1999年 アメリカ映画 89分 コメディ 採点★★★
“ジゴロ”。いやぁもう、甘美な響きですねぇ。もちろん、そんな甘いもんじゃないんでしょうが、どうやったらなれるんですかねぇ。
【ストーリー】
女にモテない上に貧乏な水槽清掃人のビガロウは、ひょんなことから知り合ったジゴロのアントワンの家で留守番をすることに。ところがうっかりアントワンの部屋をメチャメチャにしてしまい、その修理代を稼ぐ為にジゴロになろうとするが…。

“Hが出来る上にお金まで貰える”。そんな迷惑メールの文面のような甘い考えを、初っ端に登場するジャバ様が粉砕するアダム・サンドラー製作総指揮による一本。
“ロブ・シュナイダーがジゴロ”ってのが既にオチのエロコメを髣髴してしまうが、そこはアダム・サンドラーのハッピー・マディソン・プロダクション。縦幅と横幅が然程変わらなかったり、目と地面との距離が異常に離れていたり、一言が多過ぎたり、一本何かが足りなかったりする様々な女性のコンプレックスを主人公が克服させていく、主人公自身も含めた敗者復活戦的優しさを持った一本に仕上がっている。若干空回りをしているギャグや、今見ると背筋が凍る思いをする『マトリックス』のパロディなど目に付く部分も少なくはないが、『スカイ・ハイ』同様こじんまりとはしているが無難にまとめ上げたマイク・ミッチェルの手腕と、ブロンディーや10CCなどアダム映画らしい楽曲の使いどころが、安心感と居心地の良さを生み出した一本。とっくに完成している続編も是非観たいものなのだが、日本版のDVDはもちろん出ないんでしょうねぇ…。

アダム映画ではいつ飛び出してくるのかハラハラさせまくりのロブ・シュナイダー。『がんばれ!ベンチウォーマーズ』など主役となるとさすがに瞬間的な破壊力こそ控え目にはなるが、その反面、細かい芸や普段は見れない優しげなキャラクターを存分に楽しめることも。まぁ、「You Can Do It!」を90分やられても辛いですし。そんな若干大人しめのロブを支えるのが、“黒い『オースティン・パワーズ』”の趣もあった『アンダーカバー・ブラザー』や『ニュー・ガイ』のエディ・グリフィンと、“ハムナプトラ”シリーズで砂丘の上なり山の上なり常に高い所に立ってた印象があるオデッド・フェール。エディ・グリフィンの芸達者ぶりはいつもながら感心させられてしまうのだが、その彼の存在感すら霞んでしまうオデッド・フェールの「ヨチヨチヨチヨチ、魚ちゃーん♪」は強烈。もう、反則。
今回は『ホット・チック』の時のようなアダム・サンドラー自身による援護射撃はないものの、そこはアダム映画。アレン・コヴァートはシッカリと登場。そこが一番嬉しかったりも。

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albrechtです。
僕はエディ・グリフィンが良かったですね〜。『アンダーカバー・ブラザー』なみの大活躍を、また観てみたいな〜。
良かったですねぇ、エディ。脇でぴりりと辛い山椒のような役ばかりが多い気もする彼ですが、ホント『アンダーカバー・ブラザー』のような作品をまた作って欲しいですねぇ^^