2012年 アメリカ映画 87分 コメディ 採点★★
今年小学校を卒業した長男は中学入学と同時に社会人混成のマーチングバンドに入団するんですが、その後はその筋では有名な高校に進学して、将来はドラムの指導者になりたいんだそうで。その夢を親としてどれくらいバックアップし応援できるかはちょっと分からないんですけど、少なくても邪魔だけはしたくないなぁと。
【ストーリー】
薬物依存症の母ペニーと靴下人形が手放せない問題児の妹ニコールと暮らす大学生イーライ。ピアニストとしての才能を買われ著名な音楽学校のオーディションを受けることとなったイーライだったが、その前に母親を薬物更生施設へ入所させなければならなかった。しかし、母親がここ数日薬物絶ちをしてたせいで薬物反応が出ず入所を拒否されてしまう。母親を入所させるためなんとしてでもドラッグを手に入れようとするイーライだったが・・・。
本作が長編初監督となる美術畑のフィリップ・ドーリングと、『フィラデルフィア』などの脚本を手掛けたロン・ナイスワーナーが共同監督として作り上げたヒューマンコメディ。
自分の夢の実現と母親の更生、崩壊しかけてる家庭の再構築のために母親にクスリをやらせようとする、ストーリー自体は結構ぶっ飛んでる本作。大事なオーディションが目の前に迫ってたり、片思いの女性に想いを告げようとしたりと、構成自体は典型的なドタバタコメディ。ただ、全くもって笑えず。
確かにコメディのストーリー展開を敢えて笑わせない演出で描くことにより、人間の滑稽さや悲哀を浮き彫りにする手法もあるし、そういった作品も嫌いではないんですが、本作はそこを狙ったっていうよりも、こうしか撮れないって感じ。画も暗いし。時折アート系気取りのショットを挟み込んだり、登場人物全員に何か良いことを言わせようとするのも悪い意味で外しっぱなし。
主演には、ここ数年名実ともに充実し始めているジェシー・アイゼンバーグが。そこに目を付けて日本未公開の過去作を引っ張り出してくるのは良いんですけど、『ゾンビランド』『アドベンチャーランドへようこそ』と「なんかランドが多いから」みたいに付けられた意味不明の邦題は難ありかと。
それはさて置き、暗く重ための顔立ちとユダヤ人らしい神経質さを持つジェシー・アイゼンバーグは使いようによってはコメディでも花開くとは思うんですけど、如何せん本作は演出も重いので作品をただただ重苦しくしてしまうキャスティングに。
また、母親役に扮した『イコライザー』のメリッサ・レオも、その実力を発揮し過ぎて本当に苛立たしいヤク中にしか見えず、これまた作品を重苦しく。
そうなってくると、否応がなしに“黒い出川”こと『コップ・アウト 刑事(デカ)した奴ら』のトレイシー・モーガンと、『処刑人ソガの凄まじい人生』のポール・カルデロンに期待をしちゃうんですけど、これまたどちらとも重々しくて台無しっていう逃げ場の無さ。
だいたいずーっとこんな感じ
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