2016年 イギリス/アメリカ/ブルガリア映画 99分 アクション 採点★★★
ジョエル・シルヴァーなんかがけん引していた、悪役が単純に悪でしたかなかったド派手大味アクション大作ってのも、同時多発テロ以降めっきりと減っちゃいましたよねぇ。まぁ、いろいろと配慮が必要な時代になっちゃったってのもあるんでしょうけど、配慮をし過ぎちゃうと、する側にしてもされる側にしても良い結果にならない気もするんですがねぇ。
【ストーリー】
英国首相の急死により執り行われる葬儀に参加するため、ロンドンに米国大統領アッシャーをはじめ西側諸国の首脳が集結。しかし、厳戒態勢のロンドンで同時多発テロが発生。首脳らが次々と命を落とす。シークレットサービスのバニングの活躍で難を逃れたアッシャー大統領をテロリスト集団が追う中、バニングは大統領を守るため孤立無援の戦いを挑むことに…。
80〜90年代の大味大作アクションの醍醐味を久々に味わえた『エンド・オブ・ホワイトハウス』の続編。メガホンを握ったのは、スウェーデンの新鋭ババク・ナジャフィ。
ザル過ぎる警戒態勢を潜り抜け易々と侵入したテロリストに、また襲われ捕まっちゃう大統領を救うべく奮闘する、怒りっぱなしで容赦ないシークレットサービスの活躍を描いた本作。見どころであるはずのロンドン大破壊描写のCGがなんともショボく、出だしから不安を感じさせられたが、そこ以外に関しては大味ざっくばらん路線をきっちりと継承していたので、安心して楽しめた一本。仏大統領はお洒落で伊首相はスケベ、加首相は影が薄く日本首相はお爺ちゃんみたいな、前時代的なステレオタイプ描写もなんか楽しい。
テロリスト側の事情も少なからず描かれてはいるのだが、それに対して全く聞く耳を持っていないのも本作の特徴。「お前らが始めた戦争…」「うるせぇ!ぶっ殺すぞ!」、「お前らが家族を…」「うるせぇ!ぶっ殺すぞ!」と、全く聞く耳持たず。この配慮のなさは、ある意味清々しさすら感じた一本で。
大統領を救うこととテロリストを殺すことには長けてるが、事が起こる前に防ぐことはちょっと苦手そうな怒りん坊の主人公に扮したのは、もちろん前作に引き続き『完全なる報復』『GAMER』のジェラルド・バトラーが。知名度の割に、コンスタンスにヒット作を生み出しているわけでもない焦りもあるのか、今回も製作を兼ね大暴れ。ロマンスものだとちょっとジャガイモっぽいゴツゴツ感に目が行ってしまうのだが、こういうただひたすら怒ってるようなアクション映画だと、そのゴツゴツ感がピッタリとハマるので、アクション映画中心に活躍して欲しいなぁと。
また、捕まり過ぎの大統領に扮した『世界侵略:ロサンゼルス決戦』のアーロン・エッカートと、前作同様なんでも知ってる副大統領に扮した『テッド2』のモーガン・フリーマンを筆頭に、情報収集能力にちょっと難があるシークレットサービス上官に扮したアンジェラ・バセット、今回は安全圏にいれた『イコライザー』のメリッサ・レオなど、中心メンバーはほぼ全員引き続き登場する本作。
その他、『ダークナイト ライジング』のアロン・アブトゥブール、見た目でついつい疑っちゃった『ロボコップ』のジャッキー・アール・ヘイリー、旦那も結構ゴツゴツしている『オール・ユー・ニード・イズ・キル』のシャーロット・ライリーら、新顔もそれなりの印象を残してくれた一本で。
捕まってくれないとイマイチ本領発揮できない
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