1992年 アメリカ映画 117分 アクション 採点★★★
映画であれ現実であれ、何か起きた時に咄嗟に躊躇なく動けるか否かが、ヒーローとそれ以外を分けているんでしょうねぇ。実生活でそんな何かしなきゃなんないような状況に陥ることは滅多にないんですが、強いて挙げれば学生でアルバイトをしていた頃、店内を巡回していると向こうからもの凄い勢いで走ってくる男が一人。なんとなく嫌だったんで何気なく咄嗟にラリアットを一閃。もんどりうって倒れる男の下へ、後ろから数人の警官が。結果的に置き引き犯だったから良かったものですが、下手すればただの乱暴者になるところでしたねぇ。あぶない、あぶない。

【ストーリー】
講演の為にロンドンを訪れていた元CIAアナリストのジャック・ライアンの目前で王族を狙ったテロ事件が発生。咄嗟に銃を手に取りテロリストを射殺したジャックであったが、弟を殺されたことで私怨に燃えるテロリストのショーンに命を狙われ…。

たまたまとんでもない事態に出くわす確率の高さでいったらジョン・マクレーンなんて目じゃないジャック・ライアンの活躍を描く、『レッド・オクトーバーを追え!』に続くシリーズ第2弾。ジャック・ライアン役が前作のアレック・ボールドウィンからこっそりハリソン・フォードに変更。アレック・ボールドウィンにしろハリソン・フォードにしろベン・アフレックにしろ、どうやってもアナリストにだけは見えないキャスティングが特徴。てっきり次も自分がジャック・ライアンをやると思っていたであろうアレック・ボールドウィンのことを思うと、不憫で仕方がありません。
イギリス、アメリカ、北アフリカ、アイルランドと舞台が目まぐるしく展開する割に、物語自体は非常にまどろっかしい本作。結局は肉体勝負で落ち着いてしまう、別にアナリストが主人公じゃなくても構わない展開など不満も多い作品ではあるが、結果的に“勝ったから万歳”で終わってしまうものの、復讐が新たな復讐を生み出す途絶えることのない憎しみの連鎖の虚しさと、現代戦を象徴するまるで他人事の如くモニターで実況される“どこか遠くで起きている戦争”、そしてそれが主人公の私怨も織り交ざった分析結果が起因している恐怖と、興味深いテーマも随所に見受けられる。
相変らず何か困ったような顔をしているだけで映画一本を乗り切る『ファイヤーウォール』のハリソン・フォードや、幼い頃から立派なゴス顔の『ダンジョン&ドラゴン』のゾーラ・バーチ、浮世離れした王族風味が良く出ていた“ジャッカルの弟”こと『恋するための3つのルール』のジェームズ・フォックス、元祖困り顔ヒーローでもある『カサンドラ・クロス』『ワイルド・ギース』のリチャード・ハリス、シス声ジェームズ・アール・ジョーンズ、まだ地毛だった頃の『スネーク・フライト』『フリーダムランド』のサミュエル・L・ジャクソンと、やたらと豪勢な顔ぶれが目を引く本作であるが、やはり本作の目玉はなんと言っても『ザ・ダーク』『サイレントヒル』のショーン・ビーン。本作を手に取ったのも、何よりもショーン・ビーンが見たかっただけですし。
で、ショーン。登場早々弟を殺され自分一人逮捕される、見事なまでに切ないスタートを切ることに成功。本業そっちのけで復讐に燃えるショーンは、「ライアンは殺れなかったが家族は殺ったぜ!」と肝心のライアンを殺せなかったのに満足げです。可愛いです。しかもその家族すら実は殺せていなかった詰めの甘さも、相変らずです。そこもまた堪らなく愛らしいのですが、アメリカから遥々北アフリカへと向かう道中、誰もその事実を教えてあげなかったのでしょうか?不憫です、ショーン。そんな詰めが甘く始終悲しい顔で遠くを見つめているショーンを存分に堪能できた本作なんですが、そんな顔ばかりしてたので困った顔をした主人公を悲しい顔をした悪役が追い回す不思議な映画になってしまいましたとさ。

今日はたまたまテロリストに会いました
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ショーン目当てにいきなりこの作品から見てしまったので、見た当時は主人公がどんな人なのか分かってませんでした(苦笑)
>詰めの甘さも、相変らずです
そんなショーンは、本当に愛らしいですよね。
この作品でしたよね?
まぶたに傷を作る事になってしまったのは。
クライマックスでの格闘シーンで、ハリソンがうっかりボートのオールでマジ殴りをしちゃったってやつですね。「ボクのアゴの傷も個性として役に立ってるから、キミにも傷をあげるよー」って感じだったんでしょうか?
>困った顔をした主人公を悲しい顔をした悪役が追い回す不思議な映画
↑ 受けました(笑)
いつも思いますけど、たおさんのこういう言い回し、面白くて好きです〜。
見たまんま思ったまんまを考えもせずに書いているだけなんですけどね^^;
日常会話もこんなんだから、失礼千万なこともしばしば・・・。
ショーンの映画を発見してしまったので、手が知らず知らずのうちにTBを送ってしまいました(^^ゞ。すいません。
この映画で、私のショーンを傷ものにしやがったハリソン爺を、多分私は一生許さないでしょう(爆)。
なにより、ハリソンがライアンを演じるのは不自然極まりないと思ってます〜。
すっかり箱入り娘かのような扱いですねぇ、ショーンw
それはさておき、“ハリソン・フォード=ジャック・ライアン”ってのはどうにも不自然ですよねぇ、確かに。“ハリソン・フォード=ハリソン・フォード”だったら、まぁw
胸毛自慢のハンサムさんから、いつの間にか困った顔のおじさんに代わっちゃいましたね(笑)
そっか!!!この作品にもショーン・ビーンが出ていたのか!!!
注目する前だったので、改めて見直しちゃおうかしら?(笑)
この作品を見て、衛星ってこんな使い方するんだぁと勉強になったものです。
この作品に出れなかったからストレスで激太りしたのかしらアレック・・・(^o^;
遠隔戦争の恐ろしさとかもよく出てる映画なんですが、いかんせん主人公が困った顔しているだけですからねぇ^^;
ショーンを観る為だけに存在する一本と、大雑把な締めくくりを。