2014年 アメリカ映画 95分 ドラマ 採点★★
既にギターやベースでの曲作りはやってましたが、「ちょいとキーボードもやってみるか!」と初めてのキーボードを買った17歳の夏。鍵盤楽器などやったことがないので思いのまま音を鳴らし、それを宅録して「すげぇ!なんかアバンギャルド!」と喜んでいたんですけど、数年後に改めて聴いてみると曲の形にすらなっていないデタラメなものばかり。そんなものを「すげぇだろ?」と知人に聴かせていたんだから、無知ってのは無敵だなぁと。
【ストーリー】
二人の息子を育てるシングルマザーのビリーは、経済破綻により人々が去っていくゴーストタウンで暮らしていた。彼女もまた経済的に困窮しており、ローン返済のために銀行家の紹介で怪しげな劇場で働くことに。一方、息子のボーンズは近所に住む少女ラットと知り合い、貯水湖に沈んだ街の一部がこの街を呪っていることを知り…。
『ラブ・アゲイン』のライアン・ゴズリングが初めて脚本と監督を務めた、ニコラス・ウィンディング・レフンの影響も垣間見られる何か変な映画。主演に『ドライヴ』のクリスティナ・ヘンドリックス、共演に『わたしは生きていける』のシアーシャ・ローナン、撮り様によってはちょい綺麗なヒラリー・スワンクになってしまう『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』のエヴァ・メンデス、『血ぬられた墓標』のゴシックホラー女王バーバラ・スティールらが。
幻想的な物語や凝りに凝ったカメラアングルやショット、グラン・ギニョールを題材に盛り込みつつバーバラ・スティールをキャスティング。隅々から「どうだい?オレの映画どうだい?オレのイマジネーションどうだい?」ってのが伝わってくる本作。役者ライアン・ゴズリングは嫌いではないのでその前衛的でもあるアート志向を好意的に受け止めたいんですけど、なんともセンスが暴走しただけで地力が伴ってない故に映画としての形になっていない一本に。初めての一眼レフでモノクロ空写真を撮りまくってる感じの。かつてヘタウマと称されたジム・ジャームッシュや、脳内映像をまんまフィルムに焼き付けるデヴィッド・リンチなどはセンスを暴走させればさせるほど面白くなるんですけど、やっぱりそこにはセンスを支える基礎力があったんだなぁと確認出来た作品でも。
まぁ、複雑なオモチャを自分なりに遊んでいるような愛らしさは感じられましたし、そもそも手に取った要因である「動いてるシアーシャが観たい!」って欲求は満たされたので★オマケで。
“アート”と“アートっぽい”の違い
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓