2002年 アメリカ映画 123分 アクション 採点★★★
どういうわけか“個性的人間”を自称している人に限って、全くもって型通りの人間だったりするんですよねぇ。服装や髪型、音楽の趣味なんかに特徴を出す工夫をしてはいるんですが、それも“個性的人間への一歩”みたいなマニュアル通りだったりも。似たようなので「俺も昔はワルかったんだぞ」と酒の席で自慢話に花を咲かせるお父さま方もよく見かけますが、まぁそれは放っておいてあげましょうよ。思い出くらいは美化させてあげないと。

【ストーリー】
チェコで暗躍する犯罪集団“アナーキー99”へ対する諜報活動が失敗続きの国家安全保障局は“ワルにはワルを”の論理のもと、反社会的行動を繰り返すエクストリームスポーツのカリスマ的存在であったザンダー・ケイジに目をつけ、力ずくでスカウト。コードネーム“トリプルX”としてチェコに送り込まれたザンダーは、易々とアナーキー99の内部へと入り込むが…。

『ワイルド・スピード』のロブ・コーエン&ヴィン・ディーゼルによる、主人公は型破りだが物語はすっかり型通りのスパイアクション。
展開には全くと言って良いほど新鮮味がなく、火薬量も多くひたすらに派手ではあるが大味で大雑把なアクションが満載の本作。しかしながら、同年に製作された『007/ダイ・アナザー・デイ』が近年の主流に乗ったかのようなCGを多用した熱気の伝わらない凡庸なアクションを見せ場としていたのに対し、本来007が見せなければならなかった卓越した人間業(及びそれっぽいの)をベースにしたアクションを前面に打ち出した作品って意味では、評価に値する一本。徐々に広がってしまったジェームズ・ボンドと観客との距離を表すかのように、いかにもスパイ然としたエージェントが場違い丸出しのタキシード姿でラムシュタインのライブ会場に迷い込むオープニングは絶品。何よりも、ファミリー客がウロウロするシネコンの大スクリーンでラムシュタインの御姿を拝めたのは嬉しい限りでしたし。
スパイ映画らしくユニークなガジェットが満載ではあるのだが、よく見ればソニーのハンディカムを二つ横にくっつけただけの“透視機能付き双眼鏡”や、同じくハンディカムを緑に塗って何か筒みたいなのをくっつけただけの“熱探知ロケット”など、ソニー色は見事に打ち出されているが豪華さはちっとも感じられないのは如何なものかと。まぁそんな倹約家ぶりは多少気にはなるが、歴史の重みと可愛らしさが混在したプラハの街並は見ているだけでも楽しいですし、ボンクラ心をくすぐるセリフの数々も気が効いているので、ほぼ満足。

本作が成功したほとんどの要因を握っているのは、『リディック』『キャプテン・ウルフ』のヴィン・ディーゼルのキャラクター性。“ワルだけどイイ奴”という非常に都合の良いキャラを得意とする彼だけあって、凄味のある声とタトゥーに愛くるしいお目々と撫で回したくなるツルンとした頭という相反する要素が、主人公をより魅力的に見せることとなっている。大味さも安易さも本作と大差なかった続編『トリプルX ネクスト・レベル』に然程魅力を感じられなかったのも、彼の不在によるものがほとんどの原因。
顔半分に施された傷跡のメイクよりも、海苔が張り付いたような髪型が気になって仕方がなかった『スネーク・フライト』『フリーダムランド』のサミュエル・L・ジャクソン、“退廃”って言葉を具象化したかのような退廃美に鼻の下を伸ばしてみるも、よくよく見ればお父さんソックリで萎えてしまう『ラストデイズ』『ランド・オブ・ザ・デッド』のアーシア・アルジェント、主人公のワルっぽさにすっかり隠れてしまった『イーオン・フラックス』『ガレージ・デイズ』のマートン・ソーカスなど印象に残る役者も多い中、最も強烈な印象を残すのが『デビルズ・リジェクト〜マーダー・ライド・ショー2〜』『俺たちニュースキャスター』のダニー・トレホ。まぁ別に何かをしてくれるってわけでもないのだが、登場するや否や主人公らに爆笑される様に不憫さを感じ。

その頭のソレ、どこで買ったんスか?
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あのワルとワルがボンクラ同士故に心が通じるってトコが最高に楽しかったですわ。スケール的にも尺的にも粗はあってもダレが無い、これくらい肩の力を抜いて楽しめる作品ってもっとあってもいいと思うんですけどね…
前に見た時にはちょっと気になる程度だったのに、
今日の放送では「海苔が張り付いたような髪型」ばかりが気になって気になって・・・(笑)
いやヴィンの円らな目も堪能しましたが。
来週は「トランスポーター2」だそうです。(これも1の方が好きな作品ですが)
「日曜洋画劇場 イケてるハゲ祭り」なんですかねぇ
昨日テレビで放送していたので観ました。しかし最初の30分を見逃してしまいましたが、父親が録画していて後から観るという情けない見方をしてしまいました〜
この30分は一番派手だったように思います。
007シリーズのパクリ(おいおいっ)としてはアメリカらしくて面白かったかな(笑)
僕もあのぺったりとしたサミュエル・L・ジャクソンの髪型が気になってました(^_^;)
ありえないくらい強引な展開ですが、なぜか気分爽快になるので嫌いじゃないです(^^)v
トラックバックさせて頂きました_(_^_)_
結局はヴィン・ディーゼルありきの作品ではあるんですが、ロブ・コーエンって本作といい『ワイルド・スピード』といい、がっちりとボンクラの心を掴む映画が上手いんですよねぇ。
まぁ、TVで予告編を観て「そういえば、しばらく観てないなぁ」ってのが再見の理由なんですが^^;
日曜洋画劇場クラスになっちゃうと流石に大っぴらに“ハゲ祭り”とは銘打てないんでしょうが、テレ東なら堂々とやっちゃいそうですねぇ。“ヴァンダミングアクション”など素晴らしいフレーズを次々と生み出すテレ東。『リベリオン』を“チャンベールアクション”とひとまとめにした手腕には感服。
最初の30分を逃すとただのアクション映画になっちゃう本作。良いお父さんで^^
クライマックスで、ボートに乗り込んだはいいが何をしたらいいかサッパリで、色々考え込みすぎて頭がショートし、「なんだかわかんねぇ!」ってミサイル引っこ抜くワンパクさがスッキリ爽快な作品でしたねぇ^^
造語もさることながら、昭和の香りのするような宣伝文句もたまりません。
ウェズリーやヴァンダム等に良く似合いますよね(*´∀`*)
最近では本編よりも予告を楽しみにしてしまう有様です(笑)
あ、話が脱線してしまいすみません。
筋肉映画の宣伝に関しては、天才がテレ東にいるとしか思えませんよねぇ。