2016年04月30日

Re:LIFE〜リライフ〜 (The Rewrite)

監督 マーク・ローレンス 主演 ヒュー・グラント
2014年 アメリカ映画 107分 コメディ 採点★★★★

ちょこちょこ転職を経験している私ですけど、振り返ってみるとアルバイトを除けば二つの職種しか経験したことがないんですよねぇ。その二つも、ざっくりと括れば似たような仕事ですし。これだけ経験が偏っちゃってると、さすがに何か新たな職種に挑戦しようって気もなかなか起きず。まぁ、挑戦された側にしてもこんなオッサンに一から教えるのは大変でしょうしねぇ。

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【ストーリー】
かつてアカデミー賞も獲得した脚本家のキースだったが、その後15年間は鳴かず飛ばずでハリウッドからもお呼びがかからなくなっていた。そんな折、エージェントから田舎の大学でシナリオの書き方を教える講師の仕事を紹介される。渋々その仕事を受けたキースだったが、全くやる気は起きず・・・。

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『トゥー・ウィークス・ノーティス』から4度目の組合せとなる、マーク・ローレンスが脚本と監督を手掛け、ヒュー・グラントが主演して贈るコメディドラマ。
最終着地点が恋の成就と人生の再起動とテーマが全く違うのだが、ざっくりと表面的な印象だけで見れば『ラブソングができるまで』の脚本家版な本作。主人公が過去の栄光を引きずってるってのも、業界の内幕ネタで楽しませてくれるってのもほぼ一緒。前途洋々の若者の姿にかつての自分を見出し、過去の自分を追いかけず今の自分で人生を歩む決意をする物語も、大きな起伏も特にないまま予定調和的にさらりと嫌みなく収束する、深く考えずにサクっと楽しむ分には丁度いい一本でも。
そんな「まぁ、こんなもんだよな」的作品に★4つってのは大盤振る舞いな気もするが、評価を上乗せしたくなるほど『コードネーム U.N.C.L.E.』のヒュー・グラントが素晴らしい。何処に居ても常に居心地が悪そうで、相手と目をしっかりと合わせない自信の無さと自虐的な眼差しをしながらも基本的には軽薄な女好き。現状を毒づきながらもそれなりに満喫し、イギリスなまりで余計なひと言を言ってしまいばつの悪い思いをする。還暦が目の前に迫っているとは思えない、もうこっちの期待通りのヒュー。そんなヒューを観たいが為だけに本作を手に取ったのだし、その期待を十分過ぎるほど叶えてくれているので、わたし的にはこの評価は妥当。

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もちろんヒューだけが良かったのなら過大評価になるが、今回は相方も素晴らしい。さすがのヒュー・グラントもそれなりに年齢を感じさせるようになったので、相方が若い娘だと非現実的だしバランスも悪い。かと言って、年齢的にバランスを取っても相性が悪いと前回の『噂のモーガン夫妻』みたいな悲惨な結果に。
そういった意味では、今回手を組んだ『リンカーン弁護士』のマリサ・トメイは完璧な相方。さばさばして男性に依存し過ぎないがドライ過ぎず程よくウェットなのでロマンスを物語に生み出せるが、そこに中年同士の恋愛に漂いがちな目も当てられない痛々しさがない。明るく前向きで包容力もある、母親としても恋人としても文句のつけようがない本作のマリサ・トメイは、性格や口角の向きまで色々と正反対のヒュー・グラントと見事なコンビネーションを披露。まぁ、私がもともと好きだってのも大きいんですけど、相も変わらずチャーミングの塊のような彼女に完全にメロメロ。この組合せであと5本は観たい。
そんなヒューとマリサ・トメイに目を奪われがちな作品ではありましたが、マリサ・トメイのケースとは別の意味でヒューとは正反対過ぎて面白味を生んでいたアリソン・ジャネイや、そんな彼女とは『JUNO/ジュノ』でも共演済みである『ターミネーター:新起動/ジェニシス』のJ・K・シモンズら大人勢はもちろんのこと、地雷感がハンパなかったベラ・ヒースコートや「『ダーティ・ダンシング』の良さに気付いて良かったね!」なアニー・Q、アホな子ならではの可愛げに溢れてたエミリー・モーデンら、顔で選んだお飾りでしかなさそうでいて、それぞれが対極に居て物語に刺激を与えていた学生らも魅力的だった一本で。

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こんな生徒がいるなら仕事も楽しくなるはずだよなぁ

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posted by たお at 13:17 | Comment(0) | TrackBack(12) | 前にも観たアレ■ら行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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