2015年 アメリカ/ドイツ/中国映画 114分 アクション 採点★★
アウトドアといったらせいぜい釣りくらいしかやらない私なんで、エクストリームスポーツとやらに全く興味が無いように思われますが、死ぬ前に一度くらいはスカイダイビングをやってみたいんですよねぇ。ウイングスーツとやらを着てやってみたいですし。まぁ、基本的に不器用なので間違いなく“死ぬ前の一度”になっちゃうんでしょうけど。
【ストーリー】
親友の死をきっかけにエクストリームスポーツの世界を離れ、FBIの捜査官となったジョニー・ユタ。一方その頃、エクストリームスポーツを用いた強盗事件が世界を股にかけ立て続けに発生。事件にボーディ率いるアスリートチームが絡んでいると踏んだジョニーはチームに接近、潜入に成功するのであったが…。
キアヌ・リーヴスの『ハートブルー』をド迫力のXスポーツ満載でリメイクしたアクション。『リベリオン』のカート・ウィマーが脚本と製作を務め、『ワイルド・スピード』などで撮影を手掛けてきたエリクソン・コアが監督を。
ウイングスーツで険しい渓谷の間を滑空したり、絶壁をスノーボードで滑り降りるなど正気のネジが吹っ飛んだXスポーツの数々を、ライブアクションだからこそ生み出せた迫力で映し出した本作。そのアクションの数々を「ホエェェッ!」と驚きながら楽しむタイプの作品なので、本来なら物語なんかにケチをつけるのは野暮ってもの。しかしながら、それらのアクションを素直に堪能しようにも、ドラマの部分が妙に重々しくて存在感を発揮しちゃうので、アクションに集中しきれず。これでドラマが最低限のラインで成立してればいいんですけど、エコテロリストの禅問答めいたやりとりやら、立ち位置が全然わからないヒロインやらと、存在感がある割にデタラメなのでアクション部を活かすどころか殺してしまって始末に負えず。『ハートブルー』であることを忘れかけてた頃に突然、例の上空に銃を撃ちながら「ウワー!」が再現されちゃうんですけど、溜めやタイミングが下手過ぎて出来の悪いパロディかゴッコみたいでしたし。
潜入捜査の結果生まれる友情やら強盗のシビれるカッコ良さもほとんどない、アクションシーンだけをスキップしながら観るような作品ではありましたけど、ワンアイディアを体を張って作り上げた、昔の二本立て映画の片っぽみたいな雰囲気は感じられたのは良かったかなぁと。
サーフィンを中心に据えたオリジナルを超えようと思ったのか、あらゆるエクストリームスポーツに手を広げて欲張っちゃった結果、その一つを極めた人でも難しそうなチャレンジを全て成功させちゃうスーパーマンみたいな主人公になっちゃった今回のジョニー・ユタに扮したのは、『スパイ・レジェンド』のルーク・ブレイシー。『RONIN』の頃のショーン・ビーン的な、なんか“負け”が似合う顔立ちは嫌いではなく。ラスト近くの濡れたロン毛姿が、キアヌとパトリック・スウェイジを足した“ひとりハートブルー”みたいだったのも印象的で。
一方のボーディに扮したのは、『ゼロ・ダーク・サーティ』のエドガー・ラミレス。『マトリックス』のモーフィアス同様どこか胡散臭く、雰囲気こそあれど「一生ついていきます!」となるようなカリスマ性がないってのが残念。「地球環境がぁ」って口走る人を個人的に全く信用していないってのもあるんでしょうけど。
その他、結局どんな人なのかさっぱり分からなかったけど、そのエキゾチックな顔立ちとダイナミックな身体に目が釘付けになってしまったヒロインに扮した『アイ・アム・ナンバー4』のテリーサ・パーマーや、『ドミノ』のデルロイ・リンドー、せっかくこの人を使うならもっとその味を出せばよかったのにともったいなく思えた『ザ・ガンマン』のレイ・ウィンストンらが出演。
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