2006年 アメリカ映画 84分 ホラー 採点★★★
いつの間にやら“監禁されて惨殺される映画”全般を“ソウっぽい”映画として括られるようになってきた今日この頃。まぁ『ソウ2』や『ソウ3』はいいとしても、そもそも『ソウ』ってそれがメインの映画だったっけと首を傾げるも、『ランボー』もいつの間にやら外国で現地人を虐殺する映画の代名詞となっているので、印象ってのはそんなもんなのかなと。

【ストーリー】
ちょっぴりベクトルが違う方へと向いてしまってる狂信的なクリスチャンの母を持つジェイコブ君。女体に興味津々のジェイコブ君に困ったお母さんが、監禁・折檻と日々熱心に躾をしていたら、立派な殺人鬼へと成長しちゃったジェイコブ君。そんなジェイコブ君が暮らす廃ホテルに、減刑目当ての社会奉仕活動をやりに未成年受刑者の男女がやって来てイチャイチャし始めたから、さぁ大変。

『ソウ』の大ヒット以降なんとなくそれっぽい映画の専門会社になってきたライオンズゲートと、映画初製作となるアメプロ界の大御所WWEがガッチリとタッグを組んで送る一本。WWEとくれば、もちろん製作総指揮は『ロード・トリップ』でソクラテスにも例えられたヴィンス・マクマホン。
まるで全編が予告編かのようにウザったくもある汚しまくった画像処理や、密室劇である状況設定こそは確かに『ソウ』っぽくもあるが、見事に性志向的にも性格的にも屈折した大男が殺戮を繰り広げるストーリーラインは、『13日の金曜日』や『ハロウィン』『マニアック』『悪魔のいけにえ』ら80年代のホラー映画を髣髴させて好印象。血飛沫すらCG処理されてしまう昨今では珍しい、手作り感覚に溢れる特殊効果もとっても素敵。“高級娼婦の聖女”とか“見つめられた欲望”とか、非常に心がときめくサブタイトルの付いた作品ばかり撮ってきたグレゴリー・ダークの手際も非常に良く、目新しさの欠片もないが、全く退屈もしない一本に仕上がっている。

文字通り頭ん中に虫が湧いている、とってもお勉強が苦手そうな殺人鬼ジェイコブに扮するのは、WWEのトップヒールの一人であるケイン。見上げるような巨体と説得力のある力技の数々は演技力以上の武器となっており、作品中での存在感は見事なもの。ただし、筋肉が付けば付く程バカっぽく見えて愛らしくすら感じてしまう私なもんで、画面に出ずっぱりになる中盤以降、その顔面にまで筋肉が付いたような風貌に恐怖よりも愛嬌を感じてしまうのが困りものでしたが。お母さんに怒られている傍らでモジモジしている姿なんて、愛くるしかったですもの。
で、そのケイン。WWEのケインとしてWWEが作った映画に出ているもんだから、メイキングだろうがインタビューだろうが“ジェイコブを演じるケイン”を演じなきゃならないんで、なんかとっても大変そう。共演者までもがリング上でのケインのイメージを崩さないよう、とっても気を遣っている様子で。そんなケインのイメージを守りつつも、言葉の端々から映画に出れた喜びがヒシヒシと伝わったりもして、そんな姿にも「素直でいい子なんだろうなぁ」と、ますます愛くるしくなっちゃったり。

捨て猫とか家でいっぱい飼っていそう
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やっぱりいい人だw
まぁ、脚光を浴びまくるベビーフェイスをやる人間よりも、「キミ、明日からヒールだから」と命じられて「あ、わかりました」ってなる方が素直でいい子なんでしょうけど。
で、本作。目新しさの欠片もありませんが、狙いが“目新しくない”なので、じゅうぶんに楽しめましたよ〜
いやー、それにしてもジェイコブ君、可愛かったですねえ♪
この映画では死んでしまいましたが、なんとかして生き返ってもらうか実は双子だった、とかでシリーズ化してほしいところですね。
インタビューでも監督が「映画の中の生死に関しては皆さん大らかですから」と言ってたんで、ヒットさえすればヌケヌケと蘇ってきそうですねぇ、ジェイコブ君^^
ホント、「愛くるしい」って言葉がピッタリ来てましたね(笑)
ところどころウド鈴木に見えて仕方ありませんでした。
続編もしくは類似品、心待ちにしております♪
もともと筋肉キャラが大好きなんで随分と肩入れしちゃったんですが、映画自体もつまらなくはないですよねぇ。ちなみに、お気に入りの筋肉キャラは“ザ・ワイド”の草野さんです。車のCMでの草野さんは、絶品です。