2014年 アメリカ映画 81分 コメディ 採点★★★
「あそこの店員、態度スゲー悪いんだよねぇ」と酷い接客をされた経験を語る人って、色んなお店でそういう経験をしてるんですよね。ホントもう、至る所で。休み明けに会うと、まず休み中に行ったお店の文句。でも、自分が行った時のことを思い出すと、別にそんなに悪いお店じゃない。これでその不満を言ってる人の理想が高いだけなら良いんですけど、往々にしてそういう不満や経験が多い人って、その人の人柄に問題があったりも。その人の言動が問題を生み出し、その問題がその人に返ってくるみたいな。そんなことを、不平不満ばかりを口にする長女の姿を見ながら思った今日この頃。
【ストーリー】
12歳の誕生日を目前に迎えた、クーパー家の次男アレクサンダー。彼は、何をやっても裏目に出て上手く行かない日常と、何があっても前向きで幸せな日々を送っている家族に対し強い不満を持っていた。そして誕生日前夜、そんな自分の不幸を家族にも味あわせたいと一人祈るアレクサンダー。すると、その願いが叶ったかのような不幸の連続がクーパー家を襲い始め…。
ジュディス・ヴィオーストによる同名児童本を、TVを中心に活躍するミゲル・アルテタが映画化したファミリー・コメディ。製作に『インターンシップ』のショーン・レヴィや、ジム・ヘンソンの娘リサ・ヘンソンの名も。
ディズニーらしいというか、一昔前でいうところのブエナビスタっぽい当たり障りなくそつのない作りと、子供が巻き起こす騒動で一家が団結していくという、ジョン・ヒューズがプロデュースした佳作の数々を思い起こさせるテーマで描かれた本作。とどのつまり「ポジティブに!」「家族大事!」「なにはともあれポジティブに!」と元気の押し売りをしてるだけの作品ではあるんですけど、要所要所に挟まれた笑いの丁度良さと、けっこうな苦境なのにそうは感じさせないウェルメイドさもあって、サクっと楽しめる一本に。押し売りではあるけど、「さぁ!みんな一緒に手をつなごっ!」的な圧迫感やあざとさがないってのも好印象で。
タイトルになってるアレクサンダー役のエド・オクセンボウルドに可愛げもへったくれもないってのは辛いんですが、置かれた状況を耐え忍んでいる悲しみが滲み出てた『フォックスキャッチャー』のスティーヴ・カレルの存在がそこを存分にカバー。ペーソス溢れたローギアの笑いから、唐突にトップギアの笑いへと変貌する芸達者っぷりを堪能できたのも嬉しい。
また、『ウソから始まる恋と仕事の成功術』のジェニファー・ガーナーや、『プリズナーズ』の時同様に根の良い子さが出てたディラン・ミネット、『マネーボール』のケリス・ドーシーらもなかなか印象的で。
そんな中でも、劇中ではヒール扱いだけど、考えてみれば家族じゃないのに騒動に巻き込まれる被害者でしかないセリアに扮した、『子連れじゃダメかしら?』のベラ・ソーンのゴージャスで挑発的な美しさが強烈な印象を残してたなぁと。
釣り合わない彼女を繋ぎ止める努力って大事だと思うんですけどねぇ
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