！！スピード速すぎて、しかも細かすぎてトランスフォームがどうなってるのか見えない所もありました（笑）
「ストーリーがなってない」なんてレビューも見かけたりしますが、そこ重視の作品じゃないですよね！？いかに変形を楽しむかって映画だと思うんだけどな。
とはいえ友情モノに弱いので、ちと感動もしました（判りやすいの大好きなので）

Posted by みゅうた at 2007年12月27日 22:48

哀生龍さま、こんにちは〜♪
スローで見ると色んな所が一気にかつ大雑把に変わっていく様を目の当たりに思想ですねぇ。
とはいえ、迫力と勢いに乗って楽しむ分には文句なしです！

Posted by たお at 2007年12月28日 14:12

りら様、こんにちは〜♪
やっぱり誰しも人懐っこいロボットが欲しいんですねぇ＾＾

Posted by たお at 2007年12月28日 14:13

みゅうた様、こんにちは♪
そうです！
人懐っこいロボットが街中で大乱闘を繰り広げる様を楽しむ映画です！

Posted by たお at 2007年12月28日 14:15

こんばんは♪
めずらしく2回観てしまったくらい好きですねぇ。
DVDでは早速スロー再生して喜んでおりました〜

Posted by ゆかりん at 2007年12月28日 22:14

ゆかりん様、こんばんは〜♪
私もハイウェイでの格闘シーンは、何度も繰り返し観ちゃいましたねぇ。

Posted by たお at 2008年01月01日 23:27

こんにちは。TBありがとうございます。
やっぱりロボット物は男の子の夢とロマンなんでしょうか。
映像は凄かったなぁ。でもオモチャもアニメも知らないからなぁ。「マクロス」だったらよかったのに。

Posted by もじゃ at 2008年01月14日 01:31

もじゃ様、こんばんは！
まぁ、私もオリジナルはさっぱりわからないんですが、でっかいロボットが自分に懐いてるってのには憧れますねぇ。

Posted by たお at 2008年01月18日 20:00

TBありがとうございました。
ジャパンプレミアで観てとても楽しい映画だと思っていましたが、先日DVDであらためて観て、気が付かなかったところや、動きが早すぎてよく判らなかったところを確認しました。
大画面だとかえって動きよく見えなかったりもしますよね。

TBを古いほうのブログに頂いていましたが、去年ブログを引っ越したので、新しいほうのブログからTBのお返しをさせていただきますね。新しいブログでもよろしくお願いいたします。

Posted by hyoutan2005 at 2008年01月21日 23:03

hyoutan2005様、こんばんは！
たしかにスクリーンだと「ほぇぇぇぇぇ！」って驚いているだけで終わってしまいそうな映画でしたねぇ＾＾；

Posted by たお at 2008年01月22日 22:27

毎夜のごとく、おこんばんは♪
コレめっちゃ楽しかったです。
私のバイクも変身してくんないかな？と真面目に思いました（笑）。
変形ロボットアニメに散々はまった私なので、ツボにはまったのかしらねぇ？（苦笑

Posted by chibisaru at 2008年05月24日 03:50

chibisaru様、おばーんでーす♪
私の車もあんなんに変形してくれたらうれしいんですが、乗ってる最中にあんなんになったら、なんか身体がミンチにされそうで。

Posted by たお at 2008年05月25日 00:29