2014年 アメリカ/フランス映画 103分 サスペンス 採点★★★
描きたいことを全て盛り込むってのは、本や連続TVドラマならまだしも、映画では基本的に無理なことなんですよねぇ。回転率云々をさて置いても、20時間の映画とかってなかなか食指が伸びませんし。でも、その“描けない”がある意味映画の醍醐味でもあると思ったりも。削りに削り、大胆に省略しつつもテーマを見失わず尚且つ面白い作品に仕上げるってのが、映画作家の腕の見せ所ですし。
【ストーリー】
全ての犯罪が合法となるパージが数時間後に迫る中、家路を急いでいたシェーンとリズの夫婦の車が故障し、街中で立ち往生してしまう。一方、低所得者地域で暮らすシングルマザーのエヴァのアパートには襲撃者が現れ捕えられてしまう。そして、事故で失った息子の仇を討つため、レオは完全武装で街へと繰り出す。そんな彼らが出会い…。
ジェームズ・デモナコによる一晩だけ国中が無法地帯となる様を描いた、なんかGTAオンラインの日常の映画化みたいな『パージ』の続編にあたるアクションスリラー。
“何をやっても許される”という設定に頼りっきりな骨組みだけ映画だった前作に比べれば、ごく一部の富裕層が全てを握る民主主義の皮を被った封建社会である現実に対する批判や、動きを増したドラマ描写、制度下における日常の変化など格段と改善されていた本作。また、設定の“いくらなんでも…”感も、支配層の姿がより明確になることで、大衆のガス抜きであったコロシアムでの殺し合いに熱狂する民衆と仕掛け人の関係図のように辛うじて無理のない感じに。足手まといはただただ足手まといなだけというイライラ人物描写は相変わらずだが、“戦う男”が非常に似合う『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』のフランク・グリロが中心にどんと構えているので、その辺の不満もある程度解消。にしても、ここ数年のグリロの活躍っぷりは凄いなぁ。
三部作の最終章となる『The Purge 3』が現在撮影中らしいんですけど、恐らく本作で描かれ始めた反政府グループの戦いが中心になるのかと。確かにそれ以外はない展開ですしその点には不満がないんですけど、でもこの三部作って余裕で一本の作品に収まるんじゃないのかなぁって気も。一作目は極端な話テロップやナレーションで事足りる内容でしたし、本作も佳境に入るまでのプチクライマックスって印象が。なんというか、どうしても三部作にしなければならない内容ではない感じがするんですよねぇ。まぁ、最近こういう水増しミニシリーズ作って多いんですけど、正直あんまり好みのやり方ではないかなぁと。
「自分だけ楽しければいい」ってのは結局言い訳でしかなく
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
一家集中閉塞、ストリートときたので、
次はどうなるのか気になるところであります
そもそも富裕層よりも絶対的に貧困層が多いのにこんな法案が通るほうも通るほうだ。これをいっちゃあ映画になりませんが。
>こんな法案が通るほうも通るほうだ
でもまぁ、現実いつの間にか成立しちゃってる法案なんてのも経験してるので、強ち絵空事でもないんですよねぇ。これほどの法案は別にしても。。。
アメリカだと政権が交代したら通ってしまいそうな法律に思えるから怖いですよね。
わたしは1のホラーの雰囲気が好きでした。今作はもうアクションになっていますね。
こうなったら富裕層VS貧困層の戦いかしら。どこかで見たような感じがするなあ。
最近だとハンガー・ゲームなんかや、古くはデス・レースやらバトルランナーやら、なんだかんだ数多くあるテーマではあるので、一種の安心感と共に楽しめた作品でも。
ほう!3作目が作られているのですね…結局観に行ってしまう自分がいることでしょう。
なんやかやで、ちょっとお祭り気分なのかな、「パージ」の日って。と思った1・2作めでした。
「自分だけ楽しければいい!」って人にとってはお祭りなんでしょうけど、圧倒的多数の人にとっては迷惑極まりない日ですよねぇ。