2016年 ルーマニア映画 90分 アクション 採点★★
ここ数年のセガール映画を大きく二つに分けると、“セガールが動く映画”と“セガールが動かない映画”に。本来アクション映画の主演スターが“動かない”ってのはあり得ない話なんですけど、セガールにはあるんですよねぇ。で、動く方のセガール映画はそれぞれのシーンの舞台になる場所にちゃんとセガールが出向いているので、主人公が物語に絡む比較的普通の映画に近い仕上がり。アクションシーンも基本的にセガールがやってるので、お楽しみであるセガール拳を堪能できたりも。ただ、一方の動かないセガール映画が食わせもの。基本同じ部屋の椅子に座りっぱなしなので主人公なのに物語にはさっぱり絡まないし、肝心のアクションも若手に任せっぱなしでクライマックスにようやく「ヨヨヨイッ」とダルめのセガール拳を披露。しかも首から下しか映らなかったり、妙に細身の後ろ姿ばっかだったりも。
【ストーリー】
麻薬カルテルのボスであるサラザールを確保し裁判で証言させるために高級ホテルで保護していた所に、裏切りを許さないカルテルの殺し屋集団が襲撃。連邦保安官のトムらは、次々と襲い来る武装集団からサラザールを守り抜かなければならなかったのだが…。
で、これは残念ながら“動かない”方のセガール映画。監督はもちろん『リターンド・ソルジャー 正義執行人』のキオニ・ワックスマン。
基本的には籠城劇で、悪党を更なる悪党から守る中で生まれてくる絆という鉄板ネタを描いているのでタイトでそれなりに面白い作品になりそうなんですけど、そう簡単に行かないのがセガール映画の魅力。襲撃事件の生き残りの回想って形式を取ってしまったが為にテンションもテンポもぶつ切りで、現在と過去の行き来に手間を割く割には人物や状況描写は一気にテロップで済ませちゃうので、ただただもう混沌。そのくせ、画に変わり映えがないので20分くらい気を失っていても展開が進んでいるとは思えないかったるさ。
これでせめてセガールが動いてくれれば救いがあるんですが、先にも言ったように本作はセガールが動かない方の映画。前の晩にちょっと飲み過ぎちゃったのか、目が開いてるのかどうかも分からぬほど顔をパンパンに腫らしたセガールが座ってるだけ。もちろんたまには「ヨヨヨイッ」と動きますが、基本的には座りっぱなし。顔パンパンで不機嫌な泥棒ヒゲのお爺ちゃんとにらめっこをしてるかのような、なんともマニアックな90分。
物語の進行を『デス・レース2』のルーク・ゴスに任せ、主演なのに物語に絡まない一番楽なポジションに居た今回のセガール。主人公とか悪役とかその他大勢とかのカテゴリーにはまらない、扱いがもう“大御所”。また、お気に入りの美女が居ないと現場に出たがらないのか、座ってるだけのシーンなのにすぐ横に台詞もない謎の胸元強調美女を配置。でも、それ以外のシーンにも妙にエロい美女が随所に配置されてたんで、ただ演技やアクションするのが面倒くさいだけで、現場にはまめに足を運んでいたんでしょうねぇ。これで食べれてるんだから、ホント理想の老後だなぁと。
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