2015年10月10日

ウォーリアー (Warrior)

監督 ギャヴィン・オコナー 主演 ジョエル・エドガートン
2011年 アメリカ映画 140分 ドラマ 採点★★★★

人間関係全般に言えることではあるんですが、特に親子関係ってのは一旦拗れるとなかなか修復出来ないもんですよねぇ。感情的な大爆発が原因であるのであれば同等の大声謝罪でなんとかなったりしますが、湧水のように静かに堪っていった怒りなんかが原因だったりすると、そうそう解消することもなし。相手の存在が無価値となってるので、謝罪や和解ってのを端から求めてなかったりしますし

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【ストーリー】
飲んだくれで暴力的な父から逃れるため、母と共に家を出ていたトミーが14年振りに帰ってくる。しかし彼の目的は父との和解ではなく、近々開催される巨額の優勝賞金が掛かった総合格闘技イベント“スパルタ”に出場にあたり、父にコーチを依頼する為であった。一方、トミーの家出計画を知りながらも父のもとに残った兄のブレンダンは家庭を持ち教師となっていたが、難病を抱える娘の医療費がかさみ、家を手放さなければならないまでに追い詰められていた。そしてブレンダンもまた“スパルタ”に出場することを決意し…。

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総合格闘技をモチーフに、愛憎複雑に絡み合う家族の姿を描いた格闘人間ドラマ。スポ魂と濃い目の人間ドラマを好みとする『プライド&グローリー』のギャヴィン・オコナーが、製作・原案・脚本・監督を務める。
レスリングの名選手として父の寵愛を受けるが、アル中で暴力的な父から母親を守るため家を出たトミー。弟の様に父に愛されたいという思いと恋人の為に地元に残ったブレンダン。そして、去ってしまった息子たちとの絆を取り戻したい一心の父パディ。この三者の拗れに拗れまくった感情のぶつかり合いを、言葉と拳を交えコッテリと描いた本作。冷静になって素直にそこらのカフェで話し合えば済むだけなのに、それが金網に囲まれたオクタゴンでの死闘に発展してしまう、なんという男心の面倒くささ。この意地になり過ぎて哀愁すら漂う男の姿を見事に描ききってたなぁと。
また、トレーニング方法こそロッキーばりのアナログさだがリングに立つとドラゴ級の戦闘ロボと化すトミーと、アポロのような合理的トレーニングをしつつも戦いっぷりはロッキー級に泥臭いブレンダンといった、兄弟の性格や状況の違いをそのファイトスタイルの違いで描いていたのも興味深い。試合運びもドラマもややオーバーなギットリ高カロリーな作品ではありましたが、ギブアップのタップに全ての思いが込められてる爽やかな締めくくりが好印象ってのもあり、胃もたれなくスッキリ楽しめた一本で。

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置かれた状況がなんか『闘魂先生 Mr.ネバーギブアップ』みたいだったブレンダンに扮したのは、『遊星からの物体X ファーストコンタクト』のジョエル・エドガートン。雰囲気こそ優しげだが、アイルランドの暴れん坊みたいな顔立ちが“家庭人兼リングの野獣”ってキャラクターにピッタリ。ただ、濃い目のドラマにちょっと負けてしまう薄さが否めないかなぁとも。
そのジョエル・エドガートンに薄味の印象を与えてしまったのも、やはりトミーに扮した『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のトム・ハーディの強烈さゆえ。レスラーさながらの肉体もさることながら、反抗期をこじらせたかのような面倒くさいことこの上ない役柄が絶品。飲んだくれだった親父を責めようと思ったら禁酒しやがってるんで振り上げた拳の落とし所がなくなりオロオロ、親父は真人間になってるしお兄ちゃんもなんか幸せそうで「自分ばっか不幸!」とグズグズと、ひとりでなんでもかんでも背負い込む思春期真っ盛り。もう、見ていてだんだん愛らしくなってくるキャラクター。ワケあって記者会見しなければ試合後もそそくさとリングを去るのだが、それもだんだん「ただの照れ屋なんじゃないのか?」と思えてくる可愛らしささえ。こんなトム・ハーディを見れたってのが最大の収穫でも。
その他、老いてもそのタフさに陰りのない『ラン・オールナイト』のニック・ノルティや、教師の妻にしてはセクシー過ぎる『スター・トレック』のジェニファー・モリソン、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』のフランク・グリロに、コッテリめの作品に軽めの笑いをもたらしていた『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』のケヴィン・ダンらも印象的だった一本で。

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言葉で伝えれば済むだけのことが出来ないのが男の子

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posted by たお at 16:09 | Comment(2) | TrackBack(1) | 前にも観たアレ■あ行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
トムハ良かったですよねえ!
ドラマも、感動しちゃった
勝敗は正直ああコツコツ系が勝つんだろうな(兄貴)とは思ったのですが、弟トムハの強烈な一撃をもらっても倒れない強靭な肉体は一体ドコから…^;とも考えてしまう部分もある一品で。
父親、兄、弟、最後は全部昇華したような気がしてしまうラストは爽やかだったです
Posted by maki at 2015年10月11日 08:40
maki様、こんにちは〜♪
もう、後半になるとトミーが可愛くて可愛くて。背負った状況やドラマ展開を考えると兄が勝つのが必然なんですけど、その勝敗をしっかりドラマの締めくくりに合わせてるってのも良かったですねぇ。
Posted by たお at 2015年10月11日 09:51
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Excerpt: 【概略】 名選手として知られた父をトレーナーにし、格闘大会に挑むトミー。彼は、家族を守るために格闘家として復帰した生き別れの兄・ブレンダンとリングで再会する。 ドラマ 総合格闘技のリ..
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