2015年10月17日

ハートブルー (Point Break)

監督 キャスリン・ビグロー 主演 キアヌ・リーヴス
1991年 アメリカ/日本映画 122分 アクション 採点★★★

本来のヒーローよりも悪役の方が輝いてる作品って多いですよねぇ。まぁ考えてみれば、「あれやっちゃダメ、これもやっちゃダメ」と制約の多いヒーローよりも、ルールが適用されずに好き放題できる悪役の方が作ってる方としても楽しそうですしねぇ。実生活でも善人ぶってばかりいる人ってのはイマイチ信用できなかったり、ちょっとしたミスがステイタスをガタ落ちにさせたりするのに対し、勝手気ままな人ってなんか妙にモテたりもしますからねぇ。どうまとめたらいいかちょっと分からなくなってきましたが、まぁ自分に正直に生きるのがよろしと。

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【ストーリー】
歴代大統領の覆面を被り、誰も傷つけず僅かな時間で犯行を終了させる銀行強盗が、ロサンゼルスのベニスビーチで続発。犯人は非常に統制のとれた集団で尚且つサーファーであると目星をつけたFBIは、新人捜査官のジョニーをビーチに潜入させる。やがて、とあるグループのリーダーのボーディと知り合い絆を深めていくジョニーだったが…。

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悪の魅力を描き切った『ニア・ダーク/月夜の出来事』や『ブルースチール』でのキレの良いアクション演出で注目された女流監督キャスリン・ビグローが、ただでさ男社会の傾向が強いハリウッドにおいて、ことさらその傾向が強いアクション映画界に乗り込んで作り上げた犯罪アクションドラマ。製作開始当初はまだギリギリ旦那だったジェームズ・キャメロンが製作総指揮を。近日、本作をリメイクした『Point Break』が全米公開予定。
これまでも潜入捜査官がエキセントリックな捜査対象者に心酔していったり深い絆が生まれたりする作品は多かったが、その中でも未だに根強い人気を誇る本作。如何せんサーフィンなるものにそこまでの情熱を持ち合せていないし、大自然を相手にした禅問答のようなやりとりにもピンと来るものが私自身にはないのでそこまでのめり込むことはないのですが、音楽をやってる人間が集まる世界にはそこだけの言語や空気があるように、ある特定のグループが持つ空気感やそこでしか生まれえない絆ってのは非常に良く描けている一本ではと。大自然を相手に死の恐怖を一歩踏み越えた者同士の繋がりってのは、私のようなインドア派の人間にでもよく伝わってくる描かれ方。派手なアクションを期待するといささか肩透かしを食らうが、その世界観やダークヒーローであるボーディの魅力など、脚本の足りない部分をキャスリン・ビグローがしっかり補ってた印象が。
ただまぁ、主人公の身分がバレてからの苦悩や葛藤もそこそこに、単なる犯罪者と化したボーディを相手によくあるアクション映画と化してしまった終盤はいただけず。この、せっかく積み上げてきたものがゴール目前で崩れてしまう感じがもったいないなぁと。

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新人捜査官のジョニー・ユタに扮したのは、当時注目の若手真っ最中だった『フェイク シティ ある男のルール』のキアヌ・リーヴス。どういうわけか“演技派”と称され、この後に史劇などで大いにやらかしてしまうキアヌだが、本作では結構な時間をキアヌが最もハマるビルとテッドのテッド系統のキャラとしてビーチで過ごしているので、然程粗も目立たず。まぁ、捜査官のパートになると途端に作品がフワフワしちゃうのはアレでしたが。
ただ、そんなキアヌのフワフワ感をシッカリと抑えてくれてたのが、『若き勇者たち』のパトリック・スウェイジ。どちらかと言えば海よりは山が似合う気もするので、潮焼けしたチリチリ頭を見慣れるまで少々時間が掛かってしまったが、もともと若者たちの精神的支柱となる役柄が似合う彼だけに強盗団のカリスマ的リーダーを好演。『ロードハウス/孤独の街』ばりの格闘アクションを披露してくれるのも嬉しい。
また、『ビッグ・ウェンズデー』からの流れなのか、ビーチの住人感が見事に出ていた『リーサル・ウェポン』のゲイリー・ビューシイや、『追撃者』のジョン・C・マッギンレー、『タンク・ガール』のロリ・ペティ、『ドリームキャッチャー』のトム・サイズモアらも印象的だった一本。
そう言えば、キアヌに絡むチンピラサーファーの一人として、この頃何気に映画出演が多かったレッド・ホット・チリ・ペッパーズのアンソニー・キーディスも出ておりましたねぇ。

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きっかけはなんであれ、夢中になれるものが見つかるってのは幸せなこと

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posted by たお at 14:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 前にも観たアレ■は行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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