2015年11月06日

ヘッドハンター (Hodejegerne)

監督 モルテン・ティルドゥム 主演 アクセル・ヘニー
2011年 ノルウェー/スウェーデン/デンマーク/ドイツ映画 100分 サスペンス 採点★★★

なにやら若者の恋愛離れってのが深刻だとか。興味がないとか気の合う仲間と一緒にいた方が良いとか、はたまた面倒くさいとやらのもっともらしい理由を挙げてるようですけど、要はフラれて傷つきたくないだけなんでしょうねぇ。最近の“フリ方”にも問題あるよなぁってのはいずれ触れるとして、こういう方々に対し「高望みし過ぎ!」って声もチラホラと。ただ、フラれ続けて数十年の私からすると「高望みしなさ過ぎ!」って印象があるんですよねぇ。「望めば大統領にでもなれる!」みたいな夢と希望の大安売りはどうかと思いますが、恋愛にしろ仕事にしろ生活環境にしろ、多少背伸びすることで得れることが多いと思うんですよねぇ。もともとダメ元なんですし。

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【ストーリー】
有能なヘッドハンターであるロジャーは、その低い身長を除けば美しい妻を持ち豪邸で暮らす誰もが羨む生活を送ってるように見えた。しかし、妻の気持ちを繋ぎ止めその生活を維持する為、彼は顧客の情報を巧みに利用して高級絵画を盗み出す絵画泥棒としての裏の顔を持っていた。そんなある日、新顧客である精密機器メーカーの元重役クラスの持つ絵画を盗み出したロジャーであったが、それをきっかけに命を狙われるようになり…。

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ジョー・ネスボによるベストセラーミステリー“ヘッドハンターズ”を、『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』のモルテン・ティルドゥムが映画化したクライム・サスペンス。クリスチャン・スレイター扮するヘッドハンターが顧客を執拗に追いかける同名映画と立場を逆にしただけのような気がしないでもないが、一応別作品で。
先の読めない展開に一種の心地よい翻弄を味わえる本作。冷静に考えれば、“A社に入社し企業秘密を盗み出したい→じゃぁヘッドハントされよう!→興味を持ってもらうためにそいつの妻に近付こう”までは分かるとしても、“妻に手を出したのバレて仕事紹介してくんね→殺そう!”の流れがいささか乱暴過ぎるし、愛人絡みの話など詳細に描いてないことを良いことに力づくでまとめ上げてる感も拭えないんですが、細かい伏線をあれよあれよと回収しつつ、一番説得力のある着地点に難なく着陸する手際の良さは見事。小説ならではの面白さを残しつつ、映画的なダイナミックさとスピード感を損なわなかった良い例のひとつなのかと。顔面陥没、犬串刺し、全身ウ○コ塗れと、要所要所にビックリするシーンを挟み込んでるのも良いスパイスに。
また、身長も含め色々と身の丈に合ってない生活を手にしてしまった男の悲哀劇としても面白い。妻を失いたくない一心で罪と嘘を重ねていく主人公の姿は、痛々しくもありつつその気持ちが理解できなくもなかったなぁと。

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主人公のロジャーに扮したのは、『30アサルト 英国特殊部隊』『ヘラクレス』のアクセル・ヘニー(168cm)。ぱっと見スティーヴ・ブシェミに見えちゃう瞬間こそ多々でございましたが、それが高級車に高級装飾品、豪邸に美人妻を手にしてるんだから“無理してる”感並々ならず、非常に丁度いいキャスティングに。
一方のクラスに扮したのは、『MAMA』『オブリビオン』のニコライ・コスター=ワルドー。“北欧ハンサム図鑑”なるものがあれば表紙を飾りそうな彼だが、そこから漂う微妙な胡散臭さが役柄にマッチ。欲しいものは全て向こうからやって来る上に、自分の大切なものも全て持ってかれそうな男の敵役を好演。
そんなニコライ・コスター=ワルドーと並ぶと全く生活感を感じさせない、それこそ雑誌の表紙みたいだったシヌーヴ・マコディ・ルンドの、ブリジット・ニールセンから若干威圧感を抜いたような美貌を印象的。「誰もが自分に好意を持っていて、自分もそれは承知してる」ってのがぴったりハマる、典型的な美人だったなぁと。冷たさと温かさが混在した美人だったので、一時話が出たっきり止まってるハリウッド・リメイクが進むのならば、是非ともシャーリーズ・セロンにやっていただけたらと。

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背伸びの為に無理するのと無茶するのは別

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posted by たお at 14:55 | Comment(2) | TrackBack(1) | 前にも観たアレ■は行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
真面目に作って面白くなっちゃうってのが一番可笑しい映画ですよね
これもそのひとつ
背が低くて小柄なのがむしろお助けになるという展開は笑いがこみあげるものばかりでした
Posted by maki at 2015年11月07日 10:03
maki様、こんばんは〜♪
じわじわと笑いがこみ上げる、独特なユーモアセンスに彩られた一本でしたねぇ。背が低いのがコンプレックスなのに、敢えてそれが際立ってしまう奥さんを選んじゃうのもなんとも可笑しく悲しいなぁと。
Posted by たお at 2015年11月09日 16:51
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ヘッドハンター
Excerpt: 背が低い所を除けば、ロジャー・ブラウンは全てを手に入れた男だった。成功したヘッドハンターで、美人妻と高級住宅住まい。ただ彼には秘密があった。実はその暮らしを維持するために芸術品を盗んでいるのだ..
Weblog: いやいやえん
Tracked: 2015-11-07 10:02