2005年 オーストラリア映画 99分 ホラー 採点★★★
通り魔や強盗など勝手に向こうから悪意がやって来るものはアレですけど、基本的には犯罪を起こしそうな人達と関わらない、テリトリーに入り込まないってのが犯罪に巻き込まれない一番の防御法だと思ってる私。まぁ、知らない内にそのテリトリーに迷い込んでしまうってのも困りものなんですが。
【ストーリー】
オーストラリア横断旅行を楽しむイギリス人のリズとクリスティ、そしてオーストラリア人のベン。しかし、彼らの車がウルフクリークの国立公園で故障してしまい足止めを食らってしまう。そこへ現れたミックという男に助けられた彼らだったが、目を覚ますと自分たちが拘束されてしまってることに気づき…。
自分なりにもうちょっと分かりやすい表現はないかと思案するも、結局巷で言われる“オージー版悪魔のいけにえ”ってのが一番シックリくるカンガルー・ホラー。『レッド・ヒル』で製作総指揮を務めていたグレッグ・マクリーンが、オーストラリアで実際に発生したいくつかの殺人事件をベースに映画化。
男ひとり女ふたりの微妙な関係が生み出す仄かな恋模様や友情物語から一転、こちらの常識が一つも通用しない男によっての容赦も救いもない殺戮が繰り広げられる世界へと叩き落とされる落差が激しい本作。その落差が愛も友情も歯が立たない底知れぬ恐怖を生み出している。また、そこかしこに武器があるにもかかわらず手にせず、ようやく手にした銃は瞬く間に落とし、倒した敵にはとどめを刺さないなど、こちらのフラストレーションを溜めまくる行動の数々も、正常な判断能力を失わせるだけの極限状況に陥ってる様を巧みに表現。
ミック・テイラーに殺戮者としてのカリスマ性が少々足りない感もあるが、その辺もまた“荒野だったらどこにでもいそうな男”という特定しにくい怖さを生み出しているのかと。なによりも、見渡す限り何もないオーストラリアならではの景観が、助けなんか全く期待できない恐ろしさを。“ウルフクリーク”って地名からして怖そうですし。途中にある“エミュークリーク”はなんかちょっと可愛いですけど。
悲鳴なんて絶対届かない
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