2014年 メキシコ映画 100分 SF 採点★★★★
普段と何も変わらない行動を取ってるのに、異常に巡り合わせが良かったり悪かったりすることがありますよねぇ。“運”て言えばそれまでなんですけど、何かしらの見えない力が介在してるんじゃないのかって気になる時も。
【ストーリー】
刑事に追われた兄弟はマンションの非常階段へと逃げ出す。追う刑事の放った銃弾は兄の足に命中するが、それと同時に原因不明の爆音が響き渡る。刑事と兄弟の3人はその場から出ようとするが、非常階段の扉は固く閉ざされ、階段を下りると元の場所へと戻ってしまう無限ループに陥ってしまう。一方、別れた夫の経営するホテルへと向かっていた中年カップルと子供たち4人は荒涼とした道をドライブしていたが、鳴り響いた爆音を切っ掛けに無限ループに陥り…。
本作が初長編映画となるメキシコの新鋭イサーク・エスバンが脚本と監督を務めた、無間地獄の如き状況に陥った二組の姿を描くSFスリラー。
いやぁ困った。どうレビューを書いていいのやらサッパリ浮かばない。いや、面白かったんですよ。スゲェ面白い。ただ、観ながら頭の中で理解したことを文字に出来ない。もうもどかしいったら。下手に解説めいたことを書いちゃえば、それはそれで作品の面白さを削いじゃう気がしますし。
ってなわけで、手短&乱雑な無駄話でお茶を濁しますからご容赦を。
“罪悪感”が生み出してる世界でもあるので『トライアングル』的な霊的な方面へ寄った物語のように見えるが、どちらかと言えばパラレル版『アジャストメント』みたいな“大きな力の介入による運命操作みたいな、劇中にも登場するフィリップ・K・ディックの“時は乱れて”やエッシャーの騙し絵の世界を、ロッド・サーリングと藤子 不二雄Ⓐの手を通過して映像化したような本作。不条理で分裂症気味な物語ながらも、ただ乱暴にシュールな世界に放り込むわけではなく、散りばめられた伏線や小ネタがしっかり最後に機能する練り上げられっぷりに感服した一本で。ピースがカチカチとハマっていき、最後にその世界の構造を理解出来た瞬間の脳内快感たるや。最後に繰り広げられる、普通なら余計なお世話になりそうな解説的映像もその理解する上での手助けに。
ちょっと言葉足らずなので作り手の脳内のみで完成されてるパズルのような感じも受けるが、その理解しきれなさがまた、鑑賞後に「アレはあーでこーなんだよなぁ?」と何度も反芻して考え込みたくなる魅力を生んでるとも。実際、昨晩一緒に観た妻との今日の午前中の話題の中心はこの作品でしたし。
如何にもシチュエーション・スリラー的なパッケージに期待し過ぎると題材がまるで違うため肩透かしを食らう可能性もありますし、人を選ぶ作品でもあるんですが、私は好き。もう断言。
でも結局今の自分を作り上げたのは自分でしかなく
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
私も記事を書こうとして、記憶を巡らせて書いたものの…はっきりくっきり理解出来てないと感じています
でも後半の階段生活のアート的な地獄図とか凄く魅力的で、面白かった!
ループものはすきですが、
こういうのもありなのかと。
下手に表面だけなぞっちゃうと単なるネタバラシにしかならないですしねぇ。
にしても、この発想力とそれをちゃんと物語として完結させられる構成力には驚かされましたねぇ。