2015年 アメリカ映画 88分 サスペンス 採点★★★
親であれ教師であれ、近所の口うるさいオッサンであれ、子供にとって大人って懲罰者として君臨する存在ですよねぇ。そうすると、警察官ってそんな大人にとっての懲罰者ってことだから、キング・オブ・ザ・懲罰者なんですねぇ。道理で、親の言うことをさっぱり聞かないウチの子供らも、「お巡りさんに連れてってもらうからね!」と言うと途端に大人しくなるわけだ。
【ストーリー】
家出中の悪ガキ、トラヴィスとハリソンは、空き地で一台のパトカーを発見。周りに誰もいないことをいい事に、「ヒャッホーイ!」と乗り込み公道を大暴走。一方、パトカーの持ち主である保安官のミッチは、ある秘密をトランクに隠してあったパトカーが盗まれたれたことに気づき大慌て。無線で悪ガキどもに呼びかけるが…。
来年公開予定の『Spider-Man: Homecoming』が控え、出世街道驀進中である『クラウン』のジョン・ワッツが脚本と監督を務めた、悪徳保安官のパトカーを盗んでしまった悪ガキと保安官の追っかけっこを描いたクライム・サスペンス。とってもナチュラルな子役を相手に、製作総指揮も務めた『ラブ・アゲイン』のケヴィン・ベーコンによる、カートゥーンの悪役じみた怪演が見どころ。ちなみに、無線係として嫁ベーコンのキーラ・セジウィックが声のみで出演。
『ヒッチャー』や『ジャッカー』のエリック・レッドが注目を浴びてた頃の、レッド風味の亜流を観ているかのような懐かしさがちょいと嬉しかった本作。サスペンスの中心が子供たちではなく、まずいことになった保安官に集中していたり、子供らが運転するパトカー並みの微妙なスピード感の展開や、劇中の大半を遊びで過ごしながら、結末間際になってようやく遊びじゃ済まなくなってしまう構成の配分など、独特な味わいが特徴。
ただ、そんな懐かしさや、作り手の滲み出すぎる個性に頼り切ってるわけでもなし。「チンコ!オッパイ!」と口に出してるだけで楽しいって様や、銃口を覗き込んだりAEDを胸にあてたりと知らぬ内に死にに行っちゃうみたいな、男子ならではの特性ってのをしっかりと描き出してたりも。また、劇中では全く語られてはいないが、髪形や服の汚れ、セリフの些細な個所から家出に至った子供らの置かれた状況が垣間見れるのも巧かったなぁと。
大人から解き放たれる時間も重要
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