1992年 アメリカ映画 104分 アクション 採点★★
“最強は誰だ?”
特にプロレス好きの方々は、この議題だけを肴に飲み屋を三軒ハシゴできちゃうんじゃないかと思えるほど熱のこもった議論を繰り広げるようで。「やっぱ、猪木だろ!」「いやいや、前田だって!」「ブロディを忘れちゃダメだよ!」「あの、馬場さんも結構…」「バカだなぁお前ら!鶴田はなぁ…」と、プロレス好きが3人以上集まってしまった場にウッカリこの話題を振っちゃうと、延々とそれこそこっちが寝入ってしまってもなお続いちゃうんですよねぇ。うかつに「ヒョードルが…」とか言おうもんなら、ギロリと睨まれてなかったことにされますし。まぁこれだけ盛り上がれるのも、“夢の対決”が夢のまま終わってしまっているからなんでしょうねぇ。

【ストーリー】
ベトナムで戦死した兵士を、軍部が秘密裏に蘇生・強化して誕生させたユニバーサル・ソルジャー。強固な肉体を持ち感情を持たない彼らはどんな難局も打破してきたが、ある日一人の兵士が記憶を取り戻し、TVレポーターと共に逃走。彼らを執拗に追う軍部であったが…。

“ヴァン・ダムVSラングレン”という、何と言うか“哀川翔VS竹内力”の様な顔合わせが話題となった、『インデペンデンス・デイ』のローランド・エメリッヒ監督によるSFアクション。
平たく言えば、主人公がゾンビ。よく躾が施されている様は小奇麗になった『死霊のえじき』バブだし、強化されたはいいが記憶を失ってしまい右往左往する様はゾンビ版『ボーン・アイデンティテイー』のようにも。下半身の方に何か埋め込まれていますし。このように特異な設定付けがされている本作であるが、その設定が活かされているのは序盤のみ。記憶を取り戻した反面知性を取りこぼしてしまったかのようなヴァン・ダムがオロオロする中盤の逃走劇では、無理すると身体があっつくなる程度の設定が辛うじて守られていたが、両雄が肉弾戦を繰り広げるクライマックスにもなると元々死んでいるって事自体もどうでもよくなってくる。まぁ、続編である『ユニバーサル・ソルジャー/ザ・リターン』では、死んでることから治ってたんで、そもそもの設定自体がどうでもいいのかも知れませんが。場面場面のトーンも、まるで別の監督が撮ったかのように一致していない感じも。好きなものや気になるものにちょこちょこ手を出したはいいが、結局は手を出しっぱなしで終わってしまう様はポール・アンダーソンの映画を観ているかのような印象ではあるが、炎と水飛沫をバックに筋肉が躍動するシーンに、筋肉映画ならではの醍醐味を感じることも。そういえばポール・アンダーソンの『ソルジャー』でも、そんなシーンにだけ興奮を覚えた気が。

ジャン=クロード・ヴァン・ダムと言えば、お尻の形が良く分かる回し蹴りと、更にお尻の形が良く分かるよう全裸になるのがお馴染み。もちろん本作でもヴァン・ダムは脱ぐ。すぐ脱ぐ。2回も脱ぐ。そんなヴァンダミング・ヌードばかりが強烈に印象に残る本作であるが、ヴァン・ダムにしろドルフ・ラングレンにしろ、さすが空手で名を馳せた両雄。それぞれのウェイトの違いを各々の格闘スタイルとして個性付けたクライマックスの格闘シーンは、なかなかの迫力。
格闘技で名を馳せた人間が筋肉映画のスターとなるのが、この当時よく見られたスターダムを駆け上がるパターン。最近はといえば、格闘家として日本やアメリカのリングに上がるのがそれにあたるようにも。ということは、彼らがもし10年なり15年なり遅く生まれていたら、今頃K−1とかで見れたのかも知れませんねぇ。

禁断の…
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