2006年 アメリカ映画 87分 ホラー 採点★★
一昔前は、彼女に電話することすら一苦労でございましたねぇ。一人暮らしをしているなり部屋に別回線を引いているならいいんですが、大概は電話機は一家に一台、子機が部屋にあればいい方で。彼女の父親が出やしないかとヒヤヒヤしながら電話を掛けたり、「ワンコールしてからまた掛けるから」とか合図を決めたりと、アレコレ工夫をしたものです。それに引き換え、携帯はいいですよねぇ。間違いなく当人に繋がりますから。「今ぁ?部屋だよぅ」ってのが、本当なのかどうかは別にして。
【ストーリー】
人里離れた豪邸に、ベビーシッターとしてやって来たジル。程なく謎の人物からの不審な電話が相次ぎ、恐怖に怯えたジルは警察に逆探知を依頼するが、電話の発信元はジルのいる豪邸の中であった…。
『アリゲーター』でもお馴染み“トイレに捨てられたペットの子ワニが下水道でスクスクと”並に有名な都市伝説、“やたらと掛かってくるイタ電の発信元は、実は家。しかもソイツは殺人鬼”を基に映画化された『夕暮れにベルが鳴る』。後半部こそはグダグダであったが前半部は面白かったオリジナルの、その前半部のみをリメイクしたとのことで期待も高まったが、如何せん監督が『コン・エアー』『トゥームレイダー』と、いくらでも面白くなりそうな題材をずば抜けてつまらない物に仕上げる才能に秀でたサイモン・ウェスト。本作でもその才能を如何なく発揮することに。
全編クライマックスの如く異様に高いテンションで進む本作なのだが、別にどうでもいいシーンまでそんな調子なので、非常に単調。敬遠から牽制球まで全て全力投球。緩急なし。緩急がないため肝心のサスペンスも盛り上がらず、何も起こらない割にテンションだけ高い60分を過ぎてクライマックスがようやく訪れた頃にはそのテンションに慣れきってしまい、今がクライマックスなのかどうかもアヤフヤな始末。PG13に収めるためとはいえ、素手で身体を引き裂く殺人鬼が出る映画だというのにクライマックスまで死体はおろか血すら一滴も出ないっては、如何なものかと。そんな所をオリジナルに忠実にするのもアレですが、PG13に収めようって姿勢もアレですねぇ。キャリーオチもうんざりですし。
“電話チリーン→やめてー!→チリーン→やめてー!→殺人鬼がバーン→火かき棒でグサー!”で終わってしまうだけの印象しか残らない本作ではあるが、全く見所がないってわけでもない。それはもちろん、カミーラ・ベル。『沈黙の陰謀』でセガールの娘をやってたあの子が、こんなにも可愛くなったのかと驚き。たとえセリフが棒読みでも、可愛い。足が速そうな設定なのに、サッパリその設定が活かされていないとはいえ、可愛い。太くつり上がった眉と目尻の大きく下がった目のおかげで、遠くから見ると顔の上半分に大きく“X”と書いてあるように見えても、可愛いものは可愛い。そんな彼女のほかにも、“キケロ”こと『スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい』のトミー・フラナガンの出演も嬉しい。結局どんな殺人鬼なのかサッパリ分からない役柄とはいえ、嬉しい。たとえ「顔にキズあるから怖いんじゃね?」との単純な起用理由であっても、嬉しいものは嬉しい。
しかしながら、そんな彼ら以上の目玉が本作には潜んでいた。なんとも電話の声が、耳に非常に馴染んだ声だなぁとクレジットを確認してみると、その声の主はランス・ヘンリクセン。いやぁ、こんな所でランスに出会えるなんて。まぁ、声だけですが。たとえ「ヤツの声、怖いんじゃね?」という単純な理由であっても、嬉しいものは嬉しいんです。
ランスからの電話だったら嬉しいんですがねぇ
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
人気ブログランキングへ
無言電話とかされたことがあるので未だに電話は好きじゃないですねぇ。
単調なんですよねぇ、全部が・・・。
男なんでイタ電された経験はないんですが、それでも知らない番号や非通知で来るとイヤなもんですよねぇ。大概出ませんが。
ランス様声の出演なんですか。
それは、是非観なければいけませんねっ
まぁ確かに電話口からランスの声が漏れ聞こえますが、だったら『殺人魚フライングキラー』の方が姿も観れる分だけマシって気も^^;