2016年10月15日

グリマーマン (The Glimmer Man)

監督 ジョン・グレイ 主演 スティーヴン・セガール
1996年 アメリカ映画 91分 アクション 採点★★★

経済的な豊かさを得、巨額の金額が動く仕事に携わることでプライドが満たされる一方で、本当にやりたいことではなくても個を押し殺して歯車に徹し、成果への称賛は個人に対するものではない有名大企業で働く人生と、食い扶持を繋ぐのが精一杯の自転車操業ながらも、個人営業主としてやりたいことに万進し、結果は何であれフィリピンパブやロシアンパブで「シャッチョーサン、アイシテルヨー!」と夜な夜な称賛される人生。セガールって、メジャーへの階段を駆け上る途中で迷うことなく後者を選んだ猛者なんですよねぇ。

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【ストーリー】
“ファミリーマン”と呼ばれる猟奇的連続殺人犯の恐怖に包まれていたロサンゼルス。ニューヨークから赴任してきたジャック・コールは、相棒のジム・キャンベルと共に捜査を進めるが、新たな殺人事件が発生。その特徴的な手口からファミリーマンによるものと思われたが、ジャックはその手口を真似たプロの犯行であると考え…。

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猟奇殺人事件の背後に潜む陰謀を、元CIAの凄腕刑事が暴いていく様を描いたアクション・サスペンス。メガホンを握ったのは、手話ゴリラ映画『ケイティ』のジョン・グレイ。製作をセガール自身と、ハリウッド時代のセガールの盟友ジュリアス・R・ナッソーが。
「『セブン』流行ってるから、なんかそんなの作れや。愉快な黒人を相棒に、笑えるバディ映画風味も忘れずにね!」というスタジオの注文にセガールが素直に応じちゃったという、今では到底考えられないハリウッドスターとしてのセガールの葛藤がハッキリと表れた本作。そもそも、演技派でもなければハンサムなわけでも肉体美を誇るわけでもない、そんなハリウッド基準から大きく外れていることがセガールの個性であるのに、如何にもハリウッド的な作品を作ってしまうということは、作品としては当然のことながら、肝心のセガール映画としての個性も殺してしまう、良いことなしの結果になることはもう観る前明らかな結果で。
雨ばっか降っている、如何にも『セブン』風の雰囲気こそ漂ってはいるがサスペンスとしてはメタメタで、お楽しみのセガール拳もムードと噛み合っていない上に、アップとカットの多様で流れるような美しさを台無しにしちゃってる、至る所が非常に残念な本作。しかしながら、ロシア美女が全裸で死体安置所に並んでる中、セガールがおもむろにその胸を触ってみたりする後の“セガール・ハッピータイム”の片鱗が伺えたり、最近のセガール映画では味わえない“普通の映画の面白さ”ってのを感じられたりもするので、採点はやや甘めに。両方の鼻の穴から綺麗に真っすぐ鼻血を流すという、セガール映画史上最もあられもない姿を晒す記念碑的作品でもありますし。

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現在から比べればだいぶスリムだが、劇場で観た当時はその太りっぷりに大いに驚かされたセガール。自身のアクションにもスタントを多用してたり、同じアクションカットを何度も使いまわしたりと、近年のセガールに繋がる省エネアクションスターとしての気配を感じさせ始めてたりも。ただ、スタジオの言うことを素直に聞いているようでいて、自前の服としか思えないアジア趣味全開のジャケットや数珠を身に着けてたり、劇中曲も何気に自分で手掛けたりと、やりたいことだけをやろうとするセガールらしさを残しているのは流石。例の鼻血は別にして。
そんなセガールの相棒役には、うじゃうじゃいるウェイアンズ兄弟のひとり、『最‘新’絶叫計画』のキーネン・アイヴォリー・ウェイアンズが。典型的な“愉快な黒人”役であるせいか、似たような顔で似たような役柄に扮した『ラスト・ボーイスカウト』のデイモン・ウェイアンズと頭の中でゴッチャに。未だどっちがキーネンで、どっちがデイモンだったか即答できず。
その他、『アルゴ』のボブ・ガントンや、『ピクセル』のブライアン・コックスら大物勢に、ジョン・カーペンター作品の常連であるピーター・ジェイソンや、『追撃者』のジョニー・ストロングなど、この前後でちょこちょこ顔を見た“映画っぽい”顔ぶれが揃ってるのも、最近のセガール映画では味わえない醍醐味でも。

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グリマーって、“閃光の如く鼻血を出す”って意味なんですかねぇ

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posted by たお at 22:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 前にも観たアレ■か行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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