2005年 アメリカ映画 95分 コメディ 採点★★★
“不謹慎”ってのはその相手がどう思うかによって変わってくるものなので、やたらと自主規制するのが良い事とは限らない気も。笑って欲しくてやってるのに、「笑ったら失礼だ」とばかりに何もかも分かったような顔をして笑わないでいるってのが、一番失礼なのでは。
【ストーリー】
ひょんなことから庭師を雇うこととなってしまったスティーヴ。しかしその庭師が仕事中に指を切断。治療費に困っていたスティーヴに、伯父のゲイリーが身障者に成りすましてスペシャル・オリンピックに出場することを提案するが…。
『ビヨンド・ザ・マット』のバリー・W・ブラウスタイン監督によるコメディ。
『2番目のキス』のファレリー兄弟が製作を担当した身障者ネタのコメディということもあり、「健常者は笑い飛ばすくせに、何で身障者を笑っちゃいけないんだ?」と至極真っ当な平等観に基づいた、人間のエゴやら深い優しさやらを鋭く突いた作品となっているかと思いきや、至って無難なコメディに。チームメイトとの友情や主人公の成長、恋愛成就などを程よく網羅し、それらを上手に物語に溶け込ませてはいるのだが、半端に腫れ物に触れないようにしている安全運転ぶりが、逆に居心地の悪さを醸し出してしまっていることも。絶妙なコントロールで見事にストライクゾーンの隅を突いたのだが、審判が「ボール!」と言っちゃったような作品。
主人公が身障者に成りすますためにビデオを観て学習をするのだが、『レインマン』『フォレスト・ガンプ』に混じって“ベスト・オブ・チェヴィ・チェイス”のビデオが。それがオチなのに、そこだけ字幕がないのは如何なものかと。
“ジャッカス”を全く観ていないせいか、特にこれといって思い入れのない『ロード・オブ・ドッグタウン』『ワイルド・タウン/英雄伝説』のジョニー・ノックスヴィル。見せ方のパターンが少ないのは主人公として若干キツイのだが、『ボーン・アイデンティティー』『マッチポイント』のブライアン・コックスや、『ギャラクシー・クエスト』と基本的にキャラが変わっていないジェド・リース、その他リアルな方々と周囲が濃いのでその辺は相殺。『暴走特急』でセガール直伝の護身術を披露していたキャサリン・ハイグルなんて、いつの間にか立派な大人の女性になってましたし。でもまぁ一番目が離せなかったのは、『ビヨンド・ザ・マット』繋がりでの登場なのか、後ろでニヤニヤしているだけのテリー・ファンク御大なんですが。
7人並べば、そりゃあ『荒野の七人』を流したくもなります
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“平等の扱い”ってのには“平等に笑い者にする”とか“平等に嫌う”ってのも入ってなきゃならないんじゃないかなぁと思うんですよねぇ。それを端的に捉えて物理的に出来ないことを笑い飛ばすのは問題外ですが。
“ベスト・オブ・チェヴィ・チェイス”はビデオで持ってるんですが、あまりに繰り返し観続けているんで、そろそろ擦り切れそうです。早急にDVD化をしていただきたいもので。