2003年 アメリカ映画 102分 ホラー 採点★★★
何の生き物だかサッパリ分からないヒナの状態で我家に転がり込んできたスズメのこぶ。羽も生え揃い見た目もすっかりスズメになったのだが、最近ようやく自分が飛べるってことに気付いたのか、一日中部屋の中をバタバタバタバタと。まぁ、その様子は「オレ、飛べるー!」と喜んでいるよりは「何で飛べんのー?」とビックリしているようにしか見えませんが。
【ストーリー】
トウモロコシ畑で二人の息子と共に農作業に勤しむタガート。しかし、突如現れた謎の怪物に末息子を連れ去られてしまう。一方その頃、高校のバスケットボールチームを乗せたスクールバスが原因不明のパンクで立ち往生している中、怪物が現れ生徒達を一人一人餌食にしていく。そこへ復讐に燃えるタガートが現れ…。
良い意味でも悪い意味でも先の展開がサッパリ読めなかった『ジーパーズ・クリーパーズ』の続編。前作同様ヴィクター・サルヴァがメガホンを。
前作の直後を描いている続編だけに、敢えて正体を隠すことなく序盤から怪物がばんばか大暴れをする本作。前作では『激突』やら『悪魔のいけにえ』やら『ターミネーター』やらと、70年代から80年代にかけてのホラー映画ごった煮的味わいがあったが、本作はばんばん飛び回る怪物以外はトラックにしろバスにしろ人間にしろベッタリと地面に張り付いているものばかり登場するが、身を隠すことが出来ない平原や、復讐を誓う父親、掘削機を改造したモリなど、作品から受けるのは『ジョーズ』などの海洋パニック物の印象。この一本に絞った作品の色付けが前作にない安定感を生んではいるのだが、突飛さに欠ける印象も。まぁ、前作がやり過ぎなんですが。復讐の鬼と化す父親のシークエンスが面白い反面、メインとなっているスクールバス内の描写にこれといって目新しさも面白味もないのは残念であるのだが、クライマックスの大空中戦はなかなかの迫力。
先を予見するビジョンを見るはいいが、何となく役に立ちそうだが結局のところ登場人物を心底脅かす以外は全くもって役に立たないってのが前作や『ファイナル・デスティネーション』などこの当時の流行の展開のようで。で、本作で一生懸命だが役には立っていないビジョン内に登場するのが、前作に引き続いて『ダイ・ハード4.0』のジャスティン・ロング。セリフもなければ登場時間も短いながらも、まとめ売りセット価格かのような高校生一団より遥かに印象深い。そんなジャスティン・ロングや、前作でも真昼間からオンボロトラックを運転し前を走る車を煽り倒すなど充分に人間臭さを発揮していたが、更に人間臭いアクションが増えた怪物そのものよりも強烈なオーラを放っていたのが、『-less [レス]』のというかいつまで経ってもリーランド・パーマー以外に見えないレイ・ワイズ。「田舎者をナメるんじゃねぇぞ」と怪物を追い回す様は、『悪魔のいけにえ2』のデニス・ホッパーに匹敵する気迫。さすがキラー・ボブ。怪物が23年という比較的短いスパンで現れている割に、怒りや悲しみに暮れる遺族が登場しないので物語自体に歴史の深みが感じられなかった前作の不満を、レイ・ワイズが一人で解消してくれることに。
わざわざ続編であることを隠しているかのような邦題にも不満が大きいが、レイ・ワイズの末息子を演じたショーン・フレミングが今年見た中では最もトウモロコシ畑が似合う可愛らしさだったので、★ひとつオマケで。
トウモロコシ畑で喧嘩を売るのだけは避けたい一家
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