2016年02月05日

カジノ (Casino)

監督 マーティン・スコセッシ 主演 ロバート・デ・ニーロ
1995年 アメリカ/フランス映画 178分 ドラマ 採点★★★★

パチンコやパチスロといった、所謂ギャンブルってのに全く興味の無い私。もう少し詰めて言うなら、ギャンブル好きな人が嫌い。チップ上で設定されたペイアウト率が全ての世界だってのに、わざわざ攻略本まで買って大金をつぎ込む神経が分からない。でもまぁ、ビジネスとしては優れてるなぁと思ってたりも。程よく出してしっかり搾り取るバランス感覚にしろ、絶妙に弱みを突いたやり方にしろ、善良な世界とは言いませんが金儲けのやり方としては上手いなぁと。

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【ストーリー】
賭博師としての才能を買われ、ラスヴェガスのカジノ“タンジール”の経営を任されたサム・ロススティーン。経営にも天賦の才を発揮するサムの手腕によりカジノの売上は伸び続け、背後に控える組織の信頼も得ることに。やがて一目惚れした美人ハスラーのジンジャーと結婚し彼の人生は絶頂期を迎えるが、同郷のギャングで友人のニッキーがヴェガスに移り住んでから事態が徐々に悪化してきて…。

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監督にマーティン・スコセッシ、原作と脚本にニコラス・ピレッジ、そして出演がロバート・デ・ニーロとジョー・ペシという『グッドフェローズ』組が再集結して作り上げた、ラスヴェガスの裏側を舞台に描かれるモブ・ドラマ大作。
最近では大企業が経営するカジノが大多数を占め健全なエンタメギャンブル街というイメージが強いが、まだまだマフィアが頑張ってた頃の70〜80年代を舞台に、その裏側をつぶさに描いた本作。サクっと映画を楽しみたい時には手を出しにくい3時間という長さだが、ひっきりなしに誰かが喋ってるナレーションとキレの良い編集、そしてポイントを絞って繰り出されるバイオレンス描写が圧倒的なスピード感を生み出し、観る者を最初から最後まで釘づけにして時間を忘れさせてくれる。
また、主要キャラ全員がギャングだった『グッドフェローズ』とは異なり主人公が賭博師ということもあって暴力的な描写は減っているが、その分ふっ飛んだデ・ニーロがクルクル回るオープニングタイトルでも味わえる独特なユーモアが常にドラマ上に漂い、そのユーモラスな雰囲気に油断してる隙に凄惨な暴力描写が挟み込まれる緩急の付け方も見事。“モブ・ドラマのスコセッシ”を決定づけさせるだけの巧みさを持った一本で。
リベンジ・マッチ』のロバート・デ・ニーロを筆頭に、『いとこのビニー』のジョー・ペシ、人気に陰りが出始め起死回生を狙ってます感がありありだった『トータル・リコール』のシャロン・ストーン、『ハード・ウェイ』のジェームズ・ウッズといった、人気と実力を兼ね備えた大物が揃った本作。楽しむことよりも緻密な計画を立てそれを実現することに心血を注ぐデ・ニーロ扮するサムや、“友人”に対しては全幅の信頼と愛情を示しながらも、その関係に少しでもズレが生じれば途端に殺意を向け始めるピットブルのようなニッキーに扮したジョー・ペシなど、その役者の持ち味を最大限に引き出すキャスティングも魅力。

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ネタがネタだけに基本的に皆クズの役なのだが、その中でもシャロン・ストーン扮するジンジャーはピカイチ。人間的にはジェームズ・ウッズ扮するヒモ男がダントツのクズなんですが、印象とインパクトに関してはジンジャーに軍配。結婚し莫大な財産を手にし子供も儲ける最高に恵まれた環境を手にしながらも、クズのヒモ男との浮気も貢ぐこともやめず、仕舞いには夫の友人でもあるジョー・ペシにも手を出し事態を悪化させるジンジャー。酒と薬に溺れ、他の男と逢引に行くために実の娘をベッドに縛り付けるクズ中のクズとして描かれている。
ただまぁ、言い寄る男を巧みに手玉にとり、身を守るために強い男に近付き、自分の愛情は情けないダメ男に全て注ぐジンジャーの生き方や性質ってのは理解できなくもないんですよねぇ。そう生きることにメリットがある世界ですし。「愛してないと言っても、あれだけのことしてくれる男なんだから諦めれば良いじゃん!何が不満なの?」って意見も分からなくもないですけど、たぶんそれはサムを男前のデ・ニーロが扮してるからそう思うんだろうなぁ。実際ジンジャーが悪いのは確実なんですけど、サムの人としての面白味の無さってのは拷問級でしたし。
共感も身近さも感じない別世界の別人種の物語ではあるんですけど、深く描き込まれた描写にふと自分の中の悪さや弱さを見出す瞬間があったりする、非常に良く出来たドラマで。

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“人生”ってギャンブルでは負け続け

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posted by たお at 09:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | 前にも観たアレ■か行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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