2013年 アメリカ映画 118分 コメディ 採点★★★
いやぁ面白いですねぇ、“キャッスル/ミステリー作家のNY事件簿”。先にハマっていた女房が観ているのを傍らでツマミ観する程度だったんですけど、気が付いたら自分もガッツリとハマっちゃってましたねぇ。“誰が?”よりも“なぜ?”と“どうやって?”をミステリーの軸にしたドラマチックな展開ももとより、誰の目にも惹かれ合ってるのは明らかなのにくっつかない、「さっさとチューしちゃえよ!」と茶々入れたくなる主人公ふたりのじれったいラブコメ要素が面白い。この辺のじれったさを長きに渡って引っ張れるのは、“X-ファイル”にも深く絡んでいた製作総指揮のロブ・ボウマンの手腕なんでしょうねぇ。最近サブタレの更新が滞りっぱなしなのも、映画を観ないでキャッスルばっかり観てるからだったりも。
【ストーリー】
いまだにマリファナの売人として生計を立ててる中年男のデヴィッドは、街の不良らにマリファナと売上金を奪われてしまう。元締めブラッドに上納する売上金を失ってしまったデヴィッドは、その穴埋めのためにメキシコからドラッグを密輸する仕事を請け負うことに。家族旅行を装えば怪しまれないと考えたデヴィッドは、同じアパートに住むストリッパーのローズ、気の良い童貞少年ケニー、ホームレス娘のケイシーを集め仲睦まじい一家に扮しメキシコへと向かったのだが…。
麻薬密輸のためにメキシコへ向かった偽装家族の珍道中を描いた、『ドッジボール』のローソン・マーシャル・サーバーによるコメディ。大ヒットを受け続編製作のアナウンスはされてるようで。ちなみに、劇場版よりちょい長いエクステンデッド版で鑑賞。
ジェイソン・サダイキスとエド・ヘルムズが若干苦手なので敬遠していたんですが、観てみると評判通り楽しめた本作。家族というものから無縁のワケあり4人組が、偽装家族を演じていく中で家族の大切さや思いやりなんかに気づいていく安心印の物語を程よく下品で程よく荒っぽい笑いで包み込んだ一本。
犯罪者やストリッパーがメインにいるので笑いのタイプが下品で荒々しいんですけど、程よくエグ味を取り除いているので苦手な方でも楽しめる“ちょうど良さ”が特徴だった本作。その“ちょうど良さ”ゆえに強烈なインパクトや余韻に乏しい、来月の今頃はスッカリ忘れてしまってそうな一本ではあるんですけど、2時間弱をサクっと楽しむ分には不満もなし。家族の大切さに築くターニングポイントの置き方のさり気なさや、それぞれのキャラクターの問題解決の仕方など、展開の何気ない巧さってのも魅力でしたし。
役柄がゲスいだけにハマってたけどやっぱり苦手なことには変わりなかった、『ホール・パス/帰ってきた夢の独身生活<1週間限定>』のジェイソン・サダイキスと『ハッピーニート おちこぼれ兄弟の小さな奇跡』のエド・ヘルムズはさて置き、『ウソツキは結婚のはじまり』のジェニファー・アニストンの奮闘っぷりには目を奪われた本作。ストリッパーという役柄なので「チ○ポ!」を連呼したりセクシーダンスを披露したりと本作の下ネタを一人で背負ってる半面、そこにエロさというか色気を全く感じられないというのはある意味致命的な感じもしましたが、隠しきれない鼻っ柱の強さが滲み出た肝っ玉母さんっぷりは見事なまでに似合ってたなぁと。また、“童貞・オブ・ジ・イヤー”を是非とも進呈したくなるほど見事な童貞っぷりを披露してくれた『リトル・ランボーズ』のウィル・ポールターや、『ヴィジット』のキャスリーン・ハーン、短い出番ながらも強烈な印象を残してくれた『ローグ アサシン』のルイス・ガスマンなど芸達者が揃ってたのも嬉しい一本。
でもやっぱり本作最大の見どころは、私が本作を手に取った唯一の理由でもある“キャッスル/ミステリー作家のNY事件簿”のモリー・クイン。キャッスルでは良い娘過ぎて現実味のないただの天使にしか見えなかったりもする彼女なんですけど、本作でもやっぱりただの天使。芸達者なキャストに圧倒されて棒立ちになってるようにしか見えない、役者としては随分とアレですけど自分の娘だったら全くもって文句のない良い娘っぷりを披露。まぁ見どころってほどでもないんですけど、なんか娘の学芸会を見に行ってる親の心境的なものに近かったのかと。
本当の家族でも車に一時間閉じ込めておけばモメる
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