2015年 カナダ/アメリカ/ニュージーランド映画 95分 アクション 採点★★★
「80年代映画のイメージと言えば?」という問題があったとすれば、個人的にはもう「ドン・ラフォンティーヌ!」以外になし。スプラッター旋風やら筋肉映画の全盛とかいろいろありますが、そういったものをすべて含めたのがドン・ラフォンティーヌの声。名前を見て「誰よ?」となる方も居られるかも知れませんが、当時の予告編のナレーターは大体このお方なので、声を聞けば納得されるかと。テープが劣化しボケボケになった会社ロゴ(ベストロンとか)が映し出された後、妙におどろおどろしいこのお方の声と共に予告編が流れてくると、どんな映画でもなんとなく面白そうと思っちゃったものですよねぇ。
【ストーリー】
核戦争により文明が崩壊し、貴重な水を巡って生き残った少数の人類が熾烈な争いを繰り広げていた1997年。コミックヒーローの“ターボライダー”に憧れる冴えない少年キッドは、そんな無法地帯で辛うじて日々過ごしていた。そんなある日、キッドは風変わりな少女アップルと出会い互いに惹かれあうが、一帯を牛耳る悪の首領ゼウスにアップルをさらわれてしまう。彼女を救い出すためアジトへと向かう道中偶然見つけたターボライダースーツに身を包み、キッドはゼウスに戦いを挑むのだったが…。
フランソワ・シマール、アヌーク・ウィッセル、ヨアン=カール・ウィッセルの若手3人が、ホラー・アンソロジー『ABC・オブ・デス』のコンペティションに応募した短編を基に長編化した、SFバイオレンスアクション・ラブコメディの80年代風味仕立て。だんだん村上信五に見えてくる主人公にマンロー・チェンバーズ、遠くから眺めてる分には可愛らしいヒロインにロランス・ルブーフ、ゼウス役にカナダが誇るスキャナー、『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』のマイケル・アイアンサイドがキャスティング。
ちょっと前の話になりますけど、『ラブソングができるまで』のテーマ曲“ポップ・ゴーズ・マイ・ハート”が素晴らしかったのは、80年代当時にこの曲があったとしても間違いなく好きになっていた曲としての完成度の高さなんですよねぇ。「っぽいでしょう」という想い出補正に頼ったものではなく、そのものの良さ。その観点から考えると、80年代にこの映画を観たとして、果たして夢中になったかと考えるとそれは微妙。
確かにいかにも世紀末然とした悪役のコスチュームや派手なスプラッター描写、シンセのサウンドにカラフルな衣装、ヒット作後に大量に製作されたパッケージ詐欺劣化版コピー作品のような安っぽさは懐かしさと楽しさに溢れているが、やはりそれは作り手の「っぽいでしょ?」に対し「ぽい!」と答えてしまう想い出補正によるものが大きいのかと。まぁ、年齢的にも作り手がリアルタイムで経験してきたものではなく、情報として後から得た物を再現したものだから記号の寄せ集めみたいになってしまうのは仕方がないことなんでしょうけど。
ただまぁ、様々なジャンルと記号のごった煮のようでいて意外と一本の作品としてきちんとまとめられており、中でも童貞少年と不思議ちゃんのラブコメディと少年の成長劇としてしっかり完成している点は評価すべきポイントでも。SFでもバイオレンスでもアクションでもスプラッターでもあるけど、一言でまとめると“童貞映画”になるみたいな。今回のように敢えて狙わず、世代的に素直に夢中になった題材で作品を撮ったら案外良いものが出来そうな気配があるだけに、ちょいと期待したい映画人かも。
リードしたいけどやり方が分からずリードされちゃうってのが童貞の特徴でも
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
特別それを意識せずにみていた私は
「うほッ」て感じで
ときめきがとまりませんでした。
B級映画らしくていいじゃない、です。
もっとチャリンコこいで欲しかったですけどねー悪役たち。
逆にドンピシャ世代過ぎちゃったんでしょうねぇ。。。
身近なだけに違和感も感じちゃって^^;