2014年 日本映画 91分 ホラー 採点★★
好きなもの同士を掛け合わせたからって、それがより素晴らしいものになるとは限らないんですよねぇ。私の大好物2強であるピザとずんだ餅を合体させても、ただただ心の荒むピザが出来上がるように。また、フィールドの違う二種類を掛け合わせれば何か生まれそうな希望はありますけど、似たようなものの掛け合わせには予想を超えるものは生まれにくいのかも。ポテチのうす塩とコンソメを掛け合わせても、ただしょっぱいコンソメになるみたいに。そんなことを、最近公開された『貞子VS伽椰子』の予告編を観ながらふと。
【ストーリー】
小学3年生のクラスを急遽担当することとなった結衣は、不登校児である佐伯俊雄の自宅を訪ねることに。しかし俊雄には会えず、そこには様子のおかしい母の佐伯伽椰子がいるだけだった。だが、その日を境に結衣の周囲で怪異が巻き起こる。一方、呪われた家として有名な一軒家に肝試しに入った女子高生の七海ら4人。彼女らの周辺でも異変が起き始め…。
オリジナルビデオ版の一作目『呪怨』のリブート的意味合いを持ちつつ、劇場版『呪怨2』の要素も交えた本作。呪いの発生源が伽椰子ではなく俊雄君だってのが新味。ただ、肝心の俊雄君が持つ凄惨な生い立ちを物語に活かし切れてないため、これまでの伽椰子が放ってた強烈な怨ほどの力が感じられず。また、三下に成り下がって出番が減った伽椰子に代わって出ずっぱり俊雄君だが、先に挙げた怨が描ききれてない為か、オカッパ頭にパンツ一丁で白塗りの子供が画面に見切れているだけという、恐怖よりも珍妙さが前に出てしまった結果に。全身白塗りにブリーフ一丁の男子で観客が震えあがると本気で思ったんでしょうか?
まぁ、これでも恐怖演出さえ冴えてれば俊雄君でも十分いけたんでしょうが、肝心の恐怖演出がダメ。Jホラーを代表する監督の一人である落合正幸だけに期待したんですが、ただただでかい音が鳴り続けるという、怖いというより喧しい作品に。清水崇と高橋洋が居ないとこんなにも違うのかと。巨大女子高生とか、実は笑わせにかかってるのかと思った描写も少なくないですし。
時系列を散らかすことで全てが合致した際に「おぉ!」と思わせる物語構成はいつも通りではあったんですが、重要な初代俊雄君パートが少なくて、トリンドル玲奈がメインに立つ別になくても成立する女子高生パートが長いという配分面でも難があった、好きなシリーズだけに残念な一本で。まぁ、佐々木希を愛でる分には損のない作品ではありましたが。
数ある候補から佐々木希を“新ママ”に選ぶなかなかのやり手
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白塗りパン一が不気味かっていわれたら
それ違うよなーとしか思えないんですよ
正直、その原点も人をどんどん巻き込むような怨念極まるような呪いにも感じられなかったし。
もともと“怖い4:面白い6”な存在だった俊雄くんを前面に出して、尚且つ演出がダメなもんだからただ全く怖くないパンイチ小僧になっちゃったんですよねぇ。