2000年 アメリカ映画 114分 SF 採点★★
行くにはちょっとばかし遠いが観察するのには結構近いせいか、長きに渡って人類に夢やらロマンやら勘違いやらを提供し続けてきた火星。表面に筋が見えれば、「あれは水が流れた跡だ!真っ直ぐだから運河だ!」「運河ってことは何かいるー!」「そいつらが三本脚の機械に乗って襲ってきたぞー!!」と大騒ぎ。光と影の具合でたまたま人の顔のように見える岩を発見すれば「知的生命体が遺したモニュメントだ!」と、別角度から見ると顔になんか全く見えないことをお構いなしの狂乱振り。いやぁもう、こういう話大好きです。是非とも火星に行った際には、何かトンデモないものを発見していただきたいもので。そういえば、人間の体内時計での一日は25時間だとかで、それは火星の一日の時間と一致するから人類はかつて火星から移住してきた宇宙人なんだって話もありましたねぇ。ホント、私こういう話大好きです。
【ストーリー】
2020年。人類初の有人火星探索に成功したNASAの探索隊が、謎の怪現象に襲われ連絡を断ってしまう。急遽救助隊が結成され火星へと向かったが、火星で彼らは想像を絶するものを目撃する。
アポロ計画以降、新たな宇宙開発に対し消極的であったアメリカが有人火星飛行計画の実現をブチ上げ、にわか火星ブームが吹き荒れていた当時、「よし!これからは火星だ!火星で一儲けするぞー!!」と息巻く映画人が現れるのは当然の流れで。ただ、最新鋭のVFXを用い映画的にリアルな火星冒険譚を作ろうとした製作サイドと、本作の監督でありSF好きとしても知られる『ブラック・ダリア』のブライアン・デ・パルマの「“火星のSF”かぁ。オレも子供の頃は夢中になったなぁ。よし!たまにはあんな感じのを作ろう!」というベクトルの向きの違いが生み出してしまった珍映画。まぁ、また憶測だけで書いてますが。
「“宇宙”っつったら無重力だろ!」とばかりに、あっちで人がフワーこっちで物がフワー、Drペッパーは商品名をこっちに向けたままカメラにフワーっと近づいてくる、一昔二昔を通り越して三昔前の映画を観ているかのような無重力描写の中、もうどれからツッコんでいいのか分からなくなるほどの珍シーン続出が楽しい本作。まぁ、テンポまでフワーっとしてるので、ランニングタイムが3時間以上に感じるのは辛いのですが。舞台が宇宙だろうが、結局のところ物語は『2001年宇宙の旅』であろうが、デ・パルマ印の長回しと大惨事を生み出すために小さなことからコツコツと積み重ねるピタゴラパルマスイッチは健在。もちろん全くかみ合ってないので、痛恨。途中でトンデモない映画を作ってしまったことに気付いてしまい逃げ出したくなったのか、一刻も早く席を立ちたくなるであろう観客への配慮なのか、何の余韻も残さずブツっと迎える“The End”が、ある意味衝撃的だったので★オマケで。名義を“アラン・スミシー”にしなかったのも、いさぎが良いですし。
途中まで誰が主人公なのか分からず、途中からそんなことどうでもよくなってくるのも本作の特徴。多分、メソメソばかりしていた『フォーガットン』『ビッグ・バウンス』のゲイリー・シニーズが『アポロ13』の時と大差ないキャラ設定で主役にキャスティングをされているが、ジェリー・オコンネルや『ソルジャー』『アイス・ハーヴェスト 氷の収穫』のコニー・ニールセンはさておき、一部「オレが!オレが!」と主役を霞ませる大活躍をされる方々が。もちろんそれは、『クラッシュ』『ホテル・ルワンダ』のドン・チードルと、『CODE46』のティム・ロビンス。孤独感を家庭菜園で紛らわし、長い時間経過をヒゲとアフロの大型化で表現するドン・チードルも凄まじかったが、妻への深い愛を表現するはずが、“来るなー!ヘルメットをパカー!目玉ギョローの顔がビシー!”と、そこに至るまでのモタモタ感も相まって本作最大の珍シーンを演じてしまったティム・ロビンスがさらに凄まじい。『ポセイドン』のカート・ラッセルの最期同様、やり過ぎると珍奇なものになってしまう良い例として、記録に残しておきたい次第で。
救い難い
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どっかで見たことあるなーと思ったらやっぱり見てました(笑)
記憶の片隅に封印したかったのかな?私(笑)
何がどーなったのか、ちーっとも覚えてないくらい印象に薄いです(笑)
最後の画像は、「あぁ、そういうシーンあったあった」くらいな・・・(^o^;
若いゲイリーがかっちょよかったなということで終わりにしておきます(苦笑
劇場で観た時に、そのあまりの抱腹絶倒ぶりに気を失う寸前だった本作。その衝撃が忘れられないので、なんだかんだと言ってもう5〜6回は観ちゃってます^^;
是非再チャレンジあれw