1995年 アメリカ映画 100分 ファンタジー 採点★★★★
オバケのマンガといえば、頭に毛が三本で犬が大嫌いなアイツを真っ先に。せいぜい靴に化けるくらいしかできない毛が三本を見る限り、「オバケになっても大して面白くもなさそうだなぁ」と。ただ、“おじゃまユーレイくん”を見ると、「うん!オバケもいいかも!」とも。いや、別にお風呂を自由に…なんでもないです。
【ストーリー】
相続した幽霊屋敷に隠された財宝を狙う性悪女キャリガンに幽霊退治を依頼されたゴースト専門の精神科医ハーヴェイは、愛娘のキャットと共にその古い屋敷に移り住むと、早速現れた心優しいゴースト、キャスパーとキャットは仲良しに。そんな中、キャスパーは失われていた生前の記憶を取り戻し、財宝の隠された場所を思い出すが…。
大人気TVアニメを最新の技術で映画化するも、下手にリアル志向に走らずマンガの良さをそのまんま残したキャスパーらゴーストたちが魅力的な一本。
ギミック満載のオバケ屋敷探検の物語に思春期の恋愛物語を巧みに織り交ぜ、小気味のいいテンポで繰り出されるギャグを随所に挟み込むことで飽きることのない100分。『地獄の黙示録』や『ゴーストバスターズ』等の豊富な映画ネタや、非の打ち所のないゲス振りが堪らなく面白いキャスパーの伯父三人衆の活躍を脳天気に楽しませつつも、キャスパーがゴーストになった経緯や、ハーヴェイがゴースト専門の精神科医になった経緯が人の死に関する問題なだけあって思いのほかヘヴィーで、作品に良いアクセントを与えている。亡き妻との再会などの感動ポイントの置き方もさり気なく、多少とっ散らかってる印象もないわけでもないが、さすが“安心印映画”のアンブリン作品らしい楽しさに満ち溢れた一本になっている。まぁ、会って2日目にいきなり「ずっと一緒だよ」と言われるのは相手が人間でも怖いが、幽霊に言われるのは尚更怖い気もしましたが、アメリカのオバケはやっぱり掃除機に弱いってのを確認できたので、満足度も高い。
CGで作成されながらも丸みと柔らかさが非常に魅力的な造型と、見た目と声質が見事に一致したゴーストたちが主役の一本ながらも、生きてる方々の存在感もなかなかのもの。『ゴーストバスターズ』まんまのキャラで登場するダン・エイクロイドや、メル・ギブソン、クリント・イーストウッド、ロドニー・デンジャーフィールド、果ては『ハリウッド・ナイトメア』のクリプト・キーパーまで顔を出す豪華なゲスト陣に話題も集中したが、考えてみれば笑ったシーンの全てがこの人のシーンだったと気付かされるモンティパイソンのエリック・アイドルや、“悪女”を英語に変換するとこの人の名前になるんじゃないかと思うほど悪女が様になっていたキャシー・モリアーティなど、脇を固めるキャストもなかなかの迫力。もちろん、当時14歳だった顔の半分が額で残りのスペースに全てのパーツが集まったクリスティナ・リッチの、ゴスの香りとアイドル臭が絶妙なバランスで混ざり合った危うげな可愛らしさも絶品。ここから先は、ゴス臭が全面に打ち出されるんですが。また、どんな作品で観ても、私の中では常に『スペース・ボールズ』のローン・スターに変換されてしまうビル・プルマンなのだが、宇宙人には滅法強い彼でも、『THE JUON/呪怨』同様オバケはすこぶる苦手なようで、今回も見事なやられっぷりを披露。ローン・スター好きを裏切らない活躍で。
観る前にあった期待を大きく外す事のない作品ではあるのだが、あんだけ可愛かったキャスパーが人間の姿になると『ファイナル・デスティネーション』のデヴォン・サワになっちゃうのはどうにもこうにも。
憑依?
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