1996年 ニュージーランド/アメリカ映画 110分 ホラー 採点★★★★
ムーが愛読書だった子供の頃、“あなたの守護霊に会おう!”とか“オーラの色を確認しよう!”なんて記事を目にしたらもれなくお試ししてみた私。行動範囲内に「あそこ出るってよ!」って場所あれば、ホントに出たらちょっと困るので昼間に行ってみたりもしましたし。結局なにも見えないし会えなかったんですけど、それでも「霊が見たい!」と思ってたものです。見えたら見えたで「怖い!」となるだけなのに。なんでしょうねぇ、“死んでも終わりじゃない”ってのを確認したかったんでしょうかねぇ。
【ストーリー】
知り合いの幽霊と共謀したインチキ悪霊払いで生計を立てているフランク。一方、町では謎の心臓発作により人々が次々に死んでいく怪事件が続発していた。そんな中、仕事で知り合った女医リーシーの夫の額に謎の数字が浮かび上がるのを見たフランクは、その数字と町を跋扈する死神との関連性を知り…。
本作がハリウッドデビューとなった、“ロード・オブ・ザ・リング”シリーズのピーター・ジャクソンによるホラー・コメディ。製作総指揮にはロバート・ゼメキスが。
最新映像技術と既存のエフェクトを巧みに混ぜ合わせ、目新しいのにどこかクラシカルな雰囲気を作り上げるピーター・ジャクソンらしい独特の世界観がハリウッドにおいても霞むことなく表れていた本作。年月と共に急速に古びてしまうCG映像を補う、『狼男アメリカン』のリック・ベイカーによるゴーストメイクも見事。
また、この後に流行るCGゴーストが派手に暴れまわるだけの怖くないホラーアトラクション映画とは異なり、霊的・人的な怖さってのをしっかりと描き込んでいるのも良い。この怖さの土台があるからこそ、連続殺人鬼ってだけでも怖いのにそれが幽霊だってんだから手に負えないという、怖さと特殊なユーモア感覚のブレンド具合が効いてるのかと。丁寧に伏線を回収しながらツイストの効いた結末に持っていく脚本にしても、力強くスピーディに進む演出にしても、どれを取っても今なお楽しめるエンタメ作品の快作で。
主人公のフランクに扮したのは、『ハード・ウェイ』のマイケル・J・フォックスが。この後パーキンソン氏病であることを公表し一線から退いたため、本作がメジャー映画主演最後の作品に。意識をして見れば多少の影響が垣間見られるが、当時はちょっと元気のなかったマイケルが持ち味の軽妙さと幼さを残しつつ陰と皮肉っぽさを織り交ぜた新しい姿を披露し、「お?ちょっとこれから楽しみだぞ!」と思ってただけに映画でその姿を見れなくなったのは正直残念で。
その他、「あら、E.T.ママがこんなんなっちゃった!」と驚いたディー・ウォーレス=ストーンや、エンパイア・ピクチャーズ作品の時となんら変わらない怪演っぷりが嬉しい『フロム・ビヨンド』のジェフリー・コムズ、怪優ゲイリー・ビューシイの“怪”の部分のみを受け継いだジェイク・ビューシイ、庶民的ヴァージニア・マドセンっぽいトリニ・アルヴァラードに、『フルメタル・ジャケット』のまんまなR・リー・アーメイといった個性的過ぎるキャスティングも魅力だった一本で。
ちょいとズレますが、天国で最愛の人と再会するってな映画や話って多いですよねぇ。でも、親子のように揺ぎ無い関係であれば分かるんですが、それが奥さんや恋人だったらどうなんだろうと。例えば、心の底から愛してた奥さんと死別してその後自分も死んだなら双方に“再会”の喜びがあるんでしょうけど、もし同じくらい愛してる人と出会って再婚してたりしたら、どっちと再会するんだろう?待ってる立場としてもどう立ち振る舞えばいいのかなぁと。ギスギスしそうなんで間を取って親元に行くのが無難そうですけど、結局親も他人同士の結婚で成立してるから揃ってるとも限らないよなぁとか、そんなことを考えちゃうんですよねぇ。
死んだ時の容姿しか選べないのかなぁ?
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