2003年 アメリカ/カナダ映画 86分 サスペンス 採点★★★★
車を運転していると、“めぐり合わせ”ってのを分かりやすい形で感じることが。家から本道へと入るため左折をしようとすると、右手から行けるか行けないか微妙な車間距離とスピードの車が。やり過ごしてから本道に入ると、前についたその車が非常に遅い。イライラしながら交差点に入ると、そいつは黄色信号をさっさと行ってしまい、私は赤信号に。「まぁ、ヤツもいなくなったしいいか」と安心していると、信号ギリギリで右折し私の前に入ってきた車が、またまた遅い。一分早く家を出てれば良いだけの話なんだが、そんな時はそんなことを考える余裕もなく、「きっと奴らは俺を邪魔する為だけに存在するんだ!」と決め付けることに。
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【ストーリー】
夜の11時14分。帰路を急いでいたジャックは、突然現れた男性を車ではねてしまう。動転したジャックは死体をトランクに隠すが、そこに現れた警官に死体を発見されてしまう。その数分前、悪友達と夜の街に繰り出したティムらは、わき見運転が原因で女の子をはねてしまい、駆けつけた彼女のボーイフレンドに銃撃される。ちょうどその頃、散歩中だったフランクは墓地で娘の彼氏の死体を発見し、娘の犯行と思い死体を処分しようと悪戦苦闘していた…。
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11時14分を軸に、同地域で起こった出来事が因果応報のごとく一つに繋がっていく様をオムニバス形式で描いた、ジム・ジャームッシュの『ミステリー・トレイン』を髣髴させる一本。
激安の人間達が浅はかな考えで安い犯罪に手を染めた結果、にっちもさっちもいかなくなってしまう姿を描く本作。程よく間の抜けた音楽をバックに、時にコミカルに、時にシリアスに描く緩急のバランスの良さに優れており、新人監督らしい一発勝負のアイディア先行型の作品とはいえ、全ての出来事と人物を短い時間で一つの輪にする手際の良さが見事。惜しむべきは、一つの輪に繋がった時点で「ハイ!出来ました!」の予定調和で終わってしまい、そこからさらにもう一歩踏み出す映画的ヒネリまで到達できなかった点であるが、「映画作んの、楽しーーーっ!」と叫び声が画面から聞こえてきそうな程、作り手が試行錯誤し、興奮し、楽しんでいる様子がヒシヒシと伝わり、非常に好印象でもある。
ところで本作、なんと読んだらいいかがわからない。“じゅういちじじゅうよんぷん”?“イレブン・フォーティーン”?とりあえず、イレブンだと決め付けてはいますが。
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新人監督のインディー作品ということもあり、派手なキャスティングではないものの、芸風から風貌から年々オヤジさんに似てきている『キング・コング』のコリン・ハンクスに、『父親たちの星条旗』のスターク・サンズ、『ホステージ』『X-MEN:ファイナル ディシジョン』のベン・フォスター、そして、いつまでたってもティーン役がハマるが今回はあまりに顔がパンパンで、随分と林寛子(もちろん最近の)に似てしまった『追撃者』『プッシーキャッツ』のレイチェル・リー・クックら若手が非常に充実している本作。そんな監督も含めた若手を相手に、「オレらが映画ってのを教えてやる!」と集まった『E.T.』の頃から顔の基本構造が全く変わっていないヘンリー・トーマス、『エンティティー/霊体』のバーバラ・ハーシー、『ロードハウス/孤独の街』のパトリック・スウェイジら、ベテラン勢の顔ぶれも凄い。まぁ“凄い”と言っても、「本日のスペシャルゲストはトンプソン・ツインズです!」と言われるような、嬉しいは嬉しいが“スペシャル”なのかどうかは甚だ疑問な顔ぶれなんですが。そんなある意味バランス感覚に優れたキャスティングの中、自ら製作総指揮を兼ねて出演した『リーピング』『ザ・コア』のヒラリー・スワンク。脚本上は男の役柄だったが「この役がやりたいけど、男役は前にやったし」と女性に書き変えたものの、ボサボサの髪と歯にビシリと矯正器具をはめたその姿は“女装したマット・デイモン”が褒め言葉になってしまうほどの汚れっぷり。これがまたホントに似合うんだから、素敵な女優さんですねぇ。
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オレも若い頃は夜な夜な家を抜け出して踊り狂ってたものよ
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>ところで本作、なんと読んだらいいかがわからないw
0:34 レイジ34フンなんてのもありましたっけ。
トンプソンツインズはHOLD ME NOWが懐かしいです。
>そこからさらにもう一歩踏み出す映画的ヒネリまで到達できなかった..
結局単なるクライムコメディでしたからね。
僕は単純にこれはこれでよかったです。
ついこの間『カクタスジャック』なんて傑作を観ちゃったんで、もう一歩映画の文法を無視した無茶なワンバウンドを期待しちゃったんですよねぇ^^;それなしでも、充分に面白かったですが^^
相変らずなんと読んだらいいか分からないんですが、もう“イレブン・フォーティーン”だってことにします。発売元の方。間違ってたらご一報を。
“女装したマット・デイモン”に爆笑、、、
思ってたよりも面白かったです。
タイトルは素直に日本語読みで。本当はなんと読むんでしょうか。
さ行にするかア行か、、、
一方的に“イレヴン・フォーティーン”に決め付けちゃってるので、ア行にしちゃいましたw
それにしても、思いのほか面白かった本作。この手の作品の情報を仕入れるのって、なかなか大変ですよねぇ^^;
ほんと、車を運転してるときに一番感じますよね、”めぐり合わせ”とか”もしも・・”とか。
幸い事故は起こしたことありませんが、あのときあそこで信号が赤だったら、あるいは青だったら、あと1分家を出るのが早かったら、遅かったら・・・事故にあわなかっただろうに(起こさなかっただろうに)・・って事故を起こしたり事故にあってしまったりしたら、絶対思っちゃいますよね。
この映画、上手く繋がってたし、キャストも良かったし、おっしゃる通り監督さんも俳優さんたちも楽しんで作ってただろうなぁ、と言うのが良くわかるような作品でしたよね♪
こちらからもTBさせていただきました♪
数年前、私の前の車が交差点で信号無視の車に衝突され、さすがにめぐり合わせってものを強烈に感じましたねぇ。。。
で、本作。一本の作品を作り上げようって意欲と喜びがたっぷりと詰まってたようにも感じましたね^^