2015年 アメリカ/中国/カナダ映画 106分 コメディ 採点★★★
何気に最初の就職先が大手ゲームメーカーだったので、80年代後半から90年代に掛けたゲームセンターの大変換期をその目で見てきたっていうか先頭に立って行ってきた私。所謂ゲーマーが集うテーブル筺体主体のゲームセンターから、女性やファミリーも気軽に楽しめるクレーン機やプリント機、大型筺体やメダル機が主体となる現在のゲームセンターの原形を作り売上も大幅に向上させてきたんですけど、その業界を離れてしばらく経った今ゲームセンターに遊びに行くと、バネがだるだるのクレーン機とプリント機ばっかでさっぱり楽しくない。ゲームそのものの面白さに欠いた現状に、「あれ?私の目指してた理想のゲーセンってこんなんだったっけ?」と自分の行ってきたことを振り返ってしまう瞬間も。
【ストーリー】
グアムの空軍基地やインドを突如襲撃した往年のゲームキャラクターの姿をした謎の物体。それは、NASAが1982年に宇宙へ向け発した友好メッセージに含まれるゲーム映像を、宣戦布告と勘違いした知的生命体による地球侵略であった。通常の軍隊では歯が立たない状況に、元ゲーマーの米国大統領ウィルはかつてのゲーム仲間を集め戦いに挑むのだが…。
パトリック・ジーンの同名短編を基に映画化された、『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』のクリス・コロンバスによるSFアクション・コメディ。
アンブリンやライトな作風の中にパーソナルな想いを込めて未だに愛される作品を多く残すジョン・ヒューズの下で学んだとは思えぬほど、手堅いが題材に対する愛情や気配りの感じられない“ふつー”の娯楽作ばかり作ってる印象のクリス・コロンバスは正直好きな監督ではないんですが、やはりその“らしさ”が如実に出ていた本作。時代考証にもゲームの特性にもゲーマーの生態にも気を配った痕跡の無い、ふつーのSFコメディに。確かにパックマンやギャラガが出てくれば私世代は「懐かしー!」となるし、競合メーカーのキャラが並ぶ姿に驚きもしたが、それと同時に「でもなんか違う…」と感じてしまう一本に。
しかしながら、アダム・サンドラーやアレン・コヴァートら“ハッピー・マディソン”組ががっつり噛んでくれてるおかげか、80年代ヒット曲に溢れたアダム映画っぽさを味わえた一面も。一般的には役立たない特技が世界を救う様や、子供時代のトラウマでしがない中年男となってしまった男が立ち直っていく展開、ラブコメ場面で見せる切り返しや会話の妙など、最近ちょっと元気がなかっただけにアダム・サンドラーらしさが垣間見れて嬉しかったりも。
『靴職人と魔法のミシン』のアダム・サンドラーを筆頭に、『モール・コップ ラスベガスも俺が守る!』のケヴィン・ジェームズ、出るとは思ってたが予想外に出番の多かった嫁サンドラー、なんか久々に見た気がするアレン・コヴァート&ジョナサン・ラウラン&ニック・スウォードソンといったアダム一家が勢揃いしていた本作。ロブはどうした?
その他にも、『ミッション:8ミニッツ』のミシェル・モナハンや、『X-MEN:フューチャー&パスト』のピーター・ディンクレイジ、『インターンシップ』のジョシュ・ギャッド、『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』のブライアン・コックスに、こちらもちょっと久々に見た『チャックとラリー おかしな偽装結婚!?』のダン・エイクロイドといった賑やかな顔触れが勢揃い。
ただ、やはり一番の注目は『ソルジャーズ・アイランド』のショーン・ビーン。ほとんど期待していなかった本作を手に取ったほとんどの理由がショーン。「今日はどういう風に死ぬのかなぁ♪なにをやらかしちゃうのかなぁ♪」と楽しみに待ってる私の前に現れたショーンは………なんか太ってる。顔もお腹周りもパンパン。まぁ、ベテラン軍人の役だから恰幅良くしたんでしょうねぇと、そこはスルーし活躍を待ってるとなーんにもしねぇ。ただ怖い顔して怒ってるだけ。どうもクリス・コロンバスにとってショーンは、ただ怖い顔したイギリス人のようで。そんな怖い顔したイギリス人同士のショーンとブライアン・コックスを「キャッ!」と抱き合わせて「どう?面白いでしょ?」とこちらを窺うコロンバスに、やっぱりこいつとは趣味合わねぇなぁと痛感した次第で。
見たゲーム映像がバイオハザードとかじゃなくて良かったですねぇ
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