2014年 アメリカ映画 114分 サスペンス 採点★★★
最近めっきり本を読まなくなってきた私。別に読書欲が無くなったわけでも面倒くさいわけでもないんですが、どうにもこうにも目が疲れてしんどい。っていうか、よく見えない。もともと視力自慢だったんですけど、流石に年齢と共に徐々に衰え始め、最近では子供の集合写真から自分の子を見つけられないほどまで劣化。運動会なんかに行ったら、全然知らん子をカメラで連写してたりしますし。まぁ、字幕が見えなくなったらメガネデビューしようかと。
【ストーリー】
1999年のニューヨーク。とある事情で警察を辞め、それと同時に禁酒を誓ったしがない私立探偵マット・スカダー。そんな彼のもとに、ドラッグディーラーの男から妻を誘拐し惨殺した犯人の捜索依頼が舞い込む。やがて、警察に助けを求められない麻薬犯罪者の身内を狙い凌辱の果てに惨殺する犯人グループの存在に辿り着くスカダーだったが、そんな中、新たに14歳の少女までもが誘拐されてしまい…。
『800万の死にざま』でも知られるローレンス・ブロックの“マット・スカダー”シリーズの一遍“獣たちの墓”を、『愛と死の間で』『マイノリティ・リポート』の脚本を手掛けたスコット・フランクが脚色し、自らメガホンも握り映画化したクライム・サスペンス。製作者の中にはダニー・デヴィートの名も。もともとは、ジョー・カーナハンが『NARC ナーク』の次にハリソン・フォード主演で映画化する予定だったとか。
身代金はボーナスのようなもので、あくまで真の目的は非道極まりない凌辱とその後の惨殺にある連続猟奇誘拐殺人犯と、重い過去を背負う元刑事の私立探偵との戦いを描いた本作。ほぼほぼ現代に時代設定を置きながらも、どこか往年のハードボイルド映画を彷彿させる雰囲気も魅力。また、登場人物に多くを語らせない代わりに一つ一つの台詞を大切にし、その言葉と言葉の間に心情や背景を浮かび上がらせる読書感を残した脚本家ならではの丁寧な作りも上手い。妻を殺された怒りや悲しみ、憎しみを表には出さないが内側でたぎらせている夫の様や、婚約者が殺されたっていうのに妙にサバサバしている男の姿など、真人間とはちょっと違う犯罪者たちの描写も悪くない。何が行われているのかが分かると戦慄が走るオープニングや、物語からはちょっとずれるが、サウンドガーデンの“ブラック・ホール・サン”をカヴァーしたエンディング曲も良い仕上がり。
ただ、丁寧に作り過ぎたせいかメリハリに乏しく、犯人へと繋がる手掛かりの発見やクライマックスに訪れる葛藤、過去との関わり方など肝心なターニングポイントがモヤっとしてしまうのがなんとも惜しい。また、そのメリハリの乏しさがこの作品ならではの個性ってのを生成しきれていない印象も。
まぁ、その印象を強めた一因が『フライト・ゲーム』『96時間/レクイエム』のリーアム・ニーソンにあるのかと。酒びたりの末にやらかしてしまった過去を引きずる主人公役はピッタリだし、むやみやたらと振りかざさない静かな正義感や強さと弱さを兼ね備えてる様もリーアムならでは。ただ、その“リーアムらしさ”ってのが本作を“最近のリーアム映画”ってジャンルに埋もれさせてしまい、マット・スカダー作品ってのを薄めさせちゃったのかなぁと。逆を言えば、リーアム映画を求める分には不満もない作品ってことにもなりますけど。
そんなリーアム・ニーソンと『ラン・オールナイト』でも共演していたボイド・ホルブルックや、『靴職人と魔法のミシン』のダン・スティーヴンス、『イコライザー』のデヴィッド・ハーパー、物語に良い感じの変化と弾みをもたらしていた相方役のアストロなんかも悪くなかった一本で。
安心感も善し悪しかと
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タイトルの意味が分かりませんでした。(^^;)
断酒会のきまり(?)みたいなのはありましたが、誘拐の掟ってなんだったんでしょう?
なんとなくそれっぽいタイトルにしただけで、内容とはさっぱり関係がない相変わらずな邦題ですよねぇ。。。
ただリーアム・ニーソン強さを求めると肩透かしかもしれませんね。
こちらからもTBお願いします。
確かに96時間的な強さを求めるとアレですが、最近のちょいしょぼくれたリーアム映画のひとつって感じは免れなかったですねぇ。ちょっと近いタイミングで似た映画に出過ぎな気も。
ラストも盛り上がりに欠けましたねえ。
以前映画化された『800万の死にざま』は原作の良さを残す作品だったんですけど、これは良くも悪くもリーアム映画でしかなかったですねぇ。