2001年 アメリカ映画 107分 アクション 採点★★★
ちょっと悪いくらいの男が女性にモテるらしいですねぇ。私も初対面の人には「ワルそー」と必ず言われるんですが、そんなにモテた経験なんてないんですが。やっぱり、アレですか?日々隣町の工業高校とケンカに明け暮れながらも、コッソリ昼食の残りを原っぱに捨てられた子犬にあげている様子をたまたま目撃でもされないといけないんですか?

【ストーリー】
続発するトラックのハイジャック事件を捜査する為、夜な夜なストリートカーレースに明け暮れるドミニクらのグループに潜入した警官ブライアン。しかしドミニクの魅力に日に日に魅了されていき…。

ヴィン・ディーゼルの名前を一躍知らしめた、『トリプルX』『ステルス』のロブ・コーエン監督による一本。
物語こそ車をサーフボードに変えちゃえば『ハートブルー』になっちゃいそうだし、肝心のアクションもロブ・コーエンならではの大味さなのではあるが、まるで真っ赤なルージュを塗った唇かのような艶めかしさで映し出される車の数々と、ボンクラ心を激しく揺さぶる小粋なセリフと設定、そしてリンプ・ビズキットら選曲の数々が作品の完成度以上の面白さを生み出した本作。潜入捜査官が、悪党であるはずの捜査対象の人間の懐の深さに魅了されていくベタな展開も、いつの間にか主人公が入れ替わってしまっていることに気が付かないほど強烈かつ魅力的なヴィン・ディーゼル扮するドミニクの存在によって、使い古し感の然程ないものとなっている。そりゃぁやたらとギスギスしている警察にいるよりは、休日の昼はバーベキュー、夜は『ドラゴン/ブルース・リー物語』を観ながらマッタリとするドミニク一味と一緒の方が遥かに居心地が良さそうですしねぇ。

『トリプルX』もそうであったのだが、本作が成功した最大の要因はヴィン・ディーゼルの存在に尽きる。ツルンとした可愛らしさと凄味が絶妙にブレンドされた彼の風貌が醸し出す“ワルだけどイイ奴”の空気が、まさにドミニクそのものとマッチしている。ドミニクといいザンダー・ケイジといい、そうそう得られない当たり役を手にしながら続編への出演を蹴った割に、次の一手が見えてこないヴィン・ディーゼル。同ポジションを着々と手中に収めつつあるロック様に完全に喰われてしまう前に、強烈な一本を作り出していただきたいもので。もう何年も『リディック』の続編を心待ちにしているのは、多分私だけではないでしょうし。
で、本来なら主役である『父親たちの星条旗』のポール・ウォーカーがスッカリとヴィン・ディーゼルの背中に隠れてしまっている中、70年代風の可愛らしさと色気を発揮する『テキサス・チェーンソー ビギニング』のジョーダナ・ブリュースターと、ヴィン・ディーゼルとつりあう数少ない女優の一人である『バイオハザード』のミシェル・ロドリゲスが、なかなか印象的。特にミシェル・ロドリゲスの、“女の割に”という余計な枕詞が全く必要でない筋金入りのカッコよさにシビレる。きっと彼女とつりあう時点で初めて“男”が“漢”に変わるんでしょうねぇ。

“付き合ってる”ってよりは“杯を交わしてる”って感じにも
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